日経記事;『ベンチャー企業、起業後すぐのアジア進出相次ぐ』に関する考察 [海外進出・海外移管]
2011年12月5日
皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。
12月5日付の日経新聞に、『ベンチャー企業、起業後すぐのアジア進出相次ぐ』のタイトルで記事が掲載されました。
本日はこの記事に関して考えを述べます。
記事の主な内容は以下の通りです。
『起業から間もないベンチャー企業が、活動の中心をアジア市場に置くケースが出始めている。市場の拡大が見込みづらい日本より、旺盛な需要があるアジアの成長力を取り込んだ方が、早い段階で事業を軌道に乗せやすいとの判断がある。
国内市場で力を蓄えてから海外進出を果たす、従来の企業成長シナリオに変化が生まれている。
今年1月に会社設立した、モバイル端末用ゲーム制作のワンオブゼム(東京・目黒、武石社長)は、年末までにシンガポールに現地法人を立ち上げる。スマートフォン(高機能携帯電話)向けゲーム1~2本を英語で公開し、シンガポールやマレーシア、タイなど東南アジアでの事業を展開する。
武石社長はサイバーエージェントから独立。国内向けにも一部ゲームを提供しているが、主力市場は当初から東南アジアと位置付けている。
国内や米国ではモバイルサービス分野で規模の大きな企業が先行しており、ベンチャー企業が後発組として参入しても成長余地は限られている。これに対し「黎明(れいめい)期の東南アジアなら、市場の成長をベンチャー企業が取り込めるチャンスがある」(武石社長)という。
日本に活動拠点を置かず、いきなりアジアで事業展開を始めた日系企業もある。電子商取引会社、ベガコーポレーション(福岡市、浮城社長)はソーシャルゲームを開発する子会社、ヌービーを昨年、シンガポールに設立した。
アジアで事業展開するうえで、課題となるのが言葉の壁。このためベガは「英語と中国語の両方が使える人材が豊富な」(浮城社長)シンガポールに拠点を置く。ヌービーの社員は約70人で日本人は数人にとどめた。
アニメやファッション、食など海外で人気の高い日本文化「クール・ジャパン」を事業に生かそうという動きも出てきた。優れたデザインのかばんや家電製品を製造、販売するロノフ・東京(川崎市、臼木社長)は11月に起業したばかり。
十数人の日本人工業デザイナーと中国の生産工場を結びつけ、洗練されたデザインの製品を中国で売る。
「デザイン性の高い製品を安く売れば、成長市場で新たな需要を生み出せる」(臼木社長)。早ければ年内にも上海に現地法人を設立、バッグやアクセサリーなどを製造・販売する方針だ。
人材の確保と資金調達の両面で、日本よりアジアに本社機能を置いた方が得策と判断した企業もある。昨年1月に設立した、クラウドコンピューティング技術を開発するミドクラジャパン(東京・港、加藤社長)は10月にミドクラから社名を変更した。
本社機能はシンガポールに移し、日本法人を海外の持ち株会社の傘下企業に再編したためだ。加藤社長は「グローバル企業になるには人材や資金を世界中から募る必要がある。それには日本にとどまるより、シンガポールの方が都合がよい」と言う。』
製造業の場合、消費地に近いところで現地仕様にあった製品を製造・供給するやり方が普及しています。本日の記事は、製造業でない、ITやソフトウエアやコンテンツ関連企業の間でも、日本を飛び出して海外で起業し、事業する企業が現れていることを示しています。
この傾向が強まることを期待します。私の駐在経験も含めて申しますと、一般的に東南アジア(シンガポール、マレーシア、香港、タイなど)は日本人にとって生活し、事業がしやすい地域です。
・社会、経済、政治体制が日本と似ている
・反日的でない
・比較的良質な人材を集めることが可能
・給与が日本より安い、など
の要因が理由です。
また、日本との時差が1時間でほとんど差がないことも日本と関係する事業を行う上で、活動しやすい環境となっています。
日本企業が現地で事業を行う場合、通常英語が公用語となります。その点からみますと、シンガポール、マレーシア、香港では英語が標準語の一つなっていますので、人材確保の点では問題ありません。
国内企業の中には、現地採用の条件に日本語を話せることをあげているところがあります。一般的に日本語を話せる人の数は少なく、日本語を話せれば優秀な人材とは限らないケースも多いのが実情です。
また、日本語を話せるだけで給与が高くなり、需要が高いため、他社からの引き抜きも多く、転職率が通常より高くなる傾向があります。
アジアに進出した企業が現地にしっかりと根を張るには、少なくとも英語を公用語した方が良く、日本語にこだわらないことが必要です。
記事に登場した企業は、成長する市場で起業⇒事業立上を行い、初めから英語と現地語を公用語として使っています。この姿勢が大事です。
人材確保の点では、課題があります。現在、シンガポールや香港には、多くの国内及び海外企業が進出しており、優秀な人材を奪い合う事態になっています。
現地人は、優秀な人材ほどチャレンジ欲が強く、彼らにとっての外資系企業を渡り歩いて(転職して)、キャリアを積み上げる傾向が非常に強いのが一般的です。
国内企業が、現地で起業⇒事業立上を行うことを積極的に行うべきです。成長する市場で事業を行うことは基本の一つです。
勿論、事前に市場性や規制、法体系など調査・確認することは必要です。やみくもに海外に出れば全てうまくいくような甘い環境ではありません。
多くの事前確認と準備を周到に行う必要があります。
その中で、現地で安定した事業を行う条件の一つに、優秀な現地従業員の定常的な確保があります。給与体系だけでなく、優秀な社員には管理者や幹部登用へのキャリアパスを明確に提示・説明することが肝要です。
それを実現する人事体系を事前に作っておくことをお勧めします。
私も海外駐在中に、現地人の安定確保に苦労した経験を持っています。
これをきちんと行わないと、何時まで経っても優秀な現地人の安定確保が出来ないリスクが高まります。
よろしくお願いいたします。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁










じり貧の日本では無く海外に積極的に出ている動きに触発されます。私自身もAPACの良きパートナー獲得の為に日々楽しく動いております。
by Toshikazu Masane (2011-12-07 11:47)