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日経記事;『ふ化よりも育成 変わる自治体のベンチャー支援』に関する考察 [ベンチャー・中小企業支援]

                   2012年2月13日

皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

2月12日付の日経電子版に、『ふ化よりも育成 変わる自治体のベンチャー支援 資金提供型から経営参加型にもシフト』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『自治体のベンチャー支援が、長期的視点で育成をめざす形に変わりつつある。従来は資金提供が中心だったが、販路開拓など経営参加型の支援や自治体が進めるプロジェクトと連動するタイプが目立ってきた。

円高などで産業空洞化が進み、ベンチャー投資や起業マインドが冷え込む中、官民共同による手厚い支援で地域経済の活性化につなげようとしている。

出資総額105億7500万円。広島県が設立した官民ファンド「ひろしまイノベーション・ファンド」は、ベンチャー企業などを投資対象とした自治体ファンドとして最大級のものだ。県自ら40億円を出資した1号ファンドが呼び水となり、昨年11月末には広島銀行、中国電力、中電工、マツダなどの出資により65億円規模の2号ファンドが組成された。

従来のファンドと違いベンチャー企業の創業期よりも発展期、成長段階に入ったところに数億~十数億円規模を投資する。経営参加型で販路開拓など多面的に支援しつつ、回収手段もIPO(新規株式公開)だけでなく、M&A(企業の合併・買収)、経営陣による株式買い戻しなど間口を広げる。ファンドの運営も民間の業者に委ねず、県が全額出資して運営会社を設立した。

「地元の経済状況を理解する人間が常駐し、本当に必要な事業資金の提供、経営支援を行える体制を整える」(県産業革新プロジェクト・チーム)狙いで、3月までに出資第1号案件をめざす。

運営会社に全額出資しているため、地方自治法上、議会に対し事業計画、予算書、貸借対照表、損益計算書、事業実績報告書などの書類提出が義務付けられている。大型ファンドだけに議会などから投資先や運用についての懸念は根強いが、県は投資先企業の売上高・雇用拡大などを検証・評価し、議会に適時報告する考え。自治体の新たなファンド運営・責任モデルとして注目される。

。。。。。。。。。。

自治体がリスクを伴うベンチャー支援を強化するのは、地域の産業がさらに衰退する前に活路を拓くためだ。ただ、経済環境が厳しいだけにファンドの情報開示などに加え、明確な産業振興策、官民あげた支援体制作りなどが、これまで以上に必要となりそうだ。』

上記記事は自冶体が新規起業を支援する新しい試みとして興味があります。今までの支援策は、記事にありますように、融資や助成金の提供がメインでした。

私自身もベンチャー支援しています。その経験を含めて考えますと、起業自体はそれほどハードルが高くありません。

難しいのは、起業後の事業継続です。事業継続する上で最大の難点は集客や販路開拓です。お客さえいれば何とか、事業継続が可能になります。

勿論、記事にありますようにベンチャー企業家の経営スキルの未熟さのゆえに、資金繰りや売掛金回収などの課題解決も重要だと考えますが、集客さえできていれば何とか日銭を稼ぐことが出来ますし、この分野の専門家支援があれば解決可能です。

日本では、毎年中小企業庁が発表する「中小企業白書」や東京商工リサーチが行っている「中小企業実態調査」などをみますと、1980年代以降、中小企業の「廃業率」は「開業率」を上回っています。

廃業する理由の1位と2位は、「需要が頭打ち」と「競走が激しい」となっており、売上の減少と確保の困難さが主要因を占めています。

また、ベンチャー企業の経営者から依頼される案件の多くは、販路開拓です。多くのベンチャーが集客に苦しんでいます。

この観点からみますと、記事にあります「ひろしまイノベーション・ファンド」は、事業継続と拡大のために資金提供だけでなく、経営に参画して販路開拓などの支援も行うものですので、新しい試みとして注目されます。

開発型のベンチャーの場合、資金確保も重要な課題ですが、民間のキャピタルファンドはなかなか資金を提供してくれません。これはほとんどのキャピタルファンドが資金回収をIPOによって行おうとしているためです。

私も何回かベンチャー支援のためキャピタルファンドと資金提供の交渉をしましたが、ほとんど融資してくれませんでした。国内ではIPOが難しい状況が続いていることに因ります。

「ひろしまイノベーション・ファンド」の場合、回収手段もIPO(新規株式公開)だけでなく、M&A(企業の合併・買収)、経営陣による株式買い戻しなど間口を広げる。ファンドの運営も民間の業者に委ねず、県が全額出資して運営会社を設立したとのこと。

広島県は、運営会社に全額出資しているため、監督責任があり、透明な事業運営を行う必要があります。これは、運営会社に全て任せることではありませんので、県と運営会社が緊張感を持って、ベンチャー支援を行う体制になります。

この仕組みがうまく機能すると、地元のベンチャー育成に効果を発揮します。更に、上手く行かせるためには、仕組みと共にこの仕組みを機能させる有能な人材の確保が必要です。

公的な支援機関では、「中小企業診断士」などの公的資格をもった多くの専門家が支援担当として活動しています。

もし、これらの専門家をそのまま運営会社で使うとすると、上手く行かない可能性があります。運営会社でベンチャー支援する人達は、中小企業の会社経営や実際に今まで多くの中小企業支援をしてきた経験を有する人達を中心に構成した方が上手く行きます。

中小企業活動での事業経験がベンチャーや中小企業支援では極めて有効です。集客や経営スキルなどが未熟な経営者にとって「大きなお助け人」になるからです。

「ひろしまイノベーション・ファンド」のような取組が他の自冶体で広がって、国内に多くの起業家を育てていけば、国内活性化の起爆剤の一つになることは間違いありません。

今後の活動と成果に注目し期待します。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁


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