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日経記事;『海外進出企業の7割、現地で知財など法務トラブル』に関する考察 [各種契約行為のポイント]

                                                                   2010年12月14日

皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

12月14日付の日経新聞に、『海外進出企業の7割、現地で知財など法務トラブル 訴訟・紛争、米中で多く』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。


『主要な海外進出企業の7割以上が現地で訴訟や紛争などの法務トラブルを抱えていることが、日本経済新聞社が13日まとめた「企業法務・弁護士調査」で分かった。国別では米国と中国が群を抜き、訴訟・紛争を抱える企業の約6割に上る。案件は知的財産権問題が多い。内需低迷を背景に新興国など海外市場開拓の重要性が一段と増すなかで、法務リスクへの対応が不可欠であることが浮き彫りになった。

海外で事業展開する117社に現地での法的なトラブルの有無を聞いたところ、72%が「生じている」と答えた。1~3年前と比べトラブルが「増えている」のは48%、「変わらない」(45%)を上回っている。

法務トラブルが生じている国・地域は、米国(62%)、中国(58%)、欧州(36%)、中国・インドを除くアジア(23%)、インド(6%)ブラジル(6%)。

理由は、当該国・地域(複数回答)で「ビジネス上のかかわりが深まっている」(81%)、「法令の運用が不透明」(66%)が多い。

訴訟・紛争の内容は、米国では知財問題(44%)、製造物責任問題(37%)、中国では知財問題(45%)、労働問題(41%)が高い。米国では日本企業を標的とした特許訴訟が盛ん。中国では、海賊版商品による特許権・著作権侵害が多い、また労働争議が09年に60万件と3年前から倍増した。
欧州では、独占禁止法問題(30%)と目立つ。。。』


国内企業が海外に出ていく場合、直面する問題の一つが法務トラブルです。

米国では、知財問題のトラブルが多いですね。一番多いのは、記事の中にある通り特許訴訟で、日本企業がある程度売上を伸ばした後に、「特許侵害」で訴えて高い和解金などの獲得を狙うやり方です。
いわゆる「特許ゴロ」が横行しています。

中国では、海賊版商品による紛争が多いです。中国の中では、未だに「模倣は罪ではない」的な考えを持っている人が多くいるのが実情です。また、労働者の権利を規定する労働契約法が08年に施工されたあと、労働争議が増えています。

欧米を含めた大手企業の場合、社内弁護士の増員も含めて法務担当部などの強化を図り、リスク管理や法的対応の強化を図っています。

中小企業の場合は、上記大手と同じ対応は出来ません。自社内に多くの法務担当者を持つことは難しいので、外部に顧問弁護士などの専門家と契約して対応するのが通常だと考えます。

全ての業界や国・地域に精通した外部専門家は、いません。
従って、自社の業界や事業を行っている国や地域に精通した専門家を探しておき、必要な場合当該専門家の力を借りて対応することが必要です。

また、海外企業と契約する場合、その内容を専門家や良く理解できる人に吟味・検討してもらい、自社に不利にならないように、条文を作成することが肝要です。
法的紛争になった場合、契約書の内容が重要になります。

一般的に中小企業が結ぶ契約書は、以下のようなものになると考えます。

・機密保持契約(NDA)
・ラインセンス契約
・売買契約
・共同開発契約
・業務委託契約、など

海外企業との契約は、英語版で作ることが多いと思います。
自社に不利にならない契約書を作るため、英語による契約締結までの交渉も重要です。

自社に適当な社員がいない場合、英語による交渉が出来る外部専門家の助けを借りて行う必要があります。

契約書の内容を自社に不利にならないようにすれば、上記法的紛争になるリスクをかなり下げられます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁


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11.ライセンス契約のポイント [各種契約行為のポイント]

                                 2007年1月8日


今回は、ライセンス契約の最後の項目 (10)その他雑則 について述べます。

その他雑則には、ライセンス契約の条項のうち、今まで説明して来ました項目に含まれていないものをまとめて規定します。

この項目に入れる内容は、個々のライセンス契約ごとに異なりますが、例えば以下のような事項が対象になります。

A. ライセンシーは、当該ライセンス契約でライセンサーから使用許諾された非独占的権利を第三者に譲渡、或いは、第三者への再実施の許諾を禁止する。

B. ライセンサーは、ライセンシーが当該ライセンス契約に基づいて実施する際、第三者の知的財産権の実施の不必要性を保証しない。

C.ライセンサーは、当該ライセンス契約に従ってライセンシーが一旦支払ったお金は、理由の如何を問わず返却しない。

D.ライセンシーは、当該ライセンス契約に従って事業を行う際、日本及び各国における著作権保護、輸出入管理に関する法令を遵守し、ライセンシーの責任において必要な許認可を取得する。

E.ライセンサーとライセンシーは、当該ライセンス契約に定めていない事項や、疑義が発生した場合、両者は誠意を持って協議する。

F.両者の協議によって解決できない場合、XX裁判所(例えば、東京地方裁判所)を専属管轄裁判所とする。など

今回の記事を持って、一応ライセンス契約のポイントについての説明は終了します。 

今回の或いは今までのライセンス契約に関する記事について、ご関心或いはご質問がある方は、私まで下記アドレスにeメールにてご連絡下さい。

 bzsupmy@nna.so-net.ne.jp

私は、すぐにはご回答出来ない場合もありますが、24時間以内にはご連絡します。

よろしく御願いします。

以上、


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10.ライセンス契約のポイント [各種契約行為のポイント]

                               2007年1月3日

皆さん、明けましておめでとうございます。
毎回、私のブログを読んで頂き有難うございます。
本年もよろしくお願いします。


今回は、ライセンス契約の中の (9)終了(契約解除)条項 について述べます。


終了(契約解除)条項は、ライセンサーから見ますと、ライセンシーが契約違反したりビジネス環境がライセンサーにとって大きく変わった為、ライセンス供与を継続することが困難になる事に備えて設けておくべき防止策です。

ライセンシーの立場から見ますと、ライセンサーの都合で一方的に契約終了されますと自社のビジネスに大きな影響が出る可能性がありますので、この条件設定は慎重に行う必要があります。


一般的に、ライセンサーから見ました終了(契約解除)条項としてあげられる条件については以下のようになります。

A. ライセンシー若しくはライセンシーの子会社が機密保持義務に違反したとき
B.ライセンシーがライセンス契約で規定された条項に違反し、ライセンサーが一定期間の間に警告しても改善が見られないとき
C.ライセンシーの財産について、差押え、仮差押え、仮処分、競売などの申し立てを受けたとき、若しくは、滞納処分を受けたとき
D. ライセンシーより破産、民事再生手続き、会社整理、会社更生手続き開始などの申し立てがあったとき、若しくはそれらの恐れがあるとき
E. ライセンシーが支払い不能状態におちいる、又はその恐れがあるとき
F.ライセンシーが監督官庁より営業停止又は、取消しなどの処分を受けたとき
G.ライセンシーが解散、合併又は営業の重要な部分を譲渡したとき


上記条件は、ライセンサーにとってはどれも重要なもので、ライセンシーがどの条件にあたっても、ライセンス契約を終了するメカニズムを契約の中に入れておく必要があります。


例えば、M&Aが日常的になりつつある昨今、ライセンシーがライセンサーの競合他社に買収されてしまう可能性があります。このときに、上記G項の条件は、ライセンサーにとって自社の利益を守る観点から非常に重要な意味を持ちます。


ライセンシーの立場から見ますと、ライセンサーのほうにあまりに有利な条件設定は、ライセンサーの都合でライセンス条件を終了されてしまいますと、突然にビジネスの継続が出来なくなる事態が発生します。
上記条件設定の交渉の過程では、ゆるやかな条件になるよう粘り強く対応する必要があります。

この条件設定は、ライセンサーとライセンシーの力関係で決まることも多々あります。

 

次回は、ライセンス契約の最後の項目 (10)その他雑則 について述べます。

 

今回の記事について、ご関心或いはご質問がある方は、私まで下記アドレスにeメールにてご連絡下さい。

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私は、すぐにはご回答出来ない場合もありますが、24時間以内にはご連絡します。

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9.ライセンス契約のポイント [各種契約行為のポイント]

                             2006年12月26日

今回は、ライセンス契約の中の (8)契約期間条項 について述べます。


ライセンス契約の契約期間は、ロイヤルティーの支払い期間と一致しますから、非常に重要な規定の一つです。

「特許」のみのライセンス契約の場合は、契約期間は「対象特許そのものが消滅するまで」とします。

もし、特許の有効期間よりも、契約期間が短い場合、契約満了後も当該特許を使用した製品の販売を続けると“特許侵害”になります。
この場合、再度、ライセンス契約を結ぶ必要性が出て来ます。

このような、ライセンサーとライセンシーの双方に無駄な労力を強いることになりますので、特許の有効期間とライセンス契約の期間は一致させておくことをお薦めします。

逆に、特許が満了した後も、ライセンサーがロイヤルティーの支払い義務を課すことは“独占禁止法違反”となる可能性が高くなります。

 

「ノウハウ・ライセンス契約」の場合、


必ず“10年”とか“15年”という明確な契約の有効期間を記載します。私が今まで携わった契約では、基本的には10年間の期間を設定しました。

10年後に、ライセンシーからライセンス契約の延長を要請された場合、新規に契約を締結することにしています。この時、ロイヤルティも見直すことになります。

又、ライセンシーの立場から言っても、契約の期限の無いライセンス契約を結ぶのは、非常に高いリスクを持つことになります。そのノウハウを使用する限り、永久にロイヤルティーを支払わねばならなくなります。

アメリカでは、「永久にロイヤルティーを支払うという契約も合法である」という、有名な判例が過去に出されました。


契約の契約期間を10年間とする場合、ライセンシーの立場とライセンサーの立場で各々の見方について述べます。


ライセンシーの立場では、「10年経過した後は、ライセンスは支払い済み、して、その後は、ロイヤルティーを払わずに、自由にそのノウハウを使用できる」とする条項を入れる必要があります。

最悪の場合、10年経ったら、ライセンサーは、新規契約を拒否しますと、当該ノウハウを使用出来なくなるリスクがあります。


ライセンサーの立場からは、特許とノウハウの両方をライセンスする契約の場合、「最後の特許が消滅する時か、契約日から10年経過した時のいずれか遅い方」と、その有効期間を二者択一とする事が望ましいです。

特許が成立しなかったり、特許が早期に無効になってしまった場合でも、最低限10年間分のロイヤルティーを確保出来ます。


勿論、上記契約期間の設定内容は、ライセンサーとライセンシーの力関係で双方とって望ましい条件でなくても、妥協せざるを得ない事も多々あります。

しかし、通常ライセンス契約は、10年以上の長期にわたる契約になりますので、契約期間の扱いは、ライセンサー・ライセンシーの双方とも知恵を最大限出して、自社の経営に影響が出ないように、慎重に設定する事が肝要です。

 

次回は、(9)終了(契約解除)条項 について述べます。

 

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8.ライセンス契約のポイント [各種契約行為のポイント]

                            2006年12月22日

今回は、ライセンス契約の中の (7)保証条項 について述べます。

保証条項は、端的に言いますとライセンサーが、特許やノウハウの実施許諾をライセンシーに与える時に、保証しない事項を記述し、ライセンサーの立場をまもるためのものです。

例えば、無償のソフトウエアをWebサイトからダウンロードしようとすると、供給先から当該ソフトウエアについて制限保証に対する"同意"を求められます。

以下のような内容が出ていると思います。

””XXソフトウエアは、一切の保証または条件を伴わずに現状で使用許諾されるものとし、本ソフトウエアのもたらす成果や機能についてのリスクはすべて購入者に負担していただきます。
本ソフトウエアの使用、及びその成果の的確性、正確性、信頼性または最新性等に関して、いかなる明示または黙示の担保責任も負担しません。 など””


上記の例の場合は、お客さんが無償ソフトウエアを使用する場合、そのソフトウエアを使用する時に、不具合や色々な問題が発生したとしても、お客さん側で全て自己責任で行って下さい、と言っているわけです。

無償ソフトウエアの場合、一般的には無償だから"しょうがないかと"と言うことになりますね。


しかし、通常のビジネスでは、ライセンス契約は有償で締結されますので、上記
無償ソフトウエアのように”しょうがない”ではすまされません。

ライセンス契約を締結する場合、ライセンサー、ライセンシーの双方が納得のいくまで確認して、保証条項の内容をきちんと契約に盛り込む必要があります。

例えば、ある特許をライセンスする場合、ライセンサーは特許の実施許諾をするに際し、ライセンシーが当該特許を使って実施する時に、第三者の特許やパテントなどの知的財産の実施を必要としない事を保証しない、旨制限をかけます。

これは、第三者がライセンシー当該特許やノウハウを実施する時に、必然的にうちの特許を使う必要があるので、ライセンス料を払いなさい、或いは、実施の指し止めを要求されたとしても、ライセンサーの責任ではないので、ライセンシーが解決しなさい、と言っています。

 

どのような保証条項を入れるかは、ライセンサーとライセンシーの力関係により決まる事もあります。

ライセンシー側の立場で考えますと、実施許諾される特許などに関して第三者からクレームが入りそうな感じがする場合、ライセンサーに有利な保証条項の撤廃や緩和を要求する必要があります。

どうしてもライセンサーとの条件設定が上手く行かず、リスクが高いと判断する
場合、ライセンス契約を結ばない、選択肢も考える必要があります。

 

又、第三者が当該特許に対して侵害しているとクレームする場合への対処方法、内容も保証条項の大きな一つになります。

通常、ライセンサーの立場で考えますと、ライセンシーが特許侵害などで告訴されたりしましと、莫大な費用発生が伴う事になりますので、基本的なライセンサーのスタンスは、制限保証を設けてライセンシー側で対応しなさい、と言う事になります。

但し、ライセンシー側はこれではたまりませんので、当然のごとく、第三者から特許侵害のクレームがあった場合の保証を求めます。

この条件設定は、ライセンス契約交渉の中でも難しい一つになる事がたびたびあります。
この時、私の経験では、ライセンサーが最大限金額面で保証出来る範囲は、当該ライセンス事業からのライセンス収入の上限までだと考えています。

もし、ライセンシーが無制限の保証を強く求めてきて譲歩を引き出すのが難しい場合、リスクが高いと判断する時は、先に述べましたようにライセンサーはライセンス契約を結ばない決断も必要になります。

 

次回は、(8)契約期間条項 について述べます。

 

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7.ライセンス契約のポイント [各種契約行為のポイント]

                              2006年12月14日


今回は、ライセンス契約の中の (6)秘密保持条項 について述べます。

(6)秘密保持条項では、ライセンサーがライセンシーに対して遵守すべき秘密保持を規定します。


この条項の目的は、ライセンス契約に関わる全ての事項を秘密保持して第三者に知られないようにして、自社の利益・権益を守ることにあります。

ライセンス契約の存在や内容を第三者に知られた場合、ライセンサーが新規にライセンス契約締結を行う場合、著しく不利益をこうむります。最悪の場合、新規にライセンス契約を結ぶことが出来なくなります。

 

具体的な内容としては、ライセンス条件下で開示しましたノウハウや特許、ライセンス対象となる技術や関連する全ての情報、ライセンス条件やその他ライセンス契約の内容などが対象となります。

開示したノウハウや特許などは、ライセンス契約で明記された目的以外には使用しない事も秘密保持条項の中に入れる事もあります。

又、ライセンサーとライセンシーがライセンス契約を結んでいる事自体も秘密保持の対象になります。

ライセンシーがどうしても開示する必要がある場合は、ライセンサーの事前の書面による承諾を得ることを条件として入れます。

秘密保持期間は、ライセンス契約の有効期間中及び契約終了後3年から5年間とします。


次回は、(7)保証条項 について述べます。

 

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6.ライセンス契約のポイント [各種契約行為のポイント]

                                 2006年12月10日

今回は、ライセンス契約の中の (5)報告及び支払い条項 について述べます。

(5)報告及び支払い条項では、ライセンシーがライセンサーに支払うロイヤルティの支払い方法と、ロイヤルティ金額の元となる対象製品などの販売実績台数などの報告内容や方法などについて定めます。

ここで注意すべきことは、ライセンサーはライセンシーから支払われるロイヤルティ金額の妥当性検証と、支払いの方法について確実におさえておく事です。


通常、支払いは、ライセンシーはライセンサーが指定する銀行口座に振り込みます。
この場合、ライセンシーは、ロイヤルティに賦課される消費税も含めて当該口座に必要金額を振り込みます。

一定期間内に支払われなかった場合、支払われるまでの期間、日歩でxx銭の延滞利息を課する方法もあります。
但し、この条件設定は、ライセンサーとライセンシーの力関係で出来ないこともあります。

 

ライセンサーは、この振込み金額の妥当性を継続的に検証するため、振り込まれる前に、ある一定周期での販売実績数量などの報告義務をライセンシーに課します。

報告書は、3ヶ月或いは6ヵ月毎くらいの周期で発行してもらうよう、ライセンシーに義務付けます。

ライセンサーは、ライセンシーからの報告内容に疑問がある場合、ライセンシーが提示した報告書に監査出来る条項をライセンス契約の中に盛り込んでおく事が肝要です。

監査するためには、ライセンシーがライセンス契約の有効期間中及び契約終了後、例えば2年間は報告書の内容を監査できる条項を契約の中に盛り込んでおく必要があります。

ライセンサーはライセンシーからの報告書の内容やフォームをきちんと明示し、ライセンシーがそのフォーム従って報告するよう義務をライセンス契約の中に盛り込む必要があります。

 

次回は、(6)秘密保持条項 について述べます。

 

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5.ライセンス契約のポイント [各種契約行為のポイント]

                              2006年12月3日

今回は、ライセンス契約の中の (4)ロイヤルティー条項 について述べます。

ロイヤルティーとは、ライセンスの対価を表します。即ちライセンス料率の設定がロイヤルティ条項の骨格となります。

「ライセンス料」は、一般的に以下の二つで構成されます。


◆頭金;One-time Payment:ライセンス契約時に支払う金額

⇒ライセンス契約の交渉や準備した資料、秘密情報の開示やサンプルの開示などでライセンサー側には、ある程度の負担が生じています。

頭金は、これらの負担分をカバーするのを目的に支払いを求める、金額と理解すれば良いと考えています。

また、もしライセンシーの製品が全く売れなければ、製品売り上げからのライセンス収入は0円になりますので、最低要したコストの回収と言う観点からも、頭金の支払いを求める事を基本にしたほうが良いです。


◆ロイヤルティー;Running Royalty:「許諾製品」の売り上げをベースに支払う金額

⇒通常は、「許諾製品」の売り上げをベースに設定します。

「許諾製品」を「最終製品とするのか、あるいは当該部品とするか」で、売上金額そのものが大きく変わってきますので、この定義の仕方は重要です。

「ロイヤルティー」の計算の仕方では、「3%、5%とが、安いのか、高いのか、或いは妥当なのか」という利率に関する議論が交渉の過程で討議されます。

同時に、或いはもっと重要なのは、利率よりも、その算定ベースが、何に対するものなのかを優先して明確化する事です。

基本は、上記しましたように、「最終製品」の売り上げをベースにする事です。
最終製品をベースにするか、当該部品をベースにするかで、「ロイヤルティー」金額は大きく変わってきます。


他の方法としましては、製品の価格がほぼ一定になると推定できる場合は、「製品1個につきyy円」という設定の仕方があります。


また、ロイヤルティーの交渉に決着がつかない場合、選択肢の一つとして、業界での常識的な相場水準を適用する方法もあります。

勿論、ロイヤルティーの設定には、最終製品の売り上げ金額を予測し、ライセンス収入の全体額を計算して、今までに要した投資の回収が可能かどうかと言う、必要最低限の条件を明確化する基礎計算は必要です。

その計算結果をもとに、ライセンシーと交渉して、ロイヤルティーを決めることになります。

ライセンス契約は、短くて数年から10年、20年と続く契約になりますから、一方だけが得をして、他方が大損をする契約条件を提示してもお互いに、”Win/Win”の関係になりません。

ライセンサーはこの点も十分考慮して、ロイヤルティの設定を行う事が肝要です。
ほどほどの条件設定がお互いにハッピーなれます。
経験が語っています。はい。


次回は、(5)報告及び支払い条項 について述べます。


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4.ライセンス契約のポイント [各種契約行為のポイント]

                             2006年11月25日

今回は、ライセンス契約の中の (3)許諾条項 について述べます。


「許諾条項」は、ライセンス契約書で最も重要な条項の一つでライセンス契約の中で屋台骨に相当します。

ライセンサーはライセンシーに対し、”当該特許、当該ノウハウなどを、どこどこの地域での、製品へ実装し、製造、販売する事をを許諾する、”というように書きます。

また、使用許諾が非独占的か、独占的か、は大変重要なポイントになります。

独占的に許諾しますと、ライセンサーは他のライセンシーに許諾出来ません。
ライセンシーの立場からしますと、時々独占的な使用許諾を求められますが、ライセンサーは慎重な検討が必要です。

私の経験で言いますと、多くのケースは、非独占にしておいたほうが良いようです。


ライセンシーが強行に独占的な許諾を要求してきた場合、それが製品に使用される場合などは、ライセンサーが製造し、ライセンシーに販売許可を与える、或いは自社で販売も行えるようにする条件をライセンス契約の中に盛り込む事も必要です。


ライセンシーが、第三者に実施させることができる“サブ・ライセンス権”や“製造委託する権利”を許諾するかどうかも、重要なポイントになります。


また、日本メーカーと結ぶライセンス契約では、許諾条項の書き方は、一般的に”当該特許、ノウハウについて、通常実施権を許諾する、”と言う書き方になる事があります。

この場合、日本国内の適用では、往々にして、特定の製品への適用範囲が限定されていないで、当該特許やノウハウ自体を使用して良い”的な解釈をされることがあります。

これは、とってもあいまいで危険です。
ライセンサー、ライセンシーの双方にとって、使用許諾する製品の範囲を (1)定義条項 で明確化する事を強くお勧めします。

欧米の適用では、”許諾製品の製造、販売を独占或いは非独占に許諾する、”解釈になります。

この事からも、許諾する製品の適用範囲を明確化しておいた方が良いです。


次回は、(4)ロイヤルティー条項 について述べます。


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3.ライセンス契約のポイント [各種契約行為のポイント]

                           2006年11月13日

今回は、ライセンス契約の中の (2)引渡し条項 について述べます。


引渡し条項は、ライセンス契約締結後、或いは、ロイヤルティ・ライセン
スフィーを受領してから、ライセンサーからライセンシーに対して提供す
る情報・技術仕様などについて、定めます。

通常は、契約締結後或いは、ライセンスフィー受領後、30日以内に当該対
象物を提供します。


今回の記事は短いですが、以上とします。


次回は、重要事項の一つである (3)許諾条項 について述べます。


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