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日経記事;『中小企業、2030年消滅? 社長の年齢、14年後 80歳前後に 世代交代で利益率改善も』に関する考察 [事業承継について]

                                              2016年6月6日

皆様、
おはようございます。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

6月6日付の日経新聞に、『エコノフォーカス中小企業、2030年消滅? 社長の年齢、14年後 80歳前後に 世代交代で利益率改善も』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『日本経済を支える中小企業が「消滅」の危機を迎えるかもしれない。経営者の中心年齢は2015年に66歳となり、この20年で19歳上がった。円滑な事業承継や若者の起業が進まなければ30年には80歳前後に達し、いまの男性の平均寿命とほぼ並ぶ。早く手を打たないと厳しい未来が現実になってしまう。

東京五輪が遠い思い出となった30年の日本。年老いた中小企業経営者の2人が沈んだ顔でなにやら身の上話をしていた。

後継者がいない

A「俺たち団塊の世代ももう80代か」
B「その昔、一億総活躍ってのがあったけど、俺もこの年までよく活躍したと思うぜ。もう引退させてもらいたいよ」
A「息子さんもぼちぼち還暦だろ。継いでくれるのか」
B「大企業でも定年が75歳になったそうで、いまの会社に骨をうずめるって言うんだぜ」
A「うちも継ごうなんて人は見つからないよ」
B「まだしばらく活躍するとしようか……」

いまから14年後の団塊世代の会話を絵空事と片付けるわけにはいかない。そんな未来はもう目の前に来ている――。

授業などで使うチョークで、一時期は国内シェア首位を誇った羽衣文具(愛知県春日井市)は15年3月、80年超の社歴に幕を下ろした。滑らかな書き心地で国内外に愛用者が多く、「チョーク界のロールスロイス」と称されるほどだった。

しかし、渡部隆康社長(72)の病気で事業を続けることが難しくなった。後継者も見つからず廃業に追い込まれ、技術や設備、商標は韓国企業に引き渡した。渡部社長は「他に手立てはなかったのか」と悔やむ。

中小企業のうち従業員数が20人以下の事業者は、14年までの2年間で廃業が開業を17万社上回った。規模の小さい企業は減少局面に入っている公算が大きい。民間の調査によると、休業や廃業、解散をした企業のうち半数近くの経営者が70代。経営者が70歳を超えると会社の存続に見切りを付ける可能性が高まる。

中小企業庁が経営者の年代別の人数を調べたところ、15年のピークは66歳。1995年は47歳だったため、毎年ほぼ1歳ずつ上昇している。このままでは2030年には80歳に届く計算で、多くの企業が存続の判断を迫られることになる。

日本では企業数の99%超、働く人の70%を中小企業が占める。全ての中小企業が消えることはないとしても、経済の土台は間違いなく揺らぐ。

こうした未来を避けるには、早いうちに世代交代をすることが重要になる。だが若い世代はリスクとリターンの両面で二の足を踏む。経営者の個人保証という慣行が一部に残るうえ、大企業と比べると収益性は低い。

中小企業の売上高はリーマン・ショック後の水準をなお下回り、緩やかに持ち直している大企業との違いが鮮明だ。円高対応や新興国需要を取り込むために大企業は海外展開を加速。中小企業が請け負っていた仕事も海を渡ってしまった。

大企業の国内回帰に大きな期待を持てないとすれば、中小企業に残された道の一つが自ら海外需要を取り込むことだ。輸出を手がける日本の中小企業の比率は3%程度。産業構造が似るドイツでは20%程度に達しており、それだけ伸びる余地があるとも言える。

精密機械の部品を製造する由紀精密(神奈川県茅ケ崎市)の大坪正人社長(41)は13年に父親から会社を引き継いだ。先代の時代はコネクターなどの下請けに特化し、IT(情報技術)バブル崩壊の後遺症から抜け出せずにいた。

大坪氏は世界に目を向けた。最新設備の導入や国際標準化機構(ISO)の規格取得に動いたほか、フランスにも拠点を設けた。線路沿いの町工場に世界中からロケットや航空機部品の注文が舞い込むようになった。

M&A活用も手

中企庁の調査によると、「積極的に投資していく必要がある」と考える49歳以下の経営者は32%。70歳以上の21%を上回る。若返りの歯車が回れば、将来への種まきにつながる可能性がある。

M&A(合併・買収)を含め、経営者が代わった企業の利益率は高くなる傾向がある。07~08年度に経営者が交代した企業の14年度の経常利益率は1.88ポイント上昇し5.50%。交代しなかった企業は3.37%と1.16ポイントの改善にとどまった。

事業承継を待つばかりでなく、若者の起業を促すことも有効な手立てになる。ただ14年度の開業率は4.9%。政府が目指す欧米並みの10%前後は遠い。政府も税制などの面で事業承継や起業をしやすい環境整備に動いているが、中小企業を消滅の危機から救うのは時間との闘いになる。』


中小企業庁が2016年4月に発表しました、「2016年版中小企業白書」によると、中小企業数は、1999年に483.7万社あったものが、毎年減少しており、2014年には380.9万社に減少しています。

このうち、中規模事業者は、1999年の422.9万社から、2014年には325.2万社に、小規模事業者は、1999年の60.8万社から55.5万社へと各々減少しています。

中小企業者、小規模事業者の定義は、以下の通りです。

中小企業者、小規模事業者の定義160606.jpg


このうち、中規模事業者をみますと、2012年から2014年の2年間で4.7 万者増加しました。
そのうち、開廃業については、開業が7.2 万者、廃業が4.8 万者で、開業が廃業を2.4 万者上回っています。

規模間の移動については、小規模企業から中規模企業への移動が6.8万者で、中規模企業から小規模企業への移動が6.3 万者で、中規模企業と小規模企業間での移動は+0.5 万者でした。このことから、中規模企業の増加には、既に存続していた小規模企業からの成長よりも、開業がより大きく影響しているといえます。

2012年から2014年にかけての中規模企業者の開業について、業種別に見てみると、サービス業の開業が目立っており、宿泊業・飲食サービス業が1.5万者、医療・福祉が1.2万者と、高水準となっています。

一方、小規模企業数の推移の内訳をみますと、2012 年から2014 年の22年間で9.1 万者の減少
でしたが、そのうち、開廃業については、開業が28.6 万者、廃業が45.7 万者であり、開業から廃業を引いた数が▲17.1万者と廃業が大きく上回りました。

「2016年版中小企業白書」では、これらの中小企業の廃業理由について、明確に記載していません。しょうしょう古い情報になりますが、「2008年度版中小企業白書」によると、廃業した、あるいは廃業を検討している理由(複数回答)は、以下の通りです。

★中規模事業者
1.需要が頭打ち:30.4%
2.競争が激しい:28.4%
3.後継者がいない:12.7%
4.代表者の高齢化:2.9%
5.資金繰りが苦しい:17.6%

★小規模事業者
1.需要が頭打ち:25.6%
2.後継者がいない:20.1%
3.競争が激しい:19.7%
4.資金繰りが苦しい:16.3%
5.代表者の高齢化:11.2%

現在中小企業者が廃業している理由は、多分、「2008年度版中小企業白書」で書かれていることと大きく変わっていないと考えています。

私が経営コンサルタントとして中小企業を経営支援できる分野は、上記廃業理由の解決の視点からみますと、新規事業立上や海外販路開拓が主になります。

現在の日本は、15歳から64歳までの生産年齢人口減少や製造事業者の海外移転などにより、市場規模が縮小していますので、中小企業者が国内だけで事業を行うと、収益拡大を実現する可能性が低くなっています。

同時に、中規模事業者の高齢化や後継者不足も大きな課題になっています。中小企業の事業継続のために、創業者から息子や娘への事業承継、あるいは後継者不在から他社への事業売却(M&A)支援を行っています。

後継者がいても、上記しましたように、国内市場での需要低下や競争激化で、事業継続を断念する中小企業も数多く存在しています。

過去の支援実績の中に、国内市場で苦境に立たされた製造事業者に対して、差別化・差異化可能な技術やノウハウをもっている場合、2代目への事業承継と海外販路開拓を同時並行して実行したことが二けたの事例あります。

これは、若い世代の方が、海外販路開拓に対して総じて積極的であり、海外市場・顧客へのアクセスに必要なインターネットやITの活用をより容易、かつ柔軟に対応できることによります。

今まで、厳しい市場環境下にある国内市場で事業継続してきた中小企業者は、ほとんどの場合、どこかに競争力の源泉となる強みをもっています。

その強みを最大化して、差別化・差異化可能な技術・ノウハウなどを武器にして、若い世代が事業承継しつつ、海外販路開拓・集客を行っていくことが、本日の記事にあります中小企業の事業継続の課題解決のやり方の一つになると考えています。

私は、この視点から引き続き中小企業の経営支援や情報発信などを行うことにより、1社でも多くの国内中小企業者が事業継続・拡大を実現してもらえる状況に貢献したいと考えています。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁


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日経記事;『休廃業・解散、最多3万社 後継者難、高齢化進む 昨年4%増、10年で倍』に関する考察 [事業承継について]

                                       2014年2月22日

皆様、

おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

2月22日付の日経新聞に、『休廃業・解散、最多3万社 後継者難、高齢化進む 昨年4%増、10年で倍』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『資産が負債を上回っているにもかかわらず事業の継続を断念する企業が増えている。昨年に休廃業か解散となった企業数は約3万社と過去最多だった。背景には経営者の高齢化と後継者不足という構造的な問題がある。

新しい企業の開業は低水準のままで企業の新陳代謝は進んでいない。成長産業への構造転換を進めるには、開業を促す環境づくりが課題となる。

東京商工リサーチが資産が負債を上回った状態での企業活動の停止を「休廃業」、商業登記などで解散が確認された場合を「解散」として集計した。それによると、昨年の休廃業・解散件数は2万8943件に達し、前年比で4%増えた。2003年の1万4181社から2倍以上に膨らんだ。

02年以前の統計はないが「バブル期は開業が活発だった一方で廃業は少なかった。現在の廃業数は歴史的に最多水準」(東京商工リサーチ)という。

休廃業が増える一方、景気回復を背景に倒産件数は減っており、13年は22年ぶりに1万1千件を下回った。08年のリーマン・ショック以降、休廃業・解散と倒産の合計数は4万件でほぼ横ばいだ。

景気の回復局面でも休廃業が増えている要因は後継者不足と経営者の高齢化だ。群馬県伊勢崎市の金属メッキ加工会社「小泉製作所」は昨年2月に廃業した。経営者の男性は「地元企業とは順調に取引が続いていたが、息子たちをはじめ、後を継いでくれる人がいなかった」と語る。

都内で医療品の卸売業を営んでいた男性も「事業はうまくいっていたが、80歳を超えてしまい体力的に続けていけなくなった」と言う。

中小企業白書によると、小規模事業者の6割は後継者難を廃業の理由にあげている。帝国データバンクの調査では、社長の平均年齢は1990年以降一貫して上昇基調をたどり、昨年は58.9歳と過去最高を更新した。そのうち60歳代以上は半数を占め、70歳代も2割弱に上る。

東京商工リサーチの友田信男・取締役情報本部長は「高齢化や後継者難の問題のほかに、景気回復により業績が回復し、今なら痛みを伴わない休廃業や解散ができる環境が整ってきたという側面もある」と指摘する。』


私は、中小企業の経営環境や課題などを継続的にみるため、毎年春に中小企業庁が発行する「中小企業白書」を読みます。

中小企業白書には、毎年同じ定義や分類で統計データを取っているものがあり、経年変化をみることができるものがあります。

それらの連続データの中に、中小企業の開業率と廃業率の推移を取っていたものが最近の中小企業白書までありました。

そのデータによると、約30年くらいの推移でみた場合、毎年廃業率が開業率を上回っていました。

つまり、会社の起業・開業より会社を廃業する数が多いことを示しています。結果として、国内の中小企業数は、毎年減少しています。

廃業する理由の中で、最も多いのが「集客や販売の難しさ」であり、二番目に多いのが「後継者不在」でした。

私が経営コンサルタントとして行っている事業ドメイン(サービスメニュー)は、新規事業立上と販路開拓です。

販路開拓を主メニューの一つにしていることは、中小企業白書の調査結果からニーズが最も高いことによります。

ときどき、中小企業の社長から、後継者育成支援を依頼されることがあります。現在、私は多くの仕事を抱えているため、長い時間を要する後継者育成支援をお受けしていませんが、以前は複数件お受けしていたことがありました。

後継者育成支援は、事業を維持拡大したいという現経営者の切実な意志により依頼されたため、可能な限りお受けしていました。

後継者育成支援をお受けしたときに、後継者と意思疎通を図ります。後継者の本音や経営能力などを見極めるためです。

そのときに、後継者の気持ちの中に、「積極的に事業継承したくない」、「父親から言われて仕方なく継ぐ」などの気持ちを持った人たちが複数いました。

現在の経営者である父親が、苦労して注文を取ったり、資金繰りに奔走する姿をみて育ったことも一因としてありました。

後継者が積極的な気持ちで事業を引き継がないと、事業の維持拡大ができませんので、気持ちのもち方と経営スキル向上を狙った支援メニューを用意して支援しました。

2013年度中小企業白書によりますと、経営者の平均引退年齢は小規模事業者で70.5歳、中規模企業で67.7歳と上昇傾向にあり、経営者の高齢化が進んでいます。

当該中小企業白書の中で、事業承継のタイミングについては、「ちょうど良い時期だった」と回答する現経営者の承継年齢は平均43.7歳となりました。実際の承継年齢が平均50.9歳であることから、後継者への事業承継は総じて遅れています。

私の経験では、現経営者が自分の年齢を意識し始めたときに、後継者育成を真剣に考える傾向が高いようにみえます。

後継者が育った環境は、創業者のそれとは全く異なりますので、経営者が調査に答えているように、早めの40歳代後半からしっかり準備して、少なくとも数年間かける時間的準備と配慮が必要になります。

また、後継者の経営を支える経営幹部や中間管理職の育成も並行して行うことが肝要です。創業者を支えた現経営幹部や中間管理職と、後継者間で意思の疎通が上手く図れないケースもあります。

いずれにせよ、後継者がいる現経営者は、自分に余裕があるうちに、経営の引継ぎのための下準備を時間をかけて行うことが事業承継の成功要因の一つになります。


一方、多くの中小企業には、後継者がいない、あるいは、後継者候補がいても、事業を引き継がないケースがあります。

私の支援先企業の中に、子供がいなくて後継者がいないケースもあります。この企業は、売上確保しており、かつ、円安で収益拡大もしていますが、将来事業継承ができないリスクがあります。

この場合、部下の現経営幹部に引き継いでもらう、外から経営者を連れてきて引き継いでもらう、他社に企業や事業を売却するなどの方法があります。

理想は、現経営幹部に引き継いでもらうことですが、経営に必要な資金を手当てできないケースも多く発生しており、実現することは困難になっています。

外から経営者を呼んで引き継いでもらうことは、可能です。課題は、候補となる経営者の選択です。自薦、他薦がありますが、自社の事業内容を理解して、経営幹部や部下を引っ張っていける経営者の選択には、時間を要しますのでしっかりとした計画作成が重要になります。

また、現在は中小企業間同士のM&Aも活発になっていますので、よい相手先がみつかれば、会社や事業の売却も有効な事業継承の方法になります。

私は、支援先企業の社長には、事業承継の実行前に、黒字化しておく、多額の借金がある場合の返却の促進、係争中の法務案件がある場合の解決促進を積極的に行うようアドバイスしています。

どんな中小企業でも、事業承継するときは、当該企業を身軽にしておくことが成功するための大きな条件の一つになることによります。このことは、短期間に解決できないものであるため、上記しましたように入念な下準備と周到な実行力が必要になり、時間を要します。

事業承継は、どんな中小企業にとっても、重要であり、克服するのに時間を要しますので、若い時から重要な経営課題として取り組む姿勢が重要であり、必要になります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 


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日経記事;『後継者不足に悩む中小、M&A・外部人材活用』に関する考察 [事業承継について]

             2012年11月19日

皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

11月19日付の日経新聞に、『後継者不足に悩む中小、M&A・外部人材活用「団塊」の経営者、引退近づく 』 のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関し考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『中小企業の事業承継手法が多様化している。親族に継がせるだけでなく、M&A(合併・買収)仲介サービスを利用して他社に経営を委ねたり、外部の人材を登用したりする例が増えている。

団塊の世代の経営者の引退時期が近づき、後継者問題は従来以上に深刻になっている。経営のバトンタッチが円滑に進むかどうかが中小企業活性化の大きなカギになる。

帝国データバンクの調べでは全国の年商100億円未満の39万7千社のうち「後継者不在」の企業は26万5千社と約67%にのぼる。

今年から団塊の世代(1947~49年生まれ)が65歳に達し始め、引退する創業者が急増するとの指摘もある。後継者がいなければ廃業という形で、資産処分や従業員の解雇を余儀なくされる可能性もある。

特定保健用食品などの効能の実証試験を手がけるエスカルラボラトリーズ(さいたま市)の創業社長だった渡辺国信氏(62)は今年1月、調剤薬局大手クオールに事業を売却した。直近の業績は売上高約7億円、営業利益率20%以上と順調だったが、親族は会社を継ぐ気がなく、ひそかに後継者候補と定めていた役員とも最終的には意見が合わなかった。

仕事が特殊なため外部から後任を迎えるのも難しいと考え、売却を決めた。中堅・中小企業向けのM&A仲介最大手の日本M&Aセンターに買い手企業探しを依頼し、トップと面談した3社の中からクオールを選んだ。約20人の従業員の雇用は維持され、保有株は額面の10倍以上で売れ創業者利益を確保できた。

日本M&Aセンターの2012年3月期の仲介の成約件数(売り案件と買い案件の合計)は前の期比24%増の194件と過去最高だった。今期はそれを更新する勢いだ。

金属熱処理加工の朝日熱処理工業(大阪府寝屋川市)は社外の人材を社長に登用した。現在の青山豊社長(57)は中堅印刷機械メーカーの元役員だ。工場長などを務めた経験を買い、当時社長だった村田茂会長(68)が08年に経営企画の責任者として招き入れた。

村田氏が借入金圧縮に努めたこともあり、同社は自己資本比率83%と業界でも屈指の財務基盤を持つ。それでも長男ら親族は家業を継ぐ意志はなかったという。

ただ、すぐに青山氏に社長を譲ることはせず、経営手腕の「観察期間」を設けた。技術開発の新規プロジェクトや、リーマン・ショック後に低迷した業績の立て直しなどで着実に実績をあげた

青山氏が社長に就いたのは入社から2年後の10年だった。村田会長は今年5月に代表権を外し、「青山体制」への移行を着々と進めている。

事業承継に国の制度を活用する例も増えている。11年7月施行の改正産業活力再生特別措置法に基づき、これまでに7都府県に「事業引継ぎ支援センター」が設置された。

零細企業や個人事業主も支援対象にしているのが特徴だ。承継先探しに必要な「企業概要書」を原則無料で作成する。

静岡県のセンターでは地元金融機関などと連携し、1月の発足以来8件の承継を実現させた。静岡市内の乾物店「蒲原屋」は、センターと静岡商工会議所が協力し、個人事業主の金子武氏(69)の後継者を公募。10組の候補者の中からプレゼンテーションなどを参考に同県内の女性会社員を後継者として選んだ。』


事業承継は、現経営者が高齢や健康問題などの理由で、社長業の継続が難しくなった時に、その企業や事業を継続するために発生するもので、政府も中小企業の事業基盤を維持確保する観点から事業承継を重要視しています。

最近、私のところでも事業承継の相談件数が増えています。これは、記事にありますように、団塊の世代(1947~49年生まれ)或いは、その前の世代の経営者の年齢が、65歳以上に達し始めており、自社の事業継続の問題が現実化してきているためです。

中小企業庁が発表した「2007年度版中小企業白書」をみますと、中小企業が事業縮小や廃業を検討している理由の3番目に「後継者がいない」が上がっています。後継者がいないために事業継続が出来ない現実を表しており、このことが政府が事業承継対策を支援している要因の一つです。

ちなみに、上記白書で中小企業が事業縮小や廃業を検討している理由は、回答数が多い順で以下の通りです。

1.需要が頭打ち
2.競争が激しい
3.後継者がいない
4.資金繰りが苦しい
5.代表者の高齢化、など

また、中小企業の廃業数は、毎年、開業数を上回っています。廃業する理由は上記の通りとなります。

事業承継の状況をみていますと、大半のケースがお尻に火がついてから、承継のことを真剣に考えるようになっています。

現経営者の健康状態、ばくぜんと息子か娘が継いでくれうと思っていたが明確に断られた、或いは家族に反対されたなど、突発的な要因である日突然事業承継のことを考えるケースが、多いのが実情です。

事業承継は、数年の時間をかけて計画・実行する必要があります。特に、最近の国内不況や円高での輸出採算性の極端な低下などの厳しい事業環境では、ますます短期間の事業承継が難しくなります。

私は、2~3年かけて複数の中小企業の次世代経営者(現経営者の長男)のマネジメントスキルアップのお手伝いをしました。現経営者は70歳近くであり、近々に息子を社長にします。

2~3年かけて行なったことは、創業世代とは異なる経営環境下で事業の維持強化を出来るよう、息子と同期した次世代経営陣の育成です。

創業世代と後継世代では、経営に対する考え方やこだわりも異なりますので、現経営者から引く継ぐべきDNAは継承しつつ、新しい市場環境などに対する対応力を強化しました。特に販路開拓などは重要です。

例えば、海外市場への展開です。輸出だけでなく必要があれば、海外進出することができる能力の育成などもあります。

子供や親族に後継者がいない場合、外部人材や従業員へ承継する方法がありますが、実際の問題として親族以外の人が承継するのは、まれです。

最大の理由になるのが、後継社長は当該企業の借入金などに対する個人保証や、現経営者の保有株の買い取りなどを行なう必要があるためです。

そのほか、子供や親族に後継者がいない場合の方法として、他社に売却するM&Aの方法があります。
M&Aの場合も、短期間では想定した条件(売却金額や従業員の雇用確保など)で売れないケースが多いのが実態です。

特に短期間で売却しようとすると足元をみられて買いたたかれます。

また、過去2~3期の決算結果(業績)で利益が出ていないと、買い手がみつからないケースがあります。その他多額の借金などがあると、売却時のマイナス要因となります。

このような状況下、私は、事業承継の相談を受けた時は、先ず、現在の経営環境、収益性、後継者の有無・能力、現経営者の年齢や健康状態などをチェックして、最短でも2年くらいの期間での事業計画(行動計画)を作って、承継支援を行なうようにしています。

じっくりと腰を据えて事業承継を行なうことが成功の秘訣です。

なお、事業承継に関して、後継者不在の場合を含めた中小企業が対応すべき課題と対応について、10月27日付のブログ・コラムで書きましたように、時事通信社 が発行・編集(編集協力; 社団法人 内外情勢調査会 )しています、誌名:「J2TOP(ジェイツウトップ)」の2012年11月号(2012年10月25日発売)にて、特集記事「特集2 グローバル時代における中小企業の後継者問題 その課題と対応とは」を執筆しました。

もし機会がありその記事を読んで頂きければ、私の考え方や支援内容などの参考情報となります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁

 


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日経記事;『中小の事業継承へ「お見合い窓口」』に関する考察 [事業承継について]

                                                                    2011年2月10日

皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

2月10日付の日経新聞に、『中小の事業継承へ「お見合い窓口」経産省、47都道府県に 』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『後継者不足などで廃業に追い込まれる中小企業の技術や雇用を守るため、経済産業省は事業の継承を希望する企業と引き合わせる取り組みを全国で始める。
今夏に相談窓口を47都道府県に設置、受け皿企業には信用保証の優遇などで後押しする。

まず地方ブロックごとに会計士や税理士を配した「事業引継ぎ支援センター(仮称)」を開設。併せて各都道府県にも出先の相談窓口を設ける。

事業を譲りたい企業と譲り受けたい企業を引き合わせ、継承のための契約書づくりなどを支援する。
これを円滑にする受け皿企業向け支援も拡充。都道府県知事が引継計画を認定すれば、民間金融機関からの融資への信用保証のカバー率を70%から80%に高めたり、設備投資資金の貸付限度額を4000万円から6000万円に引き上げたりする。国への申請手続きも簡素化する。

日本政策金融公庫の2009年調査では、中小企業の廃業理由のうち「後継者不足」は34.6%を占めた。
東京商工会議所は企業を引き合わせて事業存続につなげる制度を1998年に導入したが成約は25件にとどまっている。

経産省は「採算のあわない中小企業のM&A(合併・買収)は民間に任せるだけでは進まない」とみて、関連法を改正して対応することにした。』


中小企業の事業承継問題は最近クローズアップされて来ています。
これは、戦後の経済成長を支えた中小企業の創業者が65歳以上になりつつあり、年齢や健康などの面から会社経営の継続が困難になる問題に直面し始めているからと考えています。

一般的に創業者である現社長が元気でいる間は、あまり事業承継のことを考えませんし、周りもそのことを言わない、問題にしない雰囲気があります。

創業者に子供がいて、次世代経営者として決まっていて本人もその意思がある場合、事業承継の課題はそれほど難しくありません。
私も2代目社長のビジネススキルアップやマネジメント力・リーダーシップ力向上をOJT(On-the-Job-Training)方式で育てたことがありますし、現在も行っています。

この場合のこつは、2代目社長を支える次の経営幹部陣も同時に育てることです。
自身の経験で言いますと、創業者が変わる時は、同時に創業者を支えた経営陣も取換えた方が、2代目社長が実力を出しやすい環境になると考えています。


問題になるのは、後継者がいない場合です。
創業者が健康に問題を抱えているとか、事業の継続意欲が衰えた時にその会社・事業の継続をどう行うかです。
事業承継はそれまで真剣に考えていないことが多く、短時間にこの問題を解決するのに有効な方法の一つがM&Aです。

2年くらい前までは、事業承継課題の解決策の一つとしのてM&Aは、経営者の間ではそれほど関心が持たれなかったと思います。
最近、その傾向に変化が表れ始め、後継者がいない場合の解決策の一つとしてM&Aが活発に行われるようになりました。

事業や技術・ノウハウの継承、従業員の雇用を確保するために、M&Aが活用される事は良い事だと考えます。
但し、M&Aは下記の事項について注意しながら行う必要があります。

1.中小企業は、現社長の能力や意欲によって成り立っています。この点が中堅や大企業と大きく異なる点です。
従って、M&Aを行う際は、買う側の中小企業社長の意欲や適性を良く見極めて検討・実行することが大事です。
ミスマッチングが起こると、会社や事業をつぶす可能性があります。

2.M&Aを効果的に行うためには、経営者間のマッチングに加えて、会社の事業内容、経営風土や企業文化、従業員の特性なども重要な要素になります。
M&Aは、短期間に結論を出す必要がありますので、上記要素を短時間で検討し、結論を出す必要があります。

3.売却金額(売りたい金額)・買収金額(買いたい金額)のマッチングも問題になります。
税理士や会計士などの専門家を活用して、事業・資産内容を検討して金額計算の基礎となる数値を出しての双方の交渉となります。

4.事業・会社売却を考え始めましたら、上記記事にある公的な支援機関か、民間のM&A仲介機関を通じて買い手の有無を確認します。
或いは、知り合いの経営者を通じて探す方法もあります。

5.買い手候補が出て来ましたら、当方の要求と相手先の要求がどの程度マッチングできるか見極めます。
この過程が大事です。
短期間にかつ正確に結論を出す必要があります。
経営者自身が納得して判断することが重要です。

6.判断に不安がある場合、M&A支援に経験を持つ専門家に支援依頼する方法があります。
支援者自身がM&Aを体験している人がベストです。
ちなみに、私も自身のM&A体験を含めて、今まで中小企業のM&A実行を経営者に伴走する形で支援してきました。今後も行います。

7.M&A仲介会社は、M&A実行した際の手数料を収入源としています。
会社によっては、手数料欲しさに強引なM&A実施をアドバイスするところもあるようです。
M&A仲介会社は慎重に選ぶ必要があります。など

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁


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