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日経記事;『人手不足 進化する職場(下)過剰な日本流にメス 生産性改善の好機に』に関する考察 [ベンチャー・中小企業支援]

                                            2017年5月4日

皆様、
こんにちは。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

5月4日付の日経新聞に、『人手不足 進化する職場(下)過剰な日本流にメス 生産性改善の好機に』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は、以下の通りです。

『現場の負担軽減を目指して、今年度中にトラック運転手や物流施設の従業員1万人の採用を決めたヤマトホールディングス。

ただ日本の人口が減る中、人海戦術に頼っていては成長戦略が描けない。将来を見据えて新しい宅配システムの開発を急いでいる。

デニーズはフルサービスを見直す(東京都豊島区)。

神奈川県藤沢市の閑静な住宅街。ヤマトはディー・エヌ・エー(DeNA)と組んで再配達をなくす宅配システム「ロボネコヤマト」の実証実験を進めている。

受取人が指定した時刻と場所に荷物が届く。時刻の指定は10分刻み。場所は路上でも構わない。配送車が到着したら、受取人が車両の中にあるボックスの鍵を外して荷物を取り出す。受取人の都合を最優先することで、再配達を撲滅する。

無人配送視野に

実証実験では配送車をドライバーが運転するが、自動運転による無人配送を視野に入れている。

単身や共働きの増加などで日中は自宅にいない世帯が増え、配達業務に占める再配達の割合は2割に達している。人手不足が深刻になるにつれ、無料で再配達を続ける余裕はなくなってきた。

過剰ともいえるサービスを見直す動きが広がっている。ファミリーレストラン「デニーズ」は1974年の開業以来、守り続けてきたサービスを見直す。店員が客席を回ってコーヒーをつぐフルサービスを約1年かけて廃止し、全国約380店にセルフサービス式のドリンクバーを導入する。ある店舗ではサービスの見直しで、接客スタッフが5人必要だった時間帯を4人で切り盛りできるようになった。

全国に約1万店あるファミレス。時給1千円超でもパート・アルバイトが確保できず、人繰りに悩む店舗が増えている。ロイヤルホストは1月末までに、24時間営業を廃止した。営業時間の短縮は売り上げ減につながるが、人件費を思いきって減らすことで店舗の収益性を高める。

ロボットを活用

今年3月、千葉県浦安市に開業した「変なホテル」は6階建て100室のホテルを、7人で運営している。人手は通常の4分の1。フロントでは日本語や中国語を音声認識する2体の恐竜型ロボットが宿泊客を出迎え、自動でチェックインできる。フロア掃除や接客などの業務は約140台のロボットが担う。

「世界一生産性の高いホテルを目指す」。ホテルを運営するエイチ・アイ・エス(HIS)会長兼社長の沢田秀雄(66)は力を込める。

日本の就業者1人あたり労働生産性は経済協力開発機構(OECD)加盟35カ国で22位。従来の発想を超える先端技術を取り込んだり、過剰なサービスを大胆に見直したりしなければ、人口が減っていく日本はじり貧をまぬがれない。バブル期以来26年ぶりの人手不足は、日本の生産性を根本的に改善する好機となる。』

5月1日付のブログ・コラムは、日経記事;『人手不足 進化する職場(上)働き手に寄り添う 制約超え全員参加』に関する考察 [ベンチャー・中小企業支援] のタイミング書きました。

本日のブログ・コラムは、本日の日経記事にしたがってその続編になります。本日の日経記事のポイントは、人海戦術に頼っていたビジネスモデルは、15歳から64歳までの生産年齢人口減少からくる労働力不足から成り立たないので、抜本的な見直しが待ったなしで必要になることを言っています。

私の支援先企業であるベンチャー・中小の製造事業者やITベンダーは、ここ1~2年慢性的な人手不足に陥っています。

ベンチャーや中小企業は、少ない人的資源で経営していますので、可能な限り優秀な人材の確保を目指しています。

この優秀な人材確保が、給料を上げてもなかなか実現できない状況にあります。そこで、IT、ソフトウエア、人工知能(AI)などの仕組みを可能な限り利用して、人に頼らない工夫をしつつあります。

ハードウェア、あるいはソフトウエアの技術者については、自社内のエンジニアだけでは、量的にも質的にも差別化・差異化可能な商品やサービスの開発・実用化することが難しい場合が多く、外部のフリー技術者の支援を受けることがあります。

ソフトウエアについては、フリーランスのプログラマと契約を結んで支援してもらうことが多々あります。

また、ITベンダーの中には、各種ソフトウエア開発の受託を専門に行っている企業もあり、状況に応じて柔軟にプロジェクト単位で委託しています。

ハードウェアについては、大手製造会社を辞めた中高年のフリーエンジニアがいますので、プロジェクトベースで試作品開発の委託をしたり、労働条件が折り合えば、社員として雇用するなどのやり方をとっています。

もちろん、上記のやり方で、ITベンダー・中小製造事業者の人手不足を解決できる状況ではありません。

人手不足を量的な面で補うのが、インターネット・IT・人工知能(AI)などのフル活用で、自動化・省力化を行うやり方になります。

この自動化・省力化を徹底的に行って、不要な事務作業やコールセンターなどの労働集約的作業を不要にしていけば、これらの業務に携わっていた人たちが仕事を失うことになります。

日本全体では、15歳から64歳までの生産年齢人口減少が急加速で進みますので、トータルの仕事量が横ばいか若干減少するとしても、労働者が失業する可能性は少ないと現時点ではみています。

但し、労働集約的な単純作業の仕事量は、減少していくので、これらの仕事に従事していた人たちに、新しい仕事を行うのに必要なスキルや知識などを獲得してもらう必要があります。

昨日のブログ・コラムで、行政機関の事務作業を、インターネット・IT・人工知能(AI)を活用して書類を徹底的に使わない高効率化することを書きました。

もし、これが実現すると一定規模の役人が、行政機関での仕事を失うことになり、民間企業への転出が可能になります。

但し、多くの役人がそのまま民間企業で働くことは、実質的に不可能です。役人の仕事と民間企業での実務は、根本的に異なることによります。

このため、一定規模の役人が民間企業に移る前に、上記したような新しい仕事を行うのに必要なスキルや知識などを獲得してもらう必要があります。

政府は、今後、インターネット・IT・人工知能(AI)などのフル活用で、自動化・省力化を行うことに加えて、労働者の再配置・再分配に伴う組織的な教育・訓練を行う仕組みづくりを期待します。

民間レベルでは、たとえば、事務作業者、工場の作業者、営業担当者などであった人たちが、一定期間の教育・訓練を受けて、人手不足が深刻なプログラマの仕事に転換する機会が増えています。

たとえば、プログラマは今後の日本の競争力を左右する重要な職業の一つです。今までの大企業のIT投資は、総務省が毎年発行している「情報通信白書」で指摘していますように、、業務効率化及びコスト削減の実現を目的とした守りのIT投資です。

しかし、今後人工知能(AI)・IoT対応により付加価値の高い新規事業を立ち上げていかないと、国内企業は世界市場で勝ち組になれません。

必然的に、人工知能(AI)・IoTを含めたソフトウエアを開発・実用化するプログラマの存在が、絶対的に必要になります。

少々極論をいいますと、ITを合理化目的で活用している大手企業には、真に実力のあるプログラマはほとんどいません。

多くの場合、SE(システムエンジニア)と称する人たちが大手企業にいて、外部のITベンダーにプログラムの開発や修正を依頼して、その進捗管理を行っているのが実態であることによります。

しかし、今後国内企業が世界市場で勝ち組になるには、ソフトウエア能力を向上させることが必要不可欠になります。ITによるビジネスモデルの変革・新規開発、
高度なプログラムを内蔵した商品やサービスの開発・実用化などになります。

上記のような視点をもって、徹底的な自動化・省力化を行って労働集約的な仕事・作業減らしながら、並行して今後の日本の競争力を左右する重要な事業分野で活躍できる人材の育成を行って行くやり方が必要になります。

このやり方は、一部のベンチャーや中小企業で取り入れ始めています。今後、このようなやり方が、政府や大手企業でも採用されていくことを期待しています。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁



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日経記事;『人手不足 進化する職場(上)働き手に寄り添う 制約超え全員参加』に関する考察 [ベンチャー・中小企業支援]

                                            2017年5月1日

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

5月1日付の日経新聞に、『人手不足 進化する職場(上)働き手に寄り添う 制約超え全員参加』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は、以下の通りです。

『働き手が減り始めた日本。労働需給は逼迫し、足元の有効求人倍率はバブル期並みの水準に高まっている。だが、企業も手をこまぬいているわけではない。人手不足の時代を生き抜くため、職場そのものを変え始めた。

「ニア宅オフィス」

コールセンターのKDDIエボルバ(東京・新宿)は若手女性スタッフの確保に四苦八苦していた。求人広告などの費用はかさみ、数年前に1人1万円前後だった採用コストは今5万~10万円。保育所も足りず、子育て世代の応募が少ない。

いっそ主婦が暮らす町に職場をつくったら。昨秋、若者の流入が目立つ埼玉県ふじみ野市に事業所を開いた。スーパーの1階、無料の託児所も併設する「ニア宅オフィス」だ。すると採用難はウソのよう、瞬く間に50~60人が応募した。同社は「離職者を減らせれば研修費は不要。通勤費も減り、採算はあう」と話す。

子育てや介護を抱える女性に働いてもらうには工夫が必要だ。IT(情報技術)を使ったテレワークや在宅勤務など働きやすい環境づくりは急ピッチで進む。人口減に伴う働き手の減少はこれからも続く。

国連推計をみると、2050年の日本の生産年齢人口(15~64歳)は5500万人。15年比で3割ほど減る。老若男女、働く意欲のある人に働いてもらわないと日本は成長できない。

4月28日、引退した21人の男性がサイエスト(東京・港)の入社式に臨んだ。同社は60代を中心にシニアを他社に送り込んでいる。登録者は3千人。経営企画の担当として生かす猫グッズ販売の猫壱(東京・中野)は「良質な人材はなかなかいない」と頼みにする。フルタイムの若手より働く日数は少ないが、企業の人件費を抑え、業務効率を高める効果がある。

ITや車で活躍

眠れる戦力の掘り起こしは、日本の活力を高めるうえで必須だ。労働政策研究・研修機構によると、30~50代の就業者が同年代の人口に占める割合は男性9割、女性6~7割。

女性の働き手を増やす余地はある。高齢者もそうだ。就業者の割合は60~64歳の男女合計で6割ある。引退後の生活を満喫する欧米より高めだ。健康なら長く働きたいと思う人は多い。

働く人の国籍も多様でいい。技術者派遣大手のテクノプロは、外国人技術者を年間100人以上のペースで増やす。IT企業のほか、自動車や電気の設計・開発に携わる人も多くなった。日本の大学院を卒業したベトナム人のグエン・ズイ・ヒュウ(25)は昨年から派遣先のトヨタ自動車東日本で働く。「友人の留学生の9割が日本での就職を選んだ」

事業は人なり。パナソニックを創業した松下幸之助が好んだ言葉だ。企業にとって最も重要な資産は人。人手不足の今、企業はこれまで以上に人に寄り添う努力が求められている。』

日本の15歳から64歳までの生産年齢人口の減少問題は、本ブログ・コラムで取り上げています。

この労働者不足を短期間にかつ根本的に解決する方法は、ありません。政府や国民は、意識を変えて、若い世代が安心して結婚・出産・育児ができる環境や仕組みを地道に築いていくしか方法しかありません。

若い世代が子どもを出産・育児するときに、子どもが一定年齢に達するまで、所得税の控除や育児・教育手当の継続的支給などの支援の仕組みが必要です。

欧州では、人口減少に直面したフランスや北欧諸国では手厚い出産・育児・教育支援が行われています。

日本は、一般的に高齢者主体の医療・福祉に重点を置いた支援施策を取っていますが、早急に国レベルで上記若い世代の育児・教育支援を早急に行う必要があります。

さて、本日の記事は、女性が働きやすい職場環境の提供で、女性社員の応募数が増えた事例について書いています。


日本では、結婚後共働き世帯の数は増えています。

厚生労働省は、2016年7月12日に平成27年版(2015年版)の「国民生活基礎調査の概況」を発表しました。

この調査結果によると、共働き世帯数は、2011年に987万世帯であったのが2015年には1114万世帯に増えています。

この共働き世帯数の増加は、日本全体で15歳から64歳までの生産年齢人口減少化の状況では貴重なことになります。

共働き世帯数の増加要因は、女性の働く意欲の強さ、世帯収入の確保、育児・教育の費用捻出などさまざまです。

一方、結婚後、女性が働く場合、補助的な仕事が多い、低い収入額など多くの課題が存在している実態があります。

今後、結婚した後の女性を労働力の柱の一つとするためには、意欲と能力がある女性には、それに見合った職業の提供と収入の確保を担保する仕組み作りが必要です。

結婚後女性が働いていない世帯数は、2015年で687万世帯になります。この世帯の中には、働く意欲があるが、子育てや高齢者の世話などの必要性や、近所に適当な職場がないなどのため、働きたくても働けない女性たちが含まれています。

本日の記事の中に、コールセンターのKDDIエボルバが若者の流入が目立つ埼玉県ふじみ野市に事業所を開き、スーパーの1階、無料の託児所も併設する「ニア宅オフィス」を開設したら、用難はウソのよう、瞬く間に50~60人が応募した、との事例が書かれていました。

これは、託児所が近所にないため、働けなかった女性が再就職できる仕組みを提供したことによる効果です。

私の支援先企業の中には、労働力確保のために、事務仕事でインターネットやITを使うことでテレワークできるものは、積極的にテレワーク前提で募集を行っている会社があります。

この会社で、テレワークで働いている既婚女性は、家事・育児・高齢者介護などの課題を抱えながら、時間を確保して積極的に業務をこなして成果を出しています。

これらの女性従業員に対する給料は、事務所に出勤している社員とは変わりません。

最近、プログラマーやWebサイト制作、WebサイトデザインなどのIT関連業務には、テレワークで働いている既婚女性が増えています。

さらに、60歳以上の人たちの中で、働く意欲のある人を積極的に採用して、労働力確保を解決している会社もあります。

この会社は、インターネット・ITを道具として駆使しており、自動化・省力化できるところは、徹底して対応しています。人間でしかできない仕事を、60歳以上の人たちを含めた従業員でカバーしています。

ちなみに、この会社は、実質的に定年退職制度を廃止しました。

日本全体で15歳から64歳までの生産年齢人口が減少する、深刻な課題を一気に解決することはできません。

しかし、会社によっては、上記のように自動化・省力化の実施、託児所完備による女性の雇用、テレワークによる女性労働力獲得、年齢に関係なく働く意欲のある人の確保など多様なやり方で、労働力確保を実現している企業もあります。

企業は、創意工夫して労働者不足の問題を解決していくことがますます重要になります。

特に、中小企業は労働力確保を実現した他企業の事例を参考にして、上記のような視点から労働環境を改善しながら、労働力不足を解決するために、知恵を絞って動くことが大変重要であり、必要になります。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁


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日経記事;『デンソー、全工場にIoT 20年までに、生産変動に即対応 「ネット直結」広がる』に関する考察 [ベンチャー・中小企業支援]

                                       2016年1月18日

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

1月18日付の日経新聞に、『デンソー、全工場にIoT 20年までに、生産変動に即対応 「ネット直結」広がる』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『デンソーは「IoT(モノのインターネット)」の技術を本格導入する。2020年までに国内外にある約130の全工場をネットでつなぎ、生産を効率化する。OKIも主力のプリンター事業で内外4工場にIoTを取り入れた。

この分野はドイツや米国の企業が先行しているとされる。日本の製造業でもIoTで国内外の生産拠点をつなぎ、有効活用しようとする動きが広がってきた。

IoTを導入することで、従業員の動きや技能、生産設備の状況などを素早くセンサーで分析し、効率の良い工場運営につなげる。例えば設備の稼働状況の情報をセンサーで収集し、常時接続しているシステムでリアルタイムに分析することで、故障を未然に防いだり、メンテナンスコストの削減につなげたりする。

デンソーはカーエアコンやエンジン部品など多様な製品を手掛け、世界の複数の工場で同じ製品を作る例も増えている。主力製品のひとつのメーターであれば、生産拠点は国内に加え、米国、メキシコ、フィリピンなどに広がる。IoTを通じた分析によって、ある工場で得られた効率生産の事例を同じ製品を作る別の工場にも応用する。「あたかも1つの工場のように運営する」(有馬浩二社長)ことで、生産変動などにも即座に対応する。

まず18年に一部の工場を結んでIoTに対応した新たなシステムを稼働する。これを20年までに原則としてすべての生産拠点に広げる。検討している生産系の情報システムの刷新を含め、投資は100億円規模になる可能性がある。15年に設立した「ファクトリーIoT革新室」が現在、計画を策定しており、今春をメドに詳細を固める。

OKIはプリンターの主要部品のひとつである半導体で、生産履歴をたどりやすくするシステムを導入した。担当者や製造日時などを細かく把握・分析することで、不良による廃棄を従来比で7割削減した。今後、プリンター生産部門の全体に同様の仕組みを拡大し、顧客対応窓口や協力会社にも広げる方針だ。

センサー類や通信コストの低減などでIoTは急速に広がっている。製造業による利用ではドイツが国を挙げて「インダストリー4.0」に取り組み、米国でも「インダストリアル・インターネット」の普及を目指している。

日本でもIoTへの投資は増加しており、調査会社IDCジャパン(東京・千代田)によれば、国内IoT関連市場は19年に16兆円を突破し、14年比で7割以上拡大する見込み。工場の効率運営に活用する企業も増えている。』


本日の記事は、デンソーやOKIなどの大手製事業者が本格的にIoT導入を始めたことについて書いています。

このIoTは、中小の製造事業者でも、製造から販売までのビジネスフローの中で使われ始めています。

中小企業が活用できるようになった理由は、導入コストの低減化が進んでいることによります。
IoT導入のためには、短時間に生成される多くのデータ・情報を高速に収集・分析を行う必要があります。

今までは中小企業がIoT対応を自前で行う場合、一定性能のサーバーやサーバー管理者、あるいは当該目的のアプリケーションソフトウエアを高額投資してそろえる必要がありました。

現在、クラウドサービスを活用することで、サーバーやサーバー管理者を自前でもつ必要がなくなってきました。

さらに、IoTに対する関心・需要が高まるとともに、関連したアプリケーションソフトが多くのITベンダーから開発・実用化されつつあります。多くのアプリケーションソフトの提供価格は合理的であり、中小企業にとって導入しやすくなっているものが多くなっています。

また、本日の記事に書いていますように、センサーや無線LANチップなどの関連デバイスの販売価格の低減化も大きな導入要因になっています。

中小企業、とくに一部の製造事業者は、従業員確保が難しくなっています。昨年来、中堅・大手企業の採用意欲が高まった結果、多くの中小企業は、人材確保が困難になっています。

私の支援明企業の中に、人手不足を解消するとともに、より高効率な事業の仕組みを構築しつつある中小製造事業者があります。

この企業は、海外市場を開拓するために、インターネット通販事業を第三者の販売会社を使った販路に加えて新規に立ち上げました。

その結果、国内販売に加えて、ネット通販による海外販売が急速に伸びました。ここで人手不足が一気に表面化しました。

製造現場では、ロボット導入を含めてある程度の自動化を進めていましたが、製造需要の急速な伸びは、売上や在庫管理、工場の生産予定管理、仕掛品管理、部材・部品の発注、完成品の在庫管理、運送トラックの手配など多くの関連する業務に支障が出るようになりました。

そこで、この企業からの依頼を受けて、一気にビジネスフローを自動化するやり方を検討して、実行することになりました。

まず手を付けたのは、急速に伸びているネット通販事業による売上への対応です。ネット通販の場合、売上管理データは自動でリアルタイムに処理されます。海外向けビジネスの場合、1日24時間売上が立ちます。

この過去数カ月の売上データから、各商品ごとの平均売上台数から、過小在庫および過剰在庫をさけるための適正在庫となる商品回転率を算出して、ネット通販の売上台数の動きに合わせて設定した商品回転率を維持するためにに、不足分を製造側に自動発注する仕組みにしました。

製造側でも今までの出荷実績から、各商品を作るための部材・部品を納入リードタイムに従って定量発注するやり方を自動化しました。とくに納入までのリードタイムが長い部材・部品は、在庫が不足しないよう集めに在庫をもつようにプログラムされています。

部材・部品の発注は、自動的にeメールで取引先に送られるようになっています。取引先には、発注したeメールに記載されているURLをクリックして、受注・納入予定を確認するWebサイトで当該情報を入力してもらって、当該部材・部品の発注と納入予定を確認できるようにしました。

部材・部品の取引先は、発注企業に対して出荷するときに、同じWebサイトに出荷日時を入力してもらいます。このことにより製造側は納入品の納入予定時期を理解して、在庫データベースに反映できます。

製造ラインに投入される部材・部品には、バーコードチップが貼られており、各ラインに投入されたものはセンサーで読み取られて、数量や仕掛在庫数量がリアルタイムで自動的にデータベースに反映されます。

完成した商品は、ネット通販で受注した売上や在庫台数により、自動的に顧客や在庫分に引き当てされます。

顧客に送る分は、ネット通販の売上データから、顧客名や送付先などの情報を運送会社に連絡して、飛行場や港などに運送されることになります。

上記の仕組みは、IoTを利用して行っています。導入時は、支援先企業のIT担当者、各種アプリケーションソフトを開発・実用化するITベンダー、クラウドサービス事業者などとミニプロジェクトを作って実行しました。

導入コストは、一定金額を要しましたが、導入後はスムーズに稼働しており、クラウドサービスを活用することで、大きな固定費負担を避けることができています。

中小企業でも、創意工夫を行うことにより、低コストでIoT対応を実現することができるようになりつつあります。

IoTは、人手不足に直面する中小企業にとっては、導入や活用の仕方を工夫すれば、有効な武器になることを実感しています。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁


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日経記事;『IoTに新通信規格 「モノのネット化」総務省後押し 米欧と連携、国際標準に』に関する考察 [ベンチャー・中小企業支援]

              2015年9月19日

皆様、
おはようございます。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

9月19日付の日経新聞に、『IoTに新通信規格 「モノのネット化」総務省後押し 米欧と連携、国際標準に』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『総務省は2016年度から、あらゆるモノがインターネットでつながる「IoT(インターネット・オブ・シングス)」用の新たな通信規格を開発する。NTT、NECなど通信や自動車など有力企業200社あまりに参加を呼びかけ、自動運転車などを実用化する前提となる技術をつくる。欧州委員会や米政府とも早い段階から連携し、新規格を国際標準に育てる。

新規格の開発は欧米とも初期段階で、早めに連携すれば日本も国際標準づくりに影響を与えられる。携帯電話のように日本国内での規格や技術が諸外国の潮流から離れて独自に進化し、市場を広げられなくなる「ガラパゴス化」を防ぐ。

自動運転車は別の車を感知してブレーキをかけるまでに時間がかかっては実用化できない。そこで新規格はロボット、自動車などの機器やセンサーの近くにサーバーを分散させて情報が行き来する距離を短くし、通信時間の短縮を図る。

高市早苗総務相は18日、IoT時代の新たな情報通信政策づくりに着手すると表明した。来週開く情報通信審議会(総務相の諮問機関)にインフラ整備や国際連携のあり方を諮問する。』


IoT対応は、現在急速に開発・実用化が進んでいます。私が知っているベンチャーや中小の製造事業者やITベンダーは、IoT実装を積極的に行っています。これは、新規事業立上の機会獲得につながることによります。

IoT対応は、無線LANチップや各種センサーチップの小型・低価格化、クラウドサービスの普及、映像・音声を含めたデータ処理の高速処理を可能にするソフトウエア・アルゴリズムの開発・実用化促進、人工知能ノウハウの普及・活用の拡大などの周辺環境が整いつつあることで加速しています。

自動車産業では、グーグルやアップルなどの米大手ITベンダーが自動運転の実用化を加速させていますが、その前に自動ブレーキ機能が多くの自動車に実装される状況になりつつあります。

家電商品でもIoT対応により、各種の新規サービスメニューが開発・実用化されており、当該機能がないと競争力を失う状況になりつつあります。

また、IoT対応は、ドイツのインダストリー4.0プロジェクトのように、官民一体で産業構造を変える動きになりつつあります。

IoT対応の開発・実用化には、多くの課題もあります。その一つが本日の記事にありますように、安全・安定・高信頼性・高速性などの条件を達成する通信の仕組みの確立です。

IoTは、無線LANなどの通信インフラが前提になりますので、当然のごとく上記課題を満たす通信規格の国際標準化が必要不可欠になります。

また、最近、サイバーテロとまで言われるようになったサイバー攻撃に対するセキュリティ対策が必要不可欠になります。上記安全には、セキュリティ対策も含まれます。

IoT対応のインフラ整備には、多くの国や企業の関係者が協力して検討・考察・実行しないと実現できません。

IoT対応の通信規格の国際標準作成と実施は、1国でできることではなく、本日の記事にありますように国際協力により実現できます。

今までの日本は、このような国際標準作成については得意ではなく、決まったことを後追いで実行していくことが多かったのが実情です。

IoT対応は、今後の日本の製造業・IT・サービス業などの国際競争力を左右するものの一つになります。

日本が通信規格の国際標準作成に当初から参画して影響力を発揮して、日本の技術やノウハウを背景にして実用可能なやり方で標準化に貢献することは大きな意義があります。

特に、ITの世界では、今までの日本はほとんどイニシアチブを取れずに、米国大手ITベンダーが作ったインフラ下でのビジネス展開を強いられてきました。

IoT対応では、日本政府と企業が積極的に標準化作業に貢献して、日本の技術やノウハウを盛り込む形で参画することを期待します。

日本政府のサイバーセキュリティ戦略本部は、IoTの安全を確保するため、システムを企画・設計する段階から対策を施す「セキュリティ・バイ・デザイン」の考え方を提唱しています。

この考え方と実際のやり方を、日本の官民一体でガイドラインを作成して、国際標準に盛り込むことがポイントになります。

インターネットやIT環境の変化は急速ですので、総務省などの関係省庁と民間企業が一体となって早期に検討・考察・実用化の青写真を作成して、欧米諸国と協業・連携していくことを期待します。

この視点から、今後のIoT対応の動きについて注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁


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日経記事;『働きかたNext常識を疑え(3)地方では即1軍 豊かさ・充実感…若者移る』に関する考察 [ベンチャー・中小企業支援]

                                                2015年3月1日

皆様、

こんにちは。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

3月1日付の日経新聞に、『働きかたNext常識を疑え(3)地方では即1軍 豊かさ・充実感…若者移る』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『東京から飛行機と列車で6時間。人口が10年で2割減った過疎の町、島根県川本町で伸びる企業がある。医療や法律など専門書の古本をネット販売するエコカレッジだ。

町内唯一の書店だった建物に倉庫兼本社を構える。周囲にあるのは飲食店と美容室くらい。人通りもまばらだが、社長の尾野寛明(32)は「しっかりと仕事をしながら生活も楽しめる」と話す。

尾野は一橋大学在学中に東京で起業した。売れるまでに時間がかかる専門書は保管場所が悩み。島根に縁はないが、「東京の100分の1」の家賃と環境に引かれて移転した。

倉庫面積は今や東京時代の80倍。在庫を10倍の15万冊にしたことで注文が増え、売上高は8年間で6倍に増えた。「若者は都会の大企業では3軍かもしれないが、地方では即1軍」と説く。

仕事を探すなら東京などの大都市。そんな常識と逆行し、地方に移る人がじわり増えている。NPO法人、ふるさと回帰支援センターの昨年のセミナー参加者数は約1万人と3年前の5倍になった。

「定年後に田舎でのんびり」は昔の話。利用者の過半が20~40代の働き盛りだ。仕事と生活の両立だけではない。ネットの普及が都会と変わらない働きを後押しする。

東京から1時間半。創業16年目のソフト開発、エリジオン(浜松市)は米ボーイングや独BMWなど世界の大手を顧客に抱える。会長の小寺敏正(61)は「都落ちではなく、地方にいながらグローバルで戦う」と語る。

同社はCAD(コンピューターによる設計)データの変換ソフトで世界のトップを走る。正社員68人の半数が東京大学出身。平均年齢は約36歳と若いが、平均年収は1200万円を超える。

入社5年目の多田康政(27)も東大卒のエンジニア。「付加価値が高い仕事をやりたかった。浜松に来ることに抵抗感はなかった」と振り返る。

豊かさ、やりがい。目指すものはそれぞれでも地方を選ぶ働き手が点から面に広がれば、地域を変える原動力になる。

大雪山の麓の北海道東川町。稲作と木工が主産業の田舎町に札幌や東京から客が訪れる店がある。洋服店「SALT(ソルト)」。アウトドア関連など品ぞろえは東京の中目黒や代官山の店に劣らない。札幌から地元に戻り起業した米山勝範(39)は「自然に近い環境でライフスタイルを提案したかった」と話す。

米山の働き方が発信源となり、東川町に移り住み雑貨店やカフェを開く動きが続く。地方としゃれた店の組み合わせが話題となり周辺は今や観光名所。昨秋には町の人口が42年ぶりに8千人を超えた。東京から移住し、2013年に町内でホテル「ニセウコロコロ」の運営を始めた正垣智弘(34)は「仕事は忙しいけど家族と過ごす時間を増やせた」と満足げだ。

「東京に魅力を感じなくなった若者が仕事のやりがいと豊かな生活を求めて地方に移っている」。明治大学教授の小田切徳美(55)は分析する。ゆとり、充実感。人生に何を求めるか。発想を変えれば地方は新たな働き方に踏み出す格好の舞台となる。』


私は、経営コンサルタントとして、ITベンダーや製造事業者の新規事業立上や海外販路開拓を支援しています。

その支援先の中に、開発拠点を東京・横浜から地方に移した複数のITベンダーがあります。会社により、開発拠点を地方に移した理由や背景はさまざまです。

理由や背景の例は、以下の通りです。

・営業担当がいない受託業務中心でビジネスしており、東京に拠点を置いておく必要がない。
・開発の核となるエンジニアは、現時点では東京でしか確保できないが、社員の総意として地方への移転を希望した。地方への移転理由は、
◆自然豊かな環境で開発に集中しやすい
◆すぐ近くに自然がありアウトドアスポーツやウオーキングなどを楽しめる
◆出勤時のラッシュアワーを嫌う
◆地方の方が商品価格や家賃が安く、より良い生活を可能にする
◆子育てがしやすい(近くに保育園や幼稚園がある)
◆職住近接で出勤が容易である(出勤時間が短くなる)
◆インターネットにより、東京と変わらない情報収集・発信が可能になり、東京にいる必要性が低い、など

また、移転先の候補には、ITエンジニアを募集しやすいところが含まれる場合があります。ある社長によると、現時点では地方大学の卒業生から、なかなか希望する能力や資質をもつエンジニアを確保することが難しいと言っています。

当面は、東京を含む首都圏でエンジニアを確保しながら、地方の開発拠点で勤務してもらうやり方を取るとしています。

同時に、近隣地域の大学と会話をしながら情報学科の学生に対してインターンシップ制度の機会を提供して、双方問題ない場合、卒業後に入社してもらうやり方を増やして、地方での人材確保を増やしています。

同じITベンダーでも、営業担当を置いてビジネスする企業は、まったく地方移転しなかったり、開発拠点の一部をサテライトオフィスとして移すことがあるようです。

もっとも、あるITベンダーは社員総意ですべての拠点を地方に移して、営業担当者は必要に応じて東京や大阪に出張して営業するところもあります。

東京に拠点があるITベンダーが数多く開発拠点などのサテライトオフィスを設置している場所として、最近、徳島県神山町がマスコミに取り上げられています。

ここでは、神山町の地域づくりを手掛けるNPO法人のグリーバレーが行政と一体になって、都会からITベンダーに開発拠点の一部機能を移すサテライトオフィス開設を支援しています。移転を計画しているITベンダーには、大きな支援者となっているようです。

また、徳山県は、この過疎の町を含めた県内全域に2000年代からファイバー網を整備しました。さらに、データセンター(クラウドサービス)の設置数が増えて、自社でサーバーをもつ必要性が薄れたことも、ITベンダーの神山町移転を後押ししています。

このように、データセンターを使い、かつインターネットあるいはイントラネット環境があれば、いつでもどこでもビジネスができることになります。

これが、ITベンダーが開発拠点、もしくはその一部機能を地方に移すことができる環境(社会インフラ)となっています。

日本は、光ファイバー網やケーブル網などの設置により、ほぼ国内全域でブロードバンド環境を使えることと、データセンターの拡充で、国内どこでもITを活用したビジネス展開できることにあります。


一方、受託業務でビジネスをしているITベンダーは、総じて高いソフトウエア開発力をもっています。つまり実力のあるエンジニアを確保できていることになります。

さらに、ソフトウエアエンジニアの転職率を下げる工夫も必要になります。一般的にIT業界は、エンジニアの離職率が高い傾向にあります。

米大手ITベンダーであるマイクロソフト、グーグル、アップルなどのように、広く快適なオフィス環境を提供することは難しいですが、国内ITベンダーも可能な限り良好なビジネス環境をエンジニアに提供することが、社員の定職率を高める要因の一つになります。

本日の記事にあります「エリジオン」は、3次元形状処理関連のソフトウエア開発を主力事業として行っているITベンダーで、書いてありますように、世界トップレベルの実力をもっています。

それを支えているのが優秀なエンジニアです。当該企業のエンジニアは、他の同業他社より比較的高い給与所得をもちながら、地方の浜松市に拠点をもって日本だけでなく世界市場を相手にビジネスしています。

エリジオンが成功しているポイントは、優秀なソフトウエアエンジニアを確保しながら、世界トップレベルのソフトウエア商品を開発・実用化していることです。

社員にとっても、高い給与所得で地方で暮らすと、東京に比べて質の高い生活をエンジョイできるメリットがあります。


なお、本日の記事は、ITベンダーがサテライトオフィスを含めて地方移転することについて書いていますが、もちろん、すべての企業がそのようにした方が良いと考えていません。

私の支援先の中には、差別化・差異化可能な技術やノウハウをもって国内外にソフトウエア商品を売ったり、受託の開発案件ビジネスをしている企業がありますが、地方移転にはまったく興味をもっていません。

東京でしか優秀なソフトウエアエンジニアを確保できないことと、集客や顧客との会話には直接会話するFace-to-faceのコミュニケーションが必須あでることによります。

あるスマートフォン向けアプリケーションソフトを開発・商品化しているITベンダーは、東京でないと事業継続ができないと明言しています。


また、別なITベンダーは、女性スタッフを確保するため、子育てしやすい地方に開発拠点を設けたりしています。

要は、各企業がインターネットとデータセンターなどのITインフラをどう活用して、社員の創造性を高めて、より良い仕事環境を作っていくか、社員の気持ちを確認しながら、柔軟に考え・実行することがポイントになります。

失敗したら、そのやり方を見直して、修正すればよいと割り切って事業しているITベンダーもいます。

ITをうまく活用して、コスト圧縮だけでなく付加価値をつけたビジネス展開できるかどうかになります。働き方や働く場所を含めて、事業収益を最大化するための柔軟な発想と実行力が重要になります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 


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日経記事;『大手から転職 成長を後押し 40歳前後、中小が新天地 営業ノウハウ・人脈、強み』に関する考察 [ベンチャー・中小企業支援]

                2014年9月1日

皆様、

おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

9月1日付の日経新聞に、『大手から転職 成長を後押し 40歳前後、中小が新天地 営業ノウハウ・人脈、強み』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『大企業で活躍していた40歳前後のミドル人材を中途採用し、経営改革の担い手に起用する例が中小ベンチャー企業で広がり始めている。

企業規模が小さく体制整備が進んでいない中で、営業や人事などのプロに組織作りを託す動きだ。ミドルの転職が増え、転職先として中小企業への関心が高まっていることが追い風になっている。

ウェブサイトのアクセス解析などを手掛けるIT(情報技術)ベンチャーのグラッドキューブ(大阪市、金島弘樹社長)。1年ほど前までは「辞める社員が多く、事業も伸び悩んでいた」(金島社長)が、社員の定着率が改善し従業員は20人に倍増した。

社内が変わるきっかけをもたらしたのは、イケア・ジャパン出身の財部友希取締役だ。イケアの制度をヒントに社員が尊重すべき会社の理念や行動指針を策定。マーケティングなどの研修制度をつくり、能力に応じた昇給制度を取り入れた。

財部氏は営業改革も手掛けた。資料作りのノウハウを社内で共有する仕組みを導入したことで、「社員が自信を持って大手に営業に行けるようになった」(金島社長)。財部氏の人脈も生かし、ネット通販で国内有数の規模を持つライオン、英会話教室のECCなど大手との契約を相次ぎ獲得した。

財部氏はイケアで大型店舗の立ち上げやレストラン部門の運営に関わった。「大手では大きな仕事ができるが裁量は狭い。ベンチャーは自分の力で会社を大きくできるのがおもしろい」と語る。

「優れた技術を眠らせてはいけない」。住宅向けの特殊工事を手掛けるウレテックジャパン(東京・江戸川、川口太社長)の岩本康雄経営企画室長(46)は、技術者集団に営業感覚を植え付けようと先頭に立つ。管理職向けに営業のスキルアップ研修を導入し、7月には営業組織も再編した。

岩本氏はトステム(現LIXIL)やコナミ、トランスコスモスで営業や人事などを担当。「経営に近いところで自分の強みを生かしたい」と考え、人材紹介会社を通じて昨年末、ウレテックに入社した。

ウレテックは床下に膨張する樹脂を注入し、建物の傾きを直す工事を手掛ける。東日本大震災後に需要が急増し、15人前後の社員数が2倍に増え、組織を作り直す必要があった。

岩本氏は技術者中心だった組織の再編に経験を生かすだけでなく、「売り上げが数十億円規模の企業と人脈もあり、提携や顧客開拓の相談もできる」(川口社長)。

就職・転職の口コミサイトを運営するヴォーカーズ(東京・渋谷、増井慎二郎社長)は今年5月、運営するサイトのシステムを刷新、大規模なアクセスを受け入れられるようにした。システム再構築のため図書印刷出身の榊亨氏(36)を採用、技術責任者に任命した。

榊氏は図書印刷で社内システムを担当していた。「消費者向けのサービスをやってみたい」と考え転職に踏み切った。ヴォーカーズは、人材会社に勤めていた増井社長が個人で始めたサイト。

独学でプログラミングを習得したが「商用サイトまで作るのは難しかった」。1千人規模の企業のシステムを扱った榊氏の経験が生きている。』


私は、経営コンサルタントとして、主に製造業とITベンダーのベンチャーや中小企業の新規事業立上や海外市場・販路開拓を行う支援をしています。

これらの製造業やITベンダー創業者の多くは、技術者である場合が多いです。創業者自身が新規性のある、あるいは差別化・差異化可能な技術やノウハウをもっていて、起業して事業化することが多いことによります。

ベンチャーや中小企業の特徴は、創業者自身による意思決定と行動の速さです。ほぼ即断即決の創業者もいます。

事業領域や会社規模が小さいうちは、創業者自身の即断即決で動く方が合理的ですし、迅速に対応できるメリットがあります。

しかし、事業規模や会社組織が大きくなってくると(数十人以上の規模)、創業者がすべての経営事項を即断即決することが難しくなってきます。

また、通常の場合、創業当時はオンリーワンの事業であっても、競合他社が出てきて、技術競争などが起こり、事業環境が複雑化することが多くなります。

最終決定は、創業者が行うにしても、他人の力を借りないと情報収集・分析や事業計画の策定・実行・検証などの経営課題をこなせなくなる可能性があります。

私が経営コンサルタントとして支援するニーズは、これらの上記する経営課題に対するものがほとんどです。

単発的な新規事業立上や海外市場・販路開拓のプロジェクトを除けば、顧問、社外取締役、取締役として経営参画し、アドバイスや実務的なサポートを行います。

本日の記事に出ています、中堅・大手出身のミドルクラス人材の活用は、社内のオペレーションに取り込んで、専門的な能力を生かして事業活動に参加してもらうやり方になります。

ベンチャーや中小企業の経営の観点からみますと、私のような社外専門家を使うよりも、社内の組織に取り込んで実務経験を生かしてもらった方が効率的です。

私の場合、一社を長期間支援することは少なく、支援先企業が人材育成・強化を行うことで、自前で経営活動できるようになれば、支援する必要はなくなります。

従って、創業者からの要請で、支援先の社員に対するノウハウ・スキルアップ研修を依頼されて行うことがあります。

私のノウハウ・スキルアップ研修は、OJT(On-the-Job Training)方式で行います。実務を行いながら、双方向の研修を通じて能力アップを実現するものです。

経営課題を支援してくれる人材強化のやり方は、上記のように自前で社員を育成する方法に加えて、本日の記事にありますように、他社出身の中堅社員を雇用することも有効です。

他社出身の中堅社員を雇用するとき、重要なことは創業者が人をみる判断力をもっていることです。

私が相談を受けたベンチャーや中小企業の創業者の中には、人をみる能力が不足している人がいました。

面接時および入社直後は、創業者の中途採用社員にに対する評価は高いです。しかし、数か月たつと、当該中途採用社員に対する見方が厳しくなり、欠点ばかり目に付いて叱責し、当該社員のモチベーションを大きく低下させることが見受けられます。

最悪の場合、中途採用社員が辞めてしまいます。

事業や組織の拡大と共に、社員数が増えていきますので、創業者は人材育成と強化をどのように行っていくか、正面から考え、重大な経営課題として理解することがとても重要です。

人材強化の施策として中堅社員を新規雇用する場合、当該社員に対する期待、入社後の役割分担、若手社員の育成などを事前に十分に検討して、実施することが上記のような失敗リスクを低減化するのに有効です。

少なくとも、私が支援したベンチャーや中小企業では、このやり方で人員強化を行ってきており、失敗リスクを低下させています。

今後、一般的には、少子化により生産年齢人口が減少して、ベンチャーや中小企業は、人材不足の課題に今以上に直面することになります。

ますます、ベンチャーや中小企業創業者は、人材の確保と強化に関心を高めて、必要に応じて社外の専門家などの知見やアドバイスを活用して、有効な施策立案と実行が重要になります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁


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日経記事;『中小企業,過度に延命 円滑化法終了後も続く返済猶予 廃業/事業転換支援が重要に』に関する考察 [ベンチャー・中小企業支援]

               2013年12月30日

皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

12月30日付の日経新聞に、『中小企業,過度に延命 円滑化法終了後も続く返済猶予 廃業/事業転換支援が重要に』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『銀行が返済期日の延期など中小企業の貸し出し条件を変更する件数が高止まりしている。4~9月は58万件と前年同期なみ。

申請に対する実行率は98.8%と過去最高に上った。銀行に返済猶予を促す中小企業金融円滑化法が3月末に期限切れとなった後も、なぜ返済猶予が続くのか。

「金融庁のプレッシャーは相当あった」。ある地方銀行の首脳はこう明かす。金融庁は円滑化法の期限切れ後をにらみ、4月に金融機関向けの監督指針に「貸付条件の変更等や円滑な資金供給に努めること」と盛り込んだ。幹部らが全国を行脚して中小企業の経営者に「貸し渋りがあれば、金融庁に言ってほしい」と呼びかけた。

円滑化法がなくなった後にかえって、返済猶予の実行比率が上がったのにはこんな背景がある。

「軟着陸」図る

円滑化法はリーマン・ショック後の非常時対応として民主党政権下で2009年12月に導入された。中小企業から借入金の返済猶予の申し込みがあった場合、できる限り応じるよう努力義務を銀行に課した。

返済条件の変更は返済期間を繰り延べて、毎月の返済額を減額する方法が一般的。金利を減免した例もある。

円滑化法の期限切れで政治家らが懸念したのは「倒産の急激な増加」。このため、金融庁は円滑化法の事実上延長とも取れる手法で「軟着陸」を図った。

倒産件数は過去20年で最も少なく、当初の心配は払拭できた。だが、一方で「本来退場すべき企業の延命につながっている」のではないかという懸念が消えない。

円滑化法で返済の猶予を受けた企業は推計で40万~50万社。8割の企業が複数回、返済猶予を申し込み、経営改善計画は3社に1社が計画を下回ったとされる。東京商工リサーチの坂田芳博・情報部課長は「改善計画すらつくっていない企業も多く、4万~5万社の存続が危うい」と分析する。

「景気回復説」も

中小の返済条件変更が高止まりしていることには別の見方もある。「景気回復説」だ。日銀の企業短期経済観測調査(短観)の12月調査では中小・非製造業の業況判断指数(DI)が21年ぶりにプラスに転じた。

景気が良くなると、返済条件を変更する際に必要な経営改善計画を立てやすくなる。通常、景気回復局面で増えやすくなる資金繰り倒産を金融機関が柔軟な資金供給で防いだともいえる。

金融庁は今秋、検査・監督方針を転換し、銀行にリスクをとって資金供給を拡大するように促している。銀行も貸し出しを増やしたいと考えており「返済猶予しても検査で不良債権に区分されないなら要請に応じない手はない」(大手銀幹部)という本音ものぞく。

とはいえ、過度に企業の退出を抑えると、産業構造の転換が進まず、経済の活力は低下する。銀行には企業の資金繰りだけでなく、事業転換や自主廃業を支援する姿勢も求められる。』


現在、事業継続している多くの中小企業は、ここ数年間続いた劣悪な経済環境下で、何とか歯を食いしばって生き残ってきました。

私の場合、新規事業の立上や海外市場・販路開拓の面で、中小企業を支援していますので、現在の円安は、輸出事業の収益改善に寄与しています。

今まで、多くの輸出事業者は、円高による価格競争力の低下で、中国、韓国、台湾などの企業にシェアを奪われてきました。

現在の円安は、輸出事業を行う中小企業に巻き返しの機会と可能性を提供しています。円高対策で、コストをギリギリのところまで削って事業を行ってきた、中小企業は価格競争力をもっています。

円安は、スリム化した中小企業には、海外企業との価格競争力回復に貢献するとともに、収益改善をもたらしています。

積極的な中小企業は、この円安を利用して、海外企業との競争に打ち勝つべく、新規事業立上も含めて投資を加速させているところがあります。

この投資に対するネックの一つになるのが、金融機関の融資条件です。まだ、多くの金融機関は、不動産を担保にして、融資するとともに、経営者個人に保証人になることを求めており、投資するための資金確保ができない中小企業経営者もいます。

中小企業がもっている特許や売掛金を担保に、融資してくれる金融機関も出てきていますが、まだ少数派であるとの印象をもっています。

ある地方の信用金庫の経営幹部が、当社の経営方針として、リスクを取る融資は一切行わない堅実なやり方に徹しており、不動産担保なしには融資しないと言っていました。

確かに、金融機関としての堅実な経営姿勢になりますが、ここからの融資を期待していた、ITベンダーは不動産担保がなく、必要な資金を集めることができませんでした。

現在、クラウドファンディングの仕組みを利用して少額の資金を集めて事業しています。近々にシンガポールでの資金集めと上場を狙っています。

このITベンダーは、出身地での事業拡大を狙っていましたが、結局故郷を出て東京、そして海外での事業拡大を図っています。

ITベンダーの場合、投資必要金額は製造事業者に比べて少額ですみますが、その金額でも地方では集められない実態もあります。

地方の金融機関には、技術力や商品力のある中小企業の実力を評価して、融資を実行する経営姿勢をもつ企業が増えることを期待します。

中小企業金融遠隔化法が、事業が低迷している中小企業の延命につながっているとの指摘もあります。

しかし、円高状況化で金融機関の支援を受けて何とか収益確保してきた中小企業の中には、円安による輸出事業の収益改善と、景気の好転で売上拡大になって、借金を返し始めているところも増えています。

このような中小企業にとっては、中小企業金融遠隔化法は苦しい時の資金繰りを支援してくれた援軍になっている実態もあります。


中小企業庁が、毎年発表しています「中小企業白書」をみますと、過去30年間くらい間、中小企業の廃業が開業を上回っています。

この傾向は、景気の良し悪しに関係なく続いていますので、中小企業の中で淘汰される会社は、毎年市場という土俵から退場しています。

廃業する理由の中で最も多いのが、競争激化と集客の困難さです。集客できていれば、売上確保できますので、運転資金も回る可能性が高くなります。

私が中小企業を支援するメニューに、新規事業の立上や海外市場・販路開拓をもっていますのは、まさに中小企業が直面する上記課題に対する解決策のストーリー作りと実行支援するためです。

また、最近、国内のニッチ市場で勝ち組みになっている中小企業が、市場の飽和状態から脱却するために、海外市場開拓を積極的に行うところが増えています。

輸出事業拡大のために、必要な資金を公的機関を含めて複数の金融機関から何とか集めながら、少額投資で事業拡大するために、知恵を絞っている中小企業もあります。

非常に多様な中小企業が存在しています。

本日の記事を読みながら、金融機関にはより柔軟な融資施策を用意してもらうことを期待しつつ、私たち経営支援者の実力向上の必要性を再認識しています。

さらに、専門能力の向上に努力していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 


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日経記事;『中小 再挑戦しやすく 政府新指針 私的整理時、私財一部残す 企業の新陳代謝促進』に関する考察 [ベンチャー・中小企業支援]

                2013年12月1日

 皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

12月1日付の日経新聞に、『中小 再挑戦しやすく 政府新指針 私的整理時、私財一部残す 企業の新陳代謝促進』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『政府は、業績が悪化した中小企業の経営者が転業したり再び起業したりしやすくするため、早期に会社清算や再建に取り組める仕組みを作る。

新たな私的整理の指針を設け、最大460万円程度の生活費や自宅などの財産を経営者の手元に残すことを認める。経営者が個人財産を全額没収される懸念を取り払い、中小企業の新陳代謝を促す。

新指針は国内約420万社の中小企業を対象とし、5日にも決定する経済対策に盛り込む。金融庁と中小企業庁が作成した報告書を基に、全国銀行協会などの主催する研究会が具体的な指針を作る。

新指針の柱となるのが、会社の借金を経営者本人が肩代わりする「経営者保証制度」の抜本的な見直しだ。担保となる不動産を持たない中小企業が金融機関からお金を借りるための手段として普及しており、中企庁によると約8割の中小企業が同保証をしている。

業績悪化で資金繰りに行き詰まれば、保証に基づき経営者が私財を売り払って弁済する。そのため早期に私的整理などに踏み切れば再生する可能性のある中小企業が、経営者個人の財産没収を恐れて踏み切れず、財務内容がさらに傷んで倒産するという弊害があった。

新指針では経営者の手元に一定の生活費として99万~460万円程度の範囲で現金を残すことを認める。生活拠点となる自宅も「華美でない」場合は残す。経営者責任については、私的整理になったという理由だけで一律に経営者の交代を求めないよう配慮する。

経営者が個人財産を売って弁済した後に残った借金は、金融機関が債権放棄に柔軟に応じる。その代わり、経営者は自らの資産状況を正確に開示する。後で資産隠しなどの嘘が明らかになれば、延滞利息を含めた追加弁済を迫れるようにする。

新指針は年度内に発効する予定。メガバンクから地方銀行、信用金庫も含む業界横断的なルールとする。法的な拘束力はないが、金融庁は金融機関の検査・監督を通じてルールの順守を求める。

中小企業については、会社と経営者の資産区分が曖昧だったり財務諸表が複数あったりという問題点が以前から指摘されている。

政府は新指針による支援の前提として正確な情報開示や資産区分を求めている。中小企業がそうした条件を満たせば、融資の際に画一的に経営者保証を求めないことも新指針に盛り込む。

新指針は、再起業などを目指す意欲ある経営者を支援する一方、存続が厳しい中小の清算や廃業を促す側面もある。』


私がベンチャーや中小企業の経営支援を行う上で、参考情報としているものの一つに、毎年春に中小企業庁が発行する「中小企業白書」があります。

この「中小企業白書」は、政府が中小企業対策を計画・立案・実行するときの、最新状況確認と過去の施策効果の確認などにも使われています。

私は、毎年最新の「中小企業白書」を丹念に読んで、国内中小企業が置かれれている状況や経営に対する考え方などについて、確認・検証しています。

「中小企業白書」の中に、最近まで過去30年~40年間の期間で、中小企業の開業と廃業の数を取り続けた統計情報がありました。

この統計によると、1980年代以降、毎年中小企業の廃業数が、開業数を上回る状況が続いていることを示しています。

中小企業が廃業する理由の中で、最も多いのが他社との競合が激しい、売上確保の難しさなどが占めています。

つまり、多くの中小企業が集客の困難さから廃業するケースが多くある実態があります。

集客できないのは、多くの場合、当該中小企業が扱っている商品やサービスに競争力がなく、他の競合商品やサービスに対して、徹底的な差別化・差異化できるものをもっていないことによります。

私が中小企業から事業拡大の可能性などに関して、相談や支援を要請された場合、まず現状の確認から行います。

その確認作業を通じて、当該企業の強み、弱みを見出して、強みを最大化する事業分野、商品やサービス、販路などに関する事業計画作成と実行を支援します。

私の主な支援対象事業分野は、製造業とITベンダー(ソフトウェアの開発・販売)ですので、事業拡大には、徹底的な差別化・差異化できる商品やサービスをもつことは、必要不可欠です。まずはこれに最大の優先順位をもって対応します。

次に重要なことが、市場・販路開拓になります。基本的に国内市場は、人口減少などから縮小傾向にありますので、準備を整てから海外市場・販路開拓も行います。

また、国内および海外市場開拓には、IT活用が必要不可欠ですので、情報発信やネット通販を含めて積極的に使いこなします。

このようにして、中小企業の新規事業立上や海外市場・販路開拓を支援するなかで、中小企業が直面する課題の一つに、開発や運転資金の確保があります。

少額資金の場合、日本政策金融公庫や、地方自治体などの公的機関から、必要資金の融資を受けることが可能になります。

しかし、より多くの資金を必要とする場合、民間の金融機関からの融資が必要になります。現時点では、多くの場合、中小企業に対して自宅や所有する不動産物件を担保に。金融機関は融資を行います。

不動産をもっていないと、民間の金融機関から融資を受けられません。

また、売上不振で中小企業が廃業した場合、自宅を借金返済のために取り上げられることは、日常的に起こっています。

私の経験で、ある中小企業が新規事業立上のための資金提供を信用金庫に打診したことがあります。経営者の自宅は、すでに借りていた融資の担保になっていたので、当該企業がもっていた売掛金を担保に融資して欲しいと依頼しましたが、断られました。

不動産以外のものは、担保として認められないというのがその信用金庫の見解でした。

この中小企業は、結局知人や親戚などから出資してもらって、何とか開発資金を工面できましたが、これは、運の良いケースです。

また、自宅が融資の担保になっているため、容易に廃業できずに、自転車操業で事業継続している中小企業も存在しています。社長、家族、従業員も疲れ切った状態での経営をしていた中小企業の経営支援の依頼を受けたこともありました。

このケースは、何人かの専門家とチームを組んで、事業拡大の道すじをつけられるようにしました。


上記記事にあります政府の中小企業支援策が、有効なものになれば、中小企業も資金調達や事業転換、廃業と起業をより柔軟に行える事業環境が作られると期待します。

その視点から、今回の政府の経済対策の内容に注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

 


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日経記事;『製品担保に成長資金 土地に頼らぬ調達に道』に関する考察 [ベンチャー・中小企業支援]

               2013年10月14日

皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

10月14日付の日経新聞に、『製品担保に成長資金 土地に頼らぬ調達に道』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『自社製品の在庫などを担保に資金を調達する中小企業が増え始めた。独自性や競争力など製品の価値を金融機関に評価してもらう。個人保証や不動産を担保した借り入れには限界がある

。中小企業金融円滑化法の期限が3月末に切れ、従来のような資金繰り支援は受けられなくなった。成長資金の新たな確保策として浸透しそうだ。

牛発情発見システムの送信機や受信機などを担保にして運転資金を調達した。(宮崎県高原町のコムテック本社)

財務省の調べでは日本企業の保有資産(2011年度)は土地が186兆円、在庫と売掛金は計297兆円。だが地方銀行など地域金融機関が融資の担保にしているのは大半が不動産だ。

一方、在庫品やその売掛金を評価するのが「動産・債権担保融資(ABL)」。モノを売ってお金にするという事業そのものが担保になれば、保有不動産が少ない「持たざる中小」には朗報だ。

通信関連機器開発のコムテック(宮崎県高原町、笹栗康社長)は8月に商工中金から4千万円を調達した。担保は独自開発した牛発情発見システム「牛歩」。

畜産農家は雌牛の発情期を的確に把握して人工授精による種付けをする必要がある。全国1100カ所以上の牧場が採用している。

「牛歩」は雌牛の足首に取り付けて運動量を計測するセンサー内蔵の送信機、運動量データを集める受信機、データを分析するソフトなどで構成。発情すると運動量が増える雌牛の性質を利用した製品だ。

担保である送信機などの在庫品は同社が管理しており、在庫量や出荷の状況などを含めた財務内容は「金融機関にガラス張りにして毎月報告する」(笹栗紘二会長)。

同社の2013年8月期の売上高は約6億円。2年前に牛の配合飼料工場を建て、通信関連機器以外にも事業を広げている。必要な運転資金も増え、その安定調達が課題だった。笹栗会長は「(土地などの)資産規模が小さい中小でも必要な資金を確保できた」とABLの利点を指摘する。

変速機部品やベアリング(軸受け)などを手掛ける自動車部品製造の旭産業(富山市、平野平幸社長)は、部品やその材料となる鋼材を担保にした。8月末に1億円の調達枠を確保した。

大型プレス機械を使った精緻な加工技術などに定評があり、13年3月期の売上高は29億円。「(ABLの)借入期間は1年だが、最長で5年間に延長できる契約になっている」(財務担当者)といい、資金繰りに余裕ができるとみている。

今回初めてABLを活用したが、懸念したのは風評被害だった。「在庫を担保にするほど資金繰りに窮しているとの誤解を招きかねない」(同)からだ。あらかじめ自動車部品大手など取引先の理解を得たという。』


本日の記事は、米国では当たり前に活用されているABLについて書いています。ABLとは、英語のAsset-based lending(アセット・ベースト・レンディング)の略語であり、動産・債権担保融資のことをいいます。

本日の日経記事によると、2011年度の国内ABL市場規模は融資実行額で1875億円。残高は3324億円と米国(約4800億ドル=約47兆円)の1%にも満たない、米国では企業向け融資の約2割を占めるとのこと。

この手法は、商品の在庫や売掛金を担保に資金を貸し出す手法です。

一般的に金融機関は、不動産などを担保にして融資します。ABLでは、不動産以外のものを担保にして融資することになります。

ABLは、製造業を中心に、水産加工業や農産品業種などでも、売掛金となる売掛債権を担保にして融資する方法も採択されています。

日本国内の中小製造業者は、金融機関から自宅などを担保することに加え、連帯保証人の付加を条件にして融資してもらうやり方が一般的です。

事業に失敗すると、担保である自宅などの不動産を金融機関から抑えられる、あるいは親戚や知人に大きな負荷をかけるなどして、今後の生活や再事業化に大きなマイナス影響が出ることにより、立ち直れない状況が多く発生します。

起業家(特に設備投資を伴う製造業者)は、これらの多くの廃業や事業撤退した後の、険しい状況を知っていますので、新会社立上に躊躇するケースが多いのは実情です。

国内では、米国に比べて、起業・廃業の敷居が高くなっています。敷居が高い理由の一つが必要資金の調達方法です。

何度か、中小製造業者の事業承継支援を行った経験でいいますと、幾つかのケースでは現社長の奥様が息子や娘への事業承継に反対しました。

反対する理由の中で、最も大きな理由の一つになっているのが、資金調達の難しさです。金融機関は、中小企業に対する厳しい融資条件や姿勢をもっており、資金調達の難しさや、事業に失敗した場合のリスクの高さなどから強固に反対する母親の気持ちが表れています。

もし、日本でABLが米国のように、一般的に資金調達の方法として普及すれば、中小企業は低リスクや条件で、融資を受けられることになります。

また、現在の円安状況を受けて、多くの中小製造業者は、国内・海外市場で反転攻勢をかけつつあります。

この時にネックになるのが、新規開発や設備投資などに必要な資金調達です。ABLをもっと多くの中小企業が活用できれば、資金調達方法の選択肢が増えますし、容易になります。

中小企業が活発に新規事業立上や海外市場開拓を行えば、国内経済の活性化につながります。

ABLを国内で普及させるためには、多くの金融機関が不動産以外の売掛債権や在庫品などを担保にするやり方を採用する必要があります。

このためには、金融機関がABLの仕組みについて習熟すると共に、売掛債権や在庫品に対する目利き力(評価能力)を高める必要があります。

当該中小企業が、他社と比べて差別化・差異化を実現する商品をもっていれば、その企業の売掛債権や在庫品は、担保としての価値があります。

金融機関がその価値を正しく評価できるか、あるいは、評価できるとしてABLを積極的に採用するかどうかが当該仕組み普及のカギになります。

日経の別記事によると、ABL評価の仕方などを教育訓練・支援するベンチャー企業が国内に存在しています。

このような企業からの支援を受けて、ABLに関するノウハウ蓄積するやり方もあります。

一方、ABLを利用するためには、中小企業は自社の経営状況を可視化して金融機関に開示すると共に、売掛金や在庫状況を的確に把握、管理する能力が求められます。

金融機関と中小企業が共に努力して、徹底的な差別化・差異化を実現する商品・サービスの提供が可能な企業がABLを利用して、企業家が破産や家族崩壊などの高リスクを伴わない経営環境が整備されることを大いに期待します。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁


 


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日経記事;『経営の視点 減りゆく革新的リーダー 「自由さ」など5条件が必要』に関する考察 [ベンチャー・中小企業支援]

                          2013年3月25日

皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

3月25日付の日経新聞に、『経営の視点減りゆく革新的リーダー 「自由さ」など5条件が必要』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『安倍晋三首相の経済政策アベノミクスは、株価を上向かせて産業界の雰囲気を明るくした。しかし実際に経済を成長させるのは、企業経営者の仕事である。

実はそこに不安がある。デフレ経済が長く続いたため、管理優先の手堅い経営者が増えた。半面、リスクを取って成長を目指す、リーダーシップのある革新的な経営者は総じて減ったように感じる。

経営リーダーの不足は、将来にわたって企業を脅かす問題だ。産業能率大学経営管理研究所が昨年夏に実施した調査によれば、77%の企業が「次世代リーダー」を確保できていない。

では求められる経営リーダーの条件は何だろうか。第1に、前例踏襲や先入観を排す「自由な精神」の持ち主でなければならない。

大赤字からの再生を目指すパナソニックの津賀一宏社長は「会社を根っこから変えるのが私の使命だ。その点、私は事業経験が少ないので、しがらみがない」と言う。研究開発畑が長くてキャリアの片寄りは否めないが、事業部門を再編するのにタブーがない。

改革の過程で、社内やOBから批判や抵抗が予想される。しかし「どうたたかれても、私は失うものがない」と腹をくくっている。

第2に、社内の空気を変えるために「率先垂範」が必要である。社長時代に危機的状況を乗り越えた昭和電工の大橋光夫相談役は「会社全体が緊張感を持って仕事に取り組むように、社員の気持ちを変えなければ駄目だ」と語る。「いくら優秀な人材がいても、評論ばかりしていては何にもならない」からだ。

当時、大橋社長は先頭に立って意識改革の必要性を説き、人員削減も含めて厳しいリストラを遂行した。経営者が自ら矢面に立たなければ、誰も責任を持って厄介な仕事をしようとはしないだろう。

第3に、人の心を一つにするには、やはり「人間的魅力」が重要だ。日本航空の会長として経営再建に貢献した京セラの稲盛和夫名誉会長は、仕事に妥協を許さない。しかし強面だけで人はついて来ない。骨惜しみしない仕事ぶりや従業員に接する真剣さなどが、周囲の信頼感を醸成する。

日本航空の植木義晴社長は「稲盛さんは怖いばかりではない。現場に自然に入っていって、みんなの気持ちをあっという間につかむ」と言っている。

明快な「ビジョン」も不可欠で、第4の条件である。宅急便を始めたヤマト運輸(現ヤマトホールディングス)の故小倉昌男社長は好例だ。家庭からの小口荷物の宅配サービスへの潜在的需要に着目して、どう事業化するか、時間をかけて構想を練り上げた。

ビジョンが固まると、半信半疑の社内を説得して事業計画を短期間でまとめて、乗り出した。新規事業の成否は結局、やってみないとわからない。ビジョンがあやふやでは、ぶれて脱線する恐れがある。

第5に、「修羅場」の経験がほしい。資質に恵まれても、磨かなければ光らない。困難な場に身を置いて、自らそれを打開することで資質は開花する。

リーダーは手取り足取り教えても育たない。自ら育つ機会を設けることは、経営者の大事な仕事だ。』

本日の記事は、大手企業経営者の資質について書いています。ポイントは、新規事業立上などの攻めの経営姿勢をもつ経営者が今の日本には必要ということです。


中堅・大手企業の場合、少々極論的な言い方になりますが、集中と選択の過程で行なわれる合理化の中で、組織変更や人員削減、製造コストの削減などの行為は、普通の能力をもった経営者で十分に実行可能です。

同様に集中と選択の過程で行なわれる、事業撤退は、現在と将来の会社経営に大きな影響を与えますので、しっかりとした経営姿勢をもって臨まないと、失敗する可能性があり、経営者の能力や胆力が問われます。

会社売却や買収も同じような状況になります。この状況は、中堅・大手や中小の会社の規模に関係なく、経営者の資質や能力が問われます。

経営者がしっかりとした経営姿勢をもっていないと、失敗する事態になりえます。過去に中堅・大手企業の中に、上記事業活動・展開で失敗した事例が多くあります。何れも経営者の判断ミスが原因となります。

また、将来の経営を左右する新規事業立上についても、経営者の資質や能力が問われることがあります。社長に先見性がないと失敗することがあるからです。

この視点からみますと、本日の記事にありますように、中堅・大手企業の経営者の中には、下記5つの条件が必要になる人たちがいるでしょう。

1.前例踏襲や先入観を排す「自由な精神」
2.「率先垂範」
3.「人間的魅力」
4.明快な「ビジョン」
5.「修羅場」の経験


私は、中小企業の事業撤退、会社売却、会社買収の事業活動の支援を行なってきました。その経験から言いますと、中小企業の場合、経営者の実力や能力の差が本事業活動の成否に大きな影響を与えます。

失敗すると、中小企業の経営に大きな影響を与えます。その為、多くの中小企業経営者は、事業撤退、売却、買収には、相当の緊張感と集中力をもって臨みます。

中小企業経営者にとって大きな試練になりますが、決断して実行する経営者は、一回り大きくなったと感じるときがあります。

事業撤退、売却、買収などを決断する経営者は、その時点で強い意志と実行力をもっています。それらをもたない経営者は、決断できませんので、別の選択肢を探します。

私に事業撤退、売却、買収になどの大きな事業活動について相談や支援依頼を行なう経営者の多くが、強い意志と実行力をもっていることになります。

それらの経営者と伴走しながら、私は経営上のアドバイスや実務的な支援を行ないます。多くの中小企業経営者は、ぶれませんので、大抵これらの事業活動は成功します。


また、事業撤退、売却、買収などの大きな経営決断以外の場面でも、私の周りの多くの中小企業経営者は、それぞれしっかりとした経営姿勢をもって自社を経営している人が圧倒的に多いと感じます。

多分、そのような経営者の方々とお付き合いをさせていただいていることが大きな要因になるとみています。

しかし、私が知らない大勢の中小企業経営者もほとんど同じ資質や能力をもっていると考えます。そのような資質や能力をもっていないと、中小企業の経営ができないからです。

中小企業の経営は、経営者の資質や能力に大きく左右されます。何年も会社経営が継続して成り立っている中小企業は、社長がしっかりとした経営を行なっています。

中小企業に限って言いますと、多くの経営者は、本日の記事にあります上記5つの条件をもっています。そのような条件をもっていない中小企業経営者がいれば、当該企業は多くの場合、倒産・廃業に追い込まれるからです。

中小企業にとって、経営者に伴うリスクが発生するのは、創業者から息子あるいは娘などへの事業承継の時です。

多くの場合、子供世代の経営者は、創業者と同じ資質や能力を事業承継時にはもっていません。従って事業承継は、時間をかけて次世代経営者をOJT(On-the-Job-Training)方式で経験を積ませながら行なうことが重要です。

創業者が現役の間に、次世代経営者を現場で育成して、資質や能力を磨き上げるやり方です。私は、このやり方で事業承継を支援しています。上記5つの条件をもつための一番有効な方法とみます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

 


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