日経記事;『米セールスフォース、日本で医療クラウド参入 』に関する考察 [新規事業開拓・立上]
2012年5月17日
皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。
5月17日付の日経新聞に、『米セールスフォース、日本で医療クラウド参入 災害時の患者情報入手容易に 』のタイトルで記事が掲載されました。
本日はこの記事に関して考えを述べます。
記事の主な内容は以下の通りです。
『クラウドサービス大手の米セールスフォース・ドットコムは医療機関向けのサービスを日本市場で始める。患者の診療情報を電子化して国内にある同社のデータセンターで管理。
災害時を含め、患者の情報をいつでもどこでも取り出せる環境づくりを支援する。東日本大震災を機に日本の医療機関でもクラウド利用に関心が高まっているのに対応する。
まず北九州市にある医療法人レメディ北九州ネフロクリニックと契約した。人工透析の履歴など患者の重要情報を電子化。災害で病院側のデータが消えてもネット経由で病状や投与する薬などの情報を引き出せる。
料金はサービスを利用する医師など1人あたりの月額で7500円から。医療機関の規模に関係なく導入しやすくなる。今後は契約する医療機関を増やし、年内に数十億円の事業規模にする。
国内市場ではすでにNECや富士通が医療クラウドを展開している。外資の参入で競争が進み、医療機関の経営効率化や患者へのサービス向上につながりそうだ。
調査会社シード・プランニングによると2011年に200億円弱だった医療クラウドの国内市場は20年に10倍に広がる見通し。』
クラウドサービス、或いは、データセンターは、昨年の震災以降その良さが理解されつつあり、企業や自冶体などで普及が進んでいます。
大手企業では、世界市場での激しい競争や多様化する顧客ニーズの把握や、提供する商品・サービスの増加などから、企業や組織で取り扱うデータの量は指数関数的に増大し、従来にも増して高速かつ効率的に処理することが求められています。
このように、市場や顧客のニーズに即応したサービスを展開するため、既存サービスをオンデマンドに変更・修正し、新規サービスを迅速に立ち上げることが可能なシステム環境も必要とされています。
しかし、その一方で、各企業内で持つデータセンターへの設備投資やコンピューティング・リソースを増強・拡充するための予算については、この数年はほとんどの企業や組織でほぼ横ばいに推移しているのが実情です。
建築基準法の改正で、国内でもコンテナをデータセンターとして取り扱えるようになりました。サーバやストレージ、スイッチ、冷却・電源装置など、データセンターに必要な構成要素を貨物輸送用のコンテナに収容することで、導入からサービス開始までの時間を大幅に短縮するメリットが認められて、国内データセンターの普及に貢献しています。
このような環境から、中堅や大手企業ではコスト削減や効率性の向上、即応性の確保などを目的としたデータセンター運用のアウトソーシング(パブリック・クラウド)やマネージド・サービスの導入、プライベート・クラウドへの移行が進みつつあります。
中小企業にとっても、クラウドサービスを活用することで、自社内に専用サーバを置いたり管理するための専任者を配置する必要がなくなりますので、より有効にIT利用できるようになっています。
支援先の中小企業をみていますと、ITを上手く取り込み活用している企業の業績が伸びています。
医療分野でも、昨年の震災時の経験から災害時にも強いクラウドサービスを活用する動きが出ているとのこと。
クラウドのメリットは、患者情報をいつどこでも取り出すことができるほか、都市部の総合病院と地域の診療所で情報の共有ができることなどがあります。
患者の病歴や診断結果、或いは、最近の状況などの情報が、診察する医師に関係なく、共有できますので、診断ミスなどのトラブルも減少します。
最大のメリットは、遠隔地間で診療所の医師が総合病院の医師と相談出来たり、診察や手術を受けた病院に関係なくデータを保存できるので、一貫した形で患者が支援を受けることが出来ることです。
地方では、医師不足が進行しています。クラウドは地方に住む住民の医療サービスの質の低下を防ぐことも可能になります。
もちろん、患者情報の保護は確実行われることが大前提です。高度なセキュリティー技術も必要なことから、何度か本ブログ・コラムで書きました様に、NECや富士通など国内のIT企業は、マイクロソフトなどと連携して、サービス内容の拡充を急いでいいます。
この国内市場に、セールスフォース・ドットコムが参入してきますので、国内企業との間で競争が激しくなります。セールスフォースという海外企業の参入で、医療クラウドの競走が起こり、合理的で安全なシステムの普及と定着を期待します。
また、タブレット型パソコンの普及で、高機能電子端末の設置、或いは、使用台数も増えていますので、患者は、クラウドを利用すれば、何時でも何処でも情報共有しながら、個々の医師の能力に関係なく一定した質の診断を受けるメリットがあります。
記事によると、例えば、NECは総合病院と地域の診療所が電子カルテや医療画像データなどを共有できる医療クラウドサービスを展開する。例えば患者が遠隔地にある総合病院で作成したCTスキャンの画像を自宅のそばの診療所でも見られるようにしたとのこと。
利用料金は原則、総合病院が負担し、月額料金(2万円から)のほかにサーバー代金など1千万円超の初期費用が要るが、一般に数億円はかかる大規模システムを構築するより割安になるとされています。
総合病院にとっては、診療所とクラウドでつなげば、各患者のデータを共有しながらケア出来ますので、緊急事態以外は総合病院に通院する必要がなくなり患者の集中を緩和し、囲い込みも可能になります。
今後、クラウドは、国内の社会・経済活動の中でライフラインの一つになっていくとみています。
クラウドサービスは、まだ始まったばかりですので、今後、ビジネス、自冶体、医療などの分野で急速な普及が見込まれます。
日本は、高品質なブロードバンド環境を低コストでほぼ国内中どこでも使える大きなメリットがあります。クラウド普及のためのインフラは整っています
よろしくお願いいたします。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁
日経記事;『経常増益、上場企業の半数超す 逆風でも「稼ぐ力」』に関する考察 [新規事業開拓・立上]
2012年5月3日
皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。
5月3日付の日経新聞に、『経常増益、上場企業の半数超す 逆風でも「稼ぐ力」磨く』のタイトルで記事が掲載されました。
本日はこの記事に関して考えを述べます。
記事の主な内容は以下の通りです。
『上場企業の2012年3月期決算は、経常損益が改善する企業が全体の半数を超えたもようだ。円高やタイ洪水、東日本大震災などの逆風下でも成長分野取り込みなど構造改革を進め、収益力を高めた企業が多いためだ。
経常利益が過去最高の企業も約1割になるとみられる。全体の経常利益額は2割弱減ったが、企業戦略の成否によって収益力格差が拡大している。
2日までに12年3月期決算を発表した242社(金融、新興市場など除く)を対象に集計した。全上場企業に占める比率は社数で15%、時価総額で36%を占める。
経常損益が改善した企業数は121社で全体の50%。今後発表予定の企業も含めると約800社と全体の52%に達する見通し。
ITバブル崩壊時の02年3月期455社(3割)、リーマン・ショック時の09年3月期の367社(2割強)など過去の減益局面と比べても格段に多い。
経常赤字の企業の割合も7%と3年前の21%を下回る。逆風下でも上場企業の稼ぐ力が全体的に底上げされているのが分かる。
増益のけん引役の一つは、競争力の高い事業や製品だ。ファナックは自動車や一般産業向けのロボットで約2割の世界シェアを武器に受注を拡大、最高益を達成した。
コマツも世界シェアが約4割の鉱山機械を伸ばすことで、中国向け建機の減速や円高影響をこなして増益となった。
もう一つは新興国市場の開拓。日本たばこ産業(JT)はロシアなど新興国での販売を伸ばし、増益につなげた。
ユニ・チャームはシェア約5割を握るインドネシアの紙おむつ市場での好調が貢献した。「成長市場を取り込むことで高い利益率を維持できた」(高原社長)
ここ数年、取り組んできた合理化の効果も大きい。全日本空輸は日本航空や格安航空会社(LCC)との競争激化を受け航空機リース料や人件費などコスト構造の見直しを徹底、6年ぶりに最高益となった。富士通ゼネラルも空調機の生産をタイなどアジアに移管し、収益体質が改善した。
決算発表済み企業のうち、経常最高益は31社に上った。今後の発表予定も含めると、153社と全体の約1割が最高益の更新を見込む。
経常利益の合計額自体は、テレビで苦戦する電機大手などの業績悪化が響き前の期より18%減った。だが、大幅な赤字決算を発表したシャープ、任天堂、川崎汽船など7社だけで合計赤字金額は3000億円に達し、これを除くと経常減益率は9%に縮小する。
同じく7社の最終赤字の合計額は7100億円強に上り、純利益を約2割強押し下げた。一部の苦戦組が足を引っ張った構造が浮かび上がる。
震災などの影響が一巡する13年3月期は上場企業の経常利益は2桁増となる見通し。競争力の高い商品を持つ企業の好調さが続くとみられる一方、液晶パネルが苦戦するシャープなどは今期も経常赤字が残る見通し。企業ごとの収益力格差が一段と鮮明になりそうだ。』
決算結果はどの企業にとってもその期の業績が明確になる「通信簿」です。企業は儲かって何ぼの価値となります。企業の最大の社会貢献は、利益を出して納税することです。
黒字であればこそ、雇用も守れます。従って、中小企業も含めて、売上を伸ばし利益を拡大することが最大の使命となります。
大企業は何期か赤字が続いても事業や会社の継続が可能です。しかし、中小企業の場合、赤字が何期も続くと運転資金が底をつき事業継続が出来なくなります。
従って、中小企業は赤字経営はを最大限の努力をして避ける必要が出て来ます。避ける方法は、二つしかありません。
一つは、集客をきちんと行って売上を確保することです。競合他社との価格競争などを避けるために、オンリーワン、或いは、ナンバーワンの技術・商品・サービスが必要です。これに磨きをかけて徹底的な差別化・差異化を可能にします。
また、国内市場だけでなく、新興国や新・新興国などの海外市場開拓も必要です。
もう一つは、コストダウンです。人件費を含めた製造コストや、一般管理販売費などを徹底的に圧縮することです。しかし、一般的に多くの中小企業はこのようなコスト圧縮を既に行っているため、追加で行うことは困難な状況です。
多くの中小企業にとって必要なことは、「集客」です。キーポイントは、上述のごとくオンリーワンかナンバーワンとなり、小さな市場でも他社に参入させないようにすることです。
現在、オンリーワンやナンバーワンの技術・商品・サービスを持っていないと感じている中小企業がいる場合、自社の持っている潜在力を徹底的に棚卸して見直しすることが必要です。
そして現在の市場や顧客のニーズや希望などの声を聞かないことです。聞いてしまうと、現状の声に迎合し、他社に対して差別化・差異化を可能にするものが見えなくなるからです。
私は上記の方法で何社かの新規事業立上を支援しました。中小企業が勝ち残るには、尖鋭化したものを持つ必要があります。
現在の大手電機メーカーも同じです。テレビの様に汎用化した事業に何時までもこだわらずに、自社の経営資源を新規事業に集中投資して、世界シェアナンバーワンを獲得する以外に勝ち残れる方程式はありません。
以前に、本ブログ・コラムで書きました様に、IBMは当時まだ儲かっていたパソコン事業の将来性はなく自社のコア事業でないと判断し、中国のレノボに売却し、ソフトウエア事業に経営資源を集中させています。
IBMは、現在でもソフトウエア事業への集中を継続しており、最近もハードウエア事業を売却しました。同時に、ソフトウエア事業では世界市場で勝ち組になっており収益拡大を続けています。
シャープやソニーの大英断に期待しています。世の中をあっと言わすような新技術で新規事業立上を行って、「偉大な中小企業」としての再生を心から願っています。
中小企業の良い手本になってください。
よろしくお願いいたします。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁
日経記事;『社説「産業の軸」をもう一度立て直そう』に関する考察 [新規事業開拓・立上]
2012年5月1日
皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。
5月1日付の日経新聞に『社説「産業の軸」をもう一度立て直そう』が掲載されました。
本日はこの社説に関して考えを述べます。
社説の主な内容は以下の通りです。
『日本の産業の軸が大きく揺らいでいる。日本の技術力の象徴だった電機産業は、2012年3月期にパナソニック、ソニー、シャープの家電大手3社が合計で約1兆6800億円の巨額の最終赤字を計上する見通しだ。
円高や震災による生産の混乱など外部要因が足を引っ張っただけではない。得意だったはずの技術開発でも、次世代テレビの本命とされる有機ELパネルの開発などで韓国勢に大きく出遅れ、海外との実力差は広がりつつある。
「強い日本製品」の代名詞だった自動車も厳しい。それを端的に示すのが国内事業の収益を表す単独決算。トヨタ自動車はリーマン・ショック以降、一度も黒字を出せず、累積の営業赤字額は約1.5兆円に膨らんだ。しかも円高などもあり、年を追うごとに赤字幅が拡大しているのが実情だ。
他社も事情は似たり寄ったりで、今の為替水準が劇的に変わらない限り、国内での自動車産業の存在感は縮む方向だろう。
クルマと電機。日本の「2本柱」ともいえる2つの産業の足場が揺らぐ中で、どんな企業、どんな産業が21世紀の日本の駆動力になるのだろうか。若干の期待も込めながら、次の主役候補の顔ぶれを予想してみたい。
金融危機や震災、円高など過去数年の激動を経て、危機に強い企業の共通点が改めて浮かび上がった。ごく当然の結論ではあるが、世界シェアがずぬけて高い強力な商品を擁していることだ。
今期最高益を更新する見通しのブリヂストンはタイヤ市場で世界首位。2位の仏ミシュランとの差も過去10年でじわじわと広がり、原料のゴム市況が高騰しても、それを製品価格に転嫁できる市場の盟主としての力がある。
建設機械大手のコマツのドル箱は、石炭などの採掘現場で活躍する鉱山機械。タイヤの直径が人の背より高い超大型トラックは同社と米キャタピラーの2社の独壇場で、他の侵食を許さない。
化学中堅のクラレは営業利益率が15%とかなり高いが、それを支えるのが世界供給をほぼ一手に握る液晶関連の特殊化学材料だ。
米ゼネラル・エレクトリックのジャック・ウェルチ前会長はかつて「世界シェアが1位か2位でない事業は要らない」と述べたが、この原則は今も当てはまる。
自らが持つ強い技術、強い製品に磨きをかけて、世界市場で主導権を握る。過当競争の市場では内外企業との再編を模索し、事業基盤を立て直す。それが勝ち残りの要件であり、時間を浪費すれば再生のチャンスは遠のくだろう。
IT(情報技術)など新たな分野から、新たな成長プレーヤーが登場することだ。。。
スマートフォン(高機能携帯電話)向けのソフトでは、NHNジャパン(東京・品川)の開発した無料通話ソフト「LINE」は今年中に利用者が世界で1億人を突破する見通しだ。スマホ時代の到来で、ゲームなどの関連サービス市場も活気づく。「日本はベンチャー不毛の地」という常識がひっくり返るかもしれない。
自動車や電機の国際化は欧米市場が中心だったが、これから外に出る企業はアジアなど成長性豊かな新興市場に的を絞るケースが多く、世界の活力を日本に取り込むパイプラインともなりそうだ。
その実現には外国人の登用など経営改革も必要、時にリストラなどの痛みを伴う決断も必要、政府の仕事としては法人税率の引き下げや電力の安定供給の確保も必要だ。課題は数多く、情勢は厳しいが、うつむくばかりが能ではない。日本企業は一歩前に踏み出すときである。』
私はこの社説で述べられている考えに賛成です。今の日本は新しい産業の柱を早期に立ち上げる必要があります。
記事にありますように国内産業の中で、素材、部品など産業を支えるベースの分は世界シェアナンバーワンを取っている企業が多く存在します。
これと同じ産業構造を他の核となる製品分野で作る必要があります。例えば、電機業界。液晶パネルでは韓国サムスンに完敗しました。その差は広がる一方ですので国内企業に勝ち目はありません。
今の国内家電企業に必要なのは、徹底した集中と選択です。社説にありますように、GMの元会長のジャック・ウェルチが言った「世界シェアが1位か2位でない事業は要らない」の基本を大事にすべきです。
どの分野でナンバーワンになるか早期に決めて実行することが重要です。
私は中小企業の経営支援を行っています。勝ち残りの大原則は、ニッチな市場で良いから、徹底的に差別化・差異化した技術やノウハウでナンバーワンになり、他社の参入を許さないことです。
しょうしょう大きめの市場であれば、2位のシェアで我慢する場合がありますが、基本はその市場でナンバーワンです。
この大原則は大手企業も同じになってきました。かって国内市場が右肩上がりで拡大していた時期には、シェアが下位の企業も一定程度の売上を確保できました。これは市場拡大と共に、競合他社や顧客の好みの変化が現在ほど急速ではなかったためです。
しかし、現在の状況は異なります。IT環境下では、情報伝達と共有が瞬時に可能になりますので、競走速度は以前とは全く異なっています。常に競合他社より早く動いて差別化・差異化を維持する必要があります。
例えば、パナソニックは、蓄電池を核にした環境分野に軸足を移し始めました。パナソニックは家庭向け蓄電池では世界シェアナンバーワンを目指す必要があります。多分、中国、台湾、韓国企業との激しい価格競走が起こりますが、それに勝ち残れるように経営資源を徹底的に集中して実行することが重要です。
中小企業の場合、当該事業の柱がなくなれば倒産するリスクがあります。そこで、新規事業立上の場合、状況によっては事前の段階で事業撤退計画を作っておいて、2~3年経って事業環境が好転しない場合、その計画に従って撤退してもらいます。
その方が被害が少なくて倒産するリスクを小さく出来るためです。勿論、同時に次の事業展開を考え実行します。足回りの早さが中小企業の強みです。
大企業も同じように経営を早いスピードで行わないと世界企業に勝ち残れません。トップ自ら考え、決断して道を切り開き、世界シェアナンバーワン獲得を期待します。
よろしくお願いいたします。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁
日経記事;『トヨタの営業益上ぶれ、3500億円に 12年3月期』に関する考察 [新規事業開拓・立上]
2012年4月30日
皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。
4月30日付の日経新聞に、『トヨタの営業益上ぶれ、3500億円に 12年3月期 今期は2倍超に回復』のタイトルで記事が掲載されました。
本日はこの記事に関して考えを述べます。
記事の主な内容は以下の通りです。
『トヨタ自動車の2012年3月期は、本業のもうけを示す連結営業利益(米国会計基準)が3500億円程度になったもようだ。
東日本大震災やタイの洪水の影響が残り、前の期比2割強減るが、2月時点の予想(2700億円)を上回った。
国内外で自動車の販売が伸び、為替が3月末にかけ円安に振れたことも利益を押し上げた。足元も販売は好調で、今期は営業利益が前期の2倍超と急回復する見込みだ。
震災や洪水による減産の影響が昨年末にはほぼ解消し、トヨタは1月以降に生産を拡大した。国内はエコカー補助金を背景にハイブリッド車の「プリウス」や「アクア」の販売が伸びた。北米では中型セダン「カムリ」がタイなど新興国ではピックアップトラック、多目的スポーツ車(SUV)が好調だった。
業績の前提となる前期の平均為替レートは1ドル=79円程度になった。前の期に比べ7円の円高で、通年では利益を押し下げる要因になった。ただ3月末にかけ円安が進み、想定したほど輸出採算は悪化せず、営業利益が従来予想より膨らんだ。
13年3月期の連結営業利益見通しは、前期の2倍超となる8000億~9000億円程度で調整しているようだ。
トヨタは2月、12年(暦年)のグループ世界販売を前年比2割増の958万台とする計画を公表した。足元も北米やアジアで販売は好調が続いている。
株式市場では「販売増やこれまでの合理化で営業利益1兆円も可能」(外資系証券)との声は多い。ただ為替変動や資源高、欧州財政問題など不透明要因も多く、トヨタは現時点では今期の事業環境を慎重にみている。』
最近、トヨタ、日産自、ホンダの業績が急回復してるとの報道記事が多く掲載されています。本日の記事もその一つ。
トヨタを含めた各自動車会社は、昨年の大震災で破壊された生産インフラやタイでの大洪水で稼働不能となった工場の復旧を終了し、生産体制は元の水準に戻りました。
国内は、記事にありますようにエコカー補助金の好影響もあって軽やハイブリッド車(HV)や電気自動車の販売が好調です。
また、米国市場では自動車需要が底堅くなり、国内自動車メーカーの販売は低燃費車のエコカー人気に支えられて売れています。
特に最近のガソリン価格高騰で国内自動車の燃費性能の注目度が高まっており、特にHVやEVに対する需要の高まりが期待されます。
新興国では、中国市場がやや不活性になっていますが、タイやインドネシアなど他のアジア諸国などでの需要が伸びており、国内メーカーの後押しになっています。
このような事業環境下、トヨタの2013年3月期の連結営業利益見通しが、前期の2倍超となる8000億~9000億円程度、若しくは1兆円に近い金額見通しになっています。
日産自やホンダも似たような状況です。差別化・差異化できる技術や製品を持っている企業は市場が好転してくると、一気にその恩恵にあずかります。
特に、次世代自動車に不可欠な環境対応や高度な低燃費性能の実現などに必要な機能を実現する技術・部材・部品・製品の分野で、国内の自動車企業と関連企業群は、差別化・差異化できるものを多数持っておりさらに磨きをかけています。
自動車業界の場合、国内企業が持つ高度技術を求めて、色々な動きが出て来ています。
例えば、一時期極度の経営不振に陥った米国GMやフォードは、業績を立て直しつつあります。この事業環境改善の結果、両社は国内企業との連携・提携を再び強化しつつあります。
国内自動車企業が持つ低燃費技術が主な対象です。GMはいすゞとの提携を2006年に所有株を売却するなどして縮小してきました。
ここにきて伸長著しい新興国市場での事業拡大に向けて、いすゞが持つディーエルエンジン技術で低燃費車を実現し、東南アジア諸国の市場開拓を狙います。
また、フォードは以前本ブログ・コラムで述べましたように、HV技術を求めてトヨタと提携しています。
上記しました様に、米国市場ではガソリン高騰からHVやEVへの関心が高まっており、トヨタや日産自などの高度技術に他社から強い関心が寄せられています。
中国は、HVやEVの技術を求めて、今後の海外からの自動車産業への新規投資やこれらの環境対応分野に高い優先度をおいています。
このように、国内自動車産業は、高度環境対応技術で世界市場を引っ張っていく力を持っています。低燃費車は、例外なくどの国や市場から求められるものです。
国内自動車企業は、更にその環境対応技術を高度化して、他社を凌駕しつつ世界市場で環境改善に貢献しながら、大きく事業を伸ばすことが出来ます。
部材・部品まで含めると自動車産業のすそ野は広く、今後の国内産業の大きな成長のエンジンの一つになることは間違いありません。
環境技術を武器にしたたかに世界市場で勝ち残っていくと期待します。
環境対応は、業界に関係なく国内企業にとって重要なキーワードです。
例えば家電業界でみますと、汎用化した技術・製品では、国内企業は韓国、中国の値下げ攻勢にさらされ、採算を確保できない状況になります。現在の液晶テレビ事業で、ソニー、パナソニック、シャープなどが巨額の赤字に直面していることが典型的な事例となります。
パナソニックは蓄電池事業を中核にした家庭用エコシステムを最重要分野としています。東芝は、スマートグリッドや蓄電池などを含む家庭・企業向環境事業に注力し始めました。
電機製品業界も、環境対応などに特化して尖鋭的な技術で徹底的な差別化・差異化を図り「汎用事業化」という呪縛から解放される必要があります。
よろしくお願いいたします。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁
日経記事;『電子部品6社が改善 今期最終 スマホがけん引』に関する考察 [新規事業開拓・立上]
2012年4月28日
皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。
4月28日付の日経新聞に、『電子部品6社が改善 今期最終 スマホがけん引』のタイトルで記事が掲載されました。
本日はこの記事に関して考えを述べます。
記事の主な内容は以下の通りです。
『京セラ、村田製作所など電子部品大手6社の2013年3月期の業績見通しが27日出そろった。全社とも最終損益が前期から大きく改善する。
けん引役となるのが、需要の急拡大しているスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)に使う電子部品。前期の業績悪化の要因のひとつであるタイ洪水被害からの復旧もあり、V字回復を見込む。
27日に村田製作所が発表した13年3月期の連結純利益見通しは前期比56%増の480億円。スマホやタブレット(多機能携帯端末)PC市場が前期比5割伸びる。端末の高機能化に伴い「搭載数が多く利益率が高い」(村田恒夫社長)積層セラミックコンデンサーが利益を押し上げる。
スマホ関連でクラウド・コンピューティングなどサーバー向けに部品需要が拡大。TDKはハードディスク駆動装置(HDD)向け磁気ヘッドの収益が回復する。日本電産も小型精密モーターの出荷が伸び、過去最高益を更新する見通し。
タッチパネル向けの素材を手掛ける日東電工も「新製品登場を控え、7~9月に受注増の波がくる」(柳楽幸雄社長)とみて2期ぶり増益を見込む。京セラはスマホの新製品投入や販売先の拡大で通信機器事業の採算が改善する。
ただ、伸びが見込めるスマホ市場では「競争が激化している」(村田社長)との声もあり、採算を維持できるかどうかが、収益改善のポイントになってきそうだ。』
スマホやタブレット型パソコンが世界市場で売れています。商品分野でみますと、アップルと韓国サムスンの2強が強く他社を圧倒し始めました。
4月27日付の日経新聞によると、今年1~3月期には韓国・サムスン電子の業績をスマホがけん引する一方、フィンランドのノキアはスマホ不振で最終赤字に転落したとのこと。
スマホの競争力は携帯全体のブランド力に直結しており、業界集計では1~3月にノキアが14年守った世界出荷台数首位の座をサムスンに明け渡したと報じています。
残念ながら現時点では、スマホやタブレット型パソコンには、国内企業の存在感はほとんどゼロです。
アップルを除くと、アンドロイドOSを採用しているスマホではサムスンの一人勝ちになりつつあります。
パナソニックやソニーなどの国内家電メーカーも、スマホやタブレット型パソコンなどの分野での商品力強化を打ち出しています。
今後の奮起に大いに期待しています。
さて、これらの急成長しているスマホやタブレット型パソコンで使われています電子部品をみますと、異なる状況があります。
販売数量が飛躍的に伸びているスマホやタブレット型パソコン、或いは、今後需要が伸びそうな薄型・軽量のノートパソコンである「ウルトラブック」などの製品に使う主要部品の多くは、国内部品メーカーが供給しています。
主要なメーカーは、京セラ、TDK、日本電産、村田製作所、日東電工、アルプス電気などです。スマホは従来の携帯に比べて多機能であるため、搭載部品点数が多く、機能・性能も高いものが使用されます。
スマホは、超小型パソコンに電話機能が付いたものとして考えれば、スマホやタブレット型パソコンという従来のパソコンにプラスした形で商品群が増えた形になります。
更に、今年後半に各パソコンメーカーが、マイクロソフトの新OSである「Windows8」を搭載したウルトラブックを出荷すると予想されています。
このウルトラブックに主要国内部品メーカーが作る部品が大量に使用されます。IT業界では、データセンターの需要もスマホやタブレット型パソコンの普及と共に増加しており、設置されるサーバー数も増えています。
国内部品メーカーの部品もサーバーで数多く使われていますので、データセンター需要も売上拡大の後押しとなります。
また、今年は、トヨタ、日産自、ホンダなどの自動車企業の売上も、ハイブリッド車や電気自動車を中心に、国内のエコカー補助金などの影響と世界市場の拡大で大きく伸びる予想が出ています。
これらの自動車にも大量の電子部品が搭載されますので、国内部品メーカーの売上拡大に貢献します。
東芝、パナソニック、日立などが重点的に進めている環境・エネルギー関連製品にも多くの電子部品が使われます。
このように、当面国内電子部品の需要は底堅く、且つ成長が見込まれますので、関連する中小企業にとっては大きな事業機会となります。
差別化・差異化できる技術や部材・部品を提供して、急拡大する電子部品業界・市場で活動することが重要です。
急拡大する市場では、優れた技術や部品を持っていれば新規事業を立ち上げられる可能性が高くなります。
部品だけでなく、部品を作る製造装置などにも商機が出てきます。自社の技術を磨いて可能性が見込めれば、積極的に動くことが重要です。
私も支援先企業と共に積極的に需要獲得に向けて動き出します。
よろしくお願いいたします。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁
日経記事;『JXエネ、独で家庭用燃料電池販売 価格5分の1、50万円に 新興国開拓も視野』に関する考察 [新規事業開拓・立上]
2012年4月20日
皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。
4月20日付の日経新聞に、『JXエネ、独で家庭用燃料電池販売 価格5分の1、50万円に 新興国開拓も視野』のタイトルで記事が掲載されました。
本日はこの記事に関して考えを述べます。
記事の主な内容は以下の通りです。
『JX日鉱日石エネルギーは2015年をメドにドイツで家庭用燃料電池事業に参入する。現地企業と組み、技術開発や量産効果で価格を従来型の5分の1の約50万円に下げた最新型を売り込む。
ブラジルなど新興国での販売も目指す。ガスから電気と熱を効率的に生み出す燃料電池は世界で日本勢が先行している。海外の市場はまだほとんどないが、同社は他社に先駆けて新市場を開拓、20年に10万台の海外販売を目指す。
発電効率の高さを生かしドイツ市場を攻略する
燃料電池は群馬県の子会社などで生産しており、11年度は国内で2100台を販売した。海外では韓国で11年から韓国ガス公社と実証実験を始め、13年にも現地で発売する。ドイツは海外で2カ国目。
ドイツは再生可能エネルギーの買い取り制度に積極的で、電気料金が上昇。燃料ガスのパイプライン整備も進んでおり、需要が多いとみている。今後、ブラジルやベトナムでの販売も目指す。
ドイツ西部の大学系企業「燃料電池開発センター(ZBT)」(デュイスブルク市)と、現地の需要に合わせた燃料電池開発のための実証実験を始めることで基本合意した。
地元の都市ガスの熱量変化や電気の使い方などを調べ、製品に反映させる。販売ルートの確保へ向けて、エネルギー会社やボイラー機器メーカーとの間で提携交渉も本格化させる。
ドイツで販売するのは従来型よりも発電効率が3割程度高い、最新型の固体酸化物型燃料電池(SOFC)。1台あれば一般的な家庭で7割の電力をまかなえる。
発電装置の主要部材の素材を見直したり、人手で組み立てているのを自動化することなどで、今の270万円から約50万円に引き下げる。ドイツだけでなく、日本も含む世界市場での価格にするとみられる。
ドイツの電気料金は1キロワット時あたり約24円なのに対し、都市ガスを電気換算すると同約7円と安い。余剰電力を電力会社に販売でき、燃料電池購入後に数年でもとが取れる見通し。20年に5万~6万台の販売をめざす。
ブラジルでは現地の液化石油ガス(LPG)販売2位のウルトラガスなどと、販売へ向けた調査を始めた。電線が通じていない家庭向けなどに、潜在的な需要は大きいとみている。ベトナムなどアジアでの販売も検討していく。
日本では09年にJXエネや東京ガス、大阪ガスなどが世界で初めて燃料電池を商品化した。11年度末で累計約2万台が普及している。
海外では韓国内で現地や米国系の企業が販売しているが、価格が日本勢の約2倍とされ、販売実績はごくわずか。世界では日本企業が圧倒的に先行している。』
家庭用燃料蓄電池は、国内では2009年より「エネファーム」の名称で販売開始されました、2011年末までに約2万台出荷されたとのこと。
家庭用燃料蓄電池の仕組みは、都市ガスなどに含まれる水素を取り出し、空気中の酸素と化学反応させる過程で、電気と熱を生みだします。この熱でお湯も作れます。
エネルギー利用効率は、火力発電所で作った電気を家庭で使う場合に比べ約2倍とされています。
このように家庭用燃料電池は、ガスの有効利用やCO2(二酸化炭素)削減の効果もあり、エネルギー利用効率も良いのに国内ではまだ2万台しか売れていません。
理由は「エネファーム」販売価格の高さです。大体250万円から300万円とされています。2011年10月3日~2012年1月31日まで、政府から1台あたり85万円(上限;消費税含む)の補助金が出されていましたが、これを使っても消費者は約200万円支払う必要があります。
この高価格では国内の家庭には普及しません。
JXエネは、国内の太陽光電池が中国の安い製品に押されている状況をみた上での判断かどうか判りませんが、家庭用燃料電池のコスト削減に向けて行動を起こしました。
JXエネが記事にありますように、家庭用燃料電池の販売価格を目標とする1台50万円まで下げられれば、市場環境は大きく異なってきます。
高くても良いものなら売れる時代ではなくなりつつあります。特に、今後は必ず世界市場を想定して事業を行う必要があり、新興国ではその国に合った仕様・機能・性能を持った製品でなければ売れません。
また、そのような対応をしないと、赤字を出しても販売し市場シェアを取る韓国や中国企業に席捲されてしまうリスクがあります。
現在の太陽光電池がその事例になります。技術で先行していても、技術流出で低価格で販売されれば国内企業は勝てません。
JXエネの動きは、国内企業が参考にすべき動きの一つなります。JXエネがドイツで1台50万円の家庭用燃料電池を売れば、電力会社から電気を買う場合に比べて競争力が出てきますので、一定の普及が見込まれます。
さらに、JXエネはブラジル開拓を進めようとしています。50万円より安い製品が必要になります。より低価格品の供給が可能になれば、ブラジルだけでなく他の新興国や新・新興国で販売が可能になります。
米国などでシェールガスの積極的な採掘が始まり、一般的なガス田から取れるガスを含めた天然ガスの供給量は飛躍的に高まる予想が出されています。
シェールガスを採掘するには、大量の水と化学物質を使うため、環境対応などの対策が必要になりますが、中東などからの石油依存度を下げたい米国の思惑もあって、当該ガスの採掘は積極的に行われるとみます。
天然ガスの供給量が増えると、ガスの販売価格は下がりますし安定することが期待されます。安いガスと、低価格の家庭用燃料電池が組み合わされれば、世界市場で当該製品が普及する可能性があります。
コア技術は国内に残して、有望な需要が見込める新興国で現地生産して製造コストの削減を図れれば、更に販売価格が下がる可能性があります。
販売数量が増えれば、量産効果でコスト削減が可能になりさらに価格を下げられることが期待できます。このポジティブスパイラルで国内を含めた世界市場で売れることになります。
韓国、中国勢に価格競争力で負けない事業の仕組み構築を大いに期待します。
よろしくお願いいたします。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁
日経記事;『トヨタ・東北大、東北で次世代車研究』に関する考察 [新規事業開拓・立上]
2012年4月15日
皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。
4月15日付の日経新聞に、『トヨタ・東北大、東北で次世代車研究』のタイトルで記事が掲載されました。
本日はこの記事に関して考えを述べます。
記事の主な内容は以下の通りです。
『トヨタ自動車と東北大学は共同で、電気自動車など次世代自動車関連の研究開発拠点を東北に設ける。電気バスや自動車向け高度情報サービスなど先端技術の開発施設を月内にも宮城県のソニー工場内に開設。
地元の中小企業を加えて将来の協力企業群を育てる。トヨタは東北を中部・九州に次ぐ国内第3の生産拠点と位置づけている。東日本大震災からの復興に向けて新産業の育成を目指す東北大と連携し、東北の事業基盤の充実につなげる。
小型ハイブリッド車(HV)「アクア」を岩手県で生産する子会社、関東自動車工業と、東北大の産学連携機関である「未来科学技術共同研究センター」が研究開発の中心になる。
トヨタが持つ自動車の設計や制御のノウハウに東北大の電気、情報通信、材料など各分野の先端技術を組み合わせる。研究成果の試作に地元企業が参画する。
研究開発拠点はソニーが仙台テクノロジーセンター(宮城県多賀城市)の事業縮小に伴って遊休施設を被災企業などに貸し出している「みやぎ復興パーク」内に設ける。
5000平方メートルの敷地に自動車の走行シミュレーターなど大型実験装置を導入するほか、ソニーの既存設備を活用する。研究員は数十人になる見込みだ。
電気自動車関連では車輪内蔵型モーターの性能向上や、プラグを差し込まずに充電できる非接触給電スタンドの開発に取り組む。電気バスを試作し、被災地の公共交通機関への活用に向けて試験運行もする計画。走行中の自動車が天候や渋滞の情報を自動的に発信し、他の車両に伝えるシステムの開発にも着手する。
工場の生産効率化では東北大のロボット技術を応用する考え。画像認識技術と高精度センサーを駆使して部品を搬送する機械が自律走行するシステムを開発。アクアを生産する関東自動車岩手工場(岩手県金ケ崎町)への導入を検討する。
トヨタは関東自動車と、宮城県に完成車工場を持つセントラル自動車、部品製造のトヨタ自動車東北(宮城県大和町)の3子会社を7月に合併し、トヨタ自動車東日本(同県大衡村)を発足させる。
東北を国内での小型車の生産拠点と位置づけ、企画から開発、生産まで一貫して手掛ける「重要な戦略会社」(新会社の社長に就任予定の白根武史トヨタ専務役員)にする。
ただ、東北で組み立てる完成車の部品の多くは現在、中部地区から運んでいる。コスト競争力のある小型車を生産するには東北での部品調達を拡大することが急務だ。
新設する研究開発拠点では東北大の力を借りながら、地元企業の技術力を磨く場にする。』
自動車産業は言うまでもなく現在の日本を支える大きな経済基盤になっています。トヨタは、国内自動車企業の中では最大手であり、世界市場ではゼネラル・モーターズ(GM)やフォルクス・ワーゲン(VW)とシェアナンバーワン獲得のための激しい競争を行っています。
今後の自動車産業にとって最も大きく、かつ、重要なのは環境対応車の開発・供給です。具体的には、HVであり、電気自動車(EV)、水素と酸素の化学反応で発電して走る燃料電池車となります。
かねてより、トヨタは上記次世代環境対応車の開発拠点を東北に設けると宣言してきました。今回の記事は、トヨタが具体的に動き始めることを示しています。東北にとっては大きな産業基盤が誕生することになります。
東北は、トヨタにとって、中部、九州に次ぐ第三番目の研究開発・生産拠点となります。生産の点では小型車の拠点と位置付けるとのこと。
日産自も東北に生産拠点を確保しており、東北が九州に次いで自動車産業の集積地になります。技術や関連部品産業が集積すると、研究開発のスピードが飛躍的に向上し、開発の効率化が進みます。
同地域内に、関連部品工場や車の組み立て工場があると、開発成果を部品メーカーや工場などと連携して、早期に具現化や検討を進められますので、自動車のように複雑な構造を持ち、多くの部品が使われる製品開発にはうってつけのやり方となります。
これが研究・産業集積の大きなメリットです。
HVやEVの販売台数は、世界市場で今後も増え続け、2020年には販売シェアが20%を超えるとみられています。この技術を持っているかどうかが、自動車メーカーにとっては今後の競争力を左右することになります。
国内企業では、トヨタ、日産自、ホンダ、三菱自などが独自に開発を進めています。ただ、EVやHVの開発には巨額の投資が必要なため、1社単独で行うには限界があります。
このため、自動車各社は、競合他社と連携して開発負担の軽減化と開発スピードの加速を行っています。
例えば、トヨタは2011年12月に独BMWと環境分野の技術提携で合意しており、EV、HVに使うリチウムイオン電池の開発で協力するとしています。日産自は、仏ルノーや独ダイムラーベンツとEVの共同開発を行っています。
これらの提携は、「Win/Win」の関係が成立しないと有効ではありません。お互いに自社固有の技術を持っており、それを補完しながら共同で効果的な技術開発を進められる相手先と組まなければ迅速な開発は実現しません。
この観点からみますと、トヨタは東北地区でHV、EV、水素と酸素の化学反応で発電して走る燃料電池車の独自時術の開発を促進し、その成果をもとに他社との連携で主導権を取って世界ナンバーワン企業としての足場固めを図る、このようなやり方がみえてきます。
トヨタ、日産自、ホンダなどが独自のやり方でHVやEVの開発にしのぎを削っており、今後の動きが注目されます。
なお、自動車産業の連携については、下記コラム・ブログで書いています。ご興味のある方はお読みください。
・日経記事;『トヨタ、米フォードとHV共同開発で提携へ』に関する考察 [アライアンスから期待する効果](2011年8月23日)
・日経記事;『トヨタ、環境分野でグローバル陣営作り BMWと提携交渉』に関する考察 [アライアンスから期待する効果] (2011年11月28日)
・日経記事;『復活ビッグスリー、国際再編狙う 生き残りへ「実利」優先』に関する考察 [アライアンスから期待する効果]( 2012年3月26日)
よろしくお願いいたします。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁
日経記事;『日立、レアアース使わない省エネモーター開発』に関する考察 [新規事業開拓・立上]
2012年4月12日
皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。
4月12日付の日経新聞に、『日立、レアアース使わない省エネモーター開発 送風機向け産業用モーター』のタイトルで記事が掲載されました。
本日はこの記事に関して考えを述べます。
記事の主な内容は以下の通りです。
『日立製作所は11日、レアアース(希土類)を使わない省エネ型の産業用モーターを開発したと発表した。工場やビルの送風機、ポンプなどに使うモーターで、2014年度の製品化を目指す。
世界生産の9割を占める中国の輸出規制でレアアースの安定調達が難しくなっているのに対応する。脱「中国依存」に向けた動きが広がってきた。
脱・中国依存へコスト削減
工場やポンプなどに使う中型の産業用モーターは近年、省エネ機運の高まりで高効率機種への切り替えが進んでいる。その代表格が鉄にレアアースの一種であるネオジムやジスプロシウムを混ぜた強力な磁石を組み込んだモーターだ。
これに対し日立が開発したモーターは磁石にレアアースを使わず、中核部品の「鉄心」にアモルファス金属を使った独自開発の素材を採用。レアアースを使った製品と同等の性能を出せるようにした。
価格が高いレアアースを使わないため原料コストの大幅な削減も見込めるという。
産業用モーター全体の国内市場は年3兆円規模で、日立のシェアは10%弱。中型の産業用モーターで日立は東芝、三菱電機と並んで首位を争っている。
電機メーカーは“脱レアアース”に向けた技術開発を進めている。三菱電機や日本電産は、電気自動車やハイブリッド車向けにレアアースを使わない駆動用モーターの実用化を進めている。
調達先の多様化やレアアース使用量の削減を進めたこともあり、中国の輸出制限で高騰した価格は現在、沈静化している。主要レアアースの3月時点での価格は昨年7月のピーク時に比べ半分以下に下がった。
ただ、電気自動車などの永久磁石に使うジスプロシウムなどは世界生産のほぼ全量を中国に依存しており、代替品の開発が引き続き課題となっている。』
レアアースは、半導体と同様に性能・効率の良い電機製品や自動車などを作るために必要なものです。
従来は、中国がレアアースのほぼ全量を廉価に世界中に供給していました。しかし、資源ナショナリズムに気が付き方向転換した中国は、レアアースの囲い込みを行い、供給量を制約して外交カードに使ったり、価格を急激に上げました。
レアアース自体は、米国やオーストラリアなど他国でも調達可能です。しかし、米国企業が昨年、国内企業に高値での購入を要求しました様に、今後他国のレアアースの購入価格は高くなると予想されます。
天然資源が乏しい日本は、レアアースについてもその依存度を限りなく0に近付ける必要があります。レアアースを使わない技術開発は、今後の日本の成長を支えるための必要条件の一つになります。
しかも、その代替技術・部品・製品は廉価であることが重要です。
多くの国内企業が実用的で低コストの代替技術開発を行っています。例えば、モーターの分野では、日立、東芝、三菱電機以外に日本電産が、レアアース使用磁石を用いないモーターをエコカーの駆動装置用に2013年から供給開始とのこと。
磁石の分野では、TDKがレアアースを使わない小型磁石をハードディスク駆動装置向けで2012年に実用化する計画です。東芝も代替素材活用でレアアース量を減らした車載モーター用永久磁石を開発中とのこと。
このように、モーターや磁石分野で脱レアアースの動きが加速するのは大いに結構なことあり、国内企業の底力を感じます。願わくば、日立が開発中のレアアース不要モーターをもう1年前倒しして、2013年中に製品化することを期待します。
東芝や三菱電機などの他社の開発意欲を刺激し、脱レアアースの各種モーターが早期に実用化されるからです。
一方、今後の国内自動車産業の柱の一つになる電気自動車やハイブリッド車でも、モーター以外にレアメタル(希少金属)を使用している重要部品があります。リチウムイオン電池です。
リチウムイオン電池に使われるリチウムはレアメタルの一種になります。レアメタルもレアアースと同様に山地が中国、ロシア、アフリカなどに偏在しており、中国は供給に制約をかけています。
リチウムイオン電池の脱レアメタル化は、政府も後押ししてNEDO(独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)を通じて国内企業と共同して開発を進めています。
パナソニック、GSユアサ、東芝などの国内企業がレアメタルフリーのリチウムイオン電池の早期開発・製品化を期待します。低価格であることは当然のことになります。
レアアース・レアメタルフリーの電気自動車やハイブリッド車は、日本の大きな産業の柱の一ついなりますし。代替モーター、磁石、電池を供給するメーカーは世界中に輸出できます。
レアアース・レアメタルフリーのコア技術・部品は、他の分野でも国内企業にて開発が進んでおり、今後、国内企業の大きな差別化・差異化の要因の一つになります。
中国がレアアースやレアメタルを武器に使った外交から、代替技術のニーズが高まり開発が一気に進みました。
新事業分野確立のやり方の理想的な形の一つになっています。大きな社会的なニーズと需要がある分野に、国内企業や大学、各種研究機関が連携して強みを最大化して、既存品に対する代替技術を確立し、新規事業として国内企業が立上げ世界に貢献しつつ売上を伸ばす、やり方です。
環境、医療、福祉などの分野で同様な考え方と進め方で、大きな新規事業立上が可能です。国内企業のますますの頑張りを期待します。
これらの分野では、関連する中小企業も色々な役割を果たせますので、成長を取り込める機会が多くなります。
レアアース・レアメタルフリーの動きをみていきながら、今後の中小企業にとって参考になる新規事業立上のシナリオ作成に役立てるつもりです。
よろしくお願いいたします。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁
日経記事;『IT各社、システム技術者をクラウド分野に転換 』に関する考察 [新規事業開拓・立上]
2012年4月11日
皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。
4月11日付の日経新聞に、『IT各社、システム技術者をクラウド分野に転換 』のタイトルで記事が掲載されました。
本日はこの記事に関して考えを述べます。
記事の主な内容は以下の通りです。
『IT(情報技術)大手がシステム技術者(SE)の再教育に乗り出す。ネットワーク経由でソフトウエアや情報システムを提供するクラウド事業を拡充するのが狙い。
富士通はグループ全体で3千人を対象に実施。NECはSEの3割を同分野に対応できる人材に育てる。システム市場の構造変化に対応し、割安なクラウドサービスで売り上げを伸ばしてきた新興勢力に対抗する。
システム各社のSEはこれまで、顧客企業の要望に沿ってプログラムを組む受け身の業務が主体だった。クラウドサービスでは、顧客にシステムの新しい使い道や価値を積極的に示す提案力の巧拙が顧客争奪戦での競争力を左右するようになる。
ITサービスで国内最大手の富士通は約3年かけて、グループ全体のSE約3万人のうち約1割を新たにクラウド分野に強い人材として再教育する。社内外で1年程度研修する。
サーバーを効率よく使う仮想化技術などクラウド関連に加え、顧客企業の情報システムの課題を抽出する能力などを習得させる。
NECは来春までに、約3万人のSEのうち、1万人強をクラウドなどサービス分野に強い人材に転換する計画だ。すでに7割については再教育を完了。今後1年かけ、さらに3千人規模を追加で再教育する。同社はクラウド分野で米マイクロソフトと提携するなど、事業強化を急いでいる。
日本ユニシスは4月1日付で「システム基盤開発技術部」を発足させた。全社の技術者の13%に相当する約350人の開発要員とSEを集め、クラウド関連サービスに専念させる。日本IBMも部門を横断したクラウド組織を設けた。兼務で数百人が所属する。
米調査会社によると、世界のクラウド市場規模は2015年に700億ドル(約5兆7千億円)と、現在の2.5倍に膨らむ可能性がある。
独立行政法人の情報処理推進機構(IPA)によると、国内のSE数は101万人(10年)。同機構は、日本のIT産業の国際競争力をテコ入れするには、提案力などSEの総合力向上が不可欠と判断し、評価手法の見直しなど制度改革を進めている。』
富士通の試算では、国内IT市場12兆円(2008年度)のうち、クラウドは約1.3%を占めるにすぎなかったが、12年度には6%を占める見込みとのこと。IT市場全体の金額は伸びていないので、09年から12年までの間にクラウドが大きく伸びたことを示しています。
特に、11年は大震災後にクラウドの良さが再確認され、企業、自冶体、学校、病院などでの普及が進みました。
本試算では、15年度にクラウド市場は20%を占めるようになる見込みです。上記記事はクラウドの本格普及を踏まえ、富士通、NEC、日本ユニシス、日本IBMなどの大手ITベンダーがクラウドに対応したシステム技術者の再教育を行うというもの。
正直言いますと、もしこの記事通りの場合、国内ITベンダーの対応はやや遅いとの印象をもちます。
既に米セールスフォース・ドットコムなどのクラウド新興勢力が国内市場に参入しつつあり、更に今後その勢いは伸びていくとみています。
私もクラウドを比較的低料金で使っています。クラウドは、下記の通り幾つかのメリットがあります。
・ネットとパソコンがあれば、何時でも何処でも仕事ができる。
・外出先でもスマホから必要なデータ・情報を確認できる。
・当座使うデータや情報はパソコン内のハードディスクか、外付けハードディスクに保管するが大元のデータ・情報はクラウドで保管できる。
・データ・情報の流失や紛失などのリスクを軽減できる。
・Webサイトのようなブラウザがあれば、情報の加工や発信ができるので、特定OSやアプリソフトを購入し使用する必要はない、など
これを使う企業に当てはめれば、以下のように状況になります。
・基幹システムにアクセスするには、特定のWindows PCを共有して利用する必要がある。部門によっては当該業務を円滑に行うために、異なるOSであるMACパソコンを使用する必要があるが、パソコンのOSを共通化する仏要があった。
・クラウドでは、すべてWeb上に移行されるため、ブラウザさえ使えれば、OSが異なるどのパソコンからもアクセス可能。営業担当者が外出中に受注情報を入力できるようになるなど、業務のスピードが格段に向上する。
・サーバー運用管理負荷の軽減、コスト、事業継続対策といった面でも効果が期待される、など。
このようにクラウドは多くの利便性が見込めるため、需要は大きく伸びていきます。
クラウドは、中小のITベンダーにとっても大きな事業機会を持てる可能性があります。従来方式では、各企業は個別のアプリソフトを開発し使ってきました。クラウドでは、Webサイト上で共通のソフトを使うため、大きなソフト開発を個別に行う必要はなくなります。
大きなソフト開発は、多数のシステム技術者を持つ大手ITベンダーしか対応できず、中小のITベンダーは、その下請けや既存システムの保守管理を中心に事業してきました。
しかし、中小ITベンダーがWebサイト上で動き、且つ、利便性の高いアプリソフトを開発する力があれば、セキュリティの高いデータセンターを活用したクラウド提案を企業に行えます。
また、多くの中小企業はITシステムを本格的に導入していません。サーバーの投資や専任者の配置など負担が大きいためです。
中小ITベンダーがクラウド提案を中小企業に行えれば、中小企業はITを導入して経営の効率化や創造性向上を図れますし、中小ITベンダーにとっても商機が増えます。
タブレット型パソコンを使えば、営業担当は出先からクラウドにアクセスし、必要なデータ・情報を確認出来たり、営業状況のデータ入力も外出先から可能になります。
顧客に対する営業提案も、電子書籍との組み合わせでより効果的に行える可能性もあります。小回りがきく中小ITベンダーにとっては、中小企業に対し低価格で魅力的な提案を行えれば、大きな市場が見込めます。
共に中小企業同士が発展できる「Win/Win」の関係構築が可能です。
中小ITベンダーにとってはクラウド上での提案力が勝負の分かれ目であり、差別化・差異化につながります。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁
日経記事;『M&A・クラウドになぜ注力? 米オラクルCEO ラリー・エリソン氏に聞く』に関する考察 [新規事業開拓・立上]
2012年4月8日
皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。
4月8日付の日経新聞に、『M&A・クラウドになぜ注力? 米オラクルCEO ラリー・エリソン氏に聞く IT総合力で打倒IBM』のタイトルで記事が掲載されました。
本日はこの記事に関して考えを述べます。
記事の主な内容は以下の通りです。
『米サン・マイクロシステムズなど巨額のM&A(合併・買収)を展開してきた米ソフト大手のオラクルが、クラウドコンピューティングに力を入れている。来日したラリー・エリソン最高経営責任者(CEO)にM&Aの成果と今後の事業展開について聞いた。
ーーハード企業の買収は意外な選択だったが。
「そういう声もあったが、サンの買収は最も成功した例だ。昔はマイクロソフトとインテルといったソフトとハードを別に調達してシステム構成したが、インターネット時代を迎え、一体化した方が効率がよく、使い勝手も良くなった。アップルがいい例だ。」
「我々もソフトとハードを合体して、従来より百倍性能がいい製品を作った。ハードの売上高はこの2年間減少したが、不要な製品をやめたからだ。新製品は年率2・4倍伸びており、来年からハード事業も拡大に転じる。」
ーー7年間に買収した企業は約80社にも上がる。
「我々はデータベースソフトで出発したが、企業に必要なソフトをすべて提供する戦略を6年前に打ち立てた。
人材管理など買収企業のソフトを『フュージョン(融合)』というソフト群にまとめ、クラウドでも提供できるようにした。特にセキュリティの高さには自信がある。
企業向けクラウド事業で現在2位だが、早急に1位を目指す。」
ーー独ソフト最大手のSAPも似た戦略だ。
「クラウド進出は我々のほうがずっと早い。買収もクラウドを中心に進めてきており、必要な技術はそろった。
これからは自社の製品群により、1株当たり利益で年率15%から20%の成長を実現する計画だ。」
ーースティーブ・ジョブス氏がこの世を去った。
「替え難い友人を失った。親密者の葬儀で長いスピーチを行った。2人ともビル・ゲイツと戦ってきたが、これからの私の仕事は総合IT企業としてIBMに勝つことだ。」
ーー日本の家電業界の苦境をどう見ているか。
「ソニーなど日本企業は家電で成功したが、デジタル転換に十分対応できなかった。ハードは強いが、ソフト開発力に欠けたからだ。
スティーブの成功は音楽をハードでなくソフトで提供したことにある。不振のもう一つの理由は韓国の台頭だ。日本企業に必要なのはグローバル戦略だ。。。。』
クラウドが先進国を中心にが急激に普及しています。社会システムのインフラになりつつあり、将来的には水やエネルギーなどと同じレベルで国のライフラインの一つになります。
クラウドは今までの社会構造を変えてしまう潜在力を持っています。日本のようにほぼ全国レベルでブロードバンド環境が普及し、何時でも何処でもインターネットが使える社会では、クラウドを使うことで社会生活やビジネスの利便性が高まります。
例えば、在宅勤務や遠隔地間の会話がネットやクラウド活用で、メールや音声・テレビ電話などの方法で何時でも何処でも可能になりつつます。
また、アップルが始めたネットによる音楽配信やアマゾンの電子書籍なども既存事業に大きな影響を与えており、従来の事業基盤を破壊しつつあります。
オラクルCEO のラリー・エリソン氏が指摘したように、ソニーのウオークマンは、音質の良さではiPodに勝ちましたが、ネット配信の利便性が多くのお客から支持されたため負けました。
iPodはネットでゲームソフトもダウンロードできる仕組みを持ったため、国内のゲーム産業も大きな影響を受けました。アップルは、更にインターネットテレビでも攻勢をかけようとしています。
米国では、電子書籍が昨年来急激に普及しており、その影響を受けて全米第2位の書店が倒産しました。
クラウドの最大の魅力は、顧客が大きな新規投資なしにサーバーやソフトを使用した期間・量だけのサービス料を払うだけで使えることと、コンピュータ導入・構築・管理などが不要で、しょうしょう極論しますと、パソコンやタブレットPCのような端末とネット回線さえあれば使える利便性です。
セキュリティが確保され、高信頼性を保証するクラウド事業者を選べば、何時でも何処でも仕事や生活で、必要な情報を取って加工・使用して保存できるからです。
大企業の場合は、複数のサーバー施設を自社内において維持管理出来ますので、あえてクラウド活用を行う必要もないところもあります。
しかし、中堅・中小企業、学校、病院、自冶体、個人など、自前でサーバー管理などを行うことが難しい事業者や個人にはクラウドは大きなベネフィットを与えますので、今後大きく普及していきます。
企業の視点からみますと、クラウド前提での事業モデルを考え、実行する必要があります。クラウド事業に絡むサービス・部品・製品の提供者の視点と、クラウドユーザーの両方の視点で考えます。
クラウド事業者の視点からは、クラウドのインフラ構築・維持・サービス・部品・製品の提供などの分野で色々なビジネスが考えられます。
オラクルやIBMは、ソフトとハード(サーバーなど)の両方をトータルに提供する事業者としての立場から、ビジネスをしています。SAPの場合は、ソフト提供者に重きをおいています。
米DELLやマイクロソフトなどのIT企業もクラウド事業を強化しています。国内ではNECが事業再生の切り札としてクラウド事業強化を始めています。
クラウドを使って事業する視点からも大きな機会が出始めています。ソフトの分野では、ゲームや各種娯楽用途や利便性を高めるアプリソフトの提供が増えています。
クラウドは、自冶体のデータ・情報管理や学校教育、病院、オフィス、個人などに入り始めており、医療の分野では、遠隔地治療や患者データの共有化、エネルギーの分野では企業や個人の節電支援などに使われています。
ここに大きな事業機会があります。ITベンダーだけでなく多くの中小企業にとってクラウドを様々な視点からみて、自社の事業にどう取り込んでいくか考え、実行することが大事です。
私の支援企業も新規事業の展開を開始しており、今後の進展が楽しみです。
よろしくお願いいたします。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁









