So-net無料ブログ作成
何故アライアンスが必要なの? ブログトップ
前の10件 | -

日経記事:『社説 100年に1度の変革に挑む自動車産業』に関する考察 [何故アライアンスが必要なの?]

                                                  2017年11月5日

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

11月5日付の日経新聞に、『社説 100年に1度の変革に挑む自動車産業』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は、以下の通りです。

『2年に1度の自動車の祭典、東京モーターショーが今日閉幕する。以前より減ったとはいえ、東京・有明の会場には60万人超のファンが足を運んだ。会場ではホンダの電気自動車などが注目を集め、華やかなムードを演出した。

だが少し引いた目で見ると、いまの自動車産業に浮かれた気分はない。日本車は高品質と効率生産を武器に世界で躍進したが、勢いを持続できるかどうか。車が「100年に1度」といわれる変革期を迎える中で、日本車各社も成功体験にとらわれない、経営や組織のモデルチェンジが必要だろう。

変革の波は3つある。1つはエンジンから電池に動力源の主役が代わる電動化時代の幕開けだ。2つめはIT(情報技術)の進化で、完全自動運転などの新機軸が意外に早く実現しそうなこと。3つめはカーシェアなどの普及で、所有を前提としない車の利用形態が徐々に広がっていることだ。

一連の変革によって、日本企業の強みが弱みに変わる恐れがある。例えば日本の人材の特徴は同質性だ。同じようなスキルと共通経験を持つ人たちがチームワークを発揮し、工程の改善や車の品質向上に成果を上げてきた。だが、今後は同質性より、むしろ多様性こそがカギを握るのではないか。

自動車会社には電動化の柱である電池技術や、自動運転の中核をなすAI(人工知能)人材の蓄積が薄い。その穴を埋めるには、外部の研究者をスカウトしたり、ベンチャーや大学と手を組んだりといった横の連携が不可欠だ。

様々な背景を持つ人材に活躍の舞台を用意し、企業文化や歴史の異なる会社とも上手に付き合う。そんな多様性重視に向けて経営者がマインドを切り替え、それに沿った組織風土をつくれるかどうか。その成否が各社の変化対応能力を左右するだろう。

技術革新が加速する時代は「非連続の決断」が必要な時でもある。長年かけて練り上げてきた技術やビジネスの仕方があるとき突然、陳腐化するかもしれない。

そんな時は思い切りよく過去と決別し、新しい方向に踏み出す勇気が必要だ。日本の半導体が没落した一因は、設計と生産をそれぞれ専門の企業が役割分担する世界の潮流に背を向け、設計・生産一体型の古い方式から脱却できなかったことだ。自動車産業も系列のあり方を含めて事業モデルの絶え間ない検証が欠かせない。』

私も2年ぶりに開催されましたモーターショーを見学しました。電気自動車(EV)の新型車や人工知能(AI)・IoT対応した自動運転技術を搭載したコンセプトカーなど、非常に高い関心をもって見学しました。

同時に、自動車産業の基盤が、ガソリンエンジン車に代表される現行車から、EV、あるいは燃料電池車に切り替わる時期になりつつあることを実体験しました。

本日の社説にありますように、トヨタやホンダなどの国内自動車メーカーは、この変革期を相当な危機感と緊張感をもって迎えていると推測します。

トヨタは、次世代自動車として、燃料電池車とEVの両分野を睨んで開発・実用化を進めています。

欧州自動車メーカー、中国政府の方針、グーグルなどの米大手ITベンダーの動きから、短期的にはEVが次世代自動車のベースになります。

このEVの性能を左右するのは、電池になります。現在の主流である電池は、リチウムイオン電池です。

このリチウムイオン電池は、フル充電後の走行距離が実用的と言われる、たとえば、500kmを現時点では達成できない、コバルトやニッケルといったレアメタルを使っている、価格が総じて高いなどの課題があります。

このリチウムイオン電池の課題を解決するものとして、開発・実用化を進めているのが、トヨタが東京大学やNEDOなどと共同で進めている全固体電池です。

この トヨタが10月25日、EVやプラグインハイブリッド車(PHV)向けの次世代電池である「全固体電池」について、2020年代前半の実用化を目指す方針を明らかにしました。

この全固体電池が開発・実用化されると、今のリチウムイオン電池を主体とするEV、HV、PHVの事業環境が大きく変わります。

ガソリンエンジン車に匹敵する実用的なEVが出現することになります。トヨタをはじめとする国内自動車メーカーが、全固体電池でEVや燃料電池車を主導することが期待できます。

一方、自動運転車の開発・実用化は、米大手ITベンダーのグーグルが、一歩先行しています。

10月31日付の日経新聞に、『場所は言えない グーグル自動運転「秘密の街」を見た』のタイトルで記事が掲載されました。

この記事によると、グーグルは米軍基地の跡地である91エーカー(0.36平方キロメートル)もの広大な敷地を使い、「止まれ」の標識や信号など一般と同じ道路環境が再現された仮想の町を作って、自動運転車の開発・実用化を積極的に進めています。

グーグルは、自動車(EV)本体は自動車メーカーからOEM供給を受けます。言わば、アップルがiPhoneを台湾や中国のメーカーの工場で作ってもらい、供給を受けるやり方と同じです。

自動運転機能付EVは、コネクテッドカーになり、言わば動くiPhoneになります。グーグルは、コネクテッドカーの商品力を自動車本体ではなく、AI、IoT対応、ソフトウエア開発力で差別化・差異化を可能にするやり方を取ります。

トヨタやホンダなどの国内自動車メーカーは、ガソリンエンジン車での差別化・差異化を、自動車本体の性能や機能などから実現してきました。

自動運転機能付EVは、自動車の価値自体を破壊・再構築してしまう可能性があります。

今まで、グーグル、アップル、アマゾンなどの米大手ITベンダーは、既存事業基盤を一気に破壊・再構築してきた歴史をもっています。

トヨタやホンダなどの国内自動車メーカーは、米国のシリコンバレーにAI、IT、IoT対応の大型研究拠点を設立したのは、上記米大手ITベンダーに対抗して、自らコネクテッドカーを開発・実用化する能力をもつことにあります。

さらに、将来の自動車市場に大きな影響を与える可能性があるのが、自動車を所有するのではなく、シャアするやり方の普及です。

このカーシェアが普及すると、自動車の所有台数が減少するので、市場規模が小さくなります。

トヨタやホンダなどの国内自動車メーカーは、上記「3重苦」の事業環境で、グーグルやアップルなどの米大手ITベンダーと対抗する必要があります。

現在の自動車産業は、典型的な垂直統合型の構造になっています。かって、ソニーやパナソニックやソニーなどの国内大手家電メーカーが、アップルに負けたように、垂直統合型の事業構造を保ったままでは、グーグルやアップルなどの米大手ITベンダーとの競争に打ち勝つことはできません。

私は、トヨタやホンダは、国内大手家電メーカーと同じ轍を踏まないように動くと考えています。

上記大型研究拠点を米シリコンバレーに設置したことや、トヨタが国内有数のAIベンチャーである株式会社Preferred Networksに出資して、連携・協業を行っていることなどから判断しています。

米大手ITベンダーの破壊・再構築する規模の大きさと、その実行スピードが極めて速いので、トヨタやホンダは、オープンイノベーションのやり方を徹底的に活用して、迅速に新事業の立上を行うことを大いに期待します。

今後のトヨタやホンダ、およびグーグルやアップルなどの米大手ITベンダーの動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁


nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

日経記事:『造船大手,設計部門を集約 JMU,建造と分離/川重,中国で増員 専業との連携拡大も』に関する考察 [何故アライアンスが必要なの?]

                                            2017年11月4日

皆様、
こんにちは。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

11月4日付の日経新聞に、『造船大手,設計部門を集約 JMU,建造と分離/川重,中国で増員 専業との連携拡大も』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は、以下の通りです。

『ジャパンマリンユナイテッド(JMU)など総合重工系の造船大手が造船所ごとに分散していた設計部門の集約に相次ぎ乗り出す。環境規制の強化に伴う設計業務の拡大に備えて設計力を底上げする。

建造部門と設計部門を切り離すことで、将来的に低コストの建造を得意とする専業大手と分業連合をつくる狙いもある。各社の設計部門の強化が業界再編につながる可能性がある。

IHIやJFEEホールディングスなどの造船部門を統合したJMUは全国7カ所の造船所に分散していた主要な設計業務に携わる技術者を本社の設計部門に集約。本社の同部門は現在の2倍の約300人体制となる。

本社に集約するのは、船型や積載量、燃費性能などを決める「基本設計」、詳細な仕様を決める「機能設計」を手掛ける技術者。各造船所が担う設計業務の重複を解消して作業効率を高め、省エネ効果の高い商船「エコシップ」の設計・開発に取り組む。

造船所で使う建造用の設計図などを作製する「生産設計」の技術者300人は各造船所に残る。

川崎重工業は中国の造船合弁2社の設計者を育成する。基本設計のエンジニア約50人を含む約500人が現地で新型船を開発できるようにする。今後、さらに技術者を1割増やし約550人体制にする。一方、競争力の高い燃費性能に関する技術開発は日本の神戸工場(神戸市)に集約する。

三井造船も2カ所の造船所に分散していた基本・機能設計の技術者500人を1つの部署にまとめることを検討する。

三菱重工業はすでに3拠点に分散していた設計技術者を横浜の拠点に集約した。集約した横浜の部門と下関造船所(山口県下関市)の建造部門を統合する商船の新会社を2018年1月に立ち上げることを発表した。

JMUなど重工各社が設計部門の集約に動く背景には設計業務の拡大がある。2020年代中ごろまで二酸化炭素や硫黄酸化物の排出削減、生態系保全など環境規制の強化に伴う制度変更が予定され、新基準に則した設計図を新たに作り直す必要が出てくる。「設計力を強化しないと新規案件を取るのが難しくなる」(JMUの三島慎次郎社長)という。

さらに総合重工各社の生き残り戦略も背景にある。今治造船や大島造船所など専業大手は建造量で重工各社をしのぐ。一方で省エネ型商船など設計技術の水準は重工各社が高いとされる。重工各社が設計部門の付加価値をさらに高めれば、設計業務を受託して建造を任せるなど専業大手と分業連合を組みやすくなるとの狙いもある。

実際、三菱重工は設計部門を中核とした新会社が今治造船など専業3社と提携。設計・開発は三菱重工が担い、専業3社が主に建造するといった役割分担を検討している。造船会社幹部は「設計強化と並行して複数の専業大手に提携を申し込んでいる」と打ち明ける。

中国・韓国勢との受注競争で劣勢に立たされる日本の造船各社。重工系各社が設計・建造の分離を進める先には、業界再編が控えている。』
 

本日の記事は、国内大手造船関連企業が設計業務と建造業務を分離・集約する動きについて書いています。

現在の造船業は、ほとんど開発、設計、建造までの業務を1社単独で行う垂直統合方式を採用しています。

このやり方は、かっての家電メーカーが取っていたやり方と同じであり、垂直統合で一気通貫のやり方で行うことにより、競合他社との差別化・差異化を可能にできたからでした。

造船業は、1980年代までは世界市場で日本企業の独占状態が続いていました。その他モーター市場に韓国と中国の造船会社が参入して、大規模な設備投資などで、固定費削減効果による安値攻勢で市場を奪われました。

その後、日本の造船企業は、円高進行もあり長期低迷期が続きました。ここ数年間は、円安効果と、環境対応や省エネ型の造船技術が要求されたことなどから、徐々に国内製造事業者は、収益構造が改善されるようになっています。

また、IHIやJFEEホールディングスなどの造船部門を統合したジャパンマリンユナイテッド(JMU)などのように、大規模な集中と選択を行ったことも、国内企業の競争力強化につながっています。

国内船舶建造量で最大手の今治造船は、世界市場のシェアで2~3位に入っています。

この国内造船事業者が、更なる発展を図るため、企業競争力強化を行おうとしているようです。

新造船は、さらなる環境対応や省エネ性能の向上が要求されるのは確実です。さらに、この省エネ効果を高めるために、将来、日本海事協会が2016年から取り組み始めたIoT活用による「燃費が良い運航ルート」を導き出して、船の運営コスト削減を実現するプロジェクトもあります。

ただし、このIoT活用には、洋上の通信は衛星回線を使う必要がありますので、通信コストが非常に高くなる課題があります。

IoT活用には、上記課題がありますが、洋上通信コストが下がれば、一気に実施されるようになるとみています。

このように、造船業界を取り巻く事業環境が変化する中で、大手造船事業者が、1種のオープンイノベーションのやり方を採用し始めていることは、興味深いことです。

オープンイノベーションのやり方を徹底的に行うと、このやり方に参加する企業の強みを最大化することで、お互いに「Win/Win」の関係になり、事業収益の拡大を実現できます。

本日の記事によると、競争力の高い燃費性能に関する技術開発を得意とする大手重工業は、設計開発部隊を集約して、当該業務の生産性と競争力強化を図り、建造作業を低コスト化が得意な造船専業事業者に委託するやり方を取るようです。

お互いの企業が得意な分野を提供して、高い燃費性能の船を低コストで作れば、国内造船業の競争力強化につながります。

オープンイノベーションは、お互いに競争力をもつ企業が、「強者連合」によるイコールパートナーシップでオープンに進めることが成功の秘けつになります。

この観点から、「設計・開発は三菱重工が担い、今治造船や大島造船所などの建造専業3社が主に建造するといった役割分担を検討している。」と書かれていますので、当該企業が今後どのように具体的な動きをしていくのか注目していきます。

造船業界の動きは、中小企業がオープンイノベーションを行う上での参考情報になることによります。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁



nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

日経記事;『日本車、変わる自前主義 欧州開発受託が相次ぎ拠点 EV・自動運転、分業促す』に関する考察 [何故アライアンスが必要なの?]

                                            2017年9月23日

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

9月23日付の日経新聞に、『日本車、変わる自前主義 欧州開発受託が相次ぎ拠点 EV・自動運転、分業促す』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事について考えを述べます。

記事の主な内容は、以下の通りです。

『クルマのパワートレイン(駆動装置)などの部分的な開発を完成車メーカーから受託するドイツやオーストリアの企業が日本に相次ぎ拠点を新設する。欧州で浸透した分業モデルが日本でも広がると判断した。

完成車メーカーは電気自動車(EV)や自動運転など広範な技術が必要になり、自社ですべてを賄うのは徐々に難しくなる。外部の力をいかに活用するかが次世代車の競争力を左右しそうだ。

自動車メーカーはエンジン開発から車両設計、組み立てまで幅広い技術を手掛ける自前主義の傾向が強い。開発受託はエンジンなどパワートレインを中心に開発業務を支援するビジネス。EV向け技術も蓄積し、独フォルクスワーゲン(VW)など欧州メーカーでは開発の一部を外部に任せる手法が浸透している。

オーストリアのAVLは11月、名古屋市に新拠点を設ける。16年11月に川崎市に開いたテクニカルセンターに次ぐ拠点となる。同センターはエンジンが想定通りに動くかを試験する装置を備え、近くEVなど電動車向け設備も入れる。

試作したパワートレインを欧州に送って試していた手間を省き、自動車メーカーに迅速なサービスを提供する。名古屋市の新拠点はエンジンなどの性能テストに使う試験設備の販売拠点にする。

独FEVも18年以降に日本に技術拠点を設ける方針。ソフトウエアの開発を担うほかエンジンなどの試験設備を備える。投資額は10億円超の見通し。独IAVも18年に日本でエンジンなどの試験ができる設備を整える。

FEV日本法人のロバート・ヤンソン社長は「電動車を開発する大型プロジェクトを抱えている」と話す。黒子と言える存在の開発受託企業は受注先の詳細を明かさないが、トヨタ自動車やマツダ、ホンダなどに技術者を送ってきた。日本で開発、設計、試作まで一貫して手掛けたエンジンを完成させた実績もある。

開発受託各社はガソリンやディーゼルのエンジンに加えEVやプラグインハイブリッド車(PHV)のバッテリー、モーターの開発ニーズにも応える。各国政府の動向にも詳しく、EVシフトを進める規制当局の情報を得るためにも完成車メーカーにとって欠かせない存在になってきた。

次世代車はパワートレインが変わるだけでなく、自動運転に人工知能(AI)が必要になるなど完成車メーカーが慣れない技術領域が増える。自社内に多様な技術を抱えるトヨタでも「AIではあらゆる手段をつかう。

自前主義だけではいけない」(伊勢清貴専務役員)との声が出始めた。通信、電池、半導体と必要な技術を確保するためには自社の取り組みだけでは立ちゆかなくなる。
一方、EV化が進めば繊細な技術で擦り合わせる機械部品は減り、モジュール(複合部品)やパワートレインの開発を外部に任せやすくなるとみられる。完成車メーカーはブランドやデザインの力がより問われるようになる。部品メーカーを囲い込み競争力を保ってきた自動車業界のビジネスモデルが変わり始めた。』

自動運転機能付EVは、既存のガソリンエンジン車やディーゼルエンジン車の自動車の概念とは全く異なるものになると考えています。

自動運転機能付EVは、しょうしょう極端な言い方をしますと、言わば動き・移動する電子端末機器と考えています。

ここに、米大手ITベンダーであるグーグルが、自動運転機能付EVを開発・実用化する理由があります。

グーグルは、インターネットを通じた広告宣伝収益の拡大を、自動運転機能付EVから上げることを想定しています。

自動運転機能付EVを利用する人は、運転する必要がありませんので、IoT対応したEVでインターネットを活用して、検索したり、ゲームや音楽・映画鑑賞、買物などを楽しむことができます。

このため、将来、グーグルだけでなく、アップル、アマゾン、フェースブックなどの米大手ITベンダーが、自動運転機能付EVに関するビジネスに参入してくると想定しています。

今の自動車は、単に移動するだけでなく、自動車の運転自体を楽しむ要素などを加えて、差別化・差異化を図っています。

完全な自動運転機能付EVは、自動車の中でインターネット活用しながら楽しみつつ移動する手段になります。

この自動車概念の変化は、トヨタ自動車、ホンダ、日産などの既存自動車メーカーのビジネスのやり方に大きな変化を起こします。

上記する米大手ITベンダーは、今まで既存事業基盤を破壊・再構築して、自分たちのビジネスを拡大してきました。

日本の家電メーカーであるソニーやパナソニックなどが、米大手ITベンダーとの競争に負けて市場を奪われました。

これは、日本の家電メーカーがハードウェア商品自体での競争を意識した結果、インターネットやITを活用したソフトウエアの競争力の弱さや、インターネット配信の開発・実用化などにより、既存事業基盤を変更されたりして市場や顧客を失ったことによります。

米大手ITベンダーは、ハードウェア商品を出すとき、商品企画、デザイン、開発、設計など競争力を左右するとこは、自前で行い、製造は第三者に委託するやり方を取っています。

たとえば、グーグルは、現時点でFCA(フィアット・クライスラー・オートモビル)と連携・協業して、自動運転機能付EVを開発・実用化するとしています。


一方、EVの構造は、ガソリンエンジン車やディーゼルエンジン車の構造と比べて、使用する部品点数も大幅に少なく、簡略化できます。

また、ガソリンエンジン車やディーゼルエンジン車で差別化・差異化を可能にするノウハウは、EVにはそれほど有効ではありません。

トヨタ自動車、ホンダ、日産などの既存自動車メーカーにとって、EV自体をハードウェアの面からの差別化・差異化を可能にする余地は、少ないとみています。

つまり、家電メーカーがかって体験したハードウェア商品単体での差別化・差異化にこだわると、既存自動車メーカーは同じ轍を踏むことになります。

トヨタ自動車やホンダなどは、この点に気付いていると考えます。具体的には、IoT・AI対応のために、米シリコンバレーに巨額投資を行って開発拠点を設けています。

また、トヨタ自動車は、国内AIベンチャーであるPreferred Networks(PFN)に出資したりして、連携・協業を行っています。

ガソリンエンジン車やディーゼルエンジン車で差別化・差異化を可能にするには、垂直統合方式で、開発・実用化のすべてのプロセスで技術を磨くやり方が有効でした。

しかし、EVが主流になり、競争相手にITベンダーが入ってくると、国内自動車メーカーが今までの垂直統合方式で行っていると、開発期間の短さ、開発コスト・製造コストの圧縮という事業基盤の急激な変化についていけなくなる可能性が高くなります。

本日の記事にありますように、国内自動車メーカーは、今までの自前主義から脱却して、水平分業方式で、競争力をもつ企業との連携・協業による「Win/Win」の関係を構築して、スピーディーに事業化するやり方が求められます。

米大手ITベンダーがこのやり方の先駆者であり、オープンイノベーション(2000年代初頭に米ハーバード・ビジネススクールのヘンリー・チェスブロウ博士によって提唱された概念です。)と言われています。

このオープンイノベーションは、技術革新などのイノベーションをおこすため、企業は社内資源のみに頼るのではなく、大学や他企業との連携を積極的に活用することが有効であるとする考えです。

お互いに強みや特徴をもつ企業や研究機関などが、イコールパートナーシップにより、「Win/Win]の関係を構築して、連携・協業を行うことで、競争力のある商品を短期間に開発・実用化することが、オープンイノベーションであると理解しています。

国内自動車メーカーが、強力にオープンイノベーションのやり方を実行できれば、米大手ITベンダーがや欧米の自動車メーカーに勝てると確信しています。

もし、オープンイノベーションのやり方を有効に活用できないと、将来国内自動車メーカーは厳しい事業環境に直面する可能性があります。

企業の規模に関係なく、競争力のある企業同士がオープンイノベーションのやり方を有効に活用することを期待します。

私の支援先企業の中には、オープンイノベーションのやり方を有効に活用して、競争力のある商品やサービスを短期間に開発・実用化しているところがあります。

今後の国内自動車メーカーの動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁



nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

日経記事;『米ヤフー「解体」の意味するもの』に関する考察 [何故アライアンスが必要なの?]

                                                 2017年6月14日

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

6月14日付の日経新聞に、『米ヤフー「解体」の意味するもの』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は、以下の通りです。

『ネットサービス大手の米ヤフーが先週開いた株主総会で、事実上の会社解体を決めた。主力のサイト運営を通信大手の米ベライゾン・コミュニケーションズに売却し、日本法人などの株式を保有する投資会社となる。

ネット企業の草分けであるヤフーの浮沈は、この分野の変転の激しさを示す。多くの業界で変化の速度が増しており、経営者は技術の進化への感度を高めるべきだ。人材がヤフーから成長企業に移るなど、米国で産業の新陳代謝が進んでいることにも目を向けたい。

1995年に発足したヤフーは、様々な情報を並べたポータルサイトとして競争力を高め、「ネットの入り口」として数億人規模の利用者を得た。

だが、米グーグルの検索サービスが状況を一変させる。必要な情報を効率的に見つける手段としてグーグル検索の人気が高まったが、ヤフーは利用者の変化を軽視し、技術開発が後手に回った。

小売業界では米アマゾン・ドット・コムが急成長、自動運転でもIT(情報技術)企業の動きが目立つ。米国の変化はダイナミックだが、日本も多くの産業でIT化が進めば、競争環境が急変する時代に入ったことを肝に銘じたい。

業績が悪化したヤフーは人員削減を進め、社員は2007年の1万4千人超から約4割減った。米フェイスブックなど成長企業への社員の転職や、起業も目立つ。

今年4月に株式を上場したビッグデータ処理ソフトの米クラウデラは、ヤフー出身者が設立に関わった一社だ。設立から10年足らずで社員が1500人に迫る規模まで成長し、時価総額は円換算で2000億円に達している。

一方、日本では競争力が低下した企業が人材や技術を抱え込み、有効活用できない事例が多い。

起業や、企業から新たな事業の種を切り出しやすい環境づくりを急ぐべきだ。こうした取り組みへの資金供給に加え、経営を担う人材を獲得しやすくする労働市場の整備も欠かせない。』

本日の記事は、米ヤフーが主力事業である検索Webサイト運営を米ベライゾン・コミュニケーションズに売却した後、最終的にヤフー本体の解体を決めたことについて書いています。

日本では、ヤフージャパンは検索、広告宣伝、インターネット通販などを行うWebサイトの運営事業者として主力企業になっています。

一方、ヤフージャパンも、国内でアマゾンジャパンや楽天などの強力なライバル企業が存在しており、今後の事業展開は、さらに競争が激化するとみています。

アメリカのIT業界は、競争が激しくて、2000年代に主力企業であった多くのITベンダーが、買収などで淘汰されました。

アマゾン、グーグル、マイクロソフト、アップル、フェースブックなどの米大手ITベンダーは、その激しい競争を勝ち抜いてきた企業であり、現在多くの創意工夫をしながら競争力を強化して、収益確保・拡大を図っています。

この激しい競争が起こっている事業環境は、IT業界だけではありません。IT業界が構築しさらに発展・進化を続けている、インターネット・ITの急速普及は、既存事業基盤を早期に破壊して、強い企業が再構築するビジネスの進化プロセスを加速させています。

アマゾン、楽天、ヤフーなどの大手ITベンダーが仕掛けるインターネット通販は、その高い利便性や、相対的に安い販売価格設定などが、多くの一般消費者や企業などに支持されて、毎年売上を二桁成長で伸ばしています。

そのため、一般的に小売店、百貨店、総合スーパーなどのリアル店舗での売上は、減少が続いています。

このことは、インターネット・ITの先進国である米国で最も顕著に表れています。本日、6月14日付の日経新聞に、『米商業モール苦境 ネット通販に押され… 百貨店など撤退相次ぐ』のタイトルで書いてあります記事に示されています。

この記事に、「米国型消費の象徴、ショッピングモール(SM)の苦戦が国内全土で広がっている。拡大するインターネット通販に押されて店舗の閉鎖が相次ぎ、集客力を失ったためだ。。。大手百貨店は「アンカーテナント」と呼ばれ、米国のモールは百貨店を中心に形成されていた。その百貨店は現在、アマゾン・ドット・コムなどネット通販業者に顧客を奪われ、相次ぎモールからの撤退を決めている。今年に入り、JCペニーとシアーズ・ホールディングスは100店舗以上の閉鎖を発表した。メーシーズも昨年100店舗の閉鎖を発表した。今年の閉鎖店舗数は8000店を超えるとの推計もある。。。」と書かれています。

米アマゾンの攻勢は恐るべしです。

Webサイトを活用した広告宣伝では、インターネット検索エンジン運営会社の世界最大手ITベンダーである米グーグルや、SNS分野で米フェースブックやインスタグラムを運営するフェースブックなどの米大手ITベンダーがしのぎを削っています。

多分、このインターネット広告宣伝分野では、グーグルやフェースブックが、勝者になります。

小売店や広告宣伝のビジネスモデルは、上記米大手ITベンダーにより、短期間に既存事業基盤を破壊・再構築されつつあります。

グーグルは、本気で自動運転機能付電気自動車(EV)の開発・実用化を行っており、近々に米国市場で自動車市場に参入します。

ITベンダーであるグーグルが典型的なハードウェア商品の一つである自動車事業者になれるのは、オープンイノベーションのやり方を徹底的に使いこなしていることによります。

オープンイノベーションの定義は、以下の通りです。
「組織内部のイノベーションを促進するために、意図的かつ積極的に内部と外部の技術やアイデアなどの資源の流出入を活用し、その結果組織内で創出したイノベーションを組織外に展開する市場機会を増やすことである(Henry W. Chesbrough, 著書『Open Innovation』(2003年)」

このオープンイノベーションのやり方は、ITベンダーが積極的に取り入れました。
米大手ITベンダーであるアップルが、このオープンイノベーションを取り入れて、超大型商品として開発・実用化したのが、iPhoneになります。

アップルは、自前で工場をもたないファブレス企業です。商品企画、デザイン、開発、ソフトウェアなどのコア技術は、自前で強化し、他の部分をオープンイノベーションのやり方で、事業連携(アライアンス)の関係を構築・維持しながら、短期間に当該商品の開発・実用化・製造・販売を行います。

私は、オープンイノベーションのやり方は事業連携(アライアンス)そのものであると理解しています。

お互いに競争力をもっている企業同士が、水平分業型に事業連携(アライアンス)を組んで、最強の商品・商材・サービスを提供するビジネスモデルになります。

国内企業は、どの事業分野であれ、市場環境・事業環境に応じて、他社との事業連携(アライアンス)を巧みに使いこなせるかどうかが、今後の競争力を左右するとみています。

インターネット・ITの急速普及は、既存事業基盤を全くの新参企業が、破壊・再構築するリスクが常にある事業環境を生み出していることに気がつく必要があります。

今後、国内の中小企業は、今までの事業のやり方のみに固執しないで、柔軟な発想や考え方を取り込んで、短期間に自社商品・サービスの競争力を強化するやり方を徹底的に創意工夫する必要があります。

上記の米国市場の状況は、近未来の日本市場になることは確実です。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁


nice!(2)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

日経記事;『独アウディ、前走車の視界把握 追突防止に新技術』に関する考察 [何故アライアンスが必要なの?]

                                   2017年3月5日

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

3月5日付の日経新聞に、『独アウディ、前走車の視界把握 追突防止に新技術』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は、以下の通りです。
 
『自動車と通信の融合が一段と進んできた。2日までスペイン・バルセロナで開催した世界最大のモバイル見本市「モバイル・ワールド・コングレス」ではコネクテッドカー(つながる車)の出展が相次いだ。

独アウディは前走車の視界を見ながら運転し、追突を防止する新技術を公開。通信速度が100倍になる「5G」規格を使う遠隔運転システムも登場した。

運転席のモニターに前走車の視界が映し出される。

アウディは車同士で情報をやり取りする「車車間通信」で新技術を活用する。前走車のセンサーが捉えた映像が自動的にリアルタイムで送信されてくる仕組み。

運転席のモニターには前を走る車の視界がそのまま映し出され、急停車による追突事故を防ぐねらいだ。英ボーダフォンと中国・華為技術(ファーウェイ)の技術を活用した。

自動運転では瞬時にデータを送受信する必要があり、次世代無線規格5Gの実用化をにらんだ開発も進む。

スウェーデンのエリクソンは5Gを使う遠隔運転システムを開発。50キロ離れた地点から操作してもデータは0.05秒以内に届き、車の走行にほとんどズレが生じない。工場内運送など決まったルートを走る車に活用しやすく、まずは企業向けに需要を見込む。

仏自動車大手グループPSA(旧プジョーシトロエングループ)は運転席が無い自動運転のコンセプトカーを公開した。運転しない場合にハンドルを収納。パネルで映画やテレビ番組を楽しむこともできる。韓国サムスン電子のクラウドを使ってデータを送受信する仕組みだ。乗車する人の体調や気温のデータを集め、空調に活用する。

NTTドコモの吉沢和弘社長は「異業種が協力しあうコネクテッドカーでは系列は関係ない」と話す。自動車メーカーと通信会社の組み合わせは従来のケイレツの枠を超えたものになるという。』

毎年各国で開かれる自動車関連ショーで、自動運転機能関連の新技術やコンセプトカーなどが、各企業より積極的に発表されます。

本日の記事は、ドイツ大手自動車メーカーであるアウディが、自動運転機能の主要な構成要素の一つである前走車の視界を見ながら運転し、追突を防止する新技術を公開したことについて書いています。

アウディは、次世代通信技術である5G規格を採用しています。5Gは、本日の記事にありますように、通信速度が現行に比べて100倍になるとされています。

自動運転機能は、高性能かつ高信頼性のIoT技術が必須になります。5Gは、通信面でこのIoTを支える規格になる可能性が高くなっています。

自動運転機能は、すべての車が通信機能をもっており、車同士で自動的に通信できる「コネクテッドカー(つながる車)」であることが前提となります。

ドイツの大手自動車メーカー3社、BMW、ダイムラー、アウディは、2016年9月に欧米などの半導体・通信機器大手と組み、次世代高速通信の第5世代(5G)を使ったサービスの開発で提携すると発表しました。

この3社は、自動運転機能の実現には5Gの実装が必要との認識をもっており、米半導体大手のインテルとクアルコム、通信機器大手のエリクソン(スウェーデン)、ノキア(フィンランド)、中国の華為技術などと、連携(アライアンス)を組んで世界標準をつくる動きをかけています。

本日の記事は、その1社であるアウディが、コネクテッドカーの一例を発表したことを示しています。

トヨタ自動車は、3月5日に2019年をめどに日米中の3カ国で販売するほぼすべての乗用車に通信機能を標準搭載する考えを発表しました。

トヨタは、従来2020年までに日米の両市場での通信機能搭載を表明していましたので、それを前倒しするとともに、対象市場に中国を加えました。トヨタもIoT実装を加速させています。

自動運転機能の開発・実用化には、多くの新技術が実装される必要があります。これらの新技術を使いこなして、多くの自動車が安全かつ快適に自動運転できるようにするために、通信規格や各種情報のやり取りや処理方式などについても、世界市場で標準化・共通化される必要があります。

国内自動車メーカーにとってベストなやり方は、自社で開発・実用化した技術・ノウハウをコアにしたものが世界標準になることです。

これは、開発・実用化の成果が最も効率的に使うことが可能であり、そのまま世界市場で販売できることによります。

上気ドイツ大手自動車3社の動きは、世界標準を獲得して、自社の技術的優位性を確立して、世界市場で勝ち組になることを狙ったものです。

自動運転車の開発・実用化は、既存の自動車メーカーに加えて、テスラモーターズのようなEVの専業メーカーや、米大手ITベンダーのグーグルなどの新顔が加わって、激しい競争が起こっています。

自動運転車は、言わば動くIT実装機器になりますので、どの世界大手企業も、1社単独で世界標準を作り、世界市場で勝ち組になることは不可能です。

トヨタは、2016年6月にコネクテッドカーの実現のために、KDDIとの提携を発表しました。

今後、トヨタ、ホンダ、日産自動車などの国内自動車メーカーは、どのような形で、他企業と連携(アライアンス)を組んで世界市場で勝ち組になるように動くのかが問われます。

自動運転車の開発・実用化は、非常に速いスピードで動いていますので、日本自動車メーカーが連携(アライアンス)を巧みに実行しないと、他国企業に市場を奪われるリスクがあります。まさに、フル回転したオープンイノベーションを行う必要があり、既存系列にこだわった連携(アライアンス)を組むと、致命傷になる可能性があります。

今後、この視点から、国内自動車メーカー3社の動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 


nice!(3)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

日経記事;『ドローン規格 日本から 経産省、制御技術など開発へ 市場開拓を後押し』に関する考察 [何故アライアンスが必要なの?]

                   2017年2月26日

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

2月26日付の日経新聞に、『ドローン規格 日本から 経産省、制御技術など開発へ 市場開拓を後押し』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は、以下の通りです。

『経済産業省はドローン(小型無人機)の国際規格づくりに乗り出す。宇宙航空研究開発機構(JAXA)と協力して衝突防止技術や自動管制システムを開発し、2025年度をめどに国際標準化機構(ISO)の承認を目指す。

日本や欧米を中心にドローンの実用実験が進んでいるが、国際的な規格がないことが普及の妨げになっている。日本が主導することで国内企業の市場開拓を後押しする。

ドローンは制御技術が未発達で、風であおられたり、電線などの障害物に接触したりして落下する事例が後を絶たない。国は航空法で飛行を厳しく規制し、今は離島や山間部などで操縦者の目の届く範囲でしか飛ばすことができない。

経産省は国際的な普及を見据え、17年度内にもJAXAや産業技術総合研究所(産総研)などと連携して安全性向上に向けた技術開発を始める。

JAXAとはドローン同士がぶつからないように互いの位置を自動で把握する管制システムを開発する。産総研とは飛行を安定させる技術の開発や全地球測位システム(GPS)や飛行高度を検知するセンサーの実用化を進める。福島県に整備する試験場で研究を進め、各機関の強みを生かして技術を開発する。

経産省は安全性と実用性を高め、20年度をめどにISO規格を承認する国際機関に申請する。承認されるのは25年度前後になる見込みだ。

経産省が規格づくりに力を入れるのは、技術開発で先行しながらも国際規格化で後れを取り、世界進出に苦労してきた日本企業の経験があるためだ。携帯電話では00年ごろ、当時最先端の技術「iモード」を持つNTTドコモがフィンランドのノキアなどとの規格争いに敗れ、今に続く日本勢の低迷の要因になった。

ドローン技術を巡っても、米航空宇宙局(NASA)が実証実験を進めるなど、世界で国際規格をにらんだ動きが出ている。日本は強みを持つ自動飛行技術や飛行データ解析といった分野で海外勢との技術協力を進め、成果を国際規格に反映させる考えだ。ドローンは中国製の機種が多く、規格づくりで先手を打つことで中国を巻き込んでいくことが課題になる。

矢野経済研究所(東京・中野)の調査では、世界のドローンの市場規模は20年には2兆3千億円と、15年の1.8倍に拡大する見通し。民間の別の調査では日本国内の市場規模は20年度に1千億円を超えるとみられている。日本の実情に合う規格づくりを主導できれば、ロボット技術などに強みを持つ日本企業は市場を獲得しやすくなる。』

私は、会社員時代に欧米企業との各種連携(アライアンス)活動を行いました。
この連携(アライアンス)活動の目的は、自社で開発・実用化した画像処理や音声処理方式を世界市場に普及させ、標準化することでした。

世界規模で標準化するためには、本日の記事にありますように、ISOなどの国際規格に採用されることが、一般的になります。

また、国際規格による標準化無しに、自社が開発・実用化した技術やノウハウを世界市場で実質的な標準とするやり方は、デファクトスタンダード化することになります。

このやり方は、自社がもつ技術的な強みをベースにして、世界市場で影響力を持つ企業と連携(アライアンス)を組んで、当該市場のマジョリティを押えることです。

国内企業が、国際規格化によるか、あるいはデファクトスタンダード化で世界市場での共通標準となる規格を押えるかは別として、共通して必要なことは、世界企業を巻き込んでの仲間(ファミリー)作りになります。

世界企業が共通化・標準化作業に参画・連携(アライアンス)するのは、基本的に自社に有利なビジネス環境を整えることが主目的になります。

共通化・標準化を行うためには、その技術的な方向性を固める時期が、その後のビジネス的な優位性を保てるかどうかの分かれ道になります。

日本は、第二次世界大戦後のある時期まで、国際的な規格作成作業に本格的に入れませんでした。

それまでは、欧米企業や政府が主導権を握る形で共通化・標準化作業が行われ、日本や他の国は、欧米勢が決めたレールの上でビジネスを行うことを強いられてきました。

現在でも、世界市場での共通化・標準化作業は、欧米勢が主導権を握って行うケースが多いのが実情です。

そのようなビジネス環境下で、国内企業や政府が主導権をもって、世界市場での共通化・標準化作業を行うには、事前にきちんとした事前準備とやり方の検討・作成を行うことが極めて重要になります。

私たちが行ったやり方は、まず自社技術・ノウハウを客観的に分析・検証して、強み、特徴、新規性、将来性を明確化しました。

この分析・検証の結果、自社の技術・ノウハウが、今後の世界市場での将来ビジネスに役立つものであり、安全性や信頼性なども含めて担保できることを確信することが、世界市場での共通化・標準化作業開始の前提条件になります。

この差別化・差異化できる技術・ノウハウをコアにして、世界市場に影響をもっている企業と、個別面談を非公式にかつ、極秘に行います。

通常、この個別面談は、双方向の機密保持契約(NDA)を結んで行います。この動きは、第三者に知られないように行います。

個別面談で、お互いに「Win/Win」の関係を明確化・構築できるかどうかがポイントになります。

このような関連企業との個別面談を積み上げて、多数派を作成していきます。ある程度めどがついたら、ISOなどの規格を審議・決定する国際的な機関に、新規格の審議開始を提案します。

もし、適当な国際機関や適切な関連規格がない場合、上気しましたように、デファクトスタンダード化を主要企業で行います。

国際的な新規格を作る、あるいはデファクトスタンダード化を行うためには、国内企業は、巧みな連携(アライアンス)を行う必要があります。優れた技術・ノウハウをもつだけでなく、世界企業と会話・交渉する政治力が必要となります。

この連携(アライアンス)のやり方は、オープンイノベーションの方式で、他社との協業で、新規事業立上を行うことと同じです。

今後、大手だけでなく、ベンチャー・中小・中堅企業が、自社の強みとなる技術・ノウハウをコアに、世界市場で連携(アライアンス)を巧みに行いながら、共通化・標準化作業を実現して、自社に有利な事業環境(ビジネスプラットフォームという言い方もあります)を実現していくことを期待します。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 


nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

日経記事;『トヨタ・スズキ、開発や調達など包括提携 株持ち合いも検討』に関する考察 [何故アライアンスが必要なの?]

                                            2017年2月4日

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

2月4日付の日経新聞に、『トヨタ・スズキ、開発や調達など包括提携 株持ち合いも検討』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は、以下の通りです。

『トヨタ自動車とスズキが開発や調達など広範囲な分野で包括提携することで大筋合意したことが3日、明らかになった。両社は2016年10月から協力関係の構築に向けた本格的な検討を進めてきた。

今後は株の持ち合いなど資本提携も検討する。トヨタの提携先も加えると年間販売台数が1800万台に達する巨大連合が始動する。

6日にも両社が発表する見通しだ。具体的な協力テーマは今後、両社で詰める。開発ではIT(情報技術)の活用や自動運転技術、世界的な環境規制の強化でニーズが高まる電動化などが対象になるとみられる。調達では海外を含めて競争力が高い取引先を相互に紹介するといった可能性がありそうだ。

トヨタは自動車業界ではIT企業など異業種を巻き込んだ競争が激しくなっており、影響力を維持するには同業との協力拡大が必要とみている。スズキは15年に独フォルクスワーゲン(VW)との資本・業務提携を解消し、新たな後ろ盾が必要と判断。スズキの鈴木修会長がトヨタの豊田章一郎名誉会長に提携を打診した。

スズキとトヨタ子会社のダイハツ工業の国内の軽自動車のシェアを合算すると60%を上回るなど、独占禁止法に抵触する恐れもあった。提携後も両社はそれぞれのブランドで販売を続ける。

一方、独禁法に抵触しない技術開発などの緩やかな連携から始め、実利を得る方針だ。提携関係を強固にするため、資本提携についても今後検討を進める見通しだ。

トヨタは2000年代半ばに富士重工業やいすゞ自動車と資本・業務提携したほか、最近は独BMWやマツダと提携した。多くのメーカーとの連携を広げ、自動車のIT化や自動運転の普及に伴い必要となる規格策定を有利に進める狙いだ。

1月には米フォード・モーターと共同で、スマートフォン(スマホ)と自動車を連携させて使う技術の普及に向けたコンソーシアムを設立し、国内の完成車メーカーでは富士重、マツダ、スズキの3社が加わっている。』


トヨタ自動車とスズキは、2016年10月に環境や安全、情報技術などの分野で提携・協力すると発表しました。

それ以降、両社は提携・協力のあり方について検討してきました。本日の記事は、両社が合意に達したことについて書いています。

提携・協力の詳細内容は、2月6日に発表されるとのことです。本日の記事は、提携・協力の概要としては、株の持ち合いなど資本提携を含めて、開発・設計・製造・資材調達・販売の多分野でのものになるようです。

国内自動車産業の事業環境は、アメリカのトランプ大統領の新施策を含めて、激変しています。

次世代環境対応車の開発・実用化、グーグルなどの米大手ITベンダーによる自動運転車(EVベース)の開発・実用化・事業化、米ウーバーなどによるタクシーや自家用車の配車・短期間レンタルサービスの登場と普及、自家用車のシェアリングサービスの普及など、従来の事業環境では考えられなかった変化が急激に起こっています。

国内自動車メーカーにとって、次世代環境対応車の開発・実用化は大きな投資とリスクがあります。

次世代環境対応車の本命は、現時点ではEVと水素燃料電池車です。国内自動車メーカーでは、トヨタとホンダが先陣を切って水素燃料電池車の開発・実用化を積極的に進めてきました。

しかし、2016年に発覚したフォルクスワーゲンによるディーゼルエンジン車の燃費性能などに関する不正操作は、ドイツ自動車メーカーが一気にEVの開発・実用化を開始するきっかけになりました。

加えて、米国のカリフォルニア州やニューヨーク州などでは、排出ガスを一切出さない自動車の販売を徹底するZEV(Zero Emission Vehicle)規制が2018年からより厳格に適用されることになっています。

トランプ大統領の環境政策がこのZEV規制に影響を与える可能性がありますが、現時点では適用される前提で、国内自動車メーカーは対応策を実行しつつあります。

水素燃料電池車は、水素ステーションの設置や販売価格の低減化など、短期的な普及にはハードルがあります。

必然的に、トヨタなどの自動車メーカーは、水素燃料電池車と並行して、EVの開発・実用化を加速させる必要があります。

さらに、グーグルが開発・実用化を積極的に進めているのが、自動運動機能付EVです。すでに、グーグルは、長期間の開発・実用化を行い、多くの走行実証実験を行っています。

自動運転機能は、IoT・人工知能(AI)対応が必要になります。このため、トヨタやホンダは、カリフォルニア州にIT・人工知能の大規模な研究・開発拠点を設けています。

グーグルは、自社内に自動車工場をもたない方針を明確化しており、いわゆるファブレスで自動運転機能付EVを事業化します。

アップルが国内家電AVメーカーを駆逐したやり方と同じです。グーグルの強みであるITノウハウを武器に、既存事業基盤を破壊・変革する動きです。

トヨタは、上記状況を大変よく理解・認識しています。

しかし、トヨタといえども、1社単独で上記状況に対応できる能力や資本をもっていません。

トヨタも他社との連携(アライアンス)を積極的に行って、投資負担の最小化と投資期間の最短化を実現する必要があります。

この視点からみますと、トヨタとスズキの提携・協力は両社にとってメリットがあり、「Win/Win」の関係が構築できます。

たとえば、スズキは、軽自動車の開発・実用化、インドなどの新興国での小型車の強力な製造・販売体制の維持強化に大きな強みをもっています。

スズキは、次世代環境対応車や自動運転車などのの開発・実用化を1社単独で行うことはできません。トヨタのノウハウや財政的協力なしには、スズキは対応できません。

トヨタとスズキは、両社の強みを補完しあって、世界最大の自動車メーカーになると共に、開発・設計・製造・資材調達・世界市場での販売までを一気通貫で最大効率を達成することが必要になります。

この視点から、トヨタとスズキの提携・協力・アライアンスが、どのように具体化されていくのか、大いに注目していきます。

両社を含めた自動車メーカーの提携・協力・アライアンスは、オープン・イノベーションの実施の観点から、大いに参考になることによります。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 


nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

日経記事;『経営の視点 自動運転、乗り遅れぬために 技術開発「仲間づくり」が肝』に関する考察  [何故アライアンスが必要なの?]

                                         2017年1月16日

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

1月16日付の日経新聞に、『経営の視点 自動運転、乗り遅れぬために 技術開発「仲間づくり」が肝』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。
記事の主な内容は、以下の通りです。

『米国で年初から家電と自動車の見本市が立て続けに開かれた。IT(情報技術)の進化で家電とクルマの世界が急接近しており、いずれも話題となったのは自動運転に関する技術だ。

「自動運転は重要課題だが、1社ではできない」。家電見本市「CES」に初出展し、基調講演した日産自動車のカルロス・ゴーン社長はこう言って、イスラエルの運転支援技術会社、モービルアイやディー・エヌ・エー(DeNA)との協業戦略を打ち出した。

北米国際自動車ショーでは米グーグルがフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)と共同開発したミニバン型の自動運転車を公開。一時は撤退の噂もあったが、自動運転部門を「ウェイモ」という別会社にし、公道実験に新たな意欲を示した。

CESを主催する米民生技術協会のゲイリー・シャピロ会長は、「世界で毎年100万人が交通事故で命を落としている。自動運転は家電や自動車の業界を問わず喫緊の課題だ」と指摘。自動運転のための技術提携や陣営づくりが見本市の大きな焦点となった。

特に関心を集めたのは米画像処理半導体大手、エヌビディアの動きだ。ゲームで培った高速チップを自動運転の画像認識に応用。独アウディなどに続き、独ダイムラーとも提携した。

また自動運転に必要な電子地図の情報を集めるため、オランダのトムトムやドイツのHERE(ヒア)、中国の百度(バイドゥ)、日本のゼンリンなどとも提携したことを発表した。

ヒアも電子地図作成に向け仲間づくりに余念がない。ダイムラー、BMW、アウディの独3社がフィンランドのノキアから共同買収した会社だが、さらに米インテルや中国のネット大手、騰訊控股(テンセント)から出資を仰ぎ、道路情報の収集を始めた。日産と組むモービルアイも新たにBMWなどと提携し、自動運転技術の覇権を狙う。

では日本の対応はどうか。グーグルに触発された政府が戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)で東京五輪での自動運転を掲げるまで動きは鈍かった。「車好き」な車メーカーの技術者には自動運転の発想はなかったからだ。

欧米でも技術の旗振り役は米西海岸のIT系企業や部品メーカーなどで、車メーカーは彼らに引きずられる格好で参入してきた。

問題はその中で日本がどう主導権を発揮できるかだ。昨年6月に政府の肝煎りでダイナミックマップ基盤企画という民間企業が発足、電子地図の仕様づくりがようやく始まった。地図基盤のような協調領域はオールジャパンで臨む。

また系列色の強い日本の部品メーカーは欧米企業のような提携戦略は取りにくい。CESの展示内容も取引先に配慮し、「技術のリード役が見えない」と情報通信総合研究所の吉岡佐和子研究員は指摘する。

自動運転につながるカーナビはもとはといえば日本の発案だ。携帯情報端末や非接触型IC決済も日本が先行したが、ビジネスの競争領域になると海外勢に市場をさらわれる例が多い。自動運転もそうならないよう基盤構築のスピードアップと仲間づくりが必要だ。』

今の自動車業界は、次世代環境対応車と自動運転車の両方の開発・実用化を一気に加速する必要に迫られています。

環境対応に関しては、最重要市場である米国のカリフォルニア州やニューヨーク州などで、現時点で、2018年から厳格に適用するとされるZEV規制(排気ガスを出さない自動車の販売)を完全に対応するには、電気自動車(EV)か燃料電池車しかありません。

現在、テスラモーターズ、GM、フォルクスワーゲン、ベンツなどの大手欧米自動車メーカーは、EVを次世代環境対応車と位置付けて開発・実用化を進めています。

トヨタ自動車も、最近、EVを開発・実用化するための研究体制を発足させました。EVは、ガソリンエンジン車と比べて、部品点数が少ないことと、構造が簡単なため、少々極論しますと誰でも参入できる自動車分野になります。言わば走る電気機器になります。

一方、自動運転車の開発・実用化も加速しています。日本政府は、東京オリンピックが開催される2020年に自動運転車を公道で走らせる目標を打ち出しています。

米国市場では、グーグルが自動運転車の開発・実用化で先行しています。すでに長期間の走行実験を行っており、様々なデータ・情報を蓄積しています。

全米民生技術協会が2017年1月に開催したCES2017では、多くの自動車メーカーが自動運転車関連の展示や発表を行いました。

現時点で、全ての自動運転車は、EVです。EVが採用される理由は、上記の理由によります。

もう一つ、特徴的なことは、自動運転機能付EVは、自動車メーカーに加えて、米大手ITベンダーが積極的に開発・実用化に取り組んでいることです。
グーグルに加えて、アップル、アマゾン、ウーバーなどの大手ITベンダーが強い関心を寄せています。

自動運転車ビジネスへの参入の仕方は、それぞれ異なるとみていますが、国内自動車メーカーにとっては、既存の自動車メーカーに加えて手強い大手ITベンダーと競争することになります。

米運輸省(DOT)は現地時間の2017年1月11日に、輸送の自動化に焦点を当てた諮問委員会を新たに設置すると発表しました。自動運転車の開発および導入を進める上での調査、政策、規則における政府の役割などについて話し合うことになります。

米General MotorsのCEOであるMary Barra氏と、米カリフォルニア州ロサンジェルス市長のEric Garcetti氏が共同議長を務めます。委員会のメンバーは、グーグル、アップル、アマゾン、ウーバー、FedExなどの事業責任者の業務およびサービスサポート責任者となっています。

自動運転車の開発・実用化は、センサー、レーザーなどのコア部品、無線通信を含めたIoT対応、多量のデータ・情報を処理するためのクラウドや人工知能などのITの総合力が必要になります。

加えて、自動運転車の開発・実用化には、通信技術に関する規格の標準化や安全を担保した基準設定などを国を超えて決める必要があります。

本日の記事は、国内自動車メーカーがグループ企業を含めて伝統的な垂直統合型の開発・実用化体制に依存しすぎると、米国やドイツの競合他社との競争に勝てないリスクについて書いています。

テスラモーターズや米大手ITベンダーとの競争に打ち勝つには、自社の技術やノウハウだけに依存しないで、他社の強みを最大限に利用して、開発・実用化の高度化と迅速化を同時に実施する必要があります。

そうしないと、テスラモーターズ、グーグル、アップル、アマゾンなどの米国企業との競争に打ち勝てないだけでなく、自動運転関連技術の標準化・共通化の動きにもついていけない状況に陥る可能性があります。

もちろん、トヨタは米国に人工知能(AI)の研究開発拠点を設けたり、国内AIベンチャーであるPFNと連携(アライアンス)を組んだりしています。トヨタは、他社との連携(アライアンス)を強化する動きを行っています。

しかしながら、本日の記事は、自動車業界に特有なグループ企業中心の垂直統合型の事業モデルに固執すると、家電業界のように米国企業に足元を救われるリスクがあるので、オープン・イノベーションの仕組みを積極的に活用することの必要性について書いています。

私は、この指摘に賛成します。米大手ITベンダーは、例外なく既存事業基盤を破壊・再構築して収益拡大を図ってきた実績があります。

この視点から、米国、日本、欧州での自動運転車の開発・実用化について引き続き注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 


nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

日経記事;『ビジネスTODAY ドローン発,異業種提携 東芝・アルパイン,電力設備点検,ソニー・ZMP...』考察 [何故アライアンスが必要なの?]

                                        2016年9月6日

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

9月6日付の日経新聞に、『ビジネスTODAY ドローン発、異業種提携 東芝・アルパイン、電力設備点検 ソニー・ZMP、建設現場で測量 技術融合、産業向けに商機』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『ドローン(小型無人機)を巡る異業種提携が活発になってきた。東芝とアルパインがドローンで空から電力設備を点検するサービスを2017年度から始めると5日に発表。ソニーは自動運転技術ベンチャーと組み測量事業に乗り出した。狙うのは「産業分野」。技術の融合で新しいサービスをつくる需要創造型ビジネスに活路を見いだす。

「技術を持ち寄って強みを出せる。将来市場への期待値も極めて高い」。アルパインの菊田幸男・先行開発副担当理事は提携の意義を強調する。

着目したのは電力インフラだ。ドローンで山間部の高所までつながる送電線や鉄塔の画像を撮影し、不具合を見つける。今は熟練作業員の目視に頼るが、移動に時間がかかり、作業には危険がつきまとう。ドローンを飛ばせばこうした手間や事故リスクを解消できる。

アルパインは全地球測位システム(GPS)を使う位置情報技術に強い。東芝は画像処理やデータ分析のノウハウを持つ。しかも様々なインフラ関連データを蓄積している。これらの技術を融合すれば作業員が見落としがちな設備トラブルも発見しやすい。

調査会社シード・プランニング(東京・文京)によると、国内の産業用ドローン市場は24年に2200億円と15年の60倍に膨らむ。機体そのものの伸びは10倍強どまり。サービス市場は約120倍と飛躍する。

機体の世界シェアは中国DJIが7割を占めるとされ、海外勢に引き離されている。特に個人向け機体は技術進歩の余地が小さく、後発では魅力に欠ける。一方、サービス分野は技術の組み合わせ次第で、新事業を生み出す可能性は広がる。裾野はインフラにとどまらない。日本企業はこの成長性に商機を見いだす。

15年末施行の改正航空法で飛行ルールが明確になり、異業種がこの市場に参入する道筋が見えやすくなった点も大きい。

ソニーの動きは速かった。相手はロボット分野にも進出する自動運転技術のZMP(東京・文京)だ。15年8月に共同でエアロセンス(東京・文京)を設立し、機体を開発。今春に建設現場などの測量事業を始めた。

農業支援にもドローンを生かせる。土壌の質や作物の生育状況を上空から把握すれば、ムダな農作業は減らせる。農機のヤンマーは、コニカミノルタと組んで農家を支援する。クボタとNTTは無人運転農機の開発で提携したが、要素技術のひとつはドローンだ。

キヤノンマーケティングジャパンも5日、プロドローン(名古屋市)に1億円を出資したと発表。キヤノンの映像機器や画像解析ソフトと組み合わせて農業などで使う空撮システムを提供する。

東京大学大学院の鈴木真二教授は「ドローンに不可欠なセンサーや情報処理技術は日本の得意分野。どう新事業につなげるかは知恵の見せどころだ」と指摘する。未開拓の沃野を耕すために、既存分野では考えられなかった合従連衡が起きるかもしれない。』


個人用途のドローンの販売価格が安いので、個人がドローンをエンターテインメント目的に楽しむことが増えています。

本日の記事は、ドローンの産業用途向けビジネスについて書いています。ドローンは、典型的なIoT・人工知能対応端末機器の一つになります。

ドローンは、現時点では実際的な自動運転(操縦)ができませんが、近い将来自動車の自動運転機能が実用化されるように、当該ビジネス用途に適した自動運転機能付ドローンが実用化されます。

ドローンを産業用途に使うには、以下の分野についての技術開発や実用化が必要になります。
・多様な気象環境下での安定した飛行を可能にする。
・より軽量・高性能なセンサーの開発・実用化
・センサーから受信するデータ(画像、音声などの情報)の高速処理の実用化
・より安定した無線通信技術の開発・実用化(通信品質)
・ネットワークセキュリティの担保
・データセンターとのスムースな連携
・用途ごとの人工知能を含むソフトウエア開発と実用化
・各用途に適した実装・運用ノウハウ開発・蓄積、など

これらのことを1社単独で行うことは、トヨタ自動車などの大手企業でも不可能です。トヨタ自動車は、自動運転車の開発・実用化のために、米国シリコンバレーに大型のIT開発拠点を設置したことに加えて、日本の人工知能の開発ベンチャーである株式会社Preferred Networks(プリファード・ネットワークス)に出資して、提携しています。

これは、自動運転車の開発・実用化には、ITや人工知能を含めたソフトウエアから、各種センサーやレーダーなどの要素技術まで、幅広い分野のものを総合化することが必要になることによります。

しかも、世界市場で激しい競争が行われていますので、より高効率、かつ短期間で開発・実用化することが求められています。

ドローンに対して各種産業用途の開発・実用化を行うことも、自動運転車の開発・実用化を行うように、必要となる要素技術・ノウハウをもつ企業との連携・協業(アライアンス)が必要になります。理由は、自動運転車と同じように、幅広い分野での要素技術を短期的にまとめあげる必要があるからです。

ドローンを産業用途に開発・実用化する上で大事なことは、他社との連携・協業(アライアンス)を有効に実施できるようになることです。

連携・協業(アライアンス)先は、国内企業だけでなく、欧米のベンチャーや大手企業も対象になる場合があります。

アップル、グーグルやアマゾンなどの米大手ITベンダーは、連携・協業(アライアンス)だけでなく、M&Aを行って短期的に開発技術やノウハウ獲得を行います。

一般的に国内企業は、M&Aを行いながら、ドローンを産業用途に開発・実用化するやり方は不慣れです。

連携・協業(アライアンス)先の選定は、同業他社で差別化・差異化な技術やノウハウをもっており、お互いに「Win/Win」の関係を築ける相手先の候補から行います。

この連携・協業(アライアンス)は、すべての参加企業が、足が地についた形でビジネスできるような土俵(基盤)作りが必要不可欠になります。

企業文化や価値観の異なる企業同士が、連携・協業(アライアンス)を組んで効率的な事業活動を行うには、土俵(基盤)を実現するための各種約束事(契約体)の明確な取り決めが必要です。

一時期の熱情だけで組んだ、連携・協業(アライアンス)は必ず破たんします。多少時間がかかっても、全参加企業が納得できる土俵(基盤)の構築後に、開発・実用化などのプロジェクトを始めることが成功の秘訣の一つになります。

私は、現在、上記のようなITに絡んだ複数の連携・協業(アライアンス)活動を支援しています。
私の支援のやり方は、上記の考え肩をベースに行っています。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁


nice!(4)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

日経記事;『産業革命4.0が拓く未来 サービスで稼ぐ製造業へ進化を』に関する考察 [何故アライアンスが必要なの?]

                                         2016年8月17日

皆様、
こんにちは。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

8月17日付の日経新聞に、『産業革命4.0が拓く未来 サービスで稼ぐ製造業へ進化』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『進化を続けるIT(情報技術)を米欧企業は競争力強化のテコにしている。日本企業も技術を使いこなし、成長力を高めたい。

とりわけ製造業にとっては事業革新の好機だ。インターネットで顧客とつながり、一人ひとりのニーズに応えた製品づくりが可能になってきたからだ。顧客に納めた機器が順調に動いているかどうかもネット経由でつかめ、保守などのサービスで対価を得る道も広がる。企業の創意工夫が問われる。

個々のニーズに照準

従来の大量生産型のものづくりは作りすぎや原材料の在庫増を招きやすい。これを改善できるのがIT活用の第1の利点である。個々の消費者の好みに合った衣料の生産を始めたセーレンは改革に踏み出した一例だ。

色、柄、形などの組み合わせで47万通りから選べるオーダーメード衣料を販売する。消費者は選んだ組み合わせを端末画面に映し出し、自分の姿と重ねて「試着」、ネットを通じて福井県の工場に発注する。いまセーレンは都内の百貨店などで受注しているが、9月からは消費者が自分の端末からも注文できる仕組みにする。

一人ひとりの消費者ニーズに応えることは需要の創造につながる。自社製品のファンを増やす効果もある。

技術革新が個々人へのきめ細かな対応を可能にする。米医療機器大手メドトロニックは人工知能(AI)技術を使った米IBMのコンピューター「ワトソン」を使い、糖尿病患者に、血糖値を下げるインスリンをその人に最も合ったタイミングで自動注入するシステムの実用化をめざしている。

日本企業もグローバル競争に勝つには最先端技術の積極的な活用が求められよう。

製造業にとってIT利用の第2の利点は、「モノ」以外の収益源を生み出せることである。背景には、あらゆる機器がインターネットにつながる「IoT」という技術の潮流がある。

米ゼネラル・エレクトリック(GE)は航空機エンジンや発電機器をネットに接続し、取り付けたセンサーから得られる「ビッグデータ」を分析、故障する前に部品を交換するなどのサービス事業を伸ばしている。日立製作所も鉄道や発電設備などをネットでつないだ保守サービスに力を入れる。

こうしたサービス事業は大手製造業の専売特許ではない。自動車向けを中心とした金型メーカーのヤマナカゴーキン(大阪府東大阪市)は、金型を固定するボルトにセンサーを埋め込み、振動や加わる力から金型に起きる不具合を予測できるようにした。

異常が起きる前に修理すれば生産設備を安定的に稼働させることができる。山中雅仁社長は「当面は金型の受注増をめざし、ゆくゆくは保守サービスの対価をもらえるようにしたい」と、新しいビジネスモデルづくりに意気込む。

企業は様々な分野に進出できる可能性がある。ダイキン工業は販売した空調機器をネットで結び、顧客の電力消費の状況を把握して、時間帯によって契約先の電力会社を変えることを提案する節電支援サービスを視野に入れる。

外部の資源をいかせ

人件費の安い国・地域の企業は完成品の組み立てで優位に立つ。製造業の付加価値の源泉は部品やサービスに移っていると、かねて指摘されてきた。

しかし日本メーカーは、ものづくりの力を生かし部品事業は伸ばしているが、サービスを収益源に育てる取り組みは遅れていた。「製造業のサービス化」を日本企業はいまこそ進めるときだ。

求められるのは自前主義にこだわらず、人材や技術などの経営資源を外部からも取り込んでいく柔軟さである。

ソフトウエア技術者などの需要は世界で増大することが見込まれる。実力本位の報酬決定を徹底し、国内外の優秀な人材の獲得競争に負けないようにしたい。

ビッグデータをAIで分析する技術は多くの企業で必要になるとみられるが、自社開発に時間をかけ過ぎれば商機を逃す恐れもある。事業のスピードを重視し、研究開発で先行する企業や大学と臨機応変に組む姿勢も必要だ。

そして肝心なのは、独創的な事業モデルを描く構想力である。経営力の優劣が表れやすくなっていることを企業は自覚すべきだ。』

昨日、私は、『産業革命4.0が拓く未来 サービスで稼ぐ製造業へ進化』 [何故アライアンスが必要なの?]のタイトルで、ブログ・コラムを書きました。

独のERP(統合基幹業務システム)分野での世界最大手ITベンダーであるSAPが、既存事業領域を核にして、製造、販売、物流分野に事業領域を広げる経営施策のやり方に関して、私の考えを述べました。

SAPがこのような拡大策に打って出たのは、インターネットやITの急速普及と急速進化、とくに、IoT・人工知能の進化・普及が急速に起こっていることによります。

インターネットやITは、既存事業基盤を急速に破壊し、新規事業基盤を急速に立ちあげます。その新規事業基盤も、強力な競合他社が出現すると、たちまち破壊されます。

最近の例では、米ヤフーが本体の検索エンジンによる広告収入獲得のビジネスモデルを、米グーグルや米フェースブックなどの競合他社にその事業基盤を壊されて、事実上撤退することを決めました。

SAPは、このような急速な事業環境変化を見越して、潜在競合他社となるアマゾンやグーグルなどの米大手ITベンダーとの競争に打ち勝つために、他社との連携・協業で事業の横展開を進めています。

製造事業者であっても、インターネットやITをフル活用して、ビジネスを行わないと、世界市場で勝ち組みになれません。

米GEは、他の大手製造事業者に先行してIoT・人工知能対応を行い、自社が販売した航空エンジンの稼働状態を自動モニター化して、さまざまデータから航空会社にデータ・情報として伝えて、
保守点検をより効果的的に行いながら、かつ、深刻なエンジントラブルを抑制する有償サービスを提供しています。

GEは、IT技術をさらに高めるため、自前の大型研究拠点をシリコンバレーに設置して、自らITベンダー機能をもつような勢いで積極投資を行っています。

トヨタ自動車も、何度か本ブログ・コラムで書いていますように、シリコンバレーに設置した大型研究拠点をベースに、IoT・人工知能対応を加速させています。

GEやトヨタなどの世界最大手企業であっても、すべて自前でIoT・人工知能対応を実現することはできません。

IoT・人工知能を含めたインターネットやITは、上記しましたように、既存事業基盤を急速に変化、あるいは破壊していることによります。

自社単独で開発・実用化をすべて自前で行う垂直統合方式の事業スタイルは、一部の素材産業などを除けば、競合他社との競合に打ち勝つことにつながらない状況になっています。

米アップルは、iPhoneやiPadの商品企画・開発・デザインに経営資源を注力して、製造は専門の製造受託者に任せて、ファブレス型ビジネスモデルで、ソニーやパナソニックなどの国内家電メーカーを圧倒しました。

国内企業が得意な垂直統合方式に対して、米ITベンダーが得意な水平分業型のビジネスモデルで圧倒しました。

アップルの競争力の源泉を商品の企画・開発・デザインに集中して、競合商品との徹底的な差別化・差異化を実現しました。

アップルは、この差別化・差異化を実現するため、多くのベンチャー企業を買収しています。このような動きは、グーグル、アマゾン、マイクロソフトなどの米大手ITベンダーでも、しばしば見受けられます。

国内企業は、最近、M&Aを積極化させていますが、多くの国内企業がM&Aを行った後の果実を手にしているとは言えない状況にあることも事実です。

私は、自分の支援先企業には、積極的に差別化・差異化を実現する技術やノウハウをもつ他社との連携・協業(アライアンス)を行うように、アドバイスしています。

他社との連携・協業は、お互いが異なる分野で強みをもっていて、お互いにメリットがある「Win/Win}の関係となる勝者連合が基本となります。

最近、数社の中小企業が、中堅・大手企業との連携・協業の仕組み作りを行いました。イコールパートナーシップによる連携・協業で、勝者連合になります。

以前は、中小企業がこのようなイコールパートナーシップでの連携・協業関係をもつことは、あまり多くありませんでしたが、本日の記事にありますように、国内中堅・大手企業の意識も変わり始めていると実感しています。

国内企業同士が、イコールパートナーシップで「Win/Win」の関係を作って成果を共有するためには、合理的な仕組み作りが必要になります。

とくに、中小企業には、このような仕組み作りに対する意識が低い場合がありますので、この面での支援も並行して行っています。

たとえば、私が講師となって、日本テクノセンターが主催する『アライアンス・技術提携による共同開発・事業化成功のポイントとその実践 ~演習付~』のセミナーを行うのも、その一環となります。ご関心がある方は、下記Webサイトをご覧ください。
URL; http://www.j-techno.co.jp/seminar/ID56DLRCMWD 

可能な限り多くの国内企業が、自社の競争力をベースに、柔軟に、かつ巧みに「連携・協業(アライアンス)を活用して、世界市場で勝ち組になるように動くことを期待します。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 


nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事
前の10件 | - 何故アライアンスが必要なの? ブログトップ