So-net無料ブログ作成
何故アライアンスが必要なの? ブログトップ
前の10件 | -

日経記事;『自動運転,国・業種超え陣営シェアや量産視野に GM・ソフトバンク/FCA・グーグル』に関する考察 [何故アライアンスが必要なの?]

                                                2018年6月2日

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。


6月2日付の日経新聞に、『自動運転,国・業種超え陣営シェアや量産視野に GM・ソフトバンク/FCA・グーグル』のタイトルで記事が掲載されました。


本日は、この記事に関して考えを述べます。


記事の主な内容は、以下の通りです。


『自動運転をめぐる陣営作りの動きが加速している。米ゼネラル・モーターズ(GM)がライドシェア分野で存在感を高めるソフトバンクと組むほか、米グーグルも自動車メーカーとの提携を拡大する。


公道試験などで開発競争をけん引してきたトップランナーたちの主戦場は実用化を見据えた車両の量産やサービス開発に移りつつある。


GMは16年12月、自動運転の公道実験拡大を発表した。


「ソフトバンクをチームに迎えることは、我々にとってとてつもないアドバンテージになる」。5月31日に電話会見したGMのダン・アマン社長の声は弾んでいた。


GM傘下の自動運転技術開発会社であるGMクルーズホールディングスが「10兆円ファンド」として知られるソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)から22億5000万ドル(約2400億円)の出資を受ける。同ファンドの出資比率は最終的に19.6%になる予定だ。


需要見据え開発


GMクルーズは調達した資金を使って、2019年にも米国の複数の都市で自動運転車を使ったライドシェアサービスを始める計画だ。


両社は7年間は出資を維持することでも合意しており、将来はGMクルーズ株をGM本体の株式に転換する可能性もある。SVFが出資する米ウーバーテクノロジーズや中国・滴滴出行など世界のライドシェア大手への車両供給も見込めるとの期待から、31日の米株式市場でGM株は前日終値比13%上昇した。


GMが自動運転技術の開発に本腰を入れ始めたのは2年前。GMクルーズの母体となる自動運転ソフト開発の米クルーズ・オートメーションを約10億ドルで買収してからだ。


積極的な人材投資によって当初40人だった社員数は800人を超え、自動運転分野でトップレベルの技術力を持つとみなされるまでになった。


アリゾナ州フェニックスなど郊外で自動運転車の公道実験を重ねる米グーグル系のウェイモとは対照的に、GMは交通量が多くより複雑な操作が求められるサンフランシスコなどでのデータ収集に軸足を置いている。


大都市の渋滞緩和などの需要を見据えた開発姿勢が、複数の出資先候補の資産査定を進めていたSVFがGMを選ぶ決め手となったもようだ。


車両6.2万台供給


自動運転技術の商用化を巡っては、欧米フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)も5月31日にウェイモとの提携拡大を発表した。これまでに約600台の実験用車両を供給してきた実績をばねに、ウェイモが18年後半にアリゾナ州で始める自動運転車を使った一般向けのライドシェアサービスに新たに6万2000台の車両を供給する。


GMやウェイモに共通するのは、期限を区切って自動運転技術の商用化計画を表明し、運輸当局などに規制緩和を働きかけていく姿勢だ。早ければ1~2年内に米国の複数の都市で運転手のいない「ロボタクシー」サービスの普及が始まる可能性がある。


国内自動車大手ではトヨタ自動車が20年に高速道路での自動運転を実現し、20年代前半に一般道にも広げる計画だ。同社は16年に米国に設立した人工知能(AI)研究開発子会社の「トヨタ・リサーチ・インスティテュート(TRI)」で自動運転の基礎技術を研究中だ。


ホンダは16年にウェイモと共同研究に向けた検討を開始すると表明したが、今のところ目立った成果は見えていない。


日産自動車も資本提携先の仏ルノー、三菱自動車と組み、ドライバーが運転に関与しない完全自動運転を22年までに実現することを目標にする。日産はディー・エヌ・エー(DeNA)と組んでおり、同社と共同開発した無人タクシーの実証実験を3月に実施した。


ウェイモとの提携を拡大するFCAや、ソフトバンク系ファンドから巨額資金を引き出したGMに比べると、日本勢の取り組みは「自前路線」の傾向が強い。


グーグルを筆頭にプラットフォーマーと呼ばれる巨大IT企業が自動車分野への進出を本格化するなか、日本勢の今後の提携戦略が注目される。』


本日の記事は、米大手自動車メーカーのGMやFCA(旧クライスラー)あるいは日本の日産が、自動運転車の開発・実用化を進めるために、他業界の企業と連携・協業(アライアンス)を行っていることについて書いています。


この中で、大手ファンド会社となったソフトバンクが、GMやライドシェア最大手の米ウーバーテクノロジーズに出資していることが注目されます。


ソフトバンクは、自動運転車が市場に導入された後、自動車が所有するだけでなく、シェアする(共有する)ビジネス環境になると予想しているとみます。


また、米大手ITベンダーのグーグルは、積極的に自動運転車の開発・実用化を進めており、グーグルもウーバーに出資しています。


グーグルは、並行してFCAと自動運転車の開発・実用化で連携・協業(アライアンス)を組んでいます。


何度か本ブログ・コラムで書いていますように、グーグルは、自動車メーカーになる意思をもっていないと考えています。


グーグルは、自動運転車を動くインターネット端末機器としてとらえており、顧客にいつでも何処でも、Webサイトを通じて検索エンジンなどをより多く活用してもらいたいのです。


グーグルは、このことによりインターネット上での宣伝広告収入の拡大を実現するのが狙いです。


同じような理由で、米大手ITベンダーのアップルやアマゾンも、そう遠くない時期に、何らかの形で自動運転車市場に参入することになります。


アップルとアマゾンも、自動車メーカーになる計画をもっていないと考えています。


アップルやアマゾンも、グーグルと同じように、ウーバーのようなライドシェアを行っている企業や、自動車メーカーと連携・協業(アライアンス)を組んでいくやり方になります。


日産は、自動運転機能の開発・実用化で、国内ITベンダーのDeNAと連携・協業(アライアンス)を組んで、実証試験を行っています。


現時点では、トヨタは、自動運転機能の開発・実用化で、内外の企業との大型連携・協業(アライアンス)を組んでいません。


トヨタの場合、すでに米シリコンバレーに数千億円の巨費を投じて、AI・IoT対応の大型研究拠点をもって、活動しています。


また、トヨタは、PFNなどのAIやIT関連企業に、積極的に投資しており、トヨタ流のやり方で連携・協業(アライアンス)を組んでいます。


日本では、政府が主導して、東京オリンピック開催年の2020年に、自動運転車を市場に導入する目標が立てられており、自動車メーカーが開発・実用化を進めています。


アメリカ市場では、グーグルやGMが自動運転機能の開発・実用化で、一歩先行しているとみています。


トヨタや日産などの国内自動車メーカーが、これらの米大手企業との競合に打ち勝って、自動運転車事業を立上ていくのか、これからが正念場となります。


自動運転車は、AI・IoT対応したいわば動くインターネット端末機器です。このAI・IoT対応分野では、米大手ITベンダーが圧倒的な強みをもっています。


しかも、これらの企業は、今まで短期間に既存事業基盤を急速に破壊・再構築してきた実績をもっています。


グーグルが、自動運転車の開発・実用化を行っていることは、既存自動車メーカーの事業基盤を根本から、破壊・再構築する可能性が高くなることを意味します。


この事業環境下、トヨタでさえ、1社単独で、自動運転車の開発・実用化を行うことは、できません。


自動運転車の開発・実用化で、勝者になるには、如何に巧みにオープンイノベーションのやり方、つまり連携・協業(アライアンス)を実行していく実務能力にかかっています。


今後のトヨタや日産などの国内自動車メーカーの動き方に、引き続き注目していきます。


よろしくお願いいたします。


グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁



nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

日経記事;『グーグル系のウェイモ、自動運転トラックの実用試験』に関する考察 [何故アライアンスが必要なの?]

                                                 2018年3月10日

皆様、


こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。


3月10日付の日経新聞に、『グーグル系のウェイモ、自動運転トラックの実用試験』のタイトルで記事が掲載されました。


本日は、この記事に関して考えを述べます。
記事の主な内容は、以下の通りです。


『グーグル系の自動運転システム開発会社ウェイモは9日、自動運転トラックの実用試験をジョージア州で始めると発表した。自動運転トラックはライドシェア最大手の米ウーバーテクノロジーズも開発を進めている。


複雑な市街地の運転と違って走行ルートが限られる長距離物流は自動運転に適しているとされ競争が過熱している。


ウェイモが開発した自動運転トラック(左)。乗用車(右)で培ったAI技術を応用した


来週から米アトランタにあるグーグルのデータセンター向け物流でトラックを走らせる。車には専用の自動運転システムを積むものの、まずは経験豊富な運転手が同乗して問題があれば人による運転に切り替える。


ウェイモは乗用車ですでに延べ500万マイル(約800万キロメートル)の公道試験を実施済みで大量の走行データを蓄積している。同社は同日の声明で「10年近い乗用車での走行経験がトラックへの自動運転技術の応用を可能にした」とコメントした。


自動運転トラックの開発に取り組むのはウェイモにとどまらない。ウーバーもこのほど米アリゾナ州で走行試験を始めたことを明らかにした。フロリダ州のスタースキー・ロボティクスなどスタートアップ企業による参入も始まっている。』


本日の記事は、グーグルが自動運転の公道試験を、運送用トラックを対象に始めることについて書いています。


本日の記事になりますように、トラックは一般的に決まったルートの道を走りますから、バスと同じように、自動運転機能の開発・実用化が進めやすい対象になります。


特に、運転手に負担の大きい長距離運行のトラックは、自動運転機能が実用化されると、安全面でも大きな成果が生まれます。


アメリカ国内では、カリフォルニア州や他州でも、グーグルや米国自動車メーカーが自動運転機能の開発・実用化のための実証試験実現に前向きになっています。


世界の自動運転機能の開発・実用化で最先端を走っているグーグルは、乗用車で約800万キロメートルの試験データやノウハウ蓄積をしています。


日本では、政府が2020年のオリンピックの時に、自動運転走行のバスを運行すると発表しています。


トヨタ自動車は、2018年1月9日に、商用サービス向け電気自動車(EV)の試作車「e-Palette Concept(イーパレットコンセプト)」を発表しました。


トヨタは、自動運転技術を活用し、移動や物流、物販など幅広いサービスに対応する。2020年東京五輪・パラリンピックで移動サービスを提供する予定としています。


私は、トヨタがグーグルと同じ実用化レベルになる、自動運転機能付EVやPV搭載のバスやトラックを実現することを期待しています。


そのためには、トヨタは今まで本ブログ・コラムで書いていますように、他社との連携・協業(アライアンス)を積極的に採用するオープンイノベーションを有効に活用することが必要不可欠になります。


グーグルなどに代表される米大手ITベンダーの多くは、オープンイノベーションを有効に活用して、短期間に既存事業基盤を破壊・再構築して、自社の高い収益源になるプラットフォームを構築・拡大しています。


グーグルが自動運転機能の開発・実用化で先行して、乗用車、トラック、バスなどの分野で主導権を握ると、トヨタなどの国内自動車メーカーは、単なるハードウェアとしての自動車を提供する企業になる可能性があります。


もし国内自動車メーカーが、単なる自動車の提供メーカーになると、常に低価格のハードウエアの提供を要求される、製造受託者になります。


EVが普及すると、自動車業界に参入したい企業には、産業障壁が一般的に低くなります。必然的に、安い自動車を提供できる製造受託者が、大きなシャアを獲得することになります。


トヨタや他の国内自動車メーカーが、製造受託者になると、今のような高収益の獲得ができなくなり、日本経済に大きな影響を与えてしまいます。


トヨタは、そのようになるリスクを十分に認識・理解しています。対抗策として、米シリコンバレーに大型のIT・人工知能の研究開発拠点を作ったり、日本の人工知能の代表的なITベンチャーの一つであるPFN(Preferred Networks)に多額の資金提供を行ったりしています。


トヨタに期待したいのは、徹底的なオープンイノベーションの実行です。グーグルなどの競合相手と、競争して勝ち抜くには、オープンイノベーションを有効に活用以外に方法がありません。


トヨタの強みを活かしながら、オンリーワンの強みをもつ異業種企業と、イコールパートナーシップで徹底的な連携・協業(アライアンス)を行うことが重要です。


このオープンイノベーションは、企業の規模に関係なく、イコールパートナーシップで、お互いの強みを補完しあって発揮する事業環境下でのみ、有効に作用します。


有効なオープンイノベーションは、新規事業機会獲得の点で、短期間に多くの成果を生み出します。


自動運転機能の開発・実用化は、まさにこの新規事業機会獲得の典型的な一例です。


今回のグーグルのトラック分野での自動運転機能の開発・実用化の動きに対する、トヨタの今後の事業展開のやり方に注目していきます。


よろしくお願いいたします。


グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁


nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

日経記事;『ファナック、ロボVB買収 人と協働 15年ぶりのM&A』に関する考察 [何故アライアンスが必要なの?]

                                                     2018年2月11日

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

2月10日付の日経新聞に、『ファナック、ロボVB買収 人と協働 15年ぶりのM&A』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は、以下の通りです。

『ファナックは9日、人と一緒に働くことができる協働型ロボットを手掛けるスタートアップ、ライフロボティクス(東京・江東、尹祐根社長)を買収したと発表した。ファナックにとって買収は15年ぶり。ロボット技術の開発では基本的に「自前主義」の傾向が強かったが、人工知能(AI)の普及など製造業が大きく変わる中、外部の知見を積極的に取り入れる。

ライフロボティクスの協働型ロボット「CORO(コロ)」。肘関節がないため省スペースなのが特徴

ライフ社の全株式を取得した。取得額は非公表。ファナックによる企業買収は2003年の光和電装の買収以来。

ライフ社は07年創業。肘の回転関節がない協働型ロボット「CORO(コロ)」を開発、販売している。狭いスペースでも作業できるほか人に危害を加える危険性も抑えているのが特徴で、トヨタ自動車など大手メーカーから受注を獲得するなど、注目の新興ロボット企業とされてきた。

協働型ロボは比較的、低コストで導入できるため、中小企業でも利用しやすい。富士経済は協働型ロボの世界市場は25年に16年と比べ8.7倍の2700億円になると予測する。

ファナックは協働型ロボに15年に参入したが、協働型ロボットの先駆的企業として知られるデンマークのユニバーサルロボットは05年の設立だ。ファナックの稲葉善治会長兼最高経営責任者(CEO)は「まだまだ不十分」としており、ライフ社の技術やノウハウを取り入れる。

ファナックはAIやあらゆるモノがネットにつながる「IoT」などの分野ではNTTや日立製作所など他社との協業を進めてきた。だが、従来は中核のロボット技術の開発に関しては「自前主義」の傾向が強く、M&A(合併・買収)にも消極的だった。

世界的な人手不足を背景にロボット市場が急拡大する中、M&Aも積極化し、成長を加速する。』

本日の記事は、世界有数の産業用ロボットの製造事業者であるファナックが、自社商品の開発・実用化について、今まで行ってきた垂直統合方式のやり方を大きく変えつつあることを示しています。

ファナックは、今まで基本的にすべての強みの源泉を内製化してきており、他社との連携・協業(アライアンス)や企業買収(M&A)を積極的に行ってきませんでした。

ここ2~3年の間に、製造業では、インダストリー4.0の考え方や方針が具体的に実行されるようになっています。

このインダストリー4.0は、IoT・人工知能(AI)対応を前提に、工場機能の自動化や、資材・部品調達、販売先までのすべてのサプライチェーンをつなげて、全関係企業がデータや情報を共有化して、効率的な運営を行うことで、ビジネスの付加価値を最大化しようとする動きであると理解しています。

現時点では、ファナックは工場内の産業用ロボットを供給しており、工場自体の無人化・自動化を実現しています。

今後、インダストリー4.0が普及してくると、ファナックは工場の無人化・自動化に加えて、工場とつながっているサプライチェーンとつながって、連携して動くことが確実に要求されます。

インダストリー4.0の実用化には、IoT・AI対応が必要不可欠になります。このため、ファナックは日本有数のAIベンチャーであり、産業用途のAIを開発・実用化しているPFN(Preferred Networks)に出資して、産業用AIやIoT対応の共同開発などを行っています。

ファナックは、自社にない技術やノウハウを、外部との連携・協業(アライアンス)を行うことで、埋めてインダストリー4.0対応を積極的に行うやり方を進めています。

さらに、本日の記事は、工場内で人の身近で一緒に働く「協働ロボット」の開発・実用化を行っているベンチャー企業であるライフロボティクス株式会社の買収について書いています。

ライフロボティクの協働ロボットの評判は高く、すでに吉野家の食器洗浄工程に使用されたり、コスメナチュラルズのチューブ製品のRカット工程に2台の「協働ロボット」を双腕として導入し、この工程を担当する作業員1~2名を0名としたなどの実績を上げています。

今回、ファナックは、ライフロボットを完全子会社とします。ファナックがもっていない協働ロボットのノウハウや技術を内製化して、今後の多様な産業用ロボットのニーズに対応するとみています。

現在の中国では、産業用ロボットが大量に導入されつつあり、ファナックなどの産業用ロボット関連企業の売上が急拡大しています。

中国の製造事業者が、産業用ロボットを導入しているのは、人手不足と労働賃金の高騰に対応するためです。

現在の中国の課題は、現在、日本からの製造投資が伸びているベトナムでもいずれ直面することになります。

また、今の日本でも、製造業界が直面しつつある人手不足の課題解決に、産業用ロボットのニーズが高まっています。

特に、中小製造事業者の人手不足は、深刻になっています。ライフロボット社などの協働ロボットが、解決策の一つになることを期待します。

ファナックが、低価格で中小企業が使いやすい協働ロボットを開発・実用化して、人手不足の解決に貢献することを大いに期待します。

当然の如く、中小企業の工場も、IoT対応しないとインダストリー4.0のビジネス環境下では、事業継続が困難になります。

この点についても、ファナックがPFNなどとの連携・協業(アライアンス)を組むことで、コストパフォーマンスの高い解決策を提示することに期待します。

ファナックのように、今まで徹底的な垂直統合方式で、商品の開発・実用化を行ってきた企業が、オープンイノベーションを効果的に行って、インダストリー4.0のビジネス分野でどう対応していくか注目しています。

IoT・AI対応は、基本的にオープンイノベーションを効果的に行うことでしか、どの企業も実現できないとみていることによります。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁



nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

日経記事;『「AI産業革命」始動 米見本市、IT2強が陣取り 車・家電…進化競う』に関する考察 [何故アライアンスが必要なの?]

                                                2018年1月11日

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

1月11日付の日経新聞に、『「AI産業革命」始動 米見本市、IT2強が陣取り 車・家電…進化競う』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は、以下の通りです。

『世界最大の家電見本市「CESが9日、開幕した。これまで主役だった電機、自動車メーカーではなく、存在感を示すのがグーグル、アマゾン・ドット・コムの米IT(情報技術)2強だ。武器は人工知能(AI)。激しい提携先企業の囲い込みが始まっている。

企業がそれぞれ独自技術を競ってきた時代とは異なり、AI企業は一気に産業や社会の中心部に入り込む可能性がある。競争環境が劇的に変わる「AI産業革命」が起きている。

「ヘイ、グーグル。旅行先の天気を教えて」。韓国LG電子が開いた記者会見。最新技術として紹介したのはグーグルのAI「グーグルアシスタント」搭載の薄型テレビだった。音声認識で画面を操作でき、ネットと連動してテレビに検索結果などを映し出す。

ゲストとして会見場に現れたグーグルのスコット・ハフマン担当副社長は「時計、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、オーブン、エアコンまでどんな製品分野でも協業可能だ」とAIアシスタントの広がりに自信を示した。

ソニーや中国レノボもグーグルのアシスタントを搭載した製品を発表した。グーグルは2016年からアシスタントを搭載した自社製スピーカーを販売し、さらに自社のスマートフォン(スマホ)やノートパソコンにもアシスタントを載せている。CESではこの流れが他社製品にも拡大していることを見せつけた。

アマゾンはすでに音声AI「アレクサ」を投入しており、17年に米フォード・モーターなど700を超える企業が採用を発表。AIと家電や車の融合が近づいている。

今回のCESではパナソニックが車載機器にアレクサを搭載することを表明。トヨタ自動車も18年から米国で発売する新型車の一部に搭載することを発表した。

グーグルの本格参入で2強が市場をとりあう構図が顕著になったが中国企業の隆盛も目立つ。

「AI開発は今は米国がトップだが、中国との差はどんどん縮まっていくだろう」。8日に開かれたインターネット検索最大手の百度(バイドゥ)の記者会見。立ち見が出た会場で陸奇総裁兼最高執行責任者(COO)は中国のスピード感を繰り返し強調した。

同社は開発連合「アポロ計画」を通じて自動運転技術の構築を進めている。独ダイムラーなど世界の大手企業約50社が参画。陸COOは「優れた人材を社内外から取り込み、我々は中国のグーグルだ」とグローバルでの競争に自信を見せた。

アマゾンもグーグルもバイドゥも従来のCESでは主役とは思われていなかった。だが家電のデジタル化が進みソフトウエアが勝負のカギを握る時代になった。中国政府の後押しが強いバイドゥもAI開発で無視できないプレーヤーだ。

次の主役が台頭するなかで日本企業の存在感はかすみつつある。ソニーの平井一夫社長は「スピーカーのAIは他社に任せても音質は自社でこだわる」と話す。とはいえ足元のAIの広がりはパソコン向けのインテル製半導体と同様に、それが技術の中核になっていることの裏返しだ。

バイドゥの自動運転技術も日米では「まだ未熟」との声がある一方で、地場の自動車メーカーの採用が始まっており中国での同分野の「プラットフォーマー」になる可能性は否定できない。採用メーカーが増えデータがたまればAI技術のレベルは一気に上がる。

ハードの分野でも顧客争奪は激しい。GPU(画像処理半導体)大手の米エヌビディアはAIや自動運転の機能を高める高速処理の半導体システムを発表。車分野で約320社との協業を明らかにした。インテルは立体画像の撮影スタジオ建設や自動運転での中国・上海汽車集団との提携を表明している。

国籍や業種の枠がなくなったデジタル技術の世界で日本勢はどう戦うのか。AIにより様々なメリットを企業、消費者が享受できる見込みだが、一方で心臓部を握られ、手掛けるのは組み立てだけといった「その他大勢」に成り下がってしまうリスクもはらむ。CESでの光景はこれから日本企業の多くが直面する「生きるか死ぬかの競争」(トヨタの豊田章男社長)を映し出している。』

本日の記事の核心は、最後の部分にある『国籍や業種の枠がなくなったデジタル技術の世界で日本勢はどう戦うのか。AIにより様々なメリットを企業、消費者が享受できる見込みだが、一方で心臓部を握られ、手掛けるのは組み立てだけといった「その他大勢」に成り下がってしまうリスクもはらむ。CESでの光景はこれから日本企業の多くが直面する「生きるか死ぬかの競争」(トヨタの豊田章男社長)を映し出している。』になります。

トヨタ、日産、ホンダなどの国内自動車メーカーは、自動運転機能付EV・PVを開発・実用化するため、AI・IoT対応を迅速に行う必要があります。

2020年ころには、一部の自動車が自動運転機能付EV・PVとして市場に投入される可能性があります。

現在の自動車は、ガソリンエンジン主体なので、自動車メーカーが自社内に蓄積したノウハウや専門的知見・知識を活用して、差別化・差異化を可能にしています。

しかし、EVは、ガソリンエンジン車で蓄積されたノウハウや専門的知見・知識をそれほど必要としません。

EVの開発・実用化に必要なノウハウは、しょうしょう極端に言いますと、現在の自動車専業メーカーでなくても獲得できます。

また、グーグルのように、自動運転機能付EVの開発・実用化を積極的に進めている企業でも、自動車メーカーになる意思はもっていないようです。

EV本体は、電子端末機器で行っているように、グーグルは、自動車メーカーに製造委託する形で、EV本体を確保します。

グーグルは、自動運転機能付EVを動く電子端末機器として位置付けており、ハードウェア自体に付加価値をもたせる仕組み作りを行いません。

グーグルは、自動運転機能付EVにAI・IoT対応を行うことで、自社の検索エンジンの使用機会を増やして、更なる広告宣伝収入や自社のクラウドサービス事業の拡大を目指します。

アマゾンも、グーグルと同じように、自動運転機能付EVを移動する電子端末機器と位置付けて、インタネット通販や自社のクラウドサービス事業の拡大を目指します。

グーグルやアマゾンは、アップルやマイクロソフト、フェースブックなどとともに、インタネットやITの事業基盤を確立したプラットフォーマーと呼ばれています。

現在、日本、欧米、アジアなどの国や地域では、インタネットやITは、個人、企業などの社会基盤を支える存在になっています。

したがって、グーグル、アマゾン、アップル、マイクロソフト、フェースブックなどの米大手ITベンダーは、社会基盤を支える、あるいは大きな影響を与えるプラットフォーマーになっています。

これらのプラットフォーマーの武器は、高度なITノウハウであり、AI、IoT対応でも、世界市場で勝ち組になるような形で動いています。

国内自動車メーカーは、国内家電業界が米大手ITベンダーとの競争に負けて、市場や顧客を奪われた状況を知っています。

特にAIは、自動運転機能付EVの能力を大きく左右しますので、自動車メーカーは
、大きな関心をもって、独自に対応しています。

本日の記事では、国内自動車や家電メーカーが、グーグルのAI;グーグルアシスタントと、アマゾンのアレクサのどちらか、あるいは両方とも選んで、連携・協業(アライアンス)を組みつつあることについて書いています。

今後の自動車業界は、異業種他社を巻き込んだオープンイノベーションの動きが加速化していきます。

残念ながら、すべての国内自動車メーカーが、世界市場で勝ち組になることは難しいとみています。

自動車メーカーは、資金力とともに、2020年以降の自動運転機能付EV・PVの普及が進む状況下で、自社の収益確保・拡大を実現する青写真作成が必要になります。

将来、自動車は、個人や企業が所有するだけでなく、共有する(シェアする)ことが増える可能性があります。

このことは、自動車の市場規模が減少するリスクを示しています。

トヨタは、明らかに上記の事業環境とリスクを理解しています。このため、ITやAIなどの大型研究拠点をアメリカのシリコンバレーに設立したり、今回のCESでもベンチャーを含めたITベンダーとの連携・協業(アライアンス)を積極的に提案しています。

また、トヨタは、海外だけでなく、国内有数のAIベンチャーの一つである、PFN
(株式会社Preferred Networks)に出資して、オープンイノベーションの動き:連携・協業(アライアンス)を積極的に進めています。

この激変する自動車業界は、PFNのような実力をもつITベンチャー・ベンダーにとっても、大きな新規事業機会が生まれます。

このような状況から、引き続き国内自動車メーカー、米大手ITベンダー、国内ITベンダーなどの動きについて、オープンイノベーション:連携・協業(アライアンス)をどうす進めて行くのか、注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁


タグ:日経記事
nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

日経記事:『社説 100年に1度の変革に挑む自動車産業』に関する考察 [何故アライアンスが必要なの?]

                                                  2017年11月5日

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

11月5日付の日経新聞に、『社説 100年に1度の変革に挑む自動車産業』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は、以下の通りです。

『2年に1度の自動車の祭典、東京モーターショーが今日閉幕する。以前より減ったとはいえ、東京・有明の会場には60万人超のファンが足を運んだ。会場ではホンダの電気自動車などが注目を集め、華やかなムードを演出した。

だが少し引いた目で見ると、いまの自動車産業に浮かれた気分はない。日本車は高品質と効率生産を武器に世界で躍進したが、勢いを持続できるかどうか。車が「100年に1度」といわれる変革期を迎える中で、日本車各社も成功体験にとらわれない、経営や組織のモデルチェンジが必要だろう。

変革の波は3つある。1つはエンジンから電池に動力源の主役が代わる電動化時代の幕開けだ。2つめはIT(情報技術)の進化で、完全自動運転などの新機軸が意外に早く実現しそうなこと。3つめはカーシェアなどの普及で、所有を前提としない車の利用形態が徐々に広がっていることだ。

一連の変革によって、日本企業の強みが弱みに変わる恐れがある。例えば日本の人材の特徴は同質性だ。同じようなスキルと共通経験を持つ人たちがチームワークを発揮し、工程の改善や車の品質向上に成果を上げてきた。だが、今後は同質性より、むしろ多様性こそがカギを握るのではないか。

自動車会社には電動化の柱である電池技術や、自動運転の中核をなすAI(人工知能)人材の蓄積が薄い。その穴を埋めるには、外部の研究者をスカウトしたり、ベンチャーや大学と手を組んだりといった横の連携が不可欠だ。

様々な背景を持つ人材に活躍の舞台を用意し、企業文化や歴史の異なる会社とも上手に付き合う。そんな多様性重視に向けて経営者がマインドを切り替え、それに沿った組織風土をつくれるかどうか。その成否が各社の変化対応能力を左右するだろう。

技術革新が加速する時代は「非連続の決断」が必要な時でもある。長年かけて練り上げてきた技術やビジネスの仕方があるとき突然、陳腐化するかもしれない。

そんな時は思い切りよく過去と決別し、新しい方向に踏み出す勇気が必要だ。日本の半導体が没落した一因は、設計と生産をそれぞれ専門の企業が役割分担する世界の潮流に背を向け、設計・生産一体型の古い方式から脱却できなかったことだ。自動車産業も系列のあり方を含めて事業モデルの絶え間ない検証が欠かせない。』

私も2年ぶりに開催されましたモーターショーを見学しました。電気自動車(EV)の新型車や人工知能(AI)・IoT対応した自動運転技術を搭載したコンセプトカーなど、非常に高い関心をもって見学しました。

同時に、自動車産業の基盤が、ガソリンエンジン車に代表される現行車から、EV、あるいは燃料電池車に切り替わる時期になりつつあることを実体験しました。

本日の社説にありますように、トヨタやホンダなどの国内自動車メーカーは、この変革期を相当な危機感と緊張感をもって迎えていると推測します。

トヨタは、次世代自動車として、燃料電池車とEVの両分野を睨んで開発・実用化を進めています。

欧州自動車メーカー、中国政府の方針、グーグルなどの米大手ITベンダーの動きから、短期的にはEVが次世代自動車のベースになります。

このEVの性能を左右するのは、電池になります。現在の主流である電池は、リチウムイオン電池です。

このリチウムイオン電池は、フル充電後の走行距離が実用的と言われる、たとえば、500kmを現時点では達成できない、コバルトやニッケルといったレアメタルを使っている、価格が総じて高いなどの課題があります。

このリチウムイオン電池の課題を解決するものとして、開発・実用化を進めているのが、トヨタが東京大学やNEDOなどと共同で進めている全固体電池です。

この トヨタが10月25日、EVやプラグインハイブリッド車(PHV)向けの次世代電池である「全固体電池」について、2020年代前半の実用化を目指す方針を明らかにしました。

この全固体電池が開発・実用化されると、今のリチウムイオン電池を主体とするEV、HV、PHVの事業環境が大きく変わります。

ガソリンエンジン車に匹敵する実用的なEVが出現することになります。トヨタをはじめとする国内自動車メーカーが、全固体電池でEVや燃料電池車を主導することが期待できます。

一方、自動運転車の開発・実用化は、米大手ITベンダーのグーグルが、一歩先行しています。

10月31日付の日経新聞に、『場所は言えない グーグル自動運転「秘密の街」を見た』のタイトルで記事が掲載されました。

この記事によると、グーグルは米軍基地の跡地である91エーカー(0.36平方キロメートル)もの広大な敷地を使い、「止まれ」の標識や信号など一般と同じ道路環境が再現された仮想の町を作って、自動運転車の開発・実用化を積極的に進めています。

グーグルは、自動車(EV)本体は自動車メーカーからOEM供給を受けます。言わば、アップルがiPhoneを台湾や中国のメーカーの工場で作ってもらい、供給を受けるやり方と同じです。

自動運転機能付EVは、コネクテッドカーになり、言わば動くiPhoneになります。グーグルは、コネクテッドカーの商品力を自動車本体ではなく、AI、IoT対応、ソフトウエア開発力で差別化・差異化を可能にするやり方を取ります。

トヨタやホンダなどの国内自動車メーカーは、ガソリンエンジン車での差別化・差異化を、自動車本体の性能や機能などから実現してきました。

自動運転機能付EVは、自動車の価値自体を破壊・再構築してしまう可能性があります。

今まで、グーグル、アップル、アマゾンなどの米大手ITベンダーは、既存事業基盤を一気に破壊・再構築してきた歴史をもっています。

トヨタやホンダなどの国内自動車メーカーは、米国のシリコンバレーにAI、IT、IoT対応の大型研究拠点を設立したのは、上記米大手ITベンダーに対抗して、自らコネクテッドカーを開発・実用化する能力をもつことにあります。

さらに、将来の自動車市場に大きな影響を与える可能性があるのが、自動車を所有するのではなく、シャアするやり方の普及です。

このカーシェアが普及すると、自動車の所有台数が減少するので、市場規模が小さくなります。

トヨタやホンダなどの国内自動車メーカーは、上記「3重苦」の事業環境で、グーグルやアップルなどの米大手ITベンダーと対抗する必要があります。

現在の自動車産業は、典型的な垂直統合型の構造になっています。かって、ソニーやパナソニックやソニーなどの国内大手家電メーカーが、アップルに負けたように、垂直統合型の事業構造を保ったままでは、グーグルやアップルなどの米大手ITベンダーとの競争に打ち勝つことはできません。

私は、トヨタやホンダは、国内大手家電メーカーと同じ轍を踏まないように動くと考えています。

上記大型研究拠点を米シリコンバレーに設置したことや、トヨタが国内有数のAIベンチャーである株式会社Preferred Networksに出資して、連携・協業を行っていることなどから判断しています。

米大手ITベンダーの破壊・再構築する規模の大きさと、その実行スピードが極めて速いので、トヨタやホンダは、オープンイノベーションのやり方を徹底的に活用して、迅速に新事業の立上を行うことを大いに期待します。

今後のトヨタやホンダ、およびグーグルやアップルなどの米大手ITベンダーの動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁


nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

日経記事:『造船大手,設計部門を集約 JMU,建造と分離/川重,中国で増員 専業との連携拡大も』に関する考察 [何故アライアンスが必要なの?]

                                            2017年11月4日

皆様、
こんにちは。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

11月4日付の日経新聞に、『造船大手,設計部門を集約 JMU,建造と分離/川重,中国で増員 専業との連携拡大も』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は、以下の通りです。

『ジャパンマリンユナイテッド(JMU)など総合重工系の造船大手が造船所ごとに分散していた設計部門の集約に相次ぎ乗り出す。環境規制の強化に伴う設計業務の拡大に備えて設計力を底上げする。

建造部門と設計部門を切り離すことで、将来的に低コストの建造を得意とする専業大手と分業連合をつくる狙いもある。各社の設計部門の強化が業界再編につながる可能性がある。

IHIやJFEEホールディングスなどの造船部門を統合したJMUは全国7カ所の造船所に分散していた主要な設計業務に携わる技術者を本社の設計部門に集約。本社の同部門は現在の2倍の約300人体制となる。

本社に集約するのは、船型や積載量、燃費性能などを決める「基本設計」、詳細な仕様を決める「機能設計」を手掛ける技術者。各造船所が担う設計業務の重複を解消して作業効率を高め、省エネ効果の高い商船「エコシップ」の設計・開発に取り組む。

造船所で使う建造用の設計図などを作製する「生産設計」の技術者300人は各造船所に残る。

川崎重工業は中国の造船合弁2社の設計者を育成する。基本設計のエンジニア約50人を含む約500人が現地で新型船を開発できるようにする。今後、さらに技術者を1割増やし約550人体制にする。一方、競争力の高い燃費性能に関する技術開発は日本の神戸工場(神戸市)に集約する。

三井造船も2カ所の造船所に分散していた基本・機能設計の技術者500人を1つの部署にまとめることを検討する。

三菱重工業はすでに3拠点に分散していた設計技術者を横浜の拠点に集約した。集約した横浜の部門と下関造船所(山口県下関市)の建造部門を統合する商船の新会社を2018年1月に立ち上げることを発表した。

JMUなど重工各社が設計部門の集約に動く背景には設計業務の拡大がある。2020年代中ごろまで二酸化炭素や硫黄酸化物の排出削減、生態系保全など環境規制の強化に伴う制度変更が予定され、新基準に則した設計図を新たに作り直す必要が出てくる。「設計力を強化しないと新規案件を取るのが難しくなる」(JMUの三島慎次郎社長)という。

さらに総合重工各社の生き残り戦略も背景にある。今治造船や大島造船所など専業大手は建造量で重工各社をしのぐ。一方で省エネ型商船など設計技術の水準は重工各社が高いとされる。重工各社が設計部門の付加価値をさらに高めれば、設計業務を受託して建造を任せるなど専業大手と分業連合を組みやすくなるとの狙いもある。

実際、三菱重工は設計部門を中核とした新会社が今治造船など専業3社と提携。設計・開発は三菱重工が担い、専業3社が主に建造するといった役割分担を検討している。造船会社幹部は「設計強化と並行して複数の専業大手に提携を申し込んでいる」と打ち明ける。

中国・韓国勢との受注競争で劣勢に立たされる日本の造船各社。重工系各社が設計・建造の分離を進める先には、業界再編が控えている。』
 

本日の記事は、国内大手造船関連企業が設計業務と建造業務を分離・集約する動きについて書いています。

現在の造船業は、ほとんど開発、設計、建造までの業務を1社単独で行う垂直統合方式を採用しています。

このやり方は、かっての家電メーカーが取っていたやり方と同じであり、垂直統合で一気通貫のやり方で行うことにより、競合他社との差別化・差異化を可能にできたからでした。

造船業は、1980年代までは世界市場で日本企業の独占状態が続いていました。その他モーター市場に韓国と中国の造船会社が参入して、大規模な設備投資などで、固定費削減効果による安値攻勢で市場を奪われました。

その後、日本の造船企業は、円高進行もあり長期低迷期が続きました。ここ数年間は、円安効果と、環境対応や省エネ型の造船技術が要求されたことなどから、徐々に国内製造事業者は、収益構造が改善されるようになっています。

また、IHIやJFEEホールディングスなどの造船部門を統合したジャパンマリンユナイテッド(JMU)などのように、大規模な集中と選択を行ったことも、国内企業の競争力強化につながっています。

国内船舶建造量で最大手の今治造船は、世界市場のシェアで2~3位に入っています。

この国内造船事業者が、更なる発展を図るため、企業競争力強化を行おうとしているようです。

新造船は、さらなる環境対応や省エネ性能の向上が要求されるのは確実です。さらに、この省エネ効果を高めるために、将来、日本海事協会が2016年から取り組み始めたIoT活用による「燃費が良い運航ルート」を導き出して、船の運営コスト削減を実現するプロジェクトもあります。

ただし、このIoT活用には、洋上の通信は衛星回線を使う必要がありますので、通信コストが非常に高くなる課題があります。

IoT活用には、上記課題がありますが、洋上通信コストが下がれば、一気に実施されるようになるとみています。

このように、造船業界を取り巻く事業環境が変化する中で、大手造船事業者が、1種のオープンイノベーションのやり方を採用し始めていることは、興味深いことです。

オープンイノベーションのやり方を徹底的に行うと、このやり方に参加する企業の強みを最大化することで、お互いに「Win/Win」の関係になり、事業収益の拡大を実現できます。

本日の記事によると、競争力の高い燃費性能に関する技術開発を得意とする大手重工業は、設計開発部隊を集約して、当該業務の生産性と競争力強化を図り、建造作業を低コスト化が得意な造船専業事業者に委託するやり方を取るようです。

お互いの企業が得意な分野を提供して、高い燃費性能の船を低コストで作れば、国内造船業の競争力強化につながります。

オープンイノベーションは、お互いに競争力をもつ企業が、「強者連合」によるイコールパートナーシップでオープンに進めることが成功の秘けつになります。

この観点から、「設計・開発は三菱重工が担い、今治造船や大島造船所などの建造専業3社が主に建造するといった役割分担を検討している。」と書かれていますので、当該企業が今後どのように具体的な動きをしていくのか注目していきます。

造船業界の動きは、中小企業がオープンイノベーションを行う上での参考情報になることによります。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁



nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

日経記事;『日本車、変わる自前主義 欧州開発受託が相次ぎ拠点 EV・自動運転、分業促す』に関する考察 [何故アライアンスが必要なの?]

                                            2017年9月23日

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

9月23日付の日経新聞に、『日本車、変わる自前主義 欧州開発受託が相次ぎ拠点 EV・自動運転、分業促す』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事について考えを述べます。

記事の主な内容は、以下の通りです。

『クルマのパワートレイン(駆動装置)などの部分的な開発を完成車メーカーから受託するドイツやオーストリアの企業が日本に相次ぎ拠点を新設する。欧州で浸透した分業モデルが日本でも広がると判断した。

完成車メーカーは電気自動車(EV)や自動運転など広範な技術が必要になり、自社ですべてを賄うのは徐々に難しくなる。外部の力をいかに活用するかが次世代車の競争力を左右しそうだ。

自動車メーカーはエンジン開発から車両設計、組み立てまで幅広い技術を手掛ける自前主義の傾向が強い。開発受託はエンジンなどパワートレインを中心に開発業務を支援するビジネス。EV向け技術も蓄積し、独フォルクスワーゲン(VW)など欧州メーカーでは開発の一部を外部に任せる手法が浸透している。

オーストリアのAVLは11月、名古屋市に新拠点を設ける。16年11月に川崎市に開いたテクニカルセンターに次ぐ拠点となる。同センターはエンジンが想定通りに動くかを試験する装置を備え、近くEVなど電動車向け設備も入れる。

試作したパワートレインを欧州に送って試していた手間を省き、自動車メーカーに迅速なサービスを提供する。名古屋市の新拠点はエンジンなどの性能テストに使う試験設備の販売拠点にする。

独FEVも18年以降に日本に技術拠点を設ける方針。ソフトウエアの開発を担うほかエンジンなどの試験設備を備える。投資額は10億円超の見通し。独IAVも18年に日本でエンジンなどの試験ができる設備を整える。

FEV日本法人のロバート・ヤンソン社長は「電動車を開発する大型プロジェクトを抱えている」と話す。黒子と言える存在の開発受託企業は受注先の詳細を明かさないが、トヨタ自動車やマツダ、ホンダなどに技術者を送ってきた。日本で開発、設計、試作まで一貫して手掛けたエンジンを完成させた実績もある。

開発受託各社はガソリンやディーゼルのエンジンに加えEVやプラグインハイブリッド車(PHV)のバッテリー、モーターの開発ニーズにも応える。各国政府の動向にも詳しく、EVシフトを進める規制当局の情報を得るためにも完成車メーカーにとって欠かせない存在になってきた。

次世代車はパワートレインが変わるだけでなく、自動運転に人工知能(AI)が必要になるなど完成車メーカーが慣れない技術領域が増える。自社内に多様な技術を抱えるトヨタでも「AIではあらゆる手段をつかう。

自前主義だけではいけない」(伊勢清貴専務役員)との声が出始めた。通信、電池、半導体と必要な技術を確保するためには自社の取り組みだけでは立ちゆかなくなる。
一方、EV化が進めば繊細な技術で擦り合わせる機械部品は減り、モジュール(複合部品)やパワートレインの開発を外部に任せやすくなるとみられる。完成車メーカーはブランドやデザインの力がより問われるようになる。部品メーカーを囲い込み競争力を保ってきた自動車業界のビジネスモデルが変わり始めた。』

自動運転機能付EVは、既存のガソリンエンジン車やディーゼルエンジン車の自動車の概念とは全く異なるものになると考えています。

自動運転機能付EVは、しょうしょう極端な言い方をしますと、言わば動き・移動する電子端末機器と考えています。

ここに、米大手ITベンダーであるグーグルが、自動運転機能付EVを開発・実用化する理由があります。

グーグルは、インターネットを通じた広告宣伝収益の拡大を、自動運転機能付EVから上げることを想定しています。

自動運転機能付EVを利用する人は、運転する必要がありませんので、IoT対応したEVでインターネットを活用して、検索したり、ゲームや音楽・映画鑑賞、買物などを楽しむことができます。

このため、将来、グーグルだけでなく、アップル、アマゾン、フェースブックなどの米大手ITベンダーが、自動運転機能付EVに関するビジネスに参入してくると想定しています。

今の自動車は、単に移動するだけでなく、自動車の運転自体を楽しむ要素などを加えて、差別化・差異化を図っています。

完全な自動運転機能付EVは、自動車の中でインターネット活用しながら楽しみつつ移動する手段になります。

この自動車概念の変化は、トヨタ自動車、ホンダ、日産などの既存自動車メーカーのビジネスのやり方に大きな変化を起こします。

上記する米大手ITベンダーは、今まで既存事業基盤を破壊・再構築して、自分たちのビジネスを拡大してきました。

日本の家電メーカーであるソニーやパナソニックなどが、米大手ITベンダーとの競争に負けて市場を奪われました。

これは、日本の家電メーカーがハードウェア商品自体での競争を意識した結果、インターネットやITを活用したソフトウエアの競争力の弱さや、インターネット配信の開発・実用化などにより、既存事業基盤を変更されたりして市場や顧客を失ったことによります。

米大手ITベンダーは、ハードウェア商品を出すとき、商品企画、デザイン、開発、設計など競争力を左右するとこは、自前で行い、製造は第三者に委託するやり方を取っています。

たとえば、グーグルは、現時点でFCA(フィアット・クライスラー・オートモビル)と連携・協業して、自動運転機能付EVを開発・実用化するとしています。


一方、EVの構造は、ガソリンエンジン車やディーゼルエンジン車の構造と比べて、使用する部品点数も大幅に少なく、簡略化できます。

また、ガソリンエンジン車やディーゼルエンジン車で差別化・差異化を可能にするノウハウは、EVにはそれほど有効ではありません。

トヨタ自動車、ホンダ、日産などの既存自動車メーカーにとって、EV自体をハードウェアの面からの差別化・差異化を可能にする余地は、少ないとみています。

つまり、家電メーカーがかって体験したハードウェア商品単体での差別化・差異化にこだわると、既存自動車メーカーは同じ轍を踏むことになります。

トヨタ自動車やホンダなどは、この点に気付いていると考えます。具体的には、IoT・AI対応のために、米シリコンバレーに巨額投資を行って開発拠点を設けています。

また、トヨタ自動車は、国内AIベンチャーであるPreferred Networks(PFN)に出資したりして、連携・協業を行っています。

ガソリンエンジン車やディーゼルエンジン車で差別化・差異化を可能にするには、垂直統合方式で、開発・実用化のすべてのプロセスで技術を磨くやり方が有効でした。

しかし、EVが主流になり、競争相手にITベンダーが入ってくると、国内自動車メーカーが今までの垂直統合方式で行っていると、開発期間の短さ、開発コスト・製造コストの圧縮という事業基盤の急激な変化についていけなくなる可能性が高くなります。

本日の記事にありますように、国内自動車メーカーは、今までの自前主義から脱却して、水平分業方式で、競争力をもつ企業との連携・協業による「Win/Win」の関係を構築して、スピーディーに事業化するやり方が求められます。

米大手ITベンダーがこのやり方の先駆者であり、オープンイノベーション(2000年代初頭に米ハーバード・ビジネススクールのヘンリー・チェスブロウ博士によって提唱された概念です。)と言われています。

このオープンイノベーションは、技術革新などのイノベーションをおこすため、企業は社内資源のみに頼るのではなく、大学や他企業との連携を積極的に活用することが有効であるとする考えです。

お互いに強みや特徴をもつ企業や研究機関などが、イコールパートナーシップにより、「Win/Win]の関係を構築して、連携・協業を行うことで、競争力のある商品を短期間に開発・実用化することが、オープンイノベーションであると理解しています。

国内自動車メーカーが、強力にオープンイノベーションのやり方を実行できれば、米大手ITベンダーがや欧米の自動車メーカーに勝てると確信しています。

もし、オープンイノベーションのやり方を有効に活用できないと、将来国内自動車メーカーは厳しい事業環境に直面する可能性があります。

企業の規模に関係なく、競争力のある企業同士がオープンイノベーションのやり方を有効に活用することを期待します。

私の支援先企業の中には、オープンイノベーションのやり方を有効に活用して、競争力のある商品やサービスを短期間に開発・実用化しているところがあります。

今後の国内自動車メーカーの動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁



nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

日経記事;『米ヤフー「解体」の意味するもの』に関する考察 [何故アライアンスが必要なの?]

                                                 2017年6月14日

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

6月14日付の日経新聞に、『米ヤフー「解体」の意味するもの』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は、以下の通りです。

『ネットサービス大手の米ヤフーが先週開いた株主総会で、事実上の会社解体を決めた。主力のサイト運営を通信大手の米ベライゾン・コミュニケーションズに売却し、日本法人などの株式を保有する投資会社となる。

ネット企業の草分けであるヤフーの浮沈は、この分野の変転の激しさを示す。多くの業界で変化の速度が増しており、経営者は技術の進化への感度を高めるべきだ。人材がヤフーから成長企業に移るなど、米国で産業の新陳代謝が進んでいることにも目を向けたい。

1995年に発足したヤフーは、様々な情報を並べたポータルサイトとして競争力を高め、「ネットの入り口」として数億人規模の利用者を得た。

だが、米グーグルの検索サービスが状況を一変させる。必要な情報を効率的に見つける手段としてグーグル検索の人気が高まったが、ヤフーは利用者の変化を軽視し、技術開発が後手に回った。

小売業界では米アマゾン・ドット・コムが急成長、自動運転でもIT(情報技術)企業の動きが目立つ。米国の変化はダイナミックだが、日本も多くの産業でIT化が進めば、競争環境が急変する時代に入ったことを肝に銘じたい。

業績が悪化したヤフーは人員削減を進め、社員は2007年の1万4千人超から約4割減った。米フェイスブックなど成長企業への社員の転職や、起業も目立つ。

今年4月に株式を上場したビッグデータ処理ソフトの米クラウデラは、ヤフー出身者が設立に関わった一社だ。設立から10年足らずで社員が1500人に迫る規模まで成長し、時価総額は円換算で2000億円に達している。

一方、日本では競争力が低下した企業が人材や技術を抱え込み、有効活用できない事例が多い。

起業や、企業から新たな事業の種を切り出しやすい環境づくりを急ぐべきだ。こうした取り組みへの資金供給に加え、経営を担う人材を獲得しやすくする労働市場の整備も欠かせない。』

本日の記事は、米ヤフーが主力事業である検索Webサイト運営を米ベライゾン・コミュニケーションズに売却した後、最終的にヤフー本体の解体を決めたことについて書いています。

日本では、ヤフージャパンは検索、広告宣伝、インターネット通販などを行うWebサイトの運営事業者として主力企業になっています。

一方、ヤフージャパンも、国内でアマゾンジャパンや楽天などの強力なライバル企業が存在しており、今後の事業展開は、さらに競争が激化するとみています。

アメリカのIT業界は、競争が激しくて、2000年代に主力企業であった多くのITベンダーが、買収などで淘汰されました。

アマゾン、グーグル、マイクロソフト、アップル、フェースブックなどの米大手ITベンダーは、その激しい競争を勝ち抜いてきた企業であり、現在多くの創意工夫をしながら競争力を強化して、収益確保・拡大を図っています。

この激しい競争が起こっている事業環境は、IT業界だけではありません。IT業界が構築しさらに発展・進化を続けている、インターネット・ITの急速普及は、既存事業基盤を早期に破壊して、強い企業が再構築するビジネスの進化プロセスを加速させています。

アマゾン、楽天、ヤフーなどの大手ITベンダーが仕掛けるインターネット通販は、その高い利便性や、相対的に安い販売価格設定などが、多くの一般消費者や企業などに支持されて、毎年売上を二桁成長で伸ばしています。

そのため、一般的に小売店、百貨店、総合スーパーなどのリアル店舗での売上は、減少が続いています。

このことは、インターネット・ITの先進国である米国で最も顕著に表れています。本日、6月14日付の日経新聞に、『米商業モール苦境 ネット通販に押され… 百貨店など撤退相次ぐ』のタイトルで書いてあります記事に示されています。

この記事に、「米国型消費の象徴、ショッピングモール(SM)の苦戦が国内全土で広がっている。拡大するインターネット通販に押されて店舗の閉鎖が相次ぎ、集客力を失ったためだ。。。大手百貨店は「アンカーテナント」と呼ばれ、米国のモールは百貨店を中心に形成されていた。その百貨店は現在、アマゾン・ドット・コムなどネット通販業者に顧客を奪われ、相次ぎモールからの撤退を決めている。今年に入り、JCペニーとシアーズ・ホールディングスは100店舗以上の閉鎖を発表した。メーシーズも昨年100店舗の閉鎖を発表した。今年の閉鎖店舗数は8000店を超えるとの推計もある。。。」と書かれています。

米アマゾンの攻勢は恐るべしです。

Webサイトを活用した広告宣伝では、インターネット検索エンジン運営会社の世界最大手ITベンダーである米グーグルや、SNS分野で米フェースブックやインスタグラムを運営するフェースブックなどの米大手ITベンダーがしのぎを削っています。

多分、このインターネット広告宣伝分野では、グーグルやフェースブックが、勝者になります。

小売店や広告宣伝のビジネスモデルは、上記米大手ITベンダーにより、短期間に既存事業基盤を破壊・再構築されつつあります。

グーグルは、本気で自動運転機能付電気自動車(EV)の開発・実用化を行っており、近々に米国市場で自動車市場に参入します。

ITベンダーであるグーグルが典型的なハードウェア商品の一つである自動車事業者になれるのは、オープンイノベーションのやり方を徹底的に使いこなしていることによります。

オープンイノベーションの定義は、以下の通りです。
「組織内部のイノベーションを促進するために、意図的かつ積極的に内部と外部の技術やアイデアなどの資源の流出入を活用し、その結果組織内で創出したイノベーションを組織外に展開する市場機会を増やすことである(Henry W. Chesbrough, 著書『Open Innovation』(2003年)」

このオープンイノベーションのやり方は、ITベンダーが積極的に取り入れました。
米大手ITベンダーであるアップルが、このオープンイノベーションを取り入れて、超大型商品として開発・実用化したのが、iPhoneになります。

アップルは、自前で工場をもたないファブレス企業です。商品企画、デザイン、開発、ソフトウェアなどのコア技術は、自前で強化し、他の部分をオープンイノベーションのやり方で、事業連携(アライアンス)の関係を構築・維持しながら、短期間に当該商品の開発・実用化・製造・販売を行います。

私は、オープンイノベーションのやり方は事業連携(アライアンス)そのものであると理解しています。

お互いに競争力をもっている企業同士が、水平分業型に事業連携(アライアンス)を組んで、最強の商品・商材・サービスを提供するビジネスモデルになります。

国内企業は、どの事業分野であれ、市場環境・事業環境に応じて、他社との事業連携(アライアンス)を巧みに使いこなせるかどうかが、今後の競争力を左右するとみています。

インターネット・ITの急速普及は、既存事業基盤を全くの新参企業が、破壊・再構築するリスクが常にある事業環境を生み出していることに気がつく必要があります。

今後、国内の中小企業は、今までの事業のやり方のみに固執しないで、柔軟な発想や考え方を取り込んで、短期間に自社商品・サービスの競争力を強化するやり方を徹底的に創意工夫する必要があります。

上記の米国市場の状況は、近未来の日本市場になることは確実です。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁


nice!(2)  コメント(1)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

日経記事;『独アウディ、前走車の視界把握 追突防止に新技術』に関する考察 [何故アライアンスが必要なの?]

                                   2017年3月5日

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

3月5日付の日経新聞に、『独アウディ、前走車の視界把握 追突防止に新技術』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は、以下の通りです。
 
『自動車と通信の融合が一段と進んできた。2日までスペイン・バルセロナで開催した世界最大のモバイル見本市「モバイル・ワールド・コングレス」ではコネクテッドカー(つながる車)の出展が相次いだ。

独アウディは前走車の視界を見ながら運転し、追突を防止する新技術を公開。通信速度が100倍になる「5G」規格を使う遠隔運転システムも登場した。

運転席のモニターに前走車の視界が映し出される。

アウディは車同士で情報をやり取りする「車車間通信」で新技術を活用する。前走車のセンサーが捉えた映像が自動的にリアルタイムで送信されてくる仕組み。

運転席のモニターには前を走る車の視界がそのまま映し出され、急停車による追突事故を防ぐねらいだ。英ボーダフォンと中国・華為技術(ファーウェイ)の技術を活用した。

自動運転では瞬時にデータを送受信する必要があり、次世代無線規格5Gの実用化をにらんだ開発も進む。

スウェーデンのエリクソンは5Gを使う遠隔運転システムを開発。50キロ離れた地点から操作してもデータは0.05秒以内に届き、車の走行にほとんどズレが生じない。工場内運送など決まったルートを走る車に活用しやすく、まずは企業向けに需要を見込む。

仏自動車大手グループPSA(旧プジョーシトロエングループ)は運転席が無い自動運転のコンセプトカーを公開した。運転しない場合にハンドルを収納。パネルで映画やテレビ番組を楽しむこともできる。韓国サムスン電子のクラウドを使ってデータを送受信する仕組みだ。乗車する人の体調や気温のデータを集め、空調に活用する。

NTTドコモの吉沢和弘社長は「異業種が協力しあうコネクテッドカーでは系列は関係ない」と話す。自動車メーカーと通信会社の組み合わせは従来のケイレツの枠を超えたものになるという。』

毎年各国で開かれる自動車関連ショーで、自動運転機能関連の新技術やコンセプトカーなどが、各企業より積極的に発表されます。

本日の記事は、ドイツ大手自動車メーカーであるアウディが、自動運転機能の主要な構成要素の一つである前走車の視界を見ながら運転し、追突を防止する新技術を公開したことについて書いています。

アウディは、次世代通信技術である5G規格を採用しています。5Gは、本日の記事にありますように、通信速度が現行に比べて100倍になるとされています。

自動運転機能は、高性能かつ高信頼性のIoT技術が必須になります。5Gは、通信面でこのIoTを支える規格になる可能性が高くなっています。

自動運転機能は、すべての車が通信機能をもっており、車同士で自動的に通信できる「コネクテッドカー(つながる車)」であることが前提となります。

ドイツの大手自動車メーカー3社、BMW、ダイムラー、アウディは、2016年9月に欧米などの半導体・通信機器大手と組み、次世代高速通信の第5世代(5G)を使ったサービスの開発で提携すると発表しました。

この3社は、自動運転機能の実現には5Gの実装が必要との認識をもっており、米半導体大手のインテルとクアルコム、通信機器大手のエリクソン(スウェーデン)、ノキア(フィンランド)、中国の華為技術などと、連携(アライアンス)を組んで世界標準をつくる動きをかけています。

本日の記事は、その1社であるアウディが、コネクテッドカーの一例を発表したことを示しています。

トヨタ自動車は、3月5日に2019年をめどに日米中の3カ国で販売するほぼすべての乗用車に通信機能を標準搭載する考えを発表しました。

トヨタは、従来2020年までに日米の両市場での通信機能搭載を表明していましたので、それを前倒しするとともに、対象市場に中国を加えました。トヨタもIoT実装を加速させています。

自動運転機能の開発・実用化には、多くの新技術が実装される必要があります。これらの新技術を使いこなして、多くの自動車が安全かつ快適に自動運転できるようにするために、通信規格や各種情報のやり取りや処理方式などについても、世界市場で標準化・共通化される必要があります。

国内自動車メーカーにとってベストなやり方は、自社で開発・実用化した技術・ノウハウをコアにしたものが世界標準になることです。

これは、開発・実用化の成果が最も効率的に使うことが可能であり、そのまま世界市場で販売できることによります。

上気ドイツ大手自動車3社の動きは、世界標準を獲得して、自社の技術的優位性を確立して、世界市場で勝ち組になることを狙ったものです。

自動運転車の開発・実用化は、既存の自動車メーカーに加えて、テスラモーターズのようなEVの専業メーカーや、米大手ITベンダーのグーグルなどの新顔が加わって、激しい競争が起こっています。

自動運転車は、言わば動くIT実装機器になりますので、どの世界大手企業も、1社単独で世界標準を作り、世界市場で勝ち組になることは不可能です。

トヨタは、2016年6月にコネクテッドカーの実現のために、KDDIとの提携を発表しました。

今後、トヨタ、ホンダ、日産自動車などの国内自動車メーカーは、どのような形で、他企業と連携(アライアンス)を組んで世界市場で勝ち組になるように動くのかが問われます。

自動運転車の開発・実用化は、非常に速いスピードで動いていますので、日本自動車メーカーが連携(アライアンス)を巧みに実行しないと、他国企業に市場を奪われるリスクがあります。まさに、フル回転したオープンイノベーションを行う必要があり、既存系列にこだわった連携(アライアンス)を組むと、致命傷になる可能性があります。

今後、この視点から、国内自動車メーカー3社の動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 


nice!(3)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

日経記事;『ドローン規格 日本から 経産省、制御技術など開発へ 市場開拓を後押し』に関する考察 [何故アライアンスが必要なの?]

                   2017年2月26日

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

2月26日付の日経新聞に、『ドローン規格 日本から 経産省、制御技術など開発へ 市場開拓を後押し』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は、以下の通りです。

『経済産業省はドローン(小型無人機)の国際規格づくりに乗り出す。宇宙航空研究開発機構(JAXA)と協力して衝突防止技術や自動管制システムを開発し、2025年度をめどに国際標準化機構(ISO)の承認を目指す。

日本や欧米を中心にドローンの実用実験が進んでいるが、国際的な規格がないことが普及の妨げになっている。日本が主導することで国内企業の市場開拓を後押しする。

ドローンは制御技術が未発達で、風であおられたり、電線などの障害物に接触したりして落下する事例が後を絶たない。国は航空法で飛行を厳しく規制し、今は離島や山間部などで操縦者の目の届く範囲でしか飛ばすことができない。

経産省は国際的な普及を見据え、17年度内にもJAXAや産業技術総合研究所(産総研)などと連携して安全性向上に向けた技術開発を始める。

JAXAとはドローン同士がぶつからないように互いの位置を自動で把握する管制システムを開発する。産総研とは飛行を安定させる技術の開発や全地球測位システム(GPS)や飛行高度を検知するセンサーの実用化を進める。福島県に整備する試験場で研究を進め、各機関の強みを生かして技術を開発する。

経産省は安全性と実用性を高め、20年度をめどにISO規格を承認する国際機関に申請する。承認されるのは25年度前後になる見込みだ。

経産省が規格づくりに力を入れるのは、技術開発で先行しながらも国際規格化で後れを取り、世界進出に苦労してきた日本企業の経験があるためだ。携帯電話では00年ごろ、当時最先端の技術「iモード」を持つNTTドコモがフィンランドのノキアなどとの規格争いに敗れ、今に続く日本勢の低迷の要因になった。

ドローン技術を巡っても、米航空宇宙局(NASA)が実証実験を進めるなど、世界で国際規格をにらんだ動きが出ている。日本は強みを持つ自動飛行技術や飛行データ解析といった分野で海外勢との技術協力を進め、成果を国際規格に反映させる考えだ。ドローンは中国製の機種が多く、規格づくりで先手を打つことで中国を巻き込んでいくことが課題になる。

矢野経済研究所(東京・中野)の調査では、世界のドローンの市場規模は20年には2兆3千億円と、15年の1.8倍に拡大する見通し。民間の別の調査では日本国内の市場規模は20年度に1千億円を超えるとみられている。日本の実情に合う規格づくりを主導できれば、ロボット技術などに強みを持つ日本企業は市場を獲得しやすくなる。』

私は、会社員時代に欧米企業との各種連携(アライアンス)活動を行いました。
この連携(アライアンス)活動の目的は、自社で開発・実用化した画像処理や音声処理方式を世界市場に普及させ、標準化することでした。

世界規模で標準化するためには、本日の記事にありますように、ISOなどの国際規格に採用されることが、一般的になります。

また、国際規格による標準化無しに、自社が開発・実用化した技術やノウハウを世界市場で実質的な標準とするやり方は、デファクトスタンダード化することになります。

このやり方は、自社がもつ技術的な強みをベースにして、世界市場で影響力を持つ企業と連携(アライアンス)を組んで、当該市場のマジョリティを押えることです。

国内企業が、国際規格化によるか、あるいはデファクトスタンダード化で世界市場での共通標準となる規格を押えるかは別として、共通して必要なことは、世界企業を巻き込んでの仲間(ファミリー)作りになります。

世界企業が共通化・標準化作業に参画・連携(アライアンス)するのは、基本的に自社に有利なビジネス環境を整えることが主目的になります。

共通化・標準化を行うためには、その技術的な方向性を固める時期が、その後のビジネス的な優位性を保てるかどうかの分かれ道になります。

日本は、第二次世界大戦後のある時期まで、国際的な規格作成作業に本格的に入れませんでした。

それまでは、欧米企業や政府が主導権を握る形で共通化・標準化作業が行われ、日本や他の国は、欧米勢が決めたレールの上でビジネスを行うことを強いられてきました。

現在でも、世界市場での共通化・標準化作業は、欧米勢が主導権を握って行うケースが多いのが実情です。

そのようなビジネス環境下で、国内企業や政府が主導権をもって、世界市場での共通化・標準化作業を行うには、事前にきちんとした事前準備とやり方の検討・作成を行うことが極めて重要になります。

私たちが行ったやり方は、まず自社技術・ノウハウを客観的に分析・検証して、強み、特徴、新規性、将来性を明確化しました。

この分析・検証の結果、自社の技術・ノウハウが、今後の世界市場での将来ビジネスに役立つものであり、安全性や信頼性なども含めて担保できることを確信することが、世界市場での共通化・標準化作業開始の前提条件になります。

この差別化・差異化できる技術・ノウハウをコアにして、世界市場に影響をもっている企業と、個別面談を非公式にかつ、極秘に行います。

通常、この個別面談は、双方向の機密保持契約(NDA)を結んで行います。この動きは、第三者に知られないように行います。

個別面談で、お互いに「Win/Win」の関係を明確化・構築できるかどうかがポイントになります。

このような関連企業との個別面談を積み上げて、多数派を作成していきます。ある程度めどがついたら、ISOなどの規格を審議・決定する国際的な機関に、新規格の審議開始を提案します。

もし、適当な国際機関や適切な関連規格がない場合、上気しましたように、デファクトスタンダード化を主要企業で行います。

国際的な新規格を作る、あるいはデファクトスタンダード化を行うためには、国内企業は、巧みな連携(アライアンス)を行う必要があります。優れた技術・ノウハウをもつだけでなく、世界企業と会話・交渉する政治力が必要となります。

この連携(アライアンス)のやり方は、オープンイノベーションの方式で、他社との協業で、新規事業立上を行うことと同じです。

今後、大手だけでなく、ベンチャー・中小・中堅企業が、自社の強みとなる技術・ノウハウをコアに、世界市場で連携(アライアンス)を巧みに行いながら、共通化・標準化作業を実現して、自社に有利な事業環境(ビジネスプラットフォームという言い方もあります)を実現していくことを期待します。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 


nice!(1)  コメント(1)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事
前の10件 | - 何故アライアンスが必要なの? ブログトップ