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日経記事;『米ヤフー「解体」の意味するもの』に関する考察 [何故アライアンスが必要なの?]

                                                 2017年6月14日

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

6月14日付の日経新聞に、『米ヤフー「解体」の意味するもの』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は、以下の通りです。

『ネットサービス大手の米ヤフーが先週開いた株主総会で、事実上の会社解体を決めた。主力のサイト運営を通信大手の米ベライゾン・コミュニケーションズに売却し、日本法人などの株式を保有する投資会社となる。

ネット企業の草分けであるヤフーの浮沈は、この分野の変転の激しさを示す。多くの業界で変化の速度が増しており、経営者は技術の進化への感度を高めるべきだ。人材がヤフーから成長企業に移るなど、米国で産業の新陳代謝が進んでいることにも目を向けたい。

1995年に発足したヤフーは、様々な情報を並べたポータルサイトとして競争力を高め、「ネットの入り口」として数億人規模の利用者を得た。

だが、米グーグルの検索サービスが状況を一変させる。必要な情報を効率的に見つける手段としてグーグル検索の人気が高まったが、ヤフーは利用者の変化を軽視し、技術開発が後手に回った。

小売業界では米アマゾン・ドット・コムが急成長、自動運転でもIT(情報技術)企業の動きが目立つ。米国の変化はダイナミックだが、日本も多くの産業でIT化が進めば、競争環境が急変する時代に入ったことを肝に銘じたい。

業績が悪化したヤフーは人員削減を進め、社員は2007年の1万4千人超から約4割減った。米フェイスブックなど成長企業への社員の転職や、起業も目立つ。

今年4月に株式を上場したビッグデータ処理ソフトの米クラウデラは、ヤフー出身者が設立に関わった一社だ。設立から10年足らずで社員が1500人に迫る規模まで成長し、時価総額は円換算で2000億円に達している。

一方、日本では競争力が低下した企業が人材や技術を抱え込み、有効活用できない事例が多い。

起業や、企業から新たな事業の種を切り出しやすい環境づくりを急ぐべきだ。こうした取り組みへの資金供給に加え、経営を担う人材を獲得しやすくする労働市場の整備も欠かせない。』

本日の記事は、米ヤフーが主力事業である検索Webサイト運営を米ベライゾン・コミュニケーションズに売却した後、最終的にヤフー本体の解体を決めたことについて書いています。

日本では、ヤフージャパンは検索、広告宣伝、インターネット通販などを行うWebサイトの運営事業者として主力企業になっています。

一方、ヤフージャパンも、国内でアマゾンジャパンや楽天などの強力なライバル企業が存在しており、今後の事業展開は、さらに競争が激化するとみています。

アメリカのIT業界は、競争が激しくて、2000年代に主力企業であった多くのITベンダーが、買収などで淘汰されました。

アマゾン、グーグル、マイクロソフト、アップル、フェースブックなどの米大手ITベンダーは、その激しい競争を勝ち抜いてきた企業であり、現在多くの創意工夫をしながら競争力を強化して、収益確保・拡大を図っています。

この激しい競争が起こっている事業環境は、IT業界だけではありません。IT業界が構築しさらに発展・進化を続けている、インターネット・ITの急速普及は、既存事業基盤を早期に破壊して、強い企業が再構築するビジネスの進化プロセスを加速させています。

アマゾン、楽天、ヤフーなどの大手ITベンダーが仕掛けるインターネット通販は、その高い利便性や、相対的に安い販売価格設定などが、多くの一般消費者や企業などに支持されて、毎年売上を二桁成長で伸ばしています。

そのため、一般的に小売店、百貨店、総合スーパーなどのリアル店舗での売上は、減少が続いています。

このことは、インターネット・ITの先進国である米国で最も顕著に表れています。本日、6月14日付の日経新聞に、『米商業モール苦境 ネット通販に押され… 百貨店など撤退相次ぐ』のタイトルで書いてあります記事に示されています。

この記事に、「米国型消費の象徴、ショッピングモール(SM)の苦戦が国内全土で広がっている。拡大するインターネット通販に押されて店舗の閉鎖が相次ぎ、集客力を失ったためだ。。。大手百貨店は「アンカーテナント」と呼ばれ、米国のモールは百貨店を中心に形成されていた。その百貨店は現在、アマゾン・ドット・コムなどネット通販業者に顧客を奪われ、相次ぎモールからの撤退を決めている。今年に入り、JCペニーとシアーズ・ホールディングスは100店舗以上の閉鎖を発表した。メーシーズも昨年100店舗の閉鎖を発表した。今年の閉鎖店舗数は8000店を超えるとの推計もある。。。」と書かれています。

米アマゾンの攻勢は恐るべしです。

Webサイトを活用した広告宣伝では、インターネット検索エンジン運営会社の世界最大手ITベンダーである米グーグルや、SNS分野で米フェースブックやインスタグラムを運営するフェースブックなどの米大手ITベンダーがしのぎを削っています。

多分、このインターネット広告宣伝分野では、グーグルやフェースブックが、勝者になります。

小売店や広告宣伝のビジネスモデルは、上記米大手ITベンダーにより、短期間に既存事業基盤を破壊・再構築されつつあります。

グーグルは、本気で自動運転機能付電気自動車(EV)の開発・実用化を行っており、近々に米国市場で自動車市場に参入します。

ITベンダーであるグーグルが典型的なハードウェア商品の一つである自動車事業者になれるのは、オープンイノベーションのやり方を徹底的に使いこなしていることによります。

オープンイノベーションの定義は、以下の通りです。
「組織内部のイノベーションを促進するために、意図的かつ積極的に内部と外部の技術やアイデアなどの資源の流出入を活用し、その結果組織内で創出したイノベーションを組織外に展開する市場機会を増やすことである(Henry W. Chesbrough, 著書『Open Innovation』(2003年)」

このオープンイノベーションのやり方は、ITベンダーが積極的に取り入れました。
米大手ITベンダーであるアップルが、このオープンイノベーションを取り入れて、超大型商品として開発・実用化したのが、iPhoneになります。

アップルは、自前で工場をもたないファブレス企業です。商品企画、デザイン、開発、ソフトウェアなどのコア技術は、自前で強化し、他の部分をオープンイノベーションのやり方で、事業連携(アライアンス)の関係を構築・維持しながら、短期間に当該商品の開発・実用化・製造・販売を行います。

私は、オープンイノベーションのやり方は事業連携(アライアンス)そのものであると理解しています。

お互いに競争力をもっている企業同士が、水平分業型に事業連携(アライアンス)を組んで、最強の商品・商材・サービスを提供するビジネスモデルになります。

国内企業は、どの事業分野であれ、市場環境・事業環境に応じて、他社との事業連携(アライアンス)を巧みに使いこなせるかどうかが、今後の競争力を左右するとみています。

インターネット・ITの急速普及は、既存事業基盤を全くの新参企業が、破壊・再構築するリスクが常にある事業環境を生み出していることに気がつく必要があります。

今後、国内の中小企業は、今までの事業のやり方のみに固執しないで、柔軟な発想や考え方を取り込んで、短期間に自社商品・サービスの競争力を強化するやり方を徹底的に創意工夫する必要があります。

上記の米国市場の状況は、近未来の日本市場になることは確実です。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁


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日経記事;『独アウディ、前走車の視界把握 追突防止に新技術』に関する考察 [何故アライアンスが必要なの?]

                                   2017年3月5日

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

3月5日付の日経新聞に、『独アウディ、前走車の視界把握 追突防止に新技術』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は、以下の通りです。
 
『自動車と通信の融合が一段と進んできた。2日までスペイン・バルセロナで開催した世界最大のモバイル見本市「モバイル・ワールド・コングレス」ではコネクテッドカー(つながる車)の出展が相次いだ。

独アウディは前走車の視界を見ながら運転し、追突を防止する新技術を公開。通信速度が100倍になる「5G」規格を使う遠隔運転システムも登場した。

運転席のモニターに前走車の視界が映し出される。

アウディは車同士で情報をやり取りする「車車間通信」で新技術を活用する。前走車のセンサーが捉えた映像が自動的にリアルタイムで送信されてくる仕組み。

運転席のモニターには前を走る車の視界がそのまま映し出され、急停車による追突事故を防ぐねらいだ。英ボーダフォンと中国・華為技術(ファーウェイ)の技術を活用した。

自動運転では瞬時にデータを送受信する必要があり、次世代無線規格5Gの実用化をにらんだ開発も進む。

スウェーデンのエリクソンは5Gを使う遠隔運転システムを開発。50キロ離れた地点から操作してもデータは0.05秒以内に届き、車の走行にほとんどズレが生じない。工場内運送など決まったルートを走る車に活用しやすく、まずは企業向けに需要を見込む。

仏自動車大手グループPSA(旧プジョーシトロエングループ)は運転席が無い自動運転のコンセプトカーを公開した。運転しない場合にハンドルを収納。パネルで映画やテレビ番組を楽しむこともできる。韓国サムスン電子のクラウドを使ってデータを送受信する仕組みだ。乗車する人の体調や気温のデータを集め、空調に活用する。

NTTドコモの吉沢和弘社長は「異業種が協力しあうコネクテッドカーでは系列は関係ない」と話す。自動車メーカーと通信会社の組み合わせは従来のケイレツの枠を超えたものになるという。』

毎年各国で開かれる自動車関連ショーで、自動運転機能関連の新技術やコンセプトカーなどが、各企業より積極的に発表されます。

本日の記事は、ドイツ大手自動車メーカーであるアウディが、自動運転機能の主要な構成要素の一つである前走車の視界を見ながら運転し、追突を防止する新技術を公開したことについて書いています。

アウディは、次世代通信技術である5G規格を採用しています。5Gは、本日の記事にありますように、通信速度が現行に比べて100倍になるとされています。

自動運転機能は、高性能かつ高信頼性のIoT技術が必須になります。5Gは、通信面でこのIoTを支える規格になる可能性が高くなっています。

自動運転機能は、すべての車が通信機能をもっており、車同士で自動的に通信できる「コネクテッドカー(つながる車)」であることが前提となります。

ドイツの大手自動車メーカー3社、BMW、ダイムラー、アウディは、2016年9月に欧米などの半導体・通信機器大手と組み、次世代高速通信の第5世代(5G)を使ったサービスの開発で提携すると発表しました。

この3社は、自動運転機能の実現には5Gの実装が必要との認識をもっており、米半導体大手のインテルとクアルコム、通信機器大手のエリクソン(スウェーデン)、ノキア(フィンランド)、中国の華為技術などと、連携(アライアンス)を組んで世界標準をつくる動きをかけています。

本日の記事は、その1社であるアウディが、コネクテッドカーの一例を発表したことを示しています。

トヨタ自動車は、3月5日に2019年をめどに日米中の3カ国で販売するほぼすべての乗用車に通信機能を標準搭載する考えを発表しました。

トヨタは、従来2020年までに日米の両市場での通信機能搭載を表明していましたので、それを前倒しするとともに、対象市場に中国を加えました。トヨタもIoT実装を加速させています。

自動運転機能の開発・実用化には、多くの新技術が実装される必要があります。これらの新技術を使いこなして、多くの自動車が安全かつ快適に自動運転できるようにするために、通信規格や各種情報のやり取りや処理方式などについても、世界市場で標準化・共通化される必要があります。

国内自動車メーカーにとってベストなやり方は、自社で開発・実用化した技術・ノウハウをコアにしたものが世界標準になることです。

これは、開発・実用化の成果が最も効率的に使うことが可能であり、そのまま世界市場で販売できることによります。

上気ドイツ大手自動車3社の動きは、世界標準を獲得して、自社の技術的優位性を確立して、世界市場で勝ち組になることを狙ったものです。

自動運転車の開発・実用化は、既存の自動車メーカーに加えて、テスラモーターズのようなEVの専業メーカーや、米大手ITベンダーのグーグルなどの新顔が加わって、激しい競争が起こっています。

自動運転車は、言わば動くIT実装機器になりますので、どの世界大手企業も、1社単独で世界標準を作り、世界市場で勝ち組になることは不可能です。

トヨタは、2016年6月にコネクテッドカーの実現のために、KDDIとの提携を発表しました。

今後、トヨタ、ホンダ、日産自動車などの国内自動車メーカーは、どのような形で、他企業と連携(アライアンス)を組んで世界市場で勝ち組になるように動くのかが問われます。

自動運転車の開発・実用化は、非常に速いスピードで動いていますので、日本自動車メーカーが連携(アライアンス)を巧みに実行しないと、他国企業に市場を奪われるリスクがあります。まさに、フル回転したオープンイノベーションを行う必要があり、既存系列にこだわった連携(アライアンス)を組むと、致命傷になる可能性があります。

今後、この視点から、国内自動車メーカー3社の動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 


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日経記事;『ドローン規格 日本から 経産省、制御技術など開発へ 市場開拓を後押し』に関する考察 [何故アライアンスが必要なの?]

                   2017年2月26日

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

2月26日付の日経新聞に、『ドローン規格 日本から 経産省、制御技術など開発へ 市場開拓を後押し』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は、以下の通りです。

『経済産業省はドローン(小型無人機)の国際規格づくりに乗り出す。宇宙航空研究開発機構(JAXA)と協力して衝突防止技術や自動管制システムを開発し、2025年度をめどに国際標準化機構(ISO)の承認を目指す。

日本や欧米を中心にドローンの実用実験が進んでいるが、国際的な規格がないことが普及の妨げになっている。日本が主導することで国内企業の市場開拓を後押しする。

ドローンは制御技術が未発達で、風であおられたり、電線などの障害物に接触したりして落下する事例が後を絶たない。国は航空法で飛行を厳しく規制し、今は離島や山間部などで操縦者の目の届く範囲でしか飛ばすことができない。

経産省は国際的な普及を見据え、17年度内にもJAXAや産業技術総合研究所(産総研)などと連携して安全性向上に向けた技術開発を始める。

JAXAとはドローン同士がぶつからないように互いの位置を自動で把握する管制システムを開発する。産総研とは飛行を安定させる技術の開発や全地球測位システム(GPS)や飛行高度を検知するセンサーの実用化を進める。福島県に整備する試験場で研究を進め、各機関の強みを生かして技術を開発する。

経産省は安全性と実用性を高め、20年度をめどにISO規格を承認する国際機関に申請する。承認されるのは25年度前後になる見込みだ。

経産省が規格づくりに力を入れるのは、技術開発で先行しながらも国際規格化で後れを取り、世界進出に苦労してきた日本企業の経験があるためだ。携帯電話では00年ごろ、当時最先端の技術「iモード」を持つNTTドコモがフィンランドのノキアなどとの規格争いに敗れ、今に続く日本勢の低迷の要因になった。

ドローン技術を巡っても、米航空宇宙局(NASA)が実証実験を進めるなど、世界で国際規格をにらんだ動きが出ている。日本は強みを持つ自動飛行技術や飛行データ解析といった分野で海外勢との技術協力を進め、成果を国際規格に反映させる考えだ。ドローンは中国製の機種が多く、規格づくりで先手を打つことで中国を巻き込んでいくことが課題になる。

矢野経済研究所(東京・中野)の調査では、世界のドローンの市場規模は20年には2兆3千億円と、15年の1.8倍に拡大する見通し。民間の別の調査では日本国内の市場規模は20年度に1千億円を超えるとみられている。日本の実情に合う規格づくりを主導できれば、ロボット技術などに強みを持つ日本企業は市場を獲得しやすくなる。』

私は、会社員時代に欧米企業との各種連携(アライアンス)活動を行いました。
この連携(アライアンス)活動の目的は、自社で開発・実用化した画像処理や音声処理方式を世界市場に普及させ、標準化することでした。

世界規模で標準化するためには、本日の記事にありますように、ISOなどの国際規格に採用されることが、一般的になります。

また、国際規格による標準化無しに、自社が開発・実用化した技術やノウハウを世界市場で実質的な標準とするやり方は、デファクトスタンダード化することになります。

このやり方は、自社がもつ技術的な強みをベースにして、世界市場で影響力を持つ企業と連携(アライアンス)を組んで、当該市場のマジョリティを押えることです。

国内企業が、国際規格化によるか、あるいはデファクトスタンダード化で世界市場での共通標準となる規格を押えるかは別として、共通して必要なことは、世界企業を巻き込んでの仲間(ファミリー)作りになります。

世界企業が共通化・標準化作業に参画・連携(アライアンス)するのは、基本的に自社に有利なビジネス環境を整えることが主目的になります。

共通化・標準化を行うためには、その技術的な方向性を固める時期が、その後のビジネス的な優位性を保てるかどうかの分かれ道になります。

日本は、第二次世界大戦後のある時期まで、国際的な規格作成作業に本格的に入れませんでした。

それまでは、欧米企業や政府が主導権を握る形で共通化・標準化作業が行われ、日本や他の国は、欧米勢が決めたレールの上でビジネスを行うことを強いられてきました。

現在でも、世界市場での共通化・標準化作業は、欧米勢が主導権を握って行うケースが多いのが実情です。

そのようなビジネス環境下で、国内企業や政府が主導権をもって、世界市場での共通化・標準化作業を行うには、事前にきちんとした事前準備とやり方の検討・作成を行うことが極めて重要になります。

私たちが行ったやり方は、まず自社技術・ノウハウを客観的に分析・検証して、強み、特徴、新規性、将来性を明確化しました。

この分析・検証の結果、自社の技術・ノウハウが、今後の世界市場での将来ビジネスに役立つものであり、安全性や信頼性なども含めて担保できることを確信することが、世界市場での共通化・標準化作業開始の前提条件になります。

この差別化・差異化できる技術・ノウハウをコアにして、世界市場に影響をもっている企業と、個別面談を非公式にかつ、極秘に行います。

通常、この個別面談は、双方向の機密保持契約(NDA)を結んで行います。この動きは、第三者に知られないように行います。

個別面談で、お互いに「Win/Win」の関係を明確化・構築できるかどうかがポイントになります。

このような関連企業との個別面談を積み上げて、多数派を作成していきます。ある程度めどがついたら、ISOなどの規格を審議・決定する国際的な機関に、新規格の審議開始を提案します。

もし、適当な国際機関や適切な関連規格がない場合、上気しましたように、デファクトスタンダード化を主要企業で行います。

国際的な新規格を作る、あるいはデファクトスタンダード化を行うためには、国内企業は、巧みな連携(アライアンス)を行う必要があります。優れた技術・ノウハウをもつだけでなく、世界企業と会話・交渉する政治力が必要となります。

この連携(アライアンス)のやり方は、オープンイノベーションの方式で、他社との協業で、新規事業立上を行うことと同じです。

今後、大手だけでなく、ベンチャー・中小・中堅企業が、自社の強みとなる技術・ノウハウをコアに、世界市場で連携(アライアンス)を巧みに行いながら、共通化・標準化作業を実現して、自社に有利な事業環境(ビジネスプラットフォームという言い方もあります)を実現していくことを期待します。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 


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日経記事;『トヨタ・スズキ、開発や調達など包括提携 株持ち合いも検討』に関する考察 [何故アライアンスが必要なの?]

                                            2017年2月4日

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

2月4日付の日経新聞に、『トヨタ・スズキ、開発や調達など包括提携 株持ち合いも検討』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は、以下の通りです。

『トヨタ自動車とスズキが開発や調達など広範囲な分野で包括提携することで大筋合意したことが3日、明らかになった。両社は2016年10月から協力関係の構築に向けた本格的な検討を進めてきた。

今後は株の持ち合いなど資本提携も検討する。トヨタの提携先も加えると年間販売台数が1800万台に達する巨大連合が始動する。

6日にも両社が発表する見通しだ。具体的な協力テーマは今後、両社で詰める。開発ではIT(情報技術)の活用や自動運転技術、世界的な環境規制の強化でニーズが高まる電動化などが対象になるとみられる。調達では海外を含めて競争力が高い取引先を相互に紹介するといった可能性がありそうだ。

トヨタは自動車業界ではIT企業など異業種を巻き込んだ競争が激しくなっており、影響力を維持するには同業との協力拡大が必要とみている。スズキは15年に独フォルクスワーゲン(VW)との資本・業務提携を解消し、新たな後ろ盾が必要と判断。スズキの鈴木修会長がトヨタの豊田章一郎名誉会長に提携を打診した。

スズキとトヨタ子会社のダイハツ工業の国内の軽自動車のシェアを合算すると60%を上回るなど、独占禁止法に抵触する恐れもあった。提携後も両社はそれぞれのブランドで販売を続ける。

一方、独禁法に抵触しない技術開発などの緩やかな連携から始め、実利を得る方針だ。提携関係を強固にするため、資本提携についても今後検討を進める見通しだ。

トヨタは2000年代半ばに富士重工業やいすゞ自動車と資本・業務提携したほか、最近は独BMWやマツダと提携した。多くのメーカーとの連携を広げ、自動車のIT化や自動運転の普及に伴い必要となる規格策定を有利に進める狙いだ。

1月には米フォード・モーターと共同で、スマートフォン(スマホ)と自動車を連携させて使う技術の普及に向けたコンソーシアムを設立し、国内の完成車メーカーでは富士重、マツダ、スズキの3社が加わっている。』


トヨタ自動車とスズキは、2016年10月に環境や安全、情報技術などの分野で提携・協力すると発表しました。

それ以降、両社は提携・協力のあり方について検討してきました。本日の記事は、両社が合意に達したことについて書いています。

提携・協力の詳細内容は、2月6日に発表されるとのことです。本日の記事は、提携・協力の概要としては、株の持ち合いなど資本提携を含めて、開発・設計・製造・資材調達・販売の多分野でのものになるようです。

国内自動車産業の事業環境は、アメリカのトランプ大統領の新施策を含めて、激変しています。

次世代環境対応車の開発・実用化、グーグルなどの米大手ITベンダーによる自動運転車(EVベース)の開発・実用化・事業化、米ウーバーなどによるタクシーや自家用車の配車・短期間レンタルサービスの登場と普及、自家用車のシェアリングサービスの普及など、従来の事業環境では考えられなかった変化が急激に起こっています。

国内自動車メーカーにとって、次世代環境対応車の開発・実用化は大きな投資とリスクがあります。

次世代環境対応車の本命は、現時点ではEVと水素燃料電池車です。国内自動車メーカーでは、トヨタとホンダが先陣を切って水素燃料電池車の開発・実用化を積極的に進めてきました。

しかし、2016年に発覚したフォルクスワーゲンによるディーゼルエンジン車の燃費性能などに関する不正操作は、ドイツ自動車メーカーが一気にEVの開発・実用化を開始するきっかけになりました。

加えて、米国のカリフォルニア州やニューヨーク州などでは、排出ガスを一切出さない自動車の販売を徹底するZEV(Zero Emission Vehicle)規制が2018年からより厳格に適用されることになっています。

トランプ大統領の環境政策がこのZEV規制に影響を与える可能性がありますが、現時点では適用される前提で、国内自動車メーカーは対応策を実行しつつあります。

水素燃料電池車は、水素ステーションの設置や販売価格の低減化など、短期的な普及にはハードルがあります。

必然的に、トヨタなどの自動車メーカーは、水素燃料電池車と並行して、EVの開発・実用化を加速させる必要があります。

さらに、グーグルが開発・実用化を積極的に進めているのが、自動運動機能付EVです。すでに、グーグルは、長期間の開発・実用化を行い、多くの走行実証実験を行っています。

自動運転機能は、IoT・人工知能(AI)対応が必要になります。このため、トヨタやホンダは、カリフォルニア州にIT・人工知能の大規模な研究・開発拠点を設けています。

グーグルは、自社内に自動車工場をもたない方針を明確化しており、いわゆるファブレスで自動運転機能付EVを事業化します。

アップルが国内家電AVメーカーを駆逐したやり方と同じです。グーグルの強みであるITノウハウを武器に、既存事業基盤を破壊・変革する動きです。

トヨタは、上記状況を大変よく理解・認識しています。

しかし、トヨタといえども、1社単独で上記状況に対応できる能力や資本をもっていません。

トヨタも他社との連携(アライアンス)を積極的に行って、投資負担の最小化と投資期間の最短化を実現する必要があります。

この視点からみますと、トヨタとスズキの提携・協力は両社にとってメリットがあり、「Win/Win」の関係が構築できます。

たとえば、スズキは、軽自動車の開発・実用化、インドなどの新興国での小型車の強力な製造・販売体制の維持強化に大きな強みをもっています。

スズキは、次世代環境対応車や自動運転車などのの開発・実用化を1社単独で行うことはできません。トヨタのノウハウや財政的協力なしには、スズキは対応できません。

トヨタとスズキは、両社の強みを補完しあって、世界最大の自動車メーカーになると共に、開発・設計・製造・資材調達・世界市場での販売までを一気通貫で最大効率を達成することが必要になります。

この視点から、トヨタとスズキの提携・協力・アライアンスが、どのように具体化されていくのか、大いに注目していきます。

両社を含めた自動車メーカーの提携・協力・アライアンスは、オープン・イノベーションの実施の観点から、大いに参考になることによります。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 


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日経記事;『経営の視点 自動運転、乗り遅れぬために 技術開発「仲間づくり」が肝』に関する考察  [何故アライアンスが必要なの?]

                                         2017年1月16日

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

1月16日付の日経新聞に、『経営の視点 自動運転、乗り遅れぬために 技術開発「仲間づくり」が肝』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。
記事の主な内容は、以下の通りです。

『米国で年初から家電と自動車の見本市が立て続けに開かれた。IT(情報技術)の進化で家電とクルマの世界が急接近しており、いずれも話題となったのは自動運転に関する技術だ。

「自動運転は重要課題だが、1社ではできない」。家電見本市「CES」に初出展し、基調講演した日産自動車のカルロス・ゴーン社長はこう言って、イスラエルの運転支援技術会社、モービルアイやディー・エヌ・エー(DeNA)との協業戦略を打ち出した。

北米国際自動車ショーでは米グーグルがフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)と共同開発したミニバン型の自動運転車を公開。一時は撤退の噂もあったが、自動運転部門を「ウェイモ」という別会社にし、公道実験に新たな意欲を示した。

CESを主催する米民生技術協会のゲイリー・シャピロ会長は、「世界で毎年100万人が交通事故で命を落としている。自動運転は家電や自動車の業界を問わず喫緊の課題だ」と指摘。自動運転のための技術提携や陣営づくりが見本市の大きな焦点となった。

特に関心を集めたのは米画像処理半導体大手、エヌビディアの動きだ。ゲームで培った高速チップを自動運転の画像認識に応用。独アウディなどに続き、独ダイムラーとも提携した。

また自動運転に必要な電子地図の情報を集めるため、オランダのトムトムやドイツのHERE(ヒア)、中国の百度(バイドゥ)、日本のゼンリンなどとも提携したことを発表した。

ヒアも電子地図作成に向け仲間づくりに余念がない。ダイムラー、BMW、アウディの独3社がフィンランドのノキアから共同買収した会社だが、さらに米インテルや中国のネット大手、騰訊控股(テンセント)から出資を仰ぎ、道路情報の収集を始めた。日産と組むモービルアイも新たにBMWなどと提携し、自動運転技術の覇権を狙う。

では日本の対応はどうか。グーグルに触発された政府が戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)で東京五輪での自動運転を掲げるまで動きは鈍かった。「車好き」な車メーカーの技術者には自動運転の発想はなかったからだ。

欧米でも技術の旗振り役は米西海岸のIT系企業や部品メーカーなどで、車メーカーは彼らに引きずられる格好で参入してきた。

問題はその中で日本がどう主導権を発揮できるかだ。昨年6月に政府の肝煎りでダイナミックマップ基盤企画という民間企業が発足、電子地図の仕様づくりがようやく始まった。地図基盤のような協調領域はオールジャパンで臨む。

また系列色の強い日本の部品メーカーは欧米企業のような提携戦略は取りにくい。CESの展示内容も取引先に配慮し、「技術のリード役が見えない」と情報通信総合研究所の吉岡佐和子研究員は指摘する。

自動運転につながるカーナビはもとはといえば日本の発案だ。携帯情報端末や非接触型IC決済も日本が先行したが、ビジネスの競争領域になると海外勢に市場をさらわれる例が多い。自動運転もそうならないよう基盤構築のスピードアップと仲間づくりが必要だ。』

今の自動車業界は、次世代環境対応車と自動運転車の両方の開発・実用化を一気に加速する必要に迫られています。

環境対応に関しては、最重要市場である米国のカリフォルニア州やニューヨーク州などで、現時点で、2018年から厳格に適用するとされるZEV規制(排気ガスを出さない自動車の販売)を完全に対応するには、電気自動車(EV)か燃料電池車しかありません。

現在、テスラモーターズ、GM、フォルクスワーゲン、ベンツなどの大手欧米自動車メーカーは、EVを次世代環境対応車と位置付けて開発・実用化を進めています。

トヨタ自動車も、最近、EVを開発・実用化するための研究体制を発足させました。EVは、ガソリンエンジン車と比べて、部品点数が少ないことと、構造が簡単なため、少々極論しますと誰でも参入できる自動車分野になります。言わば走る電気機器になります。

一方、自動運転車の開発・実用化も加速しています。日本政府は、東京オリンピックが開催される2020年に自動運転車を公道で走らせる目標を打ち出しています。

米国市場では、グーグルが自動運転車の開発・実用化で先行しています。すでに長期間の走行実験を行っており、様々なデータ・情報を蓄積しています。

全米民生技術協会が2017年1月に開催したCES2017では、多くの自動車メーカーが自動運転車関連の展示や発表を行いました。

現時点で、全ての自動運転車は、EVです。EVが採用される理由は、上記の理由によります。

もう一つ、特徴的なことは、自動運転機能付EVは、自動車メーカーに加えて、米大手ITベンダーが積極的に開発・実用化に取り組んでいることです。
グーグルに加えて、アップル、アマゾン、ウーバーなどの大手ITベンダーが強い関心を寄せています。

自動運転車ビジネスへの参入の仕方は、それぞれ異なるとみていますが、国内自動車メーカーにとっては、既存の自動車メーカーに加えて手強い大手ITベンダーと競争することになります。

米運輸省(DOT)は現地時間の2017年1月11日に、輸送の自動化に焦点を当てた諮問委員会を新たに設置すると発表しました。自動運転車の開発および導入を進める上での調査、政策、規則における政府の役割などについて話し合うことになります。

米General MotorsのCEOであるMary Barra氏と、米カリフォルニア州ロサンジェルス市長のEric Garcetti氏が共同議長を務めます。委員会のメンバーは、グーグル、アップル、アマゾン、ウーバー、FedExなどの事業責任者の業務およびサービスサポート責任者となっています。

自動運転車の開発・実用化は、センサー、レーザーなどのコア部品、無線通信を含めたIoT対応、多量のデータ・情報を処理するためのクラウドや人工知能などのITの総合力が必要になります。

加えて、自動運転車の開発・実用化には、通信技術に関する規格の標準化や安全を担保した基準設定などを国を超えて決める必要があります。

本日の記事は、国内自動車メーカーがグループ企業を含めて伝統的な垂直統合型の開発・実用化体制に依存しすぎると、米国やドイツの競合他社との競争に勝てないリスクについて書いています。

テスラモーターズや米大手ITベンダーとの競争に打ち勝つには、自社の技術やノウハウだけに依存しないで、他社の強みを最大限に利用して、開発・実用化の高度化と迅速化を同時に実施する必要があります。

そうしないと、テスラモーターズ、グーグル、アップル、アマゾンなどの米国企業との競争に打ち勝てないだけでなく、自動運転関連技術の標準化・共通化の動きにもついていけない状況に陥る可能性があります。

もちろん、トヨタは米国に人工知能(AI)の研究開発拠点を設けたり、国内AIベンチャーであるPFNと連携(アライアンス)を組んだりしています。トヨタは、他社との連携(アライアンス)を強化する動きを行っています。

しかしながら、本日の記事は、自動車業界に特有なグループ企業中心の垂直統合型の事業モデルに固執すると、家電業界のように米国企業に足元を救われるリスクがあるので、オープン・イノベーションの仕組みを積極的に活用することの必要性について書いています。

私は、この指摘に賛成します。米大手ITベンダーは、例外なく既存事業基盤を破壊・再構築して収益拡大を図ってきた実績があります。

この視点から、米国、日本、欧州での自動運転車の開発・実用化について引き続き注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 


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日経記事;『ビジネスTODAY ドローン発,異業種提携 東芝・アルパイン,電力設備点検,ソニー・ZMP...』考察 [何故アライアンスが必要なの?]

                                        2016年9月6日

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

9月6日付の日経新聞に、『ビジネスTODAY ドローン発、異業種提携 東芝・アルパイン、電力設備点検 ソニー・ZMP、建設現場で測量 技術融合、産業向けに商機』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『ドローン(小型無人機)を巡る異業種提携が活発になってきた。東芝とアルパインがドローンで空から電力設備を点検するサービスを2017年度から始めると5日に発表。ソニーは自動運転技術ベンチャーと組み測量事業に乗り出した。狙うのは「産業分野」。技術の融合で新しいサービスをつくる需要創造型ビジネスに活路を見いだす。

「技術を持ち寄って強みを出せる。将来市場への期待値も極めて高い」。アルパインの菊田幸男・先行開発副担当理事は提携の意義を強調する。

着目したのは電力インフラだ。ドローンで山間部の高所までつながる送電線や鉄塔の画像を撮影し、不具合を見つける。今は熟練作業員の目視に頼るが、移動に時間がかかり、作業には危険がつきまとう。ドローンを飛ばせばこうした手間や事故リスクを解消できる。

アルパインは全地球測位システム(GPS)を使う位置情報技術に強い。東芝は画像処理やデータ分析のノウハウを持つ。しかも様々なインフラ関連データを蓄積している。これらの技術を融合すれば作業員が見落としがちな設備トラブルも発見しやすい。

調査会社シード・プランニング(東京・文京)によると、国内の産業用ドローン市場は24年に2200億円と15年の60倍に膨らむ。機体そのものの伸びは10倍強どまり。サービス市場は約120倍と飛躍する。

機体の世界シェアは中国DJIが7割を占めるとされ、海外勢に引き離されている。特に個人向け機体は技術進歩の余地が小さく、後発では魅力に欠ける。一方、サービス分野は技術の組み合わせ次第で、新事業を生み出す可能性は広がる。裾野はインフラにとどまらない。日本企業はこの成長性に商機を見いだす。

15年末施行の改正航空法で飛行ルールが明確になり、異業種がこの市場に参入する道筋が見えやすくなった点も大きい。

ソニーの動きは速かった。相手はロボット分野にも進出する自動運転技術のZMP(東京・文京)だ。15年8月に共同でエアロセンス(東京・文京)を設立し、機体を開発。今春に建設現場などの測量事業を始めた。

農業支援にもドローンを生かせる。土壌の質や作物の生育状況を上空から把握すれば、ムダな農作業は減らせる。農機のヤンマーは、コニカミノルタと組んで農家を支援する。クボタとNTTは無人運転農機の開発で提携したが、要素技術のひとつはドローンだ。

キヤノンマーケティングジャパンも5日、プロドローン(名古屋市)に1億円を出資したと発表。キヤノンの映像機器や画像解析ソフトと組み合わせて農業などで使う空撮システムを提供する。

東京大学大学院の鈴木真二教授は「ドローンに不可欠なセンサーや情報処理技術は日本の得意分野。どう新事業につなげるかは知恵の見せどころだ」と指摘する。未開拓の沃野を耕すために、既存分野では考えられなかった合従連衡が起きるかもしれない。』


個人用途のドローンの販売価格が安いので、個人がドローンをエンターテインメント目的に楽しむことが増えています。

本日の記事は、ドローンの産業用途向けビジネスについて書いています。ドローンは、典型的なIoT・人工知能対応端末機器の一つになります。

ドローンは、現時点では実際的な自動運転(操縦)ができませんが、近い将来自動車の自動運転機能が実用化されるように、当該ビジネス用途に適した自動運転機能付ドローンが実用化されます。

ドローンを産業用途に使うには、以下の分野についての技術開発や実用化が必要になります。
・多様な気象環境下での安定した飛行を可能にする。
・より軽量・高性能なセンサーの開発・実用化
・センサーから受信するデータ(画像、音声などの情報)の高速処理の実用化
・より安定した無線通信技術の開発・実用化(通信品質)
・ネットワークセキュリティの担保
・データセンターとのスムースな連携
・用途ごとの人工知能を含むソフトウエア開発と実用化
・各用途に適した実装・運用ノウハウ開発・蓄積、など

これらのことを1社単独で行うことは、トヨタ自動車などの大手企業でも不可能です。トヨタ自動車は、自動運転車の開発・実用化のために、米国シリコンバレーに大型のIT開発拠点を設置したことに加えて、日本の人工知能の開発ベンチャーである株式会社Preferred Networks(プリファード・ネットワークス)に出資して、提携しています。

これは、自動運転車の開発・実用化には、ITや人工知能を含めたソフトウエアから、各種センサーやレーダーなどの要素技術まで、幅広い分野のものを総合化することが必要になることによります。

しかも、世界市場で激しい競争が行われていますので、より高効率、かつ短期間で開発・実用化することが求められています。

ドローンに対して各種産業用途の開発・実用化を行うことも、自動運転車の開発・実用化を行うように、必要となる要素技術・ノウハウをもつ企業との連携・協業(アライアンス)が必要になります。理由は、自動運転車と同じように、幅広い分野での要素技術を短期的にまとめあげる必要があるからです。

ドローンを産業用途に開発・実用化する上で大事なことは、他社との連携・協業(アライアンス)を有効に実施できるようになることです。

連携・協業(アライアンス)先は、国内企業だけでなく、欧米のベンチャーや大手企業も対象になる場合があります。

アップル、グーグルやアマゾンなどの米大手ITベンダーは、連携・協業(アライアンス)だけでなく、M&Aを行って短期的に開発技術やノウハウ獲得を行います。

一般的に国内企業は、M&Aを行いながら、ドローンを産業用途に開発・実用化するやり方は不慣れです。

連携・協業(アライアンス)先の選定は、同業他社で差別化・差異化な技術やノウハウをもっており、お互いに「Win/Win」の関係を築ける相手先の候補から行います。

この連携・協業(アライアンス)は、すべての参加企業が、足が地についた形でビジネスできるような土俵(基盤)作りが必要不可欠になります。

企業文化や価値観の異なる企業同士が、連携・協業(アライアンス)を組んで効率的な事業活動を行うには、土俵(基盤)を実現するための各種約束事(契約体)の明確な取り決めが必要です。

一時期の熱情だけで組んだ、連携・協業(アライアンス)は必ず破たんします。多少時間がかかっても、全参加企業が納得できる土俵(基盤)の構築後に、開発・実用化などのプロジェクトを始めることが成功の秘訣の一つになります。

私は、現在、上記のようなITに絡んだ複数の連携・協業(アライアンス)活動を支援しています。
私の支援のやり方は、上記の考え肩をベースに行っています。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁


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日経記事;『産業革命4.0が拓く未来 サービスで稼ぐ製造業へ進化を』に関する考察 [何故アライアンスが必要なの?]

                                         2016年8月17日

皆様、
こんにちは。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

8月17日付の日経新聞に、『産業革命4.0が拓く未来 サービスで稼ぐ製造業へ進化』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『進化を続けるIT(情報技術)を米欧企業は競争力強化のテコにしている。日本企業も技術を使いこなし、成長力を高めたい。

とりわけ製造業にとっては事業革新の好機だ。インターネットで顧客とつながり、一人ひとりのニーズに応えた製品づくりが可能になってきたからだ。顧客に納めた機器が順調に動いているかどうかもネット経由でつかめ、保守などのサービスで対価を得る道も広がる。企業の創意工夫が問われる。

個々のニーズに照準

従来の大量生産型のものづくりは作りすぎや原材料の在庫増を招きやすい。これを改善できるのがIT活用の第1の利点である。個々の消費者の好みに合った衣料の生産を始めたセーレンは改革に踏み出した一例だ。

色、柄、形などの組み合わせで47万通りから選べるオーダーメード衣料を販売する。消費者は選んだ組み合わせを端末画面に映し出し、自分の姿と重ねて「試着」、ネットを通じて福井県の工場に発注する。いまセーレンは都内の百貨店などで受注しているが、9月からは消費者が自分の端末からも注文できる仕組みにする。

一人ひとりの消費者ニーズに応えることは需要の創造につながる。自社製品のファンを増やす効果もある。

技術革新が個々人へのきめ細かな対応を可能にする。米医療機器大手メドトロニックは人工知能(AI)技術を使った米IBMのコンピューター「ワトソン」を使い、糖尿病患者に、血糖値を下げるインスリンをその人に最も合ったタイミングで自動注入するシステムの実用化をめざしている。

日本企業もグローバル競争に勝つには最先端技術の積極的な活用が求められよう。

製造業にとってIT利用の第2の利点は、「モノ」以外の収益源を生み出せることである。背景には、あらゆる機器がインターネットにつながる「IoT」という技術の潮流がある。

米ゼネラル・エレクトリック(GE)は航空機エンジンや発電機器をネットに接続し、取り付けたセンサーから得られる「ビッグデータ」を分析、故障する前に部品を交換するなどのサービス事業を伸ばしている。日立製作所も鉄道や発電設備などをネットでつないだ保守サービスに力を入れる。

こうしたサービス事業は大手製造業の専売特許ではない。自動車向けを中心とした金型メーカーのヤマナカゴーキン(大阪府東大阪市)は、金型を固定するボルトにセンサーを埋め込み、振動や加わる力から金型に起きる不具合を予測できるようにした。

異常が起きる前に修理すれば生産設備を安定的に稼働させることができる。山中雅仁社長は「当面は金型の受注増をめざし、ゆくゆくは保守サービスの対価をもらえるようにしたい」と、新しいビジネスモデルづくりに意気込む。

企業は様々な分野に進出できる可能性がある。ダイキン工業は販売した空調機器をネットで結び、顧客の電力消費の状況を把握して、時間帯によって契約先の電力会社を変えることを提案する節電支援サービスを視野に入れる。

外部の資源をいかせ

人件費の安い国・地域の企業は完成品の組み立てで優位に立つ。製造業の付加価値の源泉は部品やサービスに移っていると、かねて指摘されてきた。

しかし日本メーカーは、ものづくりの力を生かし部品事業は伸ばしているが、サービスを収益源に育てる取り組みは遅れていた。「製造業のサービス化」を日本企業はいまこそ進めるときだ。

求められるのは自前主義にこだわらず、人材や技術などの経営資源を外部からも取り込んでいく柔軟さである。

ソフトウエア技術者などの需要は世界で増大することが見込まれる。実力本位の報酬決定を徹底し、国内外の優秀な人材の獲得競争に負けないようにしたい。

ビッグデータをAIで分析する技術は多くの企業で必要になるとみられるが、自社開発に時間をかけ過ぎれば商機を逃す恐れもある。事業のスピードを重視し、研究開発で先行する企業や大学と臨機応変に組む姿勢も必要だ。

そして肝心なのは、独創的な事業モデルを描く構想力である。経営力の優劣が表れやすくなっていることを企業は自覚すべきだ。』

昨日、私は、『産業革命4.0が拓く未来 サービスで稼ぐ製造業へ進化』 [何故アライアンスが必要なの?]のタイトルで、ブログ・コラムを書きました。

独のERP(統合基幹業務システム)分野での世界最大手ITベンダーであるSAPが、既存事業領域を核にして、製造、販売、物流分野に事業領域を広げる経営施策のやり方に関して、私の考えを述べました。

SAPがこのような拡大策に打って出たのは、インターネットやITの急速普及と急速進化、とくに、IoT・人工知能の進化・普及が急速に起こっていることによります。

インターネットやITは、既存事業基盤を急速に破壊し、新規事業基盤を急速に立ちあげます。その新規事業基盤も、強力な競合他社が出現すると、たちまち破壊されます。

最近の例では、米ヤフーが本体の検索エンジンによる広告収入獲得のビジネスモデルを、米グーグルや米フェースブックなどの競合他社にその事業基盤を壊されて、事実上撤退することを決めました。

SAPは、このような急速な事業環境変化を見越して、潜在競合他社となるアマゾンやグーグルなどの米大手ITベンダーとの競争に打ち勝つために、他社との連携・協業で事業の横展開を進めています。

製造事業者であっても、インターネットやITをフル活用して、ビジネスを行わないと、世界市場で勝ち組みになれません。

米GEは、他の大手製造事業者に先行してIoT・人工知能対応を行い、自社が販売した航空エンジンの稼働状態を自動モニター化して、さまざまデータから航空会社にデータ・情報として伝えて、
保守点検をより効果的的に行いながら、かつ、深刻なエンジントラブルを抑制する有償サービスを提供しています。

GEは、IT技術をさらに高めるため、自前の大型研究拠点をシリコンバレーに設置して、自らITベンダー機能をもつような勢いで積極投資を行っています。

トヨタ自動車も、何度か本ブログ・コラムで書いていますように、シリコンバレーに設置した大型研究拠点をベースに、IoT・人工知能対応を加速させています。

GEやトヨタなどの世界最大手企業であっても、すべて自前でIoT・人工知能対応を実現することはできません。

IoT・人工知能を含めたインターネットやITは、上記しましたように、既存事業基盤を急速に変化、あるいは破壊していることによります。

自社単独で開発・実用化をすべて自前で行う垂直統合方式の事業スタイルは、一部の素材産業などを除けば、競合他社との競合に打ち勝つことにつながらない状況になっています。

米アップルは、iPhoneやiPadの商品企画・開発・デザインに経営資源を注力して、製造は専門の製造受託者に任せて、ファブレス型ビジネスモデルで、ソニーやパナソニックなどの国内家電メーカーを圧倒しました。

国内企業が得意な垂直統合方式に対して、米ITベンダーが得意な水平分業型のビジネスモデルで圧倒しました。

アップルの競争力の源泉を商品の企画・開発・デザインに集中して、競合商品との徹底的な差別化・差異化を実現しました。

アップルは、この差別化・差異化を実現するため、多くのベンチャー企業を買収しています。このような動きは、グーグル、アマゾン、マイクロソフトなどの米大手ITベンダーでも、しばしば見受けられます。

国内企業は、最近、M&Aを積極化させていますが、多くの国内企業がM&Aを行った後の果実を手にしているとは言えない状況にあることも事実です。

私は、自分の支援先企業には、積極的に差別化・差異化を実現する技術やノウハウをもつ他社との連携・協業(アライアンス)を行うように、アドバイスしています。

他社との連携・協業は、お互いが異なる分野で強みをもっていて、お互いにメリットがある「Win/Win}の関係となる勝者連合が基本となります。

最近、数社の中小企業が、中堅・大手企業との連携・協業の仕組み作りを行いました。イコールパートナーシップによる連携・協業で、勝者連合になります。

以前は、中小企業がこのようなイコールパートナーシップでの連携・協業関係をもつことは、あまり多くありませんでしたが、本日の記事にありますように、国内中堅・大手企業の意識も変わり始めていると実感しています。

国内企業同士が、イコールパートナーシップで「Win/Win」の関係を作って成果を共有するためには、合理的な仕組み作りが必要になります。

とくに、中小企業には、このような仕組み作りに対する意識が低い場合がありますので、この面での支援も並行して行っています。

たとえば、私が講師となって、日本テクノセンターが主催する『アライアンス・技術提携による共同開発・事業化成功のポイントとその実践 ~演習付~』のセミナーを行うのも、その一環となります。ご関心がある方は、下記Webサイトをご覧ください。
URL; http://www.j-techno.co.jp/seminar/ID56DLRCMWD 

可能な限り多くの国内企業が、自社の競争力をベースに、柔軟に、かつ巧みに「連携・協業(アライアンス)を活用して、世界市場で勝ち組になるように動くことを期待します。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 


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日経記事;『独SAP、提携加速 アップルやシーメンスなど IoTにらみ変革急ぐ』に関する考察 [何故アライアンスが必要なの?]

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

8月16日付の日経新聞に、『独SAP、提携加速 アップルやシーメンスなど IoTにらみ変革急ぐ』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『欧州最大のIT(情報技術)サービス企業、独SAPが米欧の有力企業との提携を加速している。米アップルとモバイル機器で使いやすい業務システムを開発し、物流大手の米UPSとは3Dプリンターで製造した注文品の翌日配達を手掛ける。あらゆる機器がインターネットでつながる「IoT」時代をにらみ、有力企業と組むことで製品や事業の変革を急ぐ。

「8万人の全社員がイノベーティブ(革新的)であるかどうかを問われている」。SAPのシュテファン・リース取締役は7月、ベルリン郊外ポツダムの研究施設で開いたイベントで、変革に挑む決意を強調した。

SAPは在庫、販売、原価、人事など企業のあらゆるデータを管理・分析し、経営判断を支援する統合基幹業務システム(ERP)の世界最大手。世界の有力企業2千社のうち87%を顧客とする圧倒的な存在だ。

その同社が提携戦略を加速している。情報機器や家電、工場設備などあらゆるモノがネットでつながるIoT時代が到来すれば、膨大なデータを高速で処理し、製品やサービスに生かす必要がある。それに向けて「設計段階から最終利用者により近づく。柔軟に提携相手を見つけ、素早く事業を進める」(ベアント・ロイカート取締役)。

アップルとの提携ではモバイル機器を使うビジネスパーソンが急増していることに対応。アップルが「iPhone(アイフォーン)」や「iPad(アイパッド)」で磨いたシンプルで直感的な操作を取り込んだシステムを両社で開発する。

画面に指を滑らせるシンプルな操作で、データを重要度に応じて自在に配置したり、データを組み合わせてグラフを作ったりするという具合だ。経営者や営業担当者は現場で素早く判断でき、顧客にも説明しやすい。

SAPはビル・マクダーモット社長の直轄チームを設けてアップルとの連携を検討してきた。

UPSと組んで米国で始めるのは、個人や企業から発注を受け、3Dプリンターで製造するサービスだ。UPSの配送センターや輸送網を使って注文の翌日に届ける。

この提携も3Dプリンターの登場で設計図を大量のデータに変換してネット経由で送れば即製造できるようになった環境変化に対応したものだ。

SAPが本拠とするドイツは、製造業を中心とするIoTの取り組み「インダストリー4.0」の本場。同分野では独シーメンスと組む。シーメンスが工場に納入する機器にセンサーをつけてデータを集め、SAPが企業に全世界をつなぐシステムを提供する。

ERPではSAPと米オラクルが世界大手として競い、最近はネットスイートやワークデイといった米新興企業も台頭してきた。SAPは優位を保つために情報処理の技術も磨き、アップルなどとの提携に生かす。

その代表例が従来の数千倍の速さでデータを処理できる「HANA」。現場の機器のメモリー上でデータを高速処理でき、データをサーバーまで送る時間が省ける。

ポツダムの施設では人工知能(AI)の活用も研究する。機器につけたセンサーの情報から売上高を予測したり、病気の治療や予防に生かしたりすることを検討。人知とAIが融合する新時代のERPを探る。』


SAP(エスエイピー)は、ドイツに拠点を置くヨーロッパ最大のITベンダーの一つです。私は、以前勤務していた会社でヨーロッパオペレーションの経営管理システムとして、SAPのERPを導入した経験があります。

使い勝手が良い部分と悪い部分が混在していましたが、総じて効果的なソフトウエアパッケージでした。

このSAPは、ドイツ政府が産業界と協業・連携して推進しているインダストリー4.0の中核企業の1社になっています。

本日の記事は、SAPがIoT・人工知能対応をより積極的に行う経営姿勢について書いています。
SAPは、ERP業界では、世界最大の供給者になっています。特に、大手企業市場分野では、圧倒的な世界シェアをもっています。

SAPは、経営基盤の再強化を狙って、米大手ITベンダーとの競争に打ち勝つために、製造から販売までの全分野でイニシアチブを取るために、関連事業分野でのトップ企業と協業・連携して、足元を固めようとしています。

SAPの強みは、大手企業に採用されている彼らのERPの存在です。このERPが経営管理システムのプラットフォーム(デファクトスタンダード)になりますので、このプラットフォームに関連事業のプラットフォームをつなげることで、安定し、かつ、拡大する事業収益基盤を維持・拡大することが狙いです。

本日の記事にありますアップルとの協業・連携は、iPhoneやiPadが個人用途だけでなく、販売や製造などの業務用途で使用されていますので、現場でのインターネット出口端末として、活用することがSAPの狙いになります。

アップルにとっては、iPhoneやiPadが業務用途で拡販できると共に、各種アプリケーションソフトを、SAPとの協業・連携で販売できます。当然のように、SAPとアップルは、「Win/Win」の関係になります。

3Dプリンターは、欧米市場で日本以上に多様的に使用されており、年々技術革新も進んでいます。3Dプリンターに使用される素材も、金属や炭素繊維などの強度のあるものまで活用範囲が広がっています。

3Dプリンターは、試作品製作だけでなく、少量生産品の製造方法として活用範囲が広がっており、多くの小規模で個性的なメーカーが、ITと3Dプリンターを駆使して、デザイン性と機能性を併せ持った商品を提供しています。

SAPは、そこに目をつけて、世界的な物流企業であるUPSとの協業・連携で、3Dプリンターを使ったインターネット経由の生産受託・配送サービスを始めます。

ビジネスのやり方は、5月19日付の日経新聞によると、以下のようになります。

まず全米で始め、午後6時までに注文すれば翌朝に製品が届く仕組み。税金や輸送などの諸経費の計算も請け負う。需要動向に応じて柔軟に数量や仕様を変えるオンデマンド生産となります。
税金や輸送などの諸経費の計算も請け負います。

顧客はUPSのサイトで数量やサイズなどを入力し、ネット通販に近い感覚で注文。従来のやり方で調達・製造した場合と3Dプリンターとのコスト比較もできるとのこと。

SAPは、3Dプリンターを使うメーカーに対して、製造・販売・在庫、顧客管理データなどを総合的に提供します。

SAPの動きは、アマゾンなどの米大手ITベンダーをおおいに刺激すると考えます。インターネットやITは、既存事業の垣根を破壊して、新規に構築する動きを加速してきました。

アマゾンは、SAP・USP連合が行うことと類似したサービス提供を2014年から始めています。アマゾンと同じように、クラウドサービスを行っているグーグルやマイクロソフトなどの他米大手ITベンダーも、SAP・UPSと同じような動きを加速させる可能性があります。

このように、米および独の大手ITベンダーが、自前のプラットフォームをベースに、世界市場で強者連合となる協業・連携を強めていくことは確実です。

そのようなビジネス環境下で、国内製造事業者やITベンダーが、世界市場でどう戦っていくのか、迅速に計画・実行することが重要になります。

現時点では、国内ITベンダーは今までのやり方を続けていると、世界市場でプラットフォーム構築を行うことは難しい状況にあります。

しかし、プラットフォームを構築しないと、世界市場で安定した事業基盤を確立できません。

国内には、製造や販売などの分野に特化して、人工知能やIoTを実用化しようとしている、プリファード・ネットワークス(PFN)のようなITベンチャー企業が存在し、かつ新規に生まれています。

これらの国内ITベンチャーが核になって、米独の大手ITベンダーとは異なる形で、製造や販売などの分野で世界をリードするようになることを期待しています。

一方、国内企業がインターネットやITを活用して、世界で通用するプラットフォームを作るには、ITベンダーと製造や販売事業者との緊密な協業・連携が必要不可欠になります。トヨタ自動車のような大手企業が、PFNに出資して連携・協業することがより活発化することが必要です。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁


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日経記事;『東芝、GEと火力で合弁 三菱重・日立連合に対抗』に関する考察 [何故アライアンスが必要なの?]

               2013年1月24日

皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

1月24日付の日経新聞に、『東芝、GEと火力で合弁 三菱重・日立連合に対抗』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。


『東芝と米ゼネラル・エレクトリック(GE)は火力発電設備の開発・販売で提携する。年内にも合弁会社を設立。GEのガスタービンを組み込んだ燃焼効率の高い設備を共同開発し、世界で販売する。

安価なシェールガスを使った火力発電所の建設が進む米国や、経済成長が続くアジアなど新興国の発電需要を日米連合で取り込む。

重電業界では昨年11月、三菱重工業と日立製作所が火力を中心とする発電設備事業の統合を決めた。世界で新設される発電所の投資額は2035年までに850兆円と予測されている。互いの強みを持ち寄り、競争を勝ち抜くための再編が加速してきた。

東芝とGEは合弁会社設立に向けた協議を始めることで合意した。今後詳細を詰めるが、折半出資となる見通しだ。近く発表する。

GEはガス火力発電設備の中核機器であるガスタービンの世界シェアが約35%で、独シーメンスと首位を争っている。東芝はタービンの回転から電気を取り出す発電機など主要設備を製造しているほか、発電所の建設でも実績がある。

両社は今後、より少ない天然ガスから効率よく電気をつくる「ガスタービンコンバインドサイクル(GTCC)」を共同開発する。出力は最大で原発1基と同程度の100万キロワット級となる予定。

販売でも得意な地域を補完することで、受注拡大を狙う。東芝は、東京電力福島第1原発の事故を受けて火力発電所の新増設を急ぐ日本の電力会社に強い。タイなど東南アジアにも有力顧客を持つ。GEは米国や欧州のほか、インドなど新興国に強力な営業網がある。

世界の火力発電能力(発電容量ベース)は35年に09年比で7割増える見通し。出力100万キロワット級の大型発電所が2000基以上必要となる計算だ。中でも二酸化炭素(CO2)の排出量が石炭の半分とされる天然ガス火力が主流になるとみられている。

東芝は06年に米原子力大手ウエスチングハウス(WH)を54億ドルで買収し、経営資源を原発に集中してきた。火力発電事業が手薄だったことに加え、大型のガスタービンを得意とする三菱重工が日立と発電設備事業の統合を決めたため、新たな対応を迫られた。

東芝は前身の東京芝浦電気の大株主だったGEから、発電設備などの技術を習得した。日本の高度成長期には原発設備をGEと共同設計するなど関係を深めたが、東芝によるWH買収後、GEは原発事業を日立と統合した。GEは原発事業では日立との提携を当面、継続する。』


エネルギー産業は、日本にとって環境と並ぶ重要な社会インフラ事業の一つです。今後、世界市場でのエネルギー需要は増え続けることは、確実です。

特に、電力需要は、しばらくの間東南アジアなどの新興国を中心に、急激な伸びが予想されます。
電力は、発電所で作られますので、発電所の新規需要は増え続けます。

記事にありますように、世界で新設される発電所の投資額は2035年までに850兆円と予測されています。発電所の数でみますと、出力100万キロワット級の大型発電所が2000基以上必要となるとのこと。

国内重電メーカーにとって、この大きな世界中の発電所新規建設需要を取り入れることが最重要課題になります。

国内大手の日立、三菱重工、東芝は、今まで世界市場の発電所建設事業に取り組んできました。国内メーカー単独で世界市場を取り込むことは難しいため、欧米の大手企業である米GEや独シーメンスなどと提携して、自社の弱いところをカバーしてきました。

重電の世界市場では、米GEと独シーメンスが2強であり、シェアを分け合っています。GEはガス火力発電設備の中核機器であるガスタービンの世界シェアが約35%で、独シーメンスと首位を争っているとのこと。

国内メーカーが世界市場で勝ち残っていくためには、単独で行なうには限界や困難さが伴います。
このため、重電業界も自動車業界と同じように、世界市場を見据えた各メーカー間の提携;連携のやり方が重要になります。

ポイントは、勝者連合で「Win/Win」となる提携;連携をどう組むかです。

勝者連合になるには、お互いに強みを持っていて、補完することで強みが掛け算で最大化できるように、「Win/Win」関係を構築する必要があります。

日立、三菱重工、東芝などの大手重電メーカーは、今までに世界市場で他社との提携;連携を行なっていますが、今後、そのやり方をより巧みに、かつ柔軟に行なうことがポイントになります。

提携;連携は、いったん組んでも、事業や市場環境が変化すれば、柔軟に変えていくやり方が重要になります。

提携;連携を組むときは、通常覚書や基本合意書などの契約を取り交わします。この時に重要なことは、後日提携;連携の枠組みを変える必要のある時に、柔軟に対応できるようにしておくことが重要です。

国内企業、特に中小企業の中には、このような柔軟性を持たせた提携;連携のやり方を工夫しないところが多いのは、残念なことです。

私が提携;連携の支援要請があった場合、必ずその枠組みの内容変更や解消をいつでも柔軟に行なうことができるようにしています。

提携;連携は、両者が「Win/Win」関係を維持できている間のみに行なうことが、効果を最大化するポイントになるからです。

この視点からみますと、ホンダを除く各自動車メーカーは、総じて世界市場で巧みに提携;連携を柔軟に組んでおり、その効果を最大化するように動いています。

提携;連携の優劣が自動車メーカーの業績を左右すると言っても過言ではありません。

重電メーカーの場合も同じです。日立、三菱重工、東芝などの重電メーカーが1社単独で世界展開を行なうことは、現実的ではありません。

社会インフラ事業は、1件につき長い時間と高額なコストを要します。相手が新興国の場合、社会的あるいは政治的なリスクも伴います。

このような多くのリスクを分散・回避するためにも、提携;連携が必要であり、有効です。

2年前までは、世界市場で新規発電所需要の中で、原子力に大きな注目が集まっていました。しかし、福島での原発事故以降、その考えに変化が起きており、必ずしも原発一辺倒ではなくなっています。

また、昨年来米国では、シェールガスやシェールオイルを積極的に活用する動きが強まっています。

米国は、シェールガスやシェールオイルを安価に自国内で調達できますので、そのことが世界市場に大きな影響を与えています。

中東やロシアなどの石油や天然ガスに対する需給構造の変化が起こっています。具体的には、天然ガスや石油の販売価格の下落です。

特に、天然ガスの価格下落は、今後の火力発電事業に大きな影響を与えつつあります。今後は、天然ガスを利用した火力発電所建設需要が増えることは、確実です。

今回の東芝、GEの提携;連携は、天然ガスを中心とした火力発電事業を世界で伸ばすための施策になります。

昨年、国内では、一歩先を超す形で、日立と三菱重工が火力を中心にした発電事業で統合することを合意しています。

東芝は、GEとの提携;連携で巻き返しを図ります。

日立、三菱重工、東芝は、3社とも優れた技術やノウハウをもった重電メーカーです。共に、切磋琢磨しながら、世界市場でGEやシーメンスを凌駕する勝ち組みになることを期待します。

そのためにも、上記しましたように他社との提携;連携が重要であり、そのやり方が勝者を決めていきます。

原子力発電の場合、日立とGEは原子力発電事業の統合を決めています。また、東芝は、米ウエスチングハウス(WH)と提携;連携しています。

今回の東芝・GE連合は、原子力発電の提携;連携に影響を与える可能性があります。

中小企業にとって、重電メーカーの提携;連携のやり方は、自動車メーカーと同じように参考にできることが多くあります。

今後の展開に注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁


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日経記事;『(真相深層) BMW、トヨタと提携拡大』に関する考察 [何故アライアンスが必要なの?]

             2012年7月20日

皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

7月20日付の日経新聞に、『(真相深層) BMW、トヨタと提携拡大 欲しかったHV技術、2000万台市場へ出遅れ焦り 』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『自動車大手の独BMWとトヨタ自動車が燃料電池車など環境技術の相互供与で包括提携した。BMWといえば欧州の高級車ブランド代表として独自技術にこだわり続けた老舗。

それが今回、先端の自社技術を差し出すうえ、お家芸でもあるスポーツ車の共同開発にも踏み込んだ。実はどうしても欲しいものがあった。日本のハイブリッド車(HV)技術だ。

BMWとトヨタが提携を発表したのは昨年12月。トヨタが欧州で販売する新車にBMWのディーゼルエンジンを使うとの内容だった。だがこの段階では水面下で進もうとしていた提携の「本丸」は明らかになっていなかった。それがトヨタからのHV技術供与だ。

BMWは当初からこの分野の日本の技術を狙っていたようだ。関係者によれば、トヨタと並行してホンダとも接触していたという。トヨタは本当にHV技術を出すだろうか。そうした疑心暗鬼がBMWには強かった。

実は、HVは欧州で「エンジンと電気モーターを組み合わせただけの退屈な技術」と言われてきた技術だった。低燃費エンジンの主役はもっぱらディーゼルエンジンであり、そうでなければ電気自動車(EV)が次世代技術と考えられた。実際、ドイツなど主要国はEVの開発に多額の補助金を付け、BMWも4億ユーロ(約390億円)を投じ、来年から量産化することになっている。

だがドイツの金融機関やシンクタンクが最近発表したシナリオは意外な見通しを示していた。2025年の世界市場でEVの比率はわずか5%。逆にプラグ・イン・ハイブリッド(PHV)などを含むHVは20%に達し、欧州勢が得意なディーゼルエンジンのシェアを奪うとの試算だった。

長期的に見ればEVは環境車の本命となる。だが現状では割高なコストや充電時間の長さを考えるとHVの方に分があるのは事実だった。20年ごろの世界の年間新車需要は約1億台。そのうち現在の欧州新車市場を上回る2千万台もの需要がHVで生まれるわけだ。

BMWのノーベルト・ライトホファー社長は焦っていたという。むろん手をこまぬいていたわけではない。過去には米ゼネラル・モーターズ(GM)や独ダイムラーと共同でHV開発を進めたが、どちらのプロジェクトも日本勢のHV技術には届かなかった。

世界再編のあおりも受けた。欧州メーカーのなかで比較的HVの開発力がある仏プジョーシトロエングループ(PSA)とは昨年、HV部品開発の合弁事業を立ち上げた。だがPSAは今春、GMと資本提携し、白紙に。

欧州金融機関の間では「BMWはHV開発で最も遅れた高級車メーカー」(独メッツラー銀行)との評価も聞かれ始め、ライトホファー社長は頭を抱えた。そんなとき、狙いを定めたのがトヨタだった。

「スポーツ車はどうでしょう」。両社にとってはメンツもかかった交渉。足踏みすることもあったが、最後はBMWが新提案を持ちかけた。トヨタ開発陣は驚いた。

BMWが他社と車をつくるのは同社の約100年の歴史を振り返っても例がない。しかもスポーツ車は最新の技術ノウハウの塊で、BMWにとっては最大の譲歩といえた。

トヨタはBMWの本気度を確信した。「お互いに考え方やカルチャーの共通性を発見し、わずか半年で提携を拡大できた」。6月29日、独ミュンヘンで開いた記者会見で提携を説明するトヨタの豊田章男社長の隣には、終始にこやかなライトホファー社長の姿があった。環境車戦略で致命的な出遅れを回避できた安堵の思いが見て取れた。』


トヨタを含む自動車企業の提携については、本ブログ・コラムでたびたび取り上げてきました。お互いに強みを持つ技術を持ち寄って、提携;アライアンスを組んで「勝者連合」を組むことが、激しい競争にさらされる世界の自動車業界で勝ち残るための有効なやり方です。

トヨタとBMWの提携についても、日経などで何回か取り上げられてきました。本日の記事は本提携の価値や内容の再確認となっています。

欧州市場のエコカーは、現時点ではディーゼルエンジン車です。ガソリン車に比べて圧倒的な低燃費性で市場に受け入れられています。

しかし、ディーゼルエンジンは石油と同じ化石燃料を使う点では同じですし、2酸化炭素量排出の抑制の観点から課題があります。

現時点で究極のエコーカーは、燃料電池車とEVですが、どちらもガソリン車と同じ性能や機能を出し、実用化されるまでは時間を要します。

その点、HVやPHVは、当面のエコカーの本命となることは合理的です。従って、エコカー市場である日本で受け入れられており、トヨタやホンダのHVやPHVの売上が好調です。

BMWのHVやPHVに対する考えも同じであり、トヨタとの提携で当該技術をどうしても手に入れたかったのでしょう。

トヨタは、HVやPHVが日本市場以外ではまだ認知度が低いため、欧米市場での普及が最重要課題の一つです。

米国市場では、昨年夏にHVの共同普及に関して米フォード・モーターと共同開発で合意しています。欧州市場開拓の決め手が、BMWとの提携です。

HVやPHV普及を日米欧の三大市場で確立させるやり方です。この三大市場で売れれば、HVやPHVの量産技術を磨き、コストダウンを追及できますし、新規開発のための資金創出にも貢献します。

BMWとの提携では、トヨタはディーゼルエンジンや車体軽量技術を提供してもらうことになるとされています。

記事によると、BMWはスポーツ車に関する最新の技術ノウハウの塊をトヨタに提供するとのこと。これはBMWの最大に強みの一つを外部に出すことを意味します。

BMWは、スポーツ車市場でベンツと並ぶ老舗企業であり、この車体技術は力の源泉の一つです。BMWにとっては、HVやPHVの技術獲得のため、自社の車体技術のノウハウ開示が同等の対価になると判断したようです。

トヨタにとって、スポーツ車の車体技術獲得は大きな価値になり、アウトバーンなどハイスピードと石畳の道路など欧州市場特有の環境に対応する車作りを進めることができます。

トヨタとBMWがお互いの強みを出し合って、同等な立場で連携を組めば、競合他社にとって大きな脅威になります。

トヨタとBMWの提携の動きを継続してみていきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁


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