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日経記事;『自動運転で移動コンビニ トヨタ、セブンと開発交渉』に関する考察 [アライアンスから期待する効果]

                                                  2018年6月9日

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。


6月9日付の日経新聞に、『自動運転で移動コンビニ トヨタ、セブンと開発交渉』のタイトルで記事が掲載されました。


本日は、この記事に関して考えを述べます。


記事の主な内容は、以下の通りです。


『トヨタ自動車は自動運転車両を使った新サービスを、ヤマトホールディングス(HD)やセブン―イレブン・ジャパンと共同で開発する協議を始めた。自動で移動するコンビニエンスストアへの活用などを検討する。


自動運転技術が浸透すれば新サービスが生まれる可能性が高まる。車メーカーが外部企業と協力する動きが広がってきた。


自動運転技術を使う商用向け電気自動車(EV)のサービスをトヨタは「イー・パレット」と呼んでいる。米国で1月、大きさが違う3種類の箱型のEVが、人や物を自動で運んだり、移動型店舗になったりする構想を発表していた。


トヨタは日本で協力相手を探し、セブン―イレブンと協議し始めている。「移動コンビニ」としてEVに商品を積んで決まった地点まで出向くか、消費者が車両を止めて買い物できるようにする構想がある。


ヤマトとは短距離の配送拠点間の荷物を無人EVで運び、家庭まではロボットの配送車両などを使って届ける仕組みを検討している。今後、実証実験の時期を調整する。


新たなモビリティー(移動手段)サービスを試す動きが世界中で広がっている。スマートフォンの浸透で、車の位置情報を共有できるようになりライドシェア(相乗り)が世界で普及した。自動運転が浸透すればサービスはさらに増え便利になるとみられている。


トヨタは米スターバックスとも移動カフェで協力したい考え。豊田自動織機と無人の移動ロッカーを使って家庭に荷物を届けるサービスの構想もある。EVの仕様は各社と共同で決める。新たな提携先とは国内中心に事業を進めるもようだ。


トヨタが進めるイー・パレットはEVの供給だけでなく安全な制御や保険、決済、メンテナンスなどのサービス創出が狙い。車両をリースしたり、提携先に複合サービスを提供したりするモデルの構築を目指す。


米国では、先に提携したアマゾン・ドット・コムや中国の滴滴出行、マツダ、ウーバーテクノロジーズ、ピザハットの5社と共同の実証実験を2020年代前半に始める予定。エリア限定で完全自動運転ができる「レベル4」の技術の搭載を想定している。』


本日の記事は、トヨタ自動車が現在の自動車メーカーとしてもっているビジネスモデルに変更を具体的に行い始めた兆候であることを示唆しています。


現在の自動車メーカーのビジネスモデルは、高効率・高性能のガソリンエンジン車を開発・実用化して、自動車本体で差別化・差異化を実現することで、売上・収益を拡大してきました。


しかし、自動運転機能付EVの開発・実用化が、世界各地で急速に進んでおり、2020年前後には、これらの自動車が市場に導入されます。


米国市場で、自動運転機能付EVの開発・実用化で、主導権を取っている企業の一つが、米大手ITベンダーのグーグルです。


グーグルは、自動運転機能付EVの開発・実用化を行っていますが、トヨタやGMなどの自動車メーカーになる意図はもっていません。


グーグルは、自動運転車をIoT対応した動くインターネット端末機器としてとらえています。


完全自動運転車が実用化されると、自動車を利用する人は、車内でインターネット活用して、検索や買物、音楽や映画などの鑑賞を楽しみます。


グーグルは、完全自動運転車を実用化することで、自らのインターネット検索の出口端末を増やして、広告宣伝収入を拡大することが可能になります。


当然のごとく、アマゾンやアップルなどの他の大手ITベンダーも、何らかの形で自動運転車市場に参入してきます。


自動運転機能付EVの開発・実用化は、既存自動車メーカーの開発・実用化ノウハウをそれほど必要としません。


さらに、グーグルは、自前で自動車工場を持たず、自動本体を自動車メーカーから調達するやり方を取ります。


グーグルの強みは、人工知能(AI)・IoT対応と、利用可能なアプリケーションソフトなどで実現します。


このビジネスモデルは、アップルiPhoneなどの事業化で実現しました。アップルの力の源泉は、デザイン、商品企画、開発・実用化能力、アプリケーションソフトにあります。アップルは、現時点ではハードウェアの製造工場を持たないファブレス企業です。


グーグルもアップルと同じように、自動車工場を持たないファブレス企業となります。同時に、両社は、検索エンジンやiPhoneなどを事業基盤とする強力なプラットフォマーです。


自動運転機能付EVは、自動車を所有するから、いつでも使いたいときに活用する移動手段に変えるとみなされています。


代表的な事例が、米ウーバーテクノロジーズなどが手掛けているライドシェアビジネスです。独ダイムラーや米GMなども積極的に事業化を進めています。


このように、トヨタを取り巻く事業環境は、急速に変化しています。何度か本ブログ・コラムで書いていますように、トヨタは、オープンイノベーションのやり方を積極的に採用して、近々に起こる大きな地殻変動を乗り切ろうとしています。


自動運転機能付EVの市場投入後に、ライドシェアが大きなウエイトを占めるようになると、自動車の販売台数は落込みます。


また、自動車単体での差別化・差異化を実現することは、今より難しくなる可能性があります。


本日の記事は、トヨタがこのような事業環境の変化を見据えて、自動車単体の販売から収益確保・拡大を図るビジネスモデルから、各種自動運転車に関わる事業分野で安定的に収益確保・拡大を実現するプラットフォーマになるための布石をうっていることを示しています。


トヨタのこのやり方が、ここ2~3年の間でどのような事業に進化していくのか、注目していきます。


よろしくお願いいたします。


グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁


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日経記事;『真相深層EVシフト 素材駆け込む 車メーカー、軽量・耐熱化急ぐ』に関する考察 [アライアンスから期待する効果]

                                                2018年5月12日

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。


5月12日付の日経新聞に、『真相深層EVシフト 素材駆け込む 車メーカー、軽量・耐熱化急ぐ』のタイトルで記事が掲載されました。


本日は、この記事に関して考えを述べます。


記事の主な内容は、以下の通りです。


『電気自動車(EV)シフトなど自動車産業が転機を迎えるなか、自動車大手と素材メーカーの関係が変わりつつある。


次世代技術を組み込んだ車体設計は素材の加工や成形まで含めた改良が不可欠で、自動車各社が素材メーカーに日参するケースが増えてきた。長く自動車メーカーの「下請け」に甘んじてきた素材業界は千載一遇のチャンスと捉える。


埼玉県朝霞市の住宅が点在する一角に、自動車の設計開発や金型を手がける名門が本社を構える。三井化学が1月、300億円を投じて買収したアークだ。ここにホンダの経営幹部がお忍びで通う。


室内の階下に広がる高天井の広いスペースでホンダ車は産声を上げる。アークは持ち込まれた新車のデザイン案から、赤茶色の粘土を三日三晩で削り実物大のクルマに仕上げる。


ドイツには1000人規模のエンジニア集団を抱え、車体や部材に伝わる熱や振動、光の反射などを緻密にシミュレーション、設計に落とし込む。


独BMWなどからも車体設計の受注が舞い込む。EVや次世代ハイブリッド車(HV)、自動運転など様変わりするなか、アークはゼロから自動車を構想する伴走者だ。


この名門を畑違いの三井化学が買収したのは、「もはや素材を売るだけでは生き残れない」(同社の淡輪敏社長)からだ。


同社はバンパーなどに使う樹脂を手掛けるが、できる材料は他社と似たり寄ったり。自動車部品メーカーからの受注を待つだけでは他社とのコスト競争に陥る。


そこでアークを通し「クルマづくりの最上流にアクセスする」(三井化学の下郡孝義取締役)ことができれば、将来の自動車を先取りした材料開発で競合を出し抜ける。これが三井化学の野心だ。


「先端素材を使った部品設計や加工ノウハウをぜひ教えてほしい」。昨年来、大手自動車メーカーの開発担当者らが、名古屋市の東レの自動車材料開発拠点に足しげく通うようになった。自動車大手が自ら東レの門をたたくのは極めて異例だ。


樹脂、炭素繊維、フィルム――。東レは軽量化や電装化を進める自動車メーカーに対し、多種多様な素材をそろえストライクゾーンが広い。「炭素繊維で部品加工が難しければ樹脂で」「金属を軽量な積層フィルムで代替を」。こんな対応はお手の物だ。


なかでも自動車大手が視線を注ぐのが、世界首位のポリフェニレンサルファイド(PPS)。軽さはもちろん、耐熱性が200度以上ある。


リチウムイオン電池や電装品など各所が熱を帯びるEVに適している。モーターコイルを束ねるワイヤや絶縁材、電動装置のフィルムに引っ張りだこだ。


PPSはガソリン車1台当たり平均900グラムほど使われるが重量が重いEVやHVでは2~3キログラム使われる。


頼られる存在に


「車メーカーは素材から見直して作り込もうとしている。我々は頼られる存在だ」。東レの石野裕喜夫・自動車材料戦略推進室長は自信を示す。


「これは立派ですね」。昨年、トヨタ自動車の開発担当者らの前で披露されたEVのコンセプトカー。手掛けたのは旭化成だ。高機能樹脂や半導体など同社の27品目もの技術、素材が詰め込まれたEVにトヨタの開発陣は目を見張った。


材料だけではない。無意識の状態でドライバーの脈波を検出できる非接触のセンシングシステム、車内の空気環境を感知するセンサー――。小堀秀毅社長も「どんな部品にどんな材料が適しているか、成形ノウハウも含め我々に一日の長がある」と明かす。


化学産業では米ダウ・デュポンなど巨大再編が自動車産業に影響を与えようとする。独BASFもEVの先進地である欧州と中国で勢いを増す。


日本勢は規模ではなく抜きんでた技術力で欧米勢に対抗してきた。だが人工知能(AI)で素材開発ができるようになり、独創性が陳腐化する恐れもある。下請けを超えて次世代車を巡る新たな素材間競争に挑まなければ世界で勝てない。』


本日の記事は、EV、HV、燃料電池車などの次世代自動車に使用される、新素材について書いています。


素材産業は、日本が伝統的に強みを発揮する事業分野です。たとえば、多くの飛行機に使用されている炭素繊維は、発明企業は米国のメーカーであったが、開発・実用化を進めたのは、国内大手メーカーです。


米国メーカーは、開発・実用化の段階で、製造のやり方の複雑さや、高コストを要したことから早々に、事業化を諦めてしまいました。


これに対して、東レ、帝人、三菱マテリアルなどの国内素材メーカーは、10年以上の長期間、コツコツと炭素繊維の開発・実用化を進めてきた結果、事業化を達成できました。


東レが開発・実用化した炭素繊維は、最新の飛行機の素材に多く使われています。最近、次世代自動車にも使用される機会が増えています。


EV、HV、燃料電池車は、今後、自動運転機能付の前提で開発・実用化されていきますので、高効率性と高安全性が同時に要求されます。


この高効率性と高安全性の両方の要求を満たす次世代自動車を開発・実用化するには、新素材の開発・実用化を行う必要があります。


本日の記事は、この新素材の開発・実用化を、使用者側の、たとえば自動車メーカーと、素材メーカーが、イコールパートナーシップで行っていく動きについて書いています。


このような動きは、一般的に国内では今までありませんでした。


自動運転機能付EVの開発・実用化は、トヨタや独フォルクスワーゲンなどの既存自動車メーカーだけでなく、米大手ITベンダーのグーグル、アップル、アマゾンなどの新規参入企業との、激しい競争が待ち受けています。


これらの米大手ITベンダーは、他社とのオープンイノベーションのやり方を徹底的に取り入れたオープンイノベーションのやり方で、新規事業立上を行ってきました。


同時に、これらの企業は、既存事業基盤を急速に破壊・再構築してきました。


何度か本ブログ・コラムで書いていいますように、トヨタ自動車は、次世代自動車の開発・実用化を進める上で、これらの競合相手と戦い、世界市場で勝ち組になる必要があります。


したがって、必然的に次世代自動車の開発・実用化を進める上で、素材メーカーと、イコールパートナーシップで、オープンイノベーションのやり方を徹底的に取り入れて実施することは、必然になります。


従来のように、自動車などのセットメーカーから、素材メーカーに情報や注文が流れる、上流から下流のビジネスモデルが変質していくことは、確実です。


大手セットメーカーと大手素材メーカーの水平分業方式で行う開発・実用化の進め方は、ベンチャーや中小企業にも大いに参考になります。


この視点から、素材メーカーとセットメーカーの、オープンイノベーションのやり方について、今後も注目していきます。


よろしくお願いいたします。


グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁


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日経記事;『日本の研究開発 見劣り 企業投資、アジア・米急伸 AI分野など競争力に懸念』に関する考察 [アライアンスから期待する効果]

                                                   2018年5月3日

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。


5月3日付の日経新聞に、『日本の研究開発 見劣り 企業投資、アジア・米急伸 AI分野など競争力に懸念』のタイトルで記事が掲載されました。


本日は、この記事に関して考えを述べます。


記事の主な内容は、以下の通りです。


『日本企業の研究開発費の伸びが海外企業に劣っている。2017年まで10年間の伸び率はアジアの4.1倍、米国の86%増に対し、日本は12%増どまり。


AI(人工知能)などIT(情報技術)分野で米国勢を中心に投資が盛り上がり第4次産業革命が進む中、研究開発の遅れが日本の産業競争力を損ないかねない。


横浜市綱島地区に日米の研究開発の勢いの差を象徴する建物がある。看板のない全面ガラス張りの建物は、米アップルが昨年稼働させた研究所だ。自動運転やAIの研究、電子部品の開発を進めているもよう。


アップルの17年の研究開発費は115億ドル(1兆2000億円)と世界7位。10年前から15倍に急増した。


研究所近くのバス停名は最近まで「松下通信前」だった。元はパナソニックが7年前閉鎖した工場の跡地だ。07年にアップルの7倍だったパナソニックの研究開発費は17年3月期に4300億円と10年間で25%減った。


過去10年の研究開発費を、東証1部上場企業と米S&P500種株価指数、欧州のストックス600、日経アジア300指数の構成企業で比較した。


世界100位までに日本勢は17社と10年前の24社から減少。世界3位だったトヨタ自動車は研究開発費をドルベースで26%増やしたが、順位は10位に落ちた。


順位後退が目立つのが電機メーカー。パナソニックは15位から36位、ソニーは18位から35位になった。電機各社は半導体など多額の研究開発費が必要な事業から撤退。あらゆるモノがネットにつながるIoTなど分野を絞り込み重点投資するようになった影響もある。


世界の研究開発費上位メンバーも自動車や医薬品などからITに様変わりした。今や世界最大の研究開発企業、米アマゾン・ドット・コムは226億ドルと10年前の28倍を費やす。AIの開発人員は17年に5千人と1年間で5倍増の勢いだ。


アジアでは10年間で4倍増の世界3位サムスン電子(韓国)に加え、中国の電子商取引アリババ集団の伸びが目立つ。アリババは昨年、米中ロなど7カ所に施設を置き、今後3年で研究開発に計150億ドルを投じると発表した。


総務省によると、政府なども含めた日本全体の研究開発費は1800億ドル(15年)と、米国の5千億ドル、中国の4100億ドルに次ぎ世界3位だ。国内総生産(GDP)比で3.6%と米(2.8%)、中(2.1%)を上回る。規模では日本は依然として「研究開発大国」といえる。


だが、研究開発の土台、基礎研究で特に伸び悩みが顕著など懸念は多い。大和総研の長内智シニアエコノミストは「将来も米中と競うには研究開発の一段の効率化が欠かせない」と語る。


研究開発は産業の成長力に直結する。選択と集中で復活し、最高益を更新した今こそ、日本企業は将来への新たな種まきを急ぐ時期だ。』


本日の記事によると、2017年度の世界企業の研究開発費ランキング上位は、以下の通りです。


1.米Amazon.com:226.2億ドル(28倍)
2.米アルファベット(Google):166.2億ドル(8倍)
3.韓サムスン電子:131.8億ドル(4倍)
4.米インテル:131.4億ドル(2倍)
5.独フォルクスワーゲン131.0億ドル(3倍)
6.米マイクロソフト:122.9億ドル(73%増)
7.米アップル:115.8億ドル(15倍)
8.スイスロシュ:105.5億ドル(53%増)
9.米ジョンソン&ジョンソン:103.8億ドル(35%増)
10.トヨタ95.8億ドル(26%増)
( )内の数字は2007年比の伸び率です。


2007年度のランキングされた世界企業と比較すると、次の点のようになります。


・2007年には、米GMが1位、トヨタが3位、米フォードが5位と、自動車メーカーが上位に入っていました。


・米マイクロソフトは6位であり、唯一入っていた米ITベンダーであり、2017年でも順位は同じです。


・スイスロシュと米ジョンソン&ジョンソンは、医薬品の世界企業として、ともに10位以内に入っています。


・米大手ITベンダーである、Amazon.com、アルファベット(Google)、アップルが、マイクロソフトとともに、10位に入っています。


上記の特徴は、2007年当時の主役が、ハードウェア企業であるのに対して、10年後では、インターネット・IT企業が主役になっていることを示しています。


Amazon.com、アルファベット、アップル、マイクロソフトの4社は、インターネット・IT世界で、それぞれ異なった事業基盤でプラットフォーマーとして、成功しています。


これらの大手ITベンダーの巨額投資は、プラットフォーマーとしての、既存事業基盤を維持強化することにあります。


最近の動きでは、人工知能(AI)やIoT対応に巨額投資を行っています。


残念ながら、国内企業のソフトウェア対応力は、上記米大手ITベンダーと比べると、圧倒的に弱く、今から巨額投資しても、国内企業がプラットフォーマーになることはできません。


半導体や電気電子機器分野でも、ソニーやパナソニックなどの国内メーカーは、サムスン電子のように巨額投資して、事業基盤を構築できることは、難しくなっています。


このような世界市場での事業環境下で、国内企業が勝ち組になるためには、競争力の源泉となる研究開発をより高効率に行う必要があります。


たとえ、1社あたりの研究開発費が巨額でなくても、オープンイノベーションのやり方を徹底的に合理的に行えば、競争力のある商品、サービス、ソフトウェアなどを、世界市場に提供できます。


現在、人工知能(AI)、IoT、ブロックチェーン、仮想通貨などのツールやノウハウの開発・実用化が、加速化して動いています。


たとえば、ブロックチェーンが仮想通貨だけでなく、海外送金、金融商品や不動産、製品などの取引、所有者が異なる産業機器間の情報伝達他の事業分野で日常的に使用されると、事業環境が激変する可能性があります。


ブロックチェーンは、分散型の台帳技術です。すべてのデータ・情報の移動履歴を、インターネット上で、信頼性のある形で保存できる技術です。


ブロックチェーンは、データ・情報の移動履歴や信頼性を、中央集権的な機能や組織なしに実現できる可能性を秘めています。


ブロックチェーンや仮想通貨の仕組みが、合理的に問題なく実用化されると、上記プラットフォーマーが築いた事業基盤・環境で、生活したりビジネスを行う必要性がなくなる可能性があります。


一方、人工知能(AI)・IoT対応した自動走行機能付EVは、国内を含む既存自動車メーカーに大きな影響を与えます。


独フォルクスワーゲンが131.0億ドルの巨額投資を行う理由が、ここにあります。
トヨタも同じ危機感をもって、巨額投資を行っています。


しかし、人工知能(AI)・IoT対応した自動走行機能付EVの開発・実用化は、どんな巨大企業であっても、1社単独で行うことはできません。


トヨタが、国内の最有力人工知能(AI)ベンチャーであるPFNなどに一定規模の出資を行って、協業・連携(アライアンス)を組んでいます。


トヨタが、EVやHVを含む人工知能(AI)・IoT対応した自動走行車で勝ち組になるには、現在行っているオープンイノベーションのやり方を徹底的に行う必要があります。


自動車産業は、国内経済を支える原動力の一つです。トヨタがこの激しい競争に打ち勝つかどうかは、日本経済に大きな課題を与えます。


今まで、インターネット・ITは、既存事業基盤を急速に破壊・再構築してきました。今後も、人工知能(AI)、IoT、ブロックチェーンや仮想通貨の動きは、この変化を加速させていきます。


国内企業は、柔軟にオープンイノベーションのやり方を徹底的に行うことで、競争力の維持強化を行う必要性がますます高くなります。


私も、トヨタのような巨大企業ではありませんが、ベンチャー・中小企業間のオープンイノベーションの実行支援を行いながら、全関係企業が「Win/Win」になれるように努力しています。


この視点から、トヨタのオープンイノベーションのやり方に注目しています。


よろしくお願いいたします。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁


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日経記事;『官民EV次世代電池トヨタ/パナソニックなど協力 経産省支援,高効率や簡単組み立て』に関する考察 [アライアンスから期待する効果]

                                          2018年4月18日

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。


4月18日付の日経新聞に、『官民EV次世代電池トヨタ/パナソニックなど協力 経産省支援,高効率や簡単組み立て』のタイトルで記事が掲載されました。


本日は、この記事に関して考えを述べます。


記事の主な内容は、以下の通りです。


『電気自動車(EV)向けの次世代型電池の開発で官民が連携する。5月から経済産業省やトヨタ自動車、旭化成、パナソニックといった自動車や素材・電機大手が協力し、全固体電池と呼ばれる高効率の製品の開発を進める。


現在、主流の自動車用電池は中国などにシェアを奪われつつある。EVの本格的な普及を見据え、次世代型の開発を早めて巻き返す。


旭化成や東レなどが参加する技術研究組合「リチウムイオン電池材料評価研究センター(LIBTEC)」に経産省が16億円を拠出する。


トヨタや日産自動車、ホンダといった大手自動車メーカー、パナソニックやGSユアサなどもLIBTECの開発に加わる。18日にも発表する。


現在主流のリチウムイオン電池は主要部材の電解質が液体だが、全固体電池ではこの電解質を固体にする。液漏れの心配がないため安全性が高く、組み立てもしやすい。必要な部材の量が減るためコストを削減でき、より高い出力も出せる。


トヨタの研究が世界で最も進んでいるとされる。だが実用化はできておらず、自動車や電池から素材まで、幅広いメーカーが協力する枠組みを整える。


液体よりも電池での活用が難しい固体の素材を使い、高い性能を引き出すための開発や安全性を評価するための基準作りを進める。


現行のリチウムイオン電池を載せた車の平均的な航続距離は400キロメートル程度。LIBTECは2025年までに550キロメートル、30年までに800キロメートルをめざし、幅広いメーカーから採用を見込む。


自動車に搭載する蓄電池では日本企業が先行し、13年には70%のシェアを握っていた。だが、中国や韓国の企業が急速に追い上げており、13年にシェアが3%だった中国勢は16年に26%まで拡大した。日本は41%まで減少している。


世界的な環境規制の強化を受け、今後、EVの本格的な普及が始まる。中国は次世代自動車の普及台数を16年の65万台から8000万台に増やし、ドイツも同7万台から600万台に増やす計画。


日本も30年に新車販売に占める次世代車の比率を20~30%に伸ばす方針で、EVの中核部品となる蓄電池も大幅な市場拡大が見込める。


経産省は世界で主導権を握るため、国際規格の取得も進める。具体的には国際電気標準会議(IEC)などへの申請を検討する。


技術開発と規格作りの両面から取り組みを加速し、EV市場での存在感を高める考えだ。』


本日の記事は、経済産業省が主導して、リチウムイオンの後継となる全固体電池の開発・実用化を、トヨタ、日産、ホンダ、パナソニック、GSユアサ、旭化成、東レクラレなどの国内メーカーと、協業・連携(アライアンス)を組んで行うことについて書いています。


上記企業群は、自動車メーカー、電池メーカー、電池材料メーカーの主要企業が参加するオールジャパン体制になります。


現在、HVやEVに使用されている電池は、リチウムイオン電池です。リチウムイオン電池は、ソニーが世界で初めてパソコンなどの電子端末用途の実用的バッテリーとして、開発・実用化に成功しました。


このリチウムイオン電池は、電子端末だけでなく、HVやEVに幅広く使用されています。


HVやEV、特にEVにとって、1回の充電で走行できる距離の長さが課題になっています。現行のリチウムイオン電池は、1回の充電での走行可能距離は、400㎞です。


EVを普及させるには、この1回の充電での走行距離を、ガソリンエンジン車並の800㎞に増やす必要があります。


さらに、現在のリチウムイオン電池は、以下の技術的課題をもっています。
・電圧・出力を一定条件以上に高められない
・部材が多く設計が複雑である
・液漏れ、引火のリスクがある
・実用的使用温度の上限が60~70℃と低い、など


全固体電池の開発・実用化は、上記技術的課題を解決すべく、トヨタやパナソニックなどが中心になって、動いています。


また、トヨタは、全固体電池の開発・実用化に際して、以下の課題をあげています。
・現行ガソリンエンジン能力20万㎞くらいの耐久性の実現(バッテリー交換の頻度を減らす)
・バッテリー容量を増やして、1回の充電での走行距離を800㎞にする
・EVの販売価格をガソリンエンジン車並にする
・量産体制の確立、など


関連企業による全固体電池の開発・実用化は、すでにかなりのレベルまで進んでいるとみています。今回の経済産業省の施策は、これらの関連企業の開発・実用化のスピードをさらに加速させるとともに、オールジャパン体制で、世界市場で勝ち組になることです。


今までの国内メーカーは、幾つかのケースで、技術の開発・実用化を成功させながら、事業化・ビジネス化の競争で、海外勢になる負けた経験をもっています。


全固体電池の開発・実用化・事業化で、このような失敗をすると、国内経済の大きな柱である自動車産業の競争力を失う可能性があります。


そのため、経済産業省が主導して、国内メーカーが開発・実用化する全固体電池を世界市場で普及させて主導権を取るために、記事にありますように、国際電気標準会議(IEC)などへの申請やロビー活動を積極的に行う必要があります。


自動車産業や部材メーカーなどの国内企業は、世界市場でデファクトスタンダードを作るためのロビー活動に、一定の経験をもっていますので、経済産業省などとの官と協力して、強力にIECなどでの協業・連携(アライアンス)を強力に行うことを大いに期待します。


上記しましたように、国内メーカーは、全固体電池の開発・実用化で、競合他社より先行しています。今回の施策や協業・連携(アライアンス)活動が、この開発・実用化の動きを加速させて、世界市場で勝ち組になることを期待します。


全固体電池の開発・実用化の動きに、注目していきます。


よろしくお願いいたします。


グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁


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日経記事;『自動車にも及び始めた「アマゾン効果」(グローバルViews)』に関する考察 [アライアンスから期待する効果]

                                            2018年4月7日

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。


4月6日付の日経新聞に、『自動車にも及び始めた「アマゾン効果」(グローバルViews)』のタイトルで記事が掲載されました。


本日は、この記事に関して考えを述べます。


記事の主な内容は、以下の通りです。


『米アマゾン・ドット・コムの勢力拡大が自動車業界にも及びそうだ。このほどトヨタ自動車などが名を連ねる車載ソフトウエア団体への参加を決めた。

同団体は業界で台頭しはじめた米グーグルや米アップルへの対抗措置として2012年に自動車メーカーなどが結成。IT(情報技術)2社とアマゾンが、車を巡って競い合う構図が生まれつつある。


「AGLの支援を通じて顧客に音声操作の体験を届けたい」。1月10日、アマゾンは自動車に精通した人にしか理解できないプレスリリースをひっそりと出した。


AGLは「オートモーティブ・グレード・リナックス」の略称。車載ソフトウエアのオープンソース化を進める業界団体だ。


日産などと同格
発表はその団体の上から3番目のメンバー格にあたる「シルバー・スポンサー」に入るという内容。最上位のスポンサーにはトヨタやデンソー、パナソニックなど6社が入っており、その次はホンダが名を連ねる。アマゾンと同格には日産自動車や独メルセデス・ベンツ、米クアルコムなどの名が並ぶ。


100を超えるスポンサーが参加しているとはいえ、最上位のメンバーはすべて日系企業。トヨタは否定するがAGLは「トヨタ主導の色」(部品メーカー関係者)が強い。現時点でAGLの技術を採用した車もトヨタの新型カムリなど同社の車だけだ。


興味深いのは団体発足のそもそもの経緯が「グーグルとアップルの封じ込め」(トヨタ関係者)だった点だ。それぞれ「アンドロイドオート」「カープレイ」と名付けたスマートフォン(スマホ)との連動システムを使って車載ソフトへの参入を狙っていたが、トヨタなどはこれを警戒していた。


トヨタ側の言い分は、IT大手があらゆるデータを吸い上げようとしており信用できないというもの。特に「自動車メーカーにとっての競争力の源泉であり絶対に開示できない」(関係者)とされる加減速などの走行データの提供を巡っては両者間で激しいやりとりがあったとされる。


このためAGLはまずはカーナビゲーション系のソフトをオープン化する団体として発足。アップルやグーグルに頼らないソフトを業界全体でつくることを共通の理念とした。そんな過去があるAGLにアマゾンが割って入ったことは「一体誰にどんな根回しをしたのか」と業界関係者を驚かせた。


現時点で、アマゾンの参加は「アレクサ」として知られる対話型の人工知能(AI)の車内への応用だとされている。AGLのシステムで動くカーナビや音楽ソフトの再生などに自社のAIを使ってもらおうというもので、自動車業界にとってもデータを取られるといった不安感は少ない。


音声AIだけで満足?
ただ、飽くなき拡大戦略で知られるアマゾンが音声AIだけで満足するかは分からない。車がネットにつながり車載ソフトのコード行数が1000万行へと急速にふくれあがるなか、AGLも今や「つながる車」にまつわる広範なソフト開発へと分野を広げている。


ある部品メーカー関係者はAGLについて「最終的にはセンサーを使った安全走行システムを目指している」とみる。完全自動運転まではいかなくとも、それに近い車をつくるにはデータセンターが不可欠。


クラウド事業世界首位のアマゾンはそこも狙っているとの観測がある。ただ、グーグルやアップルのように実際に自動運転車を開発し公道で試験走行をするという事業はまだ手掛けていない。自動運転を巡る競争でみれば後発だ。


優れたソフトも車というハードに載らなければ製品として使えない。グーグル系のウェイモが米クライスラーや英ジャガーと提携しているのはそれを十分に理解しているからだ。


AGLが今後どこまで仲間を広げられるかという課題は残るが、アマゾンがグーグルやアップルが持たない足場を得たことは確かだ。あらゆる産業をのみ込む「アマゾン・エフェクト」は車の世界にも押し寄せている。』


この記事に関して、最も興味深いのは、米大手ITベンダーの中で、今まで自動運転車の開発・実用化に名前が出てこなかったアマゾンが、トヨタが主導するAGL(オートモーティブ・グレード・リナックス)に参加したことです。


私は、今まで米大手ITベンダー(グーグル、アップル、アマゾン)は、必ず自動運転車ビジネスに参入すると、ブログ・コラムで書いてきました。


これは、EV、HVなどの環境対応を行う自動運転機能付自動車は、言わば動く電子端末機器になりますので、上記大手ITベンダーにとって、有効なインターネット出口端末となることによります。


インターネット/Webサイトを通じて、情報発信・受信、宣伝広告、購買などの行為を、多くの人が自動運転車の中で行います。


米大手ITベンダーにとって、自動運転車へのビジネス参入は、大きな事業拡大の機会になります。


米大手ITベンダーの中で、グーグルが自動運転機能の開発・実用化で先行しています。また、グーグルは、自動車メーカーのクライスラー山本ジャガーと提携して、そう遠くない時期に自動運転車を市場導入すると言われています。


アマゾンは、自動運転車への市場参入は、グーグルに比べて大幅に遅れています。
このため、アマゾンは、トヨタが主導するAGLに参加することは、自動運転車の事業化の一歩になります。


現在のガソリンエンジン車やPVは、各自動車メーカーが自社がもつ強みを最大化するやり方で、垂直統合方式の開発・実用化を行って、差別化・差異化できる自動車を市場に導入してきました。


しかし、しょうしょう極論を言いますと、EVはガソリンエンジンに関する技術的な専門的知見やノウハウがなくても、市場導入が可能になります。


加えて、自動運転機能付EVは、インターネット・IT・IoT・人工知能(AI)に関する専門的知見やノウハウが必要になります。


自動運転機能付EVが普及すると、既存の自動車メーカーが現時点でもっている強みの多くが発揮できず、何らかの形で対抗しないと、ITベンダーなどの新規参入組に負けることを意味しています。


フェースブックを含む米大手ITベンダーは、何度か本ブログ・コラムで書いていますように、既存事業基盤を破壊・再構築して、自社の収益を最大化するプラットフォームを構築してきました。


トヨタは、米大手ITベンダーが自動車市場に入ってくると、彼らが同じことを当該市場で行って、既存自動車メーカーが深刻な打撃を受けるリスクを熟知しています。


それは、ソニーやパナソニックなどの国内家電メーカーが、過去に米大手ITベンダーに市場を奪われたことをみていることによります。


このトヨタ自身は、上記AGLを立ち上げながら、自社を米大手ITベンダーと同じように、オープンイノベーションのやり方を取り入れられるように、急激な変化を起こそうとしています。


一例として、4月7日付の日経新聞に、『トヨタ、米国から「案内人」脱・自前を加速(トヨタの未来)』のタイトルで記事が掲載されました。


この記事によると、トヨタは、米国シリコンバレーの大型研究子会社「トヨタ・リサーチ・インスティテュート(TRI)」の技術部門を率いる米国人ジェームス・カフナー氏の助言を得ながら、東京で自動運転技術を実用化する新会社の活動拠点にするオフィスを探しています。


シリコンバレーには、ITベンダーや製造を含む多くの企業が集まっており、一種のエコシステムを作っています。


エコシステムは、ウイキペディアによると、「経済的な依存関係や協調関係、または強者を頂点とする新たな成長分野でのピラミッド型の産業構造といった、新規な産業体系を構成しつつある発展途上の分野での企業間の連携関係全体を表すのに用いられる用語である」となります。


日本では、例えば東京都大田区に集積している中小企業群が、互いに協力しながら客の注文に応じているやり方に近いものになります。


東京都には、多くの企業が拠点を構えていますので、上記エコシステムの対象企業が数多く存在することになります。


トヨタが出資している国内有数の人工知能(AI)ベンチャー企業であるPFN(Preferred Networks)は、東京都千代田区に本拠を構えています。


これは、都心に多くの企業が集積しており、連携・協業(アライアンス)を組む相手と、効率的に会って打合せできることを必要としていることによります。


トヨタが、東京都内にオフィスを探しているのは、オープンイノベーションの相手となる連携・協業(アライアンス)先との、共同作業や打合せを高効率に行える拠点作りになります。


言わば、トヨタは、自前のエコシステムを東京都内に作ろとしているのです。ここに、トヨタが今までの垂直統合方式に加えて、オープンイノベーションのやり方に代表される水平分業方式を積極的に採用していく強い意志を感じます。


トヨタの一連の動きが、米大手ITベンダーとの自動運転機能付EVの開発・実用化競争で、効果的に働くことを期待します。


多くの中小企業も、今後、インターネット・IT・IoT・人工知能(AI)の影響は、例外なく受けます。


中小企業が、トヨタのオープンイノベーションのやり方を参考にしながら、短期間に効率的に、新商品を商品化したり、新規事業機会獲得に動くことが重要であり、必要になります。


この視点から、トヨタの壮大なオープンイノベーションのやり方を採用する動きに注目していきます。


よろしくお願いいたします。


グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁


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日経記事;『自動運転の事故、所有者に賠償責任 政府方針、ハッキング被害は救済』に関する考察 [アライアンスから期待する効果]

                                                    2018年4月1日


皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。


3月31日付の日経新聞に、『自動運転の事故、所有者に賠償責任 政府方針、ハッキング被害は救済』のタイトルで記事が掲載されました。


本日は、この記事に関して考えを述べます。


記事の主な内容は、以下の通りです。


『政府は30日、自動運転中の車の事故について、原則として車の所有者に賠償責任を負わせる方針を決めた。一般自動車と同じ扱いとする。外部から車のシステムに侵入するハッキングで事故が発生した場合、損害は政府が補償する。


自動運転に関する賠償制度の土台が固まり、メーカーが過大な責任を負う懸念が薄れたことで、事業化の動きが加速しそうだ。


30日の未来投資会議で「自動運転にかかわる制度整備大綱」を示した。安倍晋三首相は会議で「具体的な法制度整備に着手し、国際的なルール作りを積極的にリードしてほしい」と指示した。2019年にも国会に関連法案を提出する。


大綱は自動運転車が普及し始める20~25年に向けて、法整備や規制の方向性を示す内容。自動運転の段階で見ると、運転手が乗った状態で限られた条件で運転を自動化する「レベル3」までが主な対象。運転席に人が座らない「レベル4」以上は今後検討する。


自動運転中の事故の賠償責任は原則として所有者にあり、法律で加入が義務付けられている自動車損害賠償責任保険(自賠責)を活用できることを確認。一般の自動車と同じ扱いだ。メーカーの責任は車のシステムに明確な欠陥がある場合のみとする。


自賠責に関する方針が定まったことで、民間の任意保険の設計も進む見通しだ。事故原因解明のため、運転記録装置の設置を義務付け、位置情報やハンドル操作、自動運転システムの稼働状況などを記録させる。


ハッキングによる事故の賠償は、盗難車による事故被害と同様に政府の救済制度を使う。所有者がシステム更新など、セキュリティー対策をしていることが条件だ。


事故の際の刑事責任など、結論を出す時期のメドも立っていない論点も多い。道路交通に関するジュネーブ条約は、自動車の走行に運転者の関与を前提にしている。


日本の道路交通法も同条約に基づき制定され、自動運転と矛盾する可能性がある。だが同条約の改正の見通しは立っていない。


メーカーやプログラム開発者に刑事責任を負わせれば事業化の意欲が減退する懸念もある。


自動運転の速度の上限やルート、時間、天候といった条件も重要だ。制御システムの性能やサイバー攻撃への耐性の基準も定める。政府は今夏に自動運転車の安全性の指針をまとめる予定だ。


自動車メーカー技術者は「制度の整備は歓迎」と話す。一方で「刑事責任や道交法改正の議論が薄い」との声もある。


3月中旬にはウーバーテクノロジーズが米アリゾナ州で公道実験中の事故で歩行者を死亡させた。事故を受け、自動運転事故の責任問題が注目されている。』


今回の記事は、政府が自動運転中の車の事故について、原則として車の所有者に賠償責任を負わせる方針を決めたことについて書いています。


この方針は、自動運転機能の開発・実用化を行っている関連企業にとって、自動運転車の事故発生時の責任の所在に関する条件の一つが明確化された点から、一歩前進になります。


政府は、東京オリンピックが開催される2020年には、自動運転車を公道で走らせる目標を設定しています。


自動運転機能の開発・実用化を担っている企業の視点からは、上記に賠償責任の所在に加えて、国内公道での走行に関する法整備や規制の制定が必要になります。


日本は、国際的なルールとなっている道路交通に関するジュネーブ条約にしたがって、国内で道路交通法(道交法)を制定して運用しています。


現在のジュネーブ条約では、自動車運転は、運転者の関与を前提としています。このため、米国内や日本で行っている自動運転車の実験走行には、運転を何時でも人が代われるように、運転者が同乗することが条件になっています。


3月16日付の日経新聞に、『自動運転、国際ルールづくり難航新産業に冷水』のタイトルで記事が掲載されました。


この記事によると、『自動運転を巡る国際的なルールづくりが難航している。。。
「議論を進めましょう」。警察庁で自動運転の国際ルールづくりを担当する佐野裕子参事官は国際会議で各国の担当者に語りかけてきた。ジュネーブ条約を改正できれば道交法も改めることができ、自動運転の実用化は進む。しかし批准国は約100カ国あり、3分の2以上の賛成が必要。。。


法律の見直しではドイツが昨年、レベル3を認めるよう道交法を改正して各国に先んじた。ドイツはジュネーブ条約と並び道路交通の原則を定めたウィーン条約を批准済み。ウィーン条約は16年3月に「(システムから)即座に運転を引き受けられる場合」の自動運転を認めた。自動車産業が浸透する欧州を中心に加盟は約80カ国で、改正の手続きはハードルが低い。これを受けドイツは国内の法改正に踏み切った。。。』


政府は、自動運転のレベル3を以下のように規定しています。
レベル3(条件付自動運転)
限定的な環境下若しくは交通状況のみ、システムが加速・操舵・制動を行い、システムが要請したときはドライバーが対応しなければならない状態。通常時はドライバーは運転から解放されるが、緊急時やシステムが扱いきれない状況下には、システムからの運転操作切り替え要請にドライバーは適切に応じる必要がある。


当面、今後の自動運転機能の開発・実用化は、このレベル3を安全に機能させることを目標にして、関連企業は動いています。


政府は、上記ドイツの動き方を参考にして、国内公道でレベル3の自動運転車が走行できる体制構築を期待します。


一方、最近、とても悲しいニュースが入ってきました。


それは、米国アリゾナ州テンペで2018年3月18日(現地時間)の夜に起きたUberの自動運転車による死亡事故です。


3月22日(現地時間)、死亡事故を起こしたUberの車載カメラ映像を公開しました。


この衝突時の映像を見ると、女性が道を渡ってきた時、自動走行車は、女性がゆっくりと自転車を押しながら道路を横断しているのに、減速しないではねてしまいました。


この結果から想定できることは、自動運転機能を構成している、センサー、レーダーなどの電子部品、搭載ソフトウエアなどに何らかの欠陥があったことになります。


このようなレベル3での自動運転機能の不具合は、徹底的に原因究明と対策を行う必要があります。


自動運転機能付自動車の事故は、テスラモーターズやグーグルも起こしています。
両社とも徹底的な原因究明と対策を検討・確認していると考えています。


また、トヨタ自動車は、レベル3の自動運転機能付自動車に同乗する運転車の精神的な負荷を考慮して、当分の間、当該自動運転機能付の実験走行を行わない方針を出しています。


理論的には、安全なレベル3の自動運転車が実用化されますと、現在よりも安全な運転走行が可能になります。


私の支援先企業の中に、自動運転車の開発・実用化に加わっている電子部品メーカーと、関連するソフトウエアを開発しているITベンダーがいます。


これらの企業にとって、今回のUberの事故は、自動運転機能が全く作動しなかったことに大きなショックを受けています。


可能であれば、Uberはこの事故の原因追求と対策を早急に行い、その結果を公表して欲しいと考えています。


トヨタ自動車のような世界企業でも、自動運転機能の開発・実用化は、1社単独で行うことは、不可能であり、他社から人工知能の世界的研究者を招いて、米シリコンバレーに大型研究開発拠点を作っています。


さらに、国内有数の人工知能のベンチャー企業であるPFN(プリファード・ネットワークス)に巨額出資などを行い、幅広くオープンイノベーションのやり方を取って、他社との連携・協業(アライアンス)を組んで、自動運転機能の開発・実用化を行っています。


このオープンイノベーションのやり方を徹底して行うことで、事故原因と対策を、関連業界で共有して、徹底的に安全な自動運転機能の開発・実用化を行う姿勢が重要であり、必要になります。


少なくとも、トヨタ、ホンダ、日産などの国内自動車メーカーには、業界をあげて協調することで、徹底的に安全なレベル3の自動運転の開発・実用化を行うことを期待します。


よろしくお願いいたします。


グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁




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日経記事;『中外時評 もの作り変えた「オープン」』に関する考察 [アライアンスから期待する効果]

                                                    2018年2月10日

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

しょうしょう古い記事になりますが、2月1日付の日経新聞に、『中外時評 もの作り変えた「オープン」』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は、以下の通りです。

『ソフトの設計図にあたるソースコードを広く公開し、誰でも改良して自由に使えるようにする――。こうしたオープンソースと呼ばれる技術基盤の歴史を振り返ると、10年前の2008年が2つの意味で節目の年だったといえる。

「スマートフォン(スマホ)が重要になると分かっていたが、誰もが成功を確信していたわけではなかった」。08年にグーグルに入社し、現在はスマホ向け基本ソフト(OS)「アンドロイド」部門で製品管理担当の副社長を務めるサミール・サマット氏は振り返る。

オープンソースであるアンドロイドを利用した最初のスマホは、サマット氏の入社直後、店頭に並んだ。それから10年。1300社が2万4000機種のアンドロイドを搭載した製品を発売し、月間利用者は20億人を超えている。世界のモバイル機器を通じたネット利用の契約数は10倍に増えた。

08年2月にはソフト開発者がコードを公開・共有できるサービス「ギットハブ」の運営会社も誕生している。ギットハブは10年で2700万人を上回る開発者が使うサービスへと成長し、オープンソースが普及する礎になった。

「端的に言うと、当社は中国のグーグルだ」。1月上旬、米家電見本市「CES」の会場で中国のIT(情報技術)大手、百度(バイドゥ)の陸奇・最高執行責任者(COO)が熱弁を振るった。

百度の事業の柱はネット検索サービスで、確かに陸COOの説明は的を射ている。だが自社をグーグルになぞらえる理由はこれだけではない。

マイクロソフトなどの米IT企業で経験を積んだ陸COOは現在、人工知能(AI)の開発に力を入れている。応用先として重点分野に据える自動運転車では、アンドロイドと同様に多くのソフト開発者や協力企業を巻き込む手法を活用する。

17年に始めた「アポロ」と呼ぶプロジェクトの責任者にグーグルのアンドロイド部門の出身者を据え、コードはギットハブで公開する。協力企業は米フォード・モーターや独部品大手のボッシュなど90社に達し、年内に中国企業がこの技術でバスを量産する。

品質や安全が重要な自動車にオープンソースが合うのか。懐疑論もあるが、ITと自動車の双方に詳しい名古屋大学の野辺継男客員准教授は「自動運転を支える機械学習は与えるデータが多いほど性能が高まる。オープンソースを活用して開発速度を上げる手法は有効だ」という。

IT機器に加えて自動車など幅広い製品やサービスがソフトへの依存を深め、オープンソースの考え方を取り入れることは避けられなくなりつつある。問われるのはこの技術基盤とどう向き合うかだ。

まず大事なのは、オープンソースを前提とした事業戦略を立てることだ。スマホで一敗地にまみれたカナダのブラックベリーは今、自動運転車向けのソフトに力を入れている。スマホは自社で開発から生産・販売までを完結させる事業形態だったが、自動運転では百度など幅広い企業と組んでいるのが興味深い。

他社と同じ技術基盤を活用する場合にどう違いを出すかも焦点だ。「OS以外でどう差異化するかという課題を突きつけられた10年だった」。ソニーの平井一夫社長はアンドロイドの登場で競争環境が大きく変わった通信機器事業について振り返る。今後、多くの企業が同じ課題に向き合うことになるはずだ。

稼ぎ方も大切になる。グーグルはアンドロイドを無償で提供する一方、パソコンに代わる広告を掲載する媒体へとスマホを育てた。注目を浴びる米中のライドシェア(相乗り)サービス企業も、アンドロイドやスマホの普及を収益に結びつけた好例といえる。

10年前、日本の携帯電話業界ではパナソニックやNEC、富士通などが幅を利かせていた。だが顔ぶれは大きく変わり、関連するソフトやサービスでも海外勢の攻勢が目立つ。オープンな技術基盤は世界中のソフト開発者や協力企業を巻き込めば急成長し、対応できない企業は容赦なくふるい落とす。これも過去10年から学ぶべき教訓だ。』

本日の記事に書かれているように、米国大手ITベンダーであるグーグル、アップル、アマゾン・ドット・コムなどが、この10年くらいの間に進めてきた事業展開は、強力なインターネット・IT・ソフトウェアの開発・実用化の能力により、既存事業基盤を破壊・再構築してきた歴史になります。

これらの企業が行ってきたことは、Webサイト検索エンジン、スマートフォン、インターネット通販などの強力な各種プラットフォームを構築して、その上で継続的に広告宣伝やインターネット通販などのビジネスから、安定的、かつ、継続的に収益を確保・拡大するやり方です。

このため、これらの米大手ITベンダーは、マイクロソフト、フェースブックを加えて、アップル、グーグル(アルファベット)、マイクロソフト、フェイスブック、アマゾン・ドット・コムの米大手ITベンダー5社は、プラットフォーマーと言われています。

これらの米大手ITベンダーのの収益の源泉は「デジタル時代の石油」と呼ばれるデータです。

個人や企業にこのデータを無料もしくは、低価格で提供することにより、利便性が高まるため、多くの人が活用することで、さらにデータを蓄積できるようになります。

結果として、各ITベンダーのプラットフォームが強化され、拡大します。この強化・拡大されたプラットフォームが、大きな収益源になります。

これらの大手ITベンダーの中で、特に、グーグルはオープンな形でビジネス展開を行って、自社の検索エンジンが、パソコン、スマートフォン、タブレット端末などのすべてのWebサイトに搭載され、活用できるようにしてもらう仕組み作りを行いました。

グーグルは、スマートフォン、タブレット端末などの情報端末機器に搭載されるOSであるアンドロイドを開発・実用化して、無償で提供しています。

アンドロイドは、無償で提供されているLinux(リナックス)上に構築されています。
このリナックスは、スーパーコンピュータ、サーバー、メインフレームで使用されるOSとして、最大のシャアをもっています。

また、リナックスは、携帯電話、ネットワークルータ、テレビ、ハードディスクレコーダ、カーナビゲーションシステムといった組み込みシステムでも、数多く使用されています。

以下、リナックスに関するウイキペディアからの抜粋記事です。
「Linuxの開発は、フリーかつオープンソースなソフトウェアの共同開発として最も傑出した例のひとつである[11]。Linuxカーネルのソースコードは無償で入手でき、GNU一般公衆利用許諾書のもとにおいて、非営利・営利に関わらず誰でも自由に使用・修正・頒布できる。Linuxは、世界中の開発者の知識を取り入れるという方法によって、あらゆる方面に利用できる幅広い機能と柔軟性を獲得し、数多くのユーザの協力によって問題を修正していくことで高い信頼性を獲得した。」

グーグルは、このやり方をアンドロイドに適用して、リナックスと同じように、オープンな形のOSにして公開しています。

アンドロイドを使用するスマートフォンは、アップルのiPhoneを大きく引き伸ばして、数多く存在しています。

また、最近急速に開発・実用化が進んでいる自動運転車でも、このアンドロイドがOSとして、採用され始めています。

グーグルは、このオープンな形でのビジネス展開を強化しており、WebブラウザであるChrome、eメールソフトであるG-mail、グーグルカレンダーなどのソフトウェアも無償で提供しています。

このChromeは、Net Applicationsの調査で2016年4月にパソコンで使用されるWebブラウザとして、世界シェアを41.66%として、マイクロソフトのIEやEdgeのシャアを上回る状況になっています。

グーグルが提供するこれらのオープンな形での無償サービスを、数多くの個人や企業が使うことで、プラットフォーム能力が向上するとともに、数多くのデータも蓄積できます。

この強力なプラットフォームやデータは、グーグルの宣伝広告機能を活用する企業にとって、大きな魅力となります。

これは、宣伝広告を行う企業が、より効果的に自社商品の情報を伝えることに大きな重きを置いていることによります。

グーグルが自動運転車の開発・実用化を進めていますのは、動く電子端末機器として自動車をとらえており、より多くの出口端末を増やすことを実現するためです。

今後、日本の国内企業は、オープンな形での事業展開を意識して行う必要があります。

たとえば、AIベンチャーのPFN(Preferred Networks)は、深層学習フレームワークChainerを無償公開してオープンにし、基本的に誰でも使えるようにしました。

多くの国内外の企業が、PFNの動きに協調して、高速化やアプリケーションソフトの開発・実用化を行っており、GitHub(ギットハブ)で数多く公開されています。

このGitHub(ギットハブ)も無償で使用されるサービスがあり、本日の記事にありますように、GitHubは10年で2700万人を上回るITエンジニアに活用されています。

PFNのChainerが市場にプラットフォームとして定着すると、PFNは、グーグルと同じように、このプラットフォーム上で動くアプリケーションソフトの販売が可能になります。

本日の記事にありますオープンは、プラットフォームを無償で提供するとともに、このプラットフォームを活用するビジネスも、他社との連携・協業(アライアンス)を組むやり方になる「オープンイノベーション」を効果的に行うことが重要になります。

このオープンイノベーションを効果的に行うやり方について、今後も記事として取り上げていきます。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁


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日経記事;『(社説)ベンチャーと連携し経営革新を急ごう』に関する考察 [アライアンスから期待する効果]

                                                           2018年1月21日

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

3日前の1月18日に日経新聞に、『(社説)ベンチャーと連携し経営革新を急ごう』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は、以下の通りです。


『大手企業が技術革新や事業モデルの転換に向けてベンチャー企業と連携する動きが目立ってきた。人工知能(AI)の発達、シェア経済の普及といった事業環境の変化が急速に進み、必要な技術や人材の幅が広がっているためだ。

こうした動きは起業が盛んな米国で先行してきたが、ここにきて日本でも関心を示す企業が増えている。大手とベンチャーの連携を一段と加速することで、産業の競争力を高めていきたい。

今月12日まで開いた米家電見本市「CES」の出展企業は3900社を超え、5年前に比べて2割近く増えた。大手とベンチャーの「顔合わせ」の場としての色彩が強まり、ベンチャーの参加が活発になっている。

日本でも大手企業がベンチャーとの関係を強めつつある。M&A(合併・買収)仲介のレコフによると、大手が設けたファンドによる国内外のベンチャーへの出資は2017年に681億円となり、過去最高を更新した。

ベンチャーはリスクの高いテーマに取り組めるほか、スピード感をもって事業を進められる利点がある。米国ではIT(情報技術)に加えて医薬、金融といった分野でもベンチャーと組む動きが一般的になっている。日本企業も出資や事業提携を増やすべきだ。

連携を成功させるには課題がある。ひとつは、ベンチャーと組む目的を明確にすることだ。まず自社の強みと弱みを冷静に見きわめ、弱点を補う形でベンチャーと連携するのが望ましい。流行だからといって組むようなことがあれば、成果をあげるのは難しい。

米ゼネラル・モーターズ(GM)は先週、ハンドルのない自動運転車を19年に実用化すると発表した。買収したベンチャーの自動運転技術と自らの生産能力などを組み合わせた例で、参考になる。

ベンチャーと連携するため大手が社内の体制を整えることも重要だ。ベンチャーの経営者から「大手企業は担当者がころころ変わる」といった不満の声を聞くことは少なくない。責任者を明確にし、腰を据えて取り組むべきだ。

ベンチャーが十分に力を発揮できる環境を整えることも欠かせない。下請け企業との取引が長い日本の大手は、規模が小さく歴史の浅い企業を下に見る傾向がある。対等の関係を築いて双方が活発に知恵を出し合うことは、連携を成功させる条件となる。』

今年のCES2018は、CES2017からさらに進化を遂げて、AI、IoT対応、自動運転車関連の出展や話題が中心になり、かっての家電商品展示会の面影は全くなくなりました。

出展企業だけでなく、出席者からも、AI・IoT対応した自動運転車の開発・実用化がさらに前倒しで進む状況になっているのは、確実です。

当目の間、EVやHVが自動運転機能搭載車になる傾向が強まっています。特に、EVは、自動車業界への新規参入企業にとって、参入障壁が低いので、自動運転機能付EVが当面の主役になるとみています。

自動運転機能付EVは、言わば、AI・IoT対応を搭載した動く電子端末機器となります。

自動運転機能付EVは、既存の自動車メーカーだけでなく、ベンチャーや中小を含む多くの新規参入企業が、当該商品の開発・実用化を可能にします。

その開発・実用化のスタイルは、徹底したオープンイノベーションのやり方になります。

多くの新規参入企業は、自前の自動車工場をもたないファブレス企業として、自動運転機能付EVの開発・実用化を進めるとみています。

自動車本体(車体)は、自動車の専用製造事業者に製造委託して作ります。このビジネスモデルを徹底して行い、iPhoneなどの大型ヒット商品を実現したのが米大手ITベンダーであるアップルです。

同じく、米大手ITベンダーであるグーグルは、アップルと同じビジネスモデルで、自動運転機能付EVの開発・実用化を積極的に進めています。

グーグルは、アップルと同じように、自社の強みを自動運転を可能にするAI・IoT対応の開発・実用化を徹底的に行うことで、他社との差別化・差異化を可能にするべく動いています。

グーグルは、米国内の公道で、自動運転機能付EVの試作車を長期間走行させて、数多くのデータや情報を収集しています。

この収集したデータや情報を、自社のAIに読み込ませて、自動運転機能付EVの頭脳であるAIの能力向上を毎日行っています。

グーグルは、Google DeepMindによって開発したアルファ碁で、2017年に碁の世界チャンピオンに完全勝利しました。

このアルファ碁のノウハウは、グーグルの検索エンジンや翻訳エンジンなどに実装されて使われているとされています。

グーグル、イギリスの人工知能企業であるDeepMind社を2014年に買収して、Google DeepMindと社名変更しました。

天才プログラマーとして知られていますDeepMind社のトップは、グーグルの買収後も、同じポジションで、AIの開発・実用化を進めています。

グーグルのような大手ITベンダーは、オープンイノベーションを積極的に進めており、自社のビジネス展開に必要な技術、ソフトウェアなどは、買収や連携・協業(アライアンス)を行うことで、短期間にその能力向上を実現しています。

アップルやアマゾンなどの他の米大手ITベンダーも、グーグルと同じように、自社のビジネス展開に必要な技術、ソフトウェアなどは、買収や連携・協業(アライアンス)を行うオープンイノベーションを加速化させています。

グーグルだけでなく、アップルやアマゾンなどのITベンダーも、自動運転機能付EVの開発・実用化を本格化させる可能性があります。

AIの開発・実用化については、秘密主義を徹底してきたアップルでさえ、競合他社との競争や当該業界の急激な変化・進化に対応するため、一部ではありますが、他社とのオープンイノベーションのやり方を取り入れ始めました。

自動運転機能付EVの開発・実用化だけでなく、インターネット、IT、AI、IoT対応のすべてについて、どんな大手企業でも自前だけで行う垂直統合方式の開発・実用化のやり方では、変化・進化が急速に進む競合相手や業界の動きに対応できないのは、明白です。

しかも、インターネットやITは、既存事業基盤を破壊・再構築してきています。現在、その最も大きな影響が出てているのが、自動車業界です。

トヨタ自動車は、ここ2~3年で、自動運転車の開発・実用化を徹底して行うため、自前の大型IT・AI・IoT対応の大型研究拠点を米シリコンバレーに作っただけでなく、日本のA有力なAIベンチャーであるPFNなどとの、連携・協業(アライアンス)を積極的に進めています。

トヨタが、自動運転車の開発・実用化実現するとみられている2020年以降で、世界市場で勝ち組になるには、このオープンイノベーションを巧みに行う必要があります。

他の国内企業にとっても、インターネットやIT、AI・IoT対応の進化が急速に発展・拡大する中で、勝ち組になるためには、買収や連携・協業(アライアンス)を行うオープンイノベーションをを積極的に行う必要があります。

オープンイノベーションを効果的に行うためには、自社の強みとなる技術やノウハウなどを持っていることが前提となります。

オープンイノベーションを効果的に行うためには、どんな大手企業も、連携・協業(アライアンス)の相手企業が多くの場合、ベンチャーや中小企業となることが多いので、イコールパートナーシップによる「Win/Win」の関係を維持・構築することが、必要不可欠になります。

欧米企業が、オープンイノベーションを行うときに注目するのは、相手企業の技術力やノウハウなどと、「Win/Win」の関係を維持・構築できる能力をもっているかどうかの確認が中心になります。

これに比べて、国内企業の場合、相手企業の規模などもオープンイノベーションの相手先選定基準に入ることがあります。

私の支援先の中には、中堅・大手と連携・協業(アライアンス)を組んでいる企業が多くあります。

この支援先には、連携・協業(アライアンス)を提案してきた中堅・大手が、支援先の規模に関心をもっていて躊躇する企業は、相手先に選ばないようにアドバイスしています。

この視点から、トヨタやファナックなどの国内大手が、上記PNFと「Win/Win」の関係をもって、オープンイノベーションを実行していることに注目しています。

私は、ときどき国内中堅・大手のエンジニアに対して、オープンイノベーションのやり方に関するワークショップ形式の研修を行っています。

このとき、徹底してアドバイスしていますのは、相手先の企業規模をみるのではなく、相手先がもっている技術、ノウハウなどの専門的能力と、「Win/Win」の関係を維持・構築できるコミュニケーションなどの能力を判断することが、オープンイノベーションを効果的に行うためのポイントの一つなることです。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁



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日経記事;『トヨタ走ればデータ湧くつながる車へ全方位提携 NextCARに挑む CASEの衝撃』に関する考察 [アライアンスから期待する効果]

                                                         2017年12月17日

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

12月16日付の日経新聞に、『トヨタ走ればデータ湧くつながる車へ全方位提携 NextCARに挑む CASEの衝撃』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は、以下の通りです。今回は、引用記事がしょうしょう長くなります。

『自動車産業が未曽有の大転換時代に突入した。「C=コネクテッド(つながる)」「A=オートノマス(自動運転)」「S=シェアリング」「E=エレクトリック(電動化)」という4つの変革は、車の使われ方や造り方を大きく変え、完成車や部品メーカーに事業モデルの変革を迫る。その一方で産業ピラミッドの外にいた企業には新たな市場が開かれる。次世代車がもたらす波紋と未来を探る。

トヨタ自動車が東京都内を昼夜動き続ける、500台の移動カメラの運用を始めた。

都内を走るタクシーの様子が地図上にリアルタイムで表示される。「今まさに走っているタクシーからのデータです」。10月、東京都江東区で開かれた新型タクシー「ジャパンタクシー」のお披露目会でコネクテッド部門を統括する友山茂樹専務役員は大型スクリーンに映し出された地図を前に力を込めた。

トヨタはタクシーの業界団体と組み、都内500台に通信型のドライブレコーダーを載せた。地図上の無数の点は、タクシーが今走っている場所。それぞれの車両の速度、エンジン回転数などのデータも取得する。それだけではない。車両からは前方の画像も集まる。

これで刻々と変わる都内の道路状況を把握できる。事故に合った車の存在、駐車場の空き状況なども画像から確認できるようになる。2月からの実証実験で取得したデータ量は既に1ペタ(ペタは1千兆)バイトを超えた。

トヨタはまず2018年春から画像を人工知能(AI)で解析し、車線別の渋滞状況を試験提供する。さらにタクシー向けの新たな配車アプリサービスも開発する方針だ。タクシーに乗りたい人がどこにいるかを予測し効率的に配車する。
「未来の武器に」

トヨタのビッグデータ収集の先兵になるタクシー。その新型車には豊田章男社長も「トヨタ自動車の未来の武器になる」と期待する。
多くの産業で指摘される収益のスマイルカーブ。設計や素材など産業の上流、サービスの提供といった下流が高収益な一方、組み立てなど中流部分で収益が上げにくくなるという例えだ。

完成車メーカーはこれまで産業のカーブの端にとどまり、新車販売が事業の中核だった。だが電動化や自動運転、シェアサービスなどが広がるこの先もそうだろうか。デロイトトーマツコンサルティングの清水雄介マネジャーは、バッテリーのコストの高さなどの背景もあり「電動化による収益のマイナス影響は無視できない」と分析する。

PwCストラテジー&によると、15年に自動車産業で生み出された利益の41%は自動車販売によるもの。だが30年にこの比率は29%まで低下し、デジタルサービスなど新分野の合計がこれを上回る。自動車メーカーの既存事業からの利益は産業全体の5割を切る。

だからこそトヨタはクルマから集まるビッグデータに目を向け、そのデータを集めるためにコネクテッドへの対応を急ぐ。一般のクルマでも日米で20年までに車載通信機「DCM」をほぼ全ての車種に標準搭載する。

500社超が応募
「モビリティーサービスで(外部企業に事業基盤を提供する)プラットフォーマーになる」(友山専務役員)という青写真は、その地位が得られなければスマイルカーブの中ほどに追いやられるという危機感の裏返しだ。自前主義にはこだわらず、全方位の提携でプラットフォームの地位を得ようとしている。

国内で乗用車1800万台超の保有台数があるトヨタ車は、データの宝庫に化けうる。その魅力は提携相手をひき付ける。17年に実施したオープンイノベーションの相手を探すプロジェクト「トヨタネクスト」には、実に500社超が応募。最終的に選ばれたのは5社。結果的に100倍という狭き門になった。

データの活用策の一つはマーケティングだ。選ばれた5社の一つ、ナイトレイ(東京・渋谷)は訪日外国人のSNSでの投稿などと地図情報をかけ合わせ、人気のルートやエリアを探り出して企業などに提供するビジネスを手掛ける。石川豊社長は「クルマのデータを生かせば地域活性化などで新たな可能性が広がる」と語る。

インターネット経由で家族や友人に電子ギフト券を贈るサービスを提供するギフティ(東京・品川)も提携先の1つ。「クルマで体験できる生活を変えたい」と話す太田睦が夢見るのは、ギフティが手掛ける電子ギフトや地域で使える電子通貨サービスとカーナビなどとの連携だ。ドライバーが車で訪れる場所の周辺の飲食店や小売店、観光地などから様々な電子チケットや通貨が送られる仕組みが想定される。

もともとトヨタを含めた日本の自動車メーカーは、コネクテッドにいち早く取り組んできた。ホンダが1997年に先陣を切って実用化した「インターナビ」以後、各社は相次いで自社の車両から集まる情報を反映した渋滞情報やルート検索サービスを提供。「自社の車の利便性と移動の喜びを高める手段」(ホンダの鳥海真樹日本本部営業企画部主任)との位置づけだった。

ただ各社とも「つながる」を入り口にして稼ぐ方向には動かなかった。データの発生源のハードウエアを手掛けても、ビジネスで先んじることができるかは別問題だ。

トヨタにとってアルファベットの「C」は特別な一文字。かつてCから始まる「カローラ」「クラウン」「セルシオ」などが時代を彩ってきた。コネクテッドがトヨタを変える新たな「C」になるか。』

トヨタ自動車は、最近、矢継ぎ早に他社との提携・協業(アライアンス)を打ち出しています。

たとえば、トヨタは12月13日に、EVに搭載する蓄電池の共同開発をパナソニックと行うことを発表しました。

トヨタは、従来から次世代環境対応車として、燃料電池車の開発・実用化を進めてきました。しかし、欧州自動車メーカーや中国政府が、次世代環境車として、EVの開発・実用化を進めることを決めた結果、トヨタの事業環境は激変しました。

そこで、トヨタは燃料電池車に加えて、EVの開発・実用化を並行して進める必要が生じました。

加えて、次世代自動車は、自動運転機能搭載が必然になっています。自動運転機能付自動車は、人工知能(AI)およびIoT対応が必要です。言わば、自動運転車は、動く電子端末機器になります。

世界最大の自動車メーカーであるトヨタにとっても、これらの新規開発案件を1社単独で行うことは、不可能です。また、今まで必要がなかったインターネット・IT・AI対応が必要になります。

このため、インターネット・IT・AI対応については、巨額費用を投じて米国のシリコンバレーに大型の研究所を設置して運用しています。

また、国内の有力なAIベンチャー企業である、プリファード・ネットワークス(PFN)に出資して、提携・協業(アライアンス)を行っています。

自動運転車の面で、トヨタの最大の競合相手は、グーグルになるとみています。このグーグルは、自ら自動車メーカーになる意図はないと考えます。

グーグルが目指すのは、EV対応の自動運転車を自動車メーカーと提携・協業(アライアンス)で、開発・実用化して、自らの検索エンジンなどを搭載できる動く電子端末機器を稼働させることにあります。

グーグルのビジネスモデルは、根本的にトヨタと異なります。グーグルは、米大手ITベンダーであるアップル、アマゾン、フェースブックなどと同じ、インターネットのプラットフォーマーであり、自動運転機能付EVから儲けようとしていません。

これに対して、トヨタなどの自動車メーカーは、基本的には自動車本体から儲けることがビジネスモデルになります。

本日の記事は、トヨタが自動運転車をプラットフォームにして、他社と提携・協業(アライアンス)を組んで事業収益を確保する動きをかけ始めたことを示しています。

トヨタの生産・販売台数は、世界最大ですので、トヨタのすべての自動車が自動運転車になると、非常に多くのコネクテッドカー(通信を介してインターネットに接続する自動車)が世界市場で走り回りますので、トヨタ自身がプラットフォーマーになることを意味しています。

トヨタは、東京都内を昼夜動き続ける、500台の移動カメラの運用を始めたとのこと。この運用から、非常に多くのデータが得られます。

このトヨタの動きに注目して、多くのITベンダーから提携・協業(アライアンス)の提案がだされ、ナイトレイやカウリス、ギフティなどが採用されました。

トヨタの自動車から生み出される大量のデータを活用して、すべての参加企業が収益確保を実現するビジネスモデルの構築を目指すことになります。

過去の国内企業で、このような言わばインターネット上のプラットフォームを活用して、収益確保を図る動きを行う企業は、存在しません。

トヨタは、2020年ころに向けて、壮大な実証実験を行うとしています。トヨタが今のスタンスを維持して、オープンイノベーションのやり方で徹底的な提携・協業(アライアンス)を進めて、すべての参加企業が「Win/Win」になることができれば、十分にグーグルに対抗できます。

トヨタの強みは、同時に多くの自動車にIoT対応機能を搭載して、非常に多くのデータを獲得できることにあります。

グーグルは、数年前から公道などで自動運転車を走らせて、多くのデータ蓄積を行っています。

トヨタの今回の動きは、グーグルが蓄積しているデータを短期間に凌ぐ可能性を示しています。

トヨタの今後の動きが、グーグル、アップル、アマゾンなどの米大手ITベンダーとの競争に打ち勝っていけるか注目しています。もちろん、トヨタがこの厳しい競争に打ち勝つことを大いに期待しています。

中小企業やベンチャー企業にとって、トヨタの大規模なオープンイノベーションの動き方は、大いに参考になります。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁


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日経記事:『企業価値、22社が100億円超 「スタートアップ」100社調査、AI・ネット関連上位』に関する考察 [アライアンスから期待する効果]

                                                  2017年11月20日

皆様、
こんにちは。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

11月20日付の日経新聞に、『企業価値、22社が100億円超 「スタートアップ」100社調査、AI・ネット関連上位』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は、以下の通りです。

『未上場で成長を続けるスタートアップ企業の存在感が増している。日本経済新聞社が実施した「NEXTユニコーン調査」によると国内22社が企業価値(推計)で100億円を超えた。人工知能(AI)やネット関連が上位にきた。

独自技術に着目する大手企業も有力スタートアップ企業の取り込みに動く。新興企業の台頭は産業構造の変化に対応し、日本経済を活性化する役割を果たしている。

調査は日本ベンチャーキャピタル協会の協力を得て実施した。創業おおむね20年以内で特徴的な技術や事業モデルを持つ108社から回答を得た。各社やベンチャーキャピタルへの取材を基に企業価値を推計した。

企業価値10億ドル(約1120億円)以上の未上場企業が「ユニコーン」とされ、その予備軍の有力スタートアップを含めて「NEXTユニコーン」とした。

企業価値首位のプリファード・ネットワークス(東京・千代田)はAIの一種である深層学習で制御技術を開発する。西川徹社長は「深層学習を導入することで製造業に変革の波を起こしたい」と期待を寄せる。8月にはトヨタ自動車が約105億円を出資した。両社は認証や車の情報を解析する技術で提携する。

2位のメルカリ(東京・港)はスマートフォン(スマホ)で操作しやすいフリマアプリの開発で急成長。フェイスブックの元副社長を迎え入れ海外事業を強化している。

NEXTユニコーンの上位企業にはAIを積極活用する企業が目立つ。5位のフリー(東京・品川)はクラウド会計処理をAIで効率化する。

クラウド型名刺管理のSansan(東京・渋谷)は積極的なシステム投資や広告宣伝で顧客層の拡大に乗り出した。Sansanは投資が先行するが、売上高の伸びを評価し、11月に入り米ゴールドマン・サックスが出資を決めた。

当面の利益よりも長期の成長を重視する米ネットビジネス流の事業モデルが評価され、投資資金を引き寄せている。

調査会社ジャパンベンチャーリサーチ(東京・渋谷)が未上場のスタートアップ約千社を対象に集計した2016年の資金調達額は前年比2割増の約2100億円と過去最高を記録した。

スタートアップの出口戦略も多様化し始めている。

今回の調査では対象企業の83%が上場を考えていると答えた。新卒採用や大手企業から優秀な人材をスカウトしやすくなるためだが、約2割のスタートアップがM&A(合併・買収)で大企業の傘下に入る道も考えると回答した。

あらゆるモノがネットにつながる「IoT」関連サービスのソラコム(東京・世田谷)はKDDIに買収される道を選んだ。「次世代規格への参加やグローバル展開には大手との関係を深めることは不可欠」と玉川憲社長はその狙いを語る。

米国ではグーグルやテスラなどの新興企業が登場。ベンチャーキャピタルや個人投資家(エンジェル)がマネーの面から成長を支える循環が確立しており、ユニコーン企業が続々生まれる土壌となっている。

日本はスタートアップに投資する資金の規模が米国の2~3%。起業への理解が広がらず、大企業から流入する人材も少なくユニコーンが生まれにくいとされてきた。

だが、産業構造の大転換期を迎え、トヨタのような大企業も独創的な次世代技術を求めてスタートアップとの協業や出資に乗り出している。日本でもスタートアップを軸とした産業転換が進む兆しが出ている。』

本日の記事にありますユニコーンとは、日経新聞に書いてありますように、『企業価値が10億ドル(約1120億円)以上の未上場スタートアップ企業を伝説の生き物である一角獣になぞらえて「ユニコーン」と呼びます。』めったに姿を見せないことによります。

アメリカのユニコーンの方が、日本と比べて規模も数も圧倒的に多くなっています。しかし、この日本でも本日の記事にありますように、ユニコーン企業が増えてきました。

アメリカと日本のユニコーンは、AI(人工知能)、IoT対応、インターネット・IT関連が多くなっています。

これは、アマゾン、グーグル、アップル、マイクロソフト、フェースブックなどの米国インターネット・IT関連企業が、急速な勢いで、既存事業基盤を一気に破壊・再構築してきたことと大きな関連があります。

AI、IoT、ITなどの技術は、アマゾンやマイクロソフト、グーグルなどのクラウドサービスを使えば、大規模な設備投資を行わなくても、比較的に低い投資額と維持コストで、開発・実用化を進めることが可能です。

また、AI、IoT、ITなどの技術は、技術者の意欲や能力によって開発・実用化が一気に進みますので、大手企業でないと開発・実用化を実現できないという制約はありません。

アマゾン、グーグル、アップル、マイクロソフト、フェースブックなどの米大手ITベンダーは、もともとベンチャー企業としてスタートしています。

上記の米大手ITベンダーは、激しい競争を勝ち抜いた結果、現在の世界市場での勝ち組として、各々の事業基盤を再構築しプラットフォーマーとなることで、巨額の収益を確保・拡大しています。

日本のITベンダーは、米大手ITベンダーのように、世界市場で巨大なプラットフォーマーになっている企業は、現時点ではありません。

しかし、事業規模は小さくても、国内に数多くの実力あるITベンチャー企業が生まれつつあります。

その代表格の1社が、企業価値ランキングで1位となっているプリファード・ネットワークス(PFN)です。

プリファード・ネットワークスは、最近、トヨタ自動車を引受先とした第三者割当増資を実施し、約105億円を調達したと発表しました。

トヨタ自動車はPFNとの共同研究・開発により、自動車分野へのAI技術の応用を行っていくとしています。

これは、自動運転機能付EVなどの開発・実用化を、トヨタがPFNなどのITベンダーとの連携・協業で行っていくことの意思の表れとみています。

トヨタは、PFNを子会社化しないで、イコールパートナーシップの関係を維持・拡大するオープンイノベーションのやり方を積極的に採用する動きになります。

また、PFNはトヨタのような大企業からの出資受け入れは、大手企業の子会社になることではなく、AIやIoT対応の開発・実用化で必要な設備(専用データセンターなど)と開発資金確保が狙いだとしています。

トヨタにとって、自動運転機能付EVの開発・実用化は、専業自動車メーカーではないグーグルやアップルなどの米大手ITベンダーとの、今まで経験したことがない戦いになることによります。

自動運転機能付EVの開発・実用化では、ハードウェアによる差別化・差異化より、AI・IoT対応が大きな差別化・差異化を可能にすることによります。

トヨタは、自前のAI・IoT対応の開発拠点として、米国のシリコンバレーに大型の開発拠点をもっています。

トヨタは、外部のITベンダーなどとのオープンイノベーションのやり方を積極的に行って、グーグルやアップルなどの米大手ITベンダーとの激しい競争に打ち勝とうとしています。

その結果、PFNはトヨタやファナック株式会社、国立がん研究センターなどのなどの国内大手企業や大規模な事業体との、連携・協業を行っています。

これは、国内企業がかって行っていなかった、大規模なオープンイノベーションのやり方を積極的に採用し始めたことを意味しています。

オープンイノベーションは、参加企業が各々異なる分野での強みをもって、企業規模に関係なくイコールパートナーシップで、各企業が「Win/Win」の関係を維持・拡大できないと失敗します。

私は、支援先企業の新規事業立上と海外販路開拓の支援のために、先週ドイツのデュッセルドルフで開催されたMEDICA2017に出席しました。

医療分野でも、AI・IoT対応が積極的に行われており、北欧、東欧、イスラエルなどのITベンダーが、数多くの技術や商品を発表していました。

何度も本ブログ・コラムで書いていますように、IT・AI・IoT対応は既存事業基盤を一気に破壊・再構築していくとともに、新規サービスや商品を低コストで提供することを際限なく行います。

国内製造メーカーは、自前でIT・AI・IoT対応を行うだけでなく、海外のITベンチャーやITベンダーなどとのオープンイノベーションも取り入れながら、商品やサービスの開発・実用化を進めていく知見と実行力が必要になります。

この視点から、今後の日本のITベンチャー、ITベンダー、製造メーカーの動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁



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