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日経記事;『三菱自、スズキに商用EV供給 OEMで来春にも』に関する考察 [アライアンスは何時まで続けるの?]

                                                                                   2011年11月22日 

皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

11月22日付の日経新聞に、『三菱自、スズキに商用EV供給 OEMで来春にも』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

[三菱自動車は電気自動車(EV)をスズキにOEM(相手先ブランドによる生産)供給する方針を固めた。年内に発売する軽自動車をベースとした商用EVの供給を来春にも始める計画だ。

同車種はすでに日産自動車にも2012年度内に供給することで合意しており、販路を拡大して生産コストの低減につなげる。一方、スズキは初めて自社ブランドのEVを持ち、OEMを自社の技術開発にも生かす。

供給するのは三菱自のEV第2弾となる軽商用車「MINICAB―MiEV(ミニキャブ・ミーブ)」。近く両社で最終合意する見通しで詳細を詰めている。三菱自は宅配会社などの物流車両としてのニーズを見込んでおり、11年度の生産は4千台程度の計画だ。

日産に加えスズキにも生産分の一部を供給。今後、OEM供給先の販路も活用して生産を拡大することで高価な車載電池などのコスト低減を目指す。
スズキは自社ブランド車として自社販売網に供給。動向を見ながら販売台数を拡大していくもようだ。

スズキは今年1月に発売した小型車「ソリオ」を三菱自にOEM供給している。三菱自は「デリカD:2」として発売しており、それぞれ当初計画を上回る販売となっている。
同車種のOEMが成功しているのを受け、軽ベース車両のOEMにも協業関係を拡大する。

スズキは今月18日に提携解消を求めている独フォルクスワーゲン(VW)に資本業務提携の契約解除を通告。VWとの協業は打ち切る方向だ。
今回の協業は国内軽市場を対象としており、VWとの提携契約には抵触しないとみられる。』


三菱自とスズキの提携が一歩深まりました。両社とも自動車業界の中では、経営規模が大きくありません。提携して、「Win/Win」関係の強化し、事業拡大することは理にかなっています。

既に、スズキは小型車「ソリオ」を三菱自に供給し、「デリカD:2」の車名で販売しています。その販売数量が当初計画を上回っているとのこと。

この提携実績をベースに三菱自は、EVのOEM供給をスズキに行うことを決めました。スズキにとっては、EVを自社商品群に加えることが出来、今後の事業展開に弾みがつきます。

ガソリン車だけでは、省エネ或いは省石油の流れの中で事業を行うには、消費者へのアピール度が弱くなります。

三菱自は、既にEVを日産にOEM供給しています。これにスズキへの供給分が加わりますので、EVの販路開拓になり、売上増加につながります。
三菱自は、販路が他社に比べると弱いのでOEMの売上増は事業拡大に貢献します。

このように、スズキと三菱自は「Win/Win」の関係が構築できます。

自動車業界は相互依存しあいながら、ハイブリッド車(HV)やEVの新規開発投資を抑えてお互いにリスクを下げるやり方を取っています。

ホンダは、例外で1社単独で事業を行っています。この方が事業をやりやすいのでしょう。

スズキにとって、VWとの関係は今後の事業展開に足かせとなる可能性があります。このため、スズキは短期間にVWとの関係解消を狙い、VWが持つスズキ株の買い戻しを国際仲裁機関に申し立てる方針です。

VW側は、株の買い戻しに応じないと報道されています。日本流に言いますと、「悪女の深情け」とでも言うような、一方的な関係維持を狙っているとみれます。

提携・連携は、双方が「Win/Win」関係を作れないと維持できませんし、行う必要もありません。負担がかかるばかりです。

VWにとっては、何らかのメリットを感じているのでしょう。

スズキにとって、VWとの提携時に、彼らに19.9%の株式を持たせたのは誤算でした。

提携・連携をおこう際の意志の表示方法として、相手側の株を買うことは良く行われています。通常、数パーセント以内に抑えます。

株を買われる側にとっては、多く買われると経営に口出しされるリスクがあり、嫌うためです。この観点からみますと、19.9%の所有比率は異常に高い数字です。

提携・連携の良さは、相手がそのメリットを感じなくなったらすぐに解消できることです。

従って、提携・連携を行う時は、何時でも止められるように「終了条項」を覚書や合意書に入れておくことが大変重要です。

提携・連携は、恋愛と同じです。嫌いになったらさっさと別れることが出来る様にしておくのが基本です。
私が提携・連携を支援する時、何時も上記のことを踏まえて仕組みを作り、運営するようにしています。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁


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日経記事;『エリクソン社長「通信に集中する好機」合弁解消』に関する考察 [アライアンスは何時まで続けるの?]

                2011年11月13日

皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

11月13日付の日経新聞に、『エリクソン社長「通信に集中する好機」合弁解消』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『スウェーデンの通信機器大手、エリクソンのハンス・ヴェストベリ社長兼最高経営責任者(CEO)は12日、日本経済新聞に対し、ソニーと10年続いた合弁解消を決めたのは、携帯電話事業が従来とは「全く違う(性格の)分野になったからだ」と話し、端末の競争状態の激変を理由として挙げた。

ソニーとは今後も良好な関係を保つ考えだが、インフラに強みを持つエリクソンにとっては今が「通信ネットワーク全体に資源を集中する好機ととらえた」とも語った。

ヴェストベリ社長はソニーとの折半出資会社、ソニー・エリクソンについて「今から10年前に日本の家電メーカーとスウェーデンの通信機器メーカーが一緒になったことはとてもユニークだった」として、その歴史的意義を強調。

ソニエリがその間に計19億ユーロ(約2014億円)の配当をもたらしたことなどを念頭に、「財務の観点からも、製品の観点からも成功を得た」と評価した。

だが、スマートフォン(高機能携帯電話)の普及に伴い、端末の競争がコンテンツやデザインなどに及び始めたことで「携帯電話は(単なる)ネットワークの延長にとどまらない局面を迎えた」と指摘。

一方、通信ネットワークの利用が様々な産業分野に広がり始めるなかで、「エリクソンのように世界中でネットワークを構築・運営している会社からすると、スマートフォンだけがネットワークに接続する(重要な)端末でもなくなった」。新たな通信需要の拡大を受け、通信インフラに経営資源を集中する方が得策と判断したようだ。

 一部に「ソニーにとって有利な合意」との見方があることについては「すべての関係者にとっていいディールだったし、時機も正しかった。勝者も敗者もいない」と述べた。

そのうえで、ソニーとの10年間の提携関係を振り返り「『その間にどれだけけんかをしたか』と聞かれるが、けんかになったことなど全く思い出せない」とし、「円満離婚」であることを改めて強調した。

合弁解消に伴いソニー側から支払われる10億5千万ユーロ(約1113億円)の使途については「我々の業界では多くのネットキャッシュ(純現金)を持っていることが重要」と説明。

設備や研究開発への投資が大きいだけでなく、金額の大きい通信機器の納入や契約期間が長期にわたる運営の受託事業では「顧客は安定したバランスシート(貸借対照表)を持つ、安定したパートナーを求める」とし、財務の安定度を高めることに意義があると語った。』


ソニーとエリクソンの両社がマスコミに流している情報から、今回の提携解消は内部対立が主要因ではなく、両社の経営施策の違いが合弁解消につながったとみます。

ある意味、両社は「スマート」に関係を解消しました。

ソニーは、10年前に世界市場での携帯事業を行うためにエリクソンをパートナーとして選び、国内及び海外市場で携帯電話を開発・製造してきました。

国内家電メーカーの中で唯一世界市場で携帯電話事業をエリクソンと共に行ってきました。ソニーはエリクソンとの連携から、当該製品の世界市場での戦い方・事業展開の方法を学びました。

また、エリクソンは、ソニーからハードウエア提供と、記事に書いてあります通り巨額の配当金を受けました。

両社はこの10年間、双方にとってメリットのある、「Win/Win」関係を維持してきました。この「Win/Win」関係に変化が生じたのが、アップルが市場に投入した高級携帯端末(スマホ)の大きな影響です。

スマホの需要は急激に立ち上がり、グーグルが提供する無償OS「アンドロイド型」端末の急速な普及も後押しして、スマホはパソコンと並ぶ情報端末機器に成長しました。

ソニーは、スマホをパソコン事業と一体としてとらえ、合弁企業ではなく自社単独で事業展開し、激しい競争に勝ち残ろうとしています。

スマホの事業環境は、たゆまぬ技術革新と迅速な経営判断を求めています。ソニーが世界市場で勝ち残るにはそれらの最低条件を満たす必要があります。

ソニー単独でスマホ事業を行う決定は当然の帰結です。

エリクソンからみますと、スマホは電話の領域を超えてパソコンと同様に情報処理する端末の大きな一角を占めるものとなり、通信インフラ事業を柱とする事業形態に合わなくなったのです。

このまま、両社が合弁・提携を続けた場合、共倒れになる可能性があります。

ソニーは、テレビ事業の赤字脱却を含めて、事業内容を整理し重点分野に限定する「集中と選択」を早急に行う必要があります。ソニーが最近発表したEMIの分割買収も強みを強化する動きの一つです。

このように連携は、お互いに「Win/Win」関係の維持が難しいと判断したら、早期に止める決断が大変重要です。

ずるずると、無意味な関係を続けることは両社にメリットはありません。

ソニーとエリクソンは、今回、スマートに合弁解消し、お互いの進むべき道に歩み始めました。国内企業にとって、海外企業と連携する動き方の参考事例になります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁


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日経記事;『ホンダ、印合弁株800億円超で売却 単独で事業拡大』に関する考察 [アライアンスは何時まで続けるの?]

                                                                  2010年12月18日

皆様、
こんにちは。
グローバル・ビジネスマッチング・アドザイザー 山本 雅暁です。

12月17日付の日経新聞に、 『ホンダ、印合弁株800億円超で売却 単独で事業拡大』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『ホンダは16日、合弁会社のインド二輪最大手「ヒーローホンダ」の保有全株式を売却すると正式に発表した。保有するヒーローホンダの発行済み株式26%を合弁のパートナーである印財閥系企業のヒーローグループに売却する。売却額は800億円を超えるもよう。今後、ホンダは全額出資の現地法人を通じて新車種の投入を加速。生産能力を高めてインド事業の拡大を目指す。

ホンダ、ヒーローグループは同日、インドのニューデリーで記者会見した。ホンダの池史彦常務は「26年前の設立時には同じだった両社の(経営の)ビジョンが異なってきた」と説明。ヒーローグループの創業家一族でヒーローホンダのパワン・ムンジャル最高経営責任者(CEO)は「海外展開や他社との技術提携を進める」と語った。

ヒーローホンダは1984年にホンダとヒーローグループが26%ずつを出資して設立。インドの二輪車市場で約48%のシェアを握る。2009年度の販売台数は約450万台。ホンダが全世界で販売する二輪車の約3分の1を占める。

ヒーローホンダはインドのムンバイ証券取引所に上場しており、09年度の売上高は08年度比28%増の約1600億ルピー(約2960億円)、最終利益は220億ルピー(約400億円)。ホンダは09年度にアジア地域の関連会社から約900億円の持ち分法利益を得たが、このうち100億円程度がヒーローホンダ分になる計算だ。

株式の売却額や売却時期は明らかにしなかった。ホンダとヒーローグループとの売却契約の条件やヒーローホンダ株の時価から計算すると、売却額は800億~1100億円になる。

今後、ヒーローホンダは社名、ブランド名を変更する。ホンダは株売却後も合弁契約が期限を迎える14年ころまでヒーローホンダに対して技術供与を続け、一定のロイヤルティー収入を得る。

合弁解消により、ホンダのインドでの一時的なシェア低下は避けられないが、現地政府との関係づくりや商習慣を知るうえで重要だった合弁会社の意義は薄れている。むしろ全額出資で運営する現地子会社「HMSI」の経営の自由度が高まり、インドでの売れ筋車種を投入できるようになるなどメリットが大きいと判断したようだ。』


この記事の通りだとしますと、「いかにもホンダらしい」経営戦略と感じました。
今から10年から20年前に、自動車業界では国際市場で世界戦略を展開するために、事業規模を大きくしてスケールメリットを出そうとの考えから、世界的なM&Aブームが起きました。

この時、ホンダとトヨタは自主独立路線を維持し、M&Aブームに入りませんでした。
特にホンダは規模の拡大より自主独立路線でいく方針を明確化しました。

この方針発表に、何人かの経済評論家やエコノミストは、ホンダの経営規模は他の大手企業より小さくスケールメリットを出せないなどの理由から不利になると論評しました。

現在の状況を見ますと、ホンダの経営方針が間違っていなかったことを証明しています。
今の自動車業界では規模の拡大より、柔軟性が保てより有効な戦略を展開できる方法として「アライアンス:連携」が主流です。

アライアンス;連携の良いところは、「Win/Win」の関係が必要無くなれば解消できることです。
ホンダがヒーローと合弁会社を作ったのは、インド市場を開拓するためにとった手段だと考えます。
この合弁会社の二輪車シェアは約48%とのことです。

ホンダはヒーローホンダに技術供与を行ってきました。
ホンダは市場開拓と技術供与のバランスをずっと考えてきたと思います。
技術供与は敵に塩を送ることと同じで、いつかは相手先が技術力を持ち、自社の競争相手になる可能性があります。
経営ノウハウなども移管されていきますので、経営力も高まってきます。

ホンダは合弁を続けるのと、自社単独で行うやり方を比較して、合弁解消のメリットをはじき出したのだと推測します。
私の場合も同様ですが、アライアンス;連携が永遠に続くことはありませんので、来るべき解消に向けて、「メリット・ディメリットを出す物差し」と、解消時の仕組みを事前に明確にしておくことが重要です。

現地での中国市場開拓には、地元企業と折半出資の合弁会社設立が義務付けられています。日本企業は何時、どのような条件下で合弁を解消するか事前にシナリオを作っておくことが大事です。

当然、相手側から合弁解消を要求されるリスクがあります。
自社が合弁を利用して市場開拓を行うための行動計画を作り、その計画に従って行動し合弁が不要になる条件や時期を想定しておきます。この行動計画を立案・実行しておくと、相手先から合弁解消の要求が出されてもあわてずにすみます。
合弁を続ける期間について、契約書の中で「最低○○年行う」ことを規定できます。

よろしくお願いいたします。
グローバル・ビジネスマッチング・アドザイザー 山本 雅暁


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