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日経記事;『ベンチャー技術取り込み 大企業のM&A急増 4年で件数6倍 自前主義、転換の動き』に関する考察 [アライアンスとM&A]

                                       2017年3月24日

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

3月24日付の日経新聞に、『ベンチャー技術取り込み 大企業のM&A急増 4年で件数6倍 自前主義、転換の動き』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は、以下の通りです。

『大企業が技術や人材の取り込みを狙い、ベンチャー企業(VB)に対する買収や出資を急速に増やしている。2016年の出資などを含めたM&A(合併・買収)は12年に比べ、件数で約6倍、金額で約3倍に増えた。異業種を含めた競争激化や製品サイクルの短縮化が進む中、自前主義では限界と判断、VBの力を活用する。

外部の技術などを自社に取り込み、新製品を生み出す手法は「オープンイノベーション」といわれる。VBへの出資・買収を通じたオープンイノベーションは、投資額は増えるが、VBの技術や人材を一段と自由に活用できる。異業種を含めた競争激化や、人工知能(AI)といった新技術が急速に進化する中、短期間で技術の獲得や新分野への進出が可能になる。

M&A助言会社のレコフによると、16年の未上場の国内VBを対象にした出資などを含めたM&Aは347件と、調査を始めた12年(52件)の6.7倍に増えた。調査開始以降、最も多く、買い手の大半は国内外の大企業。金額でも16年は1025億円と12年の3.6倍に増えた。

大塚ホールディングス(HD)は脳内に詰まった血栓を取り除く医療機器開発VBのバイオメディカルソリューションズ(東京・中央)を買収した。「全てを自前で開発するのは難しい」(大塚HD)。衣料品の不振で、事業領域の拡大を図るオンワードホールディングスは化粧品VBのココバイ(東京・渋谷)など2社を買収した。

VB側も大企業の営業網やブランド力を使い、成長を加速できる。15年にミクシィが買収したチケット取引サイトのフンザ(東京・渋谷)は16年12月までの1年間で1カ月の取扱高は36億円から58億円に増加した。

国内ベンチャーキャピタルの15年度の投資額は1302億円と米国の50分の1以下。国内の開業率も5%前後と欧米の半分程度にとどまる。

米国ではVBが投資を回収する「出口戦略」の9割を会社売却、1割を新規株式公開(IPO)が占めるが、日本はこの割合が逆転する。

米国では売却に成功すると、回収資金で新事業を立ち上げたり別の起業家を支援するエンジェル投資を始めたりする。こうした起業の連鎖が新陳代謝を促す土壌になっており、国内でも同様の動きが広がる可能性がある。』

最近、何度か本ブログ・コラムで書いていますように、オープンイノベーションの言葉が、活発に使われています。

一般的にオープンイノベーションを実行するやり方は、企業同士の連携(アライアンス)を行うことになります。

企業間連携(アライアンス)についても、本ブログ・コラムで多く触れてきました。

一般的に国内企業、特に製造事業者は、自社内のリソース(経営資源)を強化して、1社単独の垂直統合方式で、技術・ノウハウの差別化・差異化を実現することに注力してきました。

このやり方は、世の中がデジタル化される前のアナログ技術時代には、通用しました。家電業界で言えば、ソニーやパナソニックなどの国内大手企業がテレビや音響機器で巨額の収益確保を実現していた時代です。

そのアナログ全盛時代を一気にひっくり返したのは、マイクロソフトがWindows95を引っさげて、パソコン全盛期を作ったことで、インターネット・IT普及を短期間に実現・強化しました。

インターネット・ITの急速普及は、それまでのアナログ技術時代には想定できない速度で、社会・個人・ビジネスの既存基盤を破壊・再構築を行っており、最近、さらに加速していると感じています。

最近のインターネット・ITの話題は、IoTと人工知能(AI)になります。この二つの技術は、インターネット・IT環境下で密接なつながりをもって動いています。

この二つの技術が折り重なって実現しつつある巨大市場・事業の一つに、自動運転車関連ビジネスがあります。

各国・各企業がその実現にしのぎを削っています。この自動運転車の開発・実用化は、トヨタ自動車のような世界大手企業でも1社単独で行うことは、不可能です。

これは、自動運転車を実現するには、多くの幅広い技術領域をカバーする必要があることと、並行して巨額な投資金額が必要になることによります。

トヨタの場合、AIを含むインターネット・ITの研究開発拠点をを米シリコンバレーに作るとともに、多くのITベンダーなどとの連携(アライアンス)を組みつつあります。オープンイノベーションを積極的に行っています。

米大手ITベンダーであるアップルは、ITベンダーの中では珍しく、コア技術・ノウハウに関することは、垂直統合方式を取り秘密主義を貫いてきました。

しかし、今後の企業競争力を左右するAIは、このやり方では、他社との競争に負けることが明確になった結果、アップルもオープンイノベーション、連携(アライアンス)を取り入れるようになっています。

本日の記事にありますM&Aは、私の持論では広義の連携(アライアンス)になります。

狭義の連携(アライアンス)は、企業同士がお互いの強みを持ち寄って、「Win/Win」の関係を構築して、第三者に打ち勝つための、徹底的な差別化・差異化を実現することです。

狭義の連携(アライアンス)は、「Win/Win」の関係が維持できなくなれば、解消することになります。言わば恋人同士の別れです。

一方、広義の連携(アライアンス)であるM&Aは、一歩進んで両者が結婚して、同じ屋根の下で生活するやり方になります。

M&Aは、他社を買収しますので、上記の狭義の連携(アライアンス)の前提となる、「Win/Win」の関係構築の必要性はありません。

M&Aの一番難しい状況は、買収後の組織の融和・一体化にあります。これに失敗すると、個人生活で言う離婚を行うことになってしまいます。

一般的にM&Aのプロセスは、複雑多岐ですが、この行為自体はこのM&A行為を専門的に支援する企業が数多く存在しますので、それらを活用すれば多くの場合、解決可能です。

しかし、M&A後の組織融和・一体化、事業展開は、買収した企業の責任で行うことになります。

私の経験では、狭義の連携(アライアンス)を行ったことがない企業が、いきなりM&Aを行って他企業と同居することを行っても例外なく失敗しています。

M&Aは、短期間に自社がもっていない技術・ノウハウを獲得できる極めて効果的な手段です。

この効果的な手段を活用して新たな体制を作るには、買収した側の企業の力量が問われることを自覚することが、極めて重要であり、例外なく必要になります。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 


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日経記事;『パナソニック、車部品を買収 欧州のライト大手,1000億円規模で 業種越え市場争奪』に関する考察 [アライアンスとM&A]

                                         2016年12月5日

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

12月5日付の日経新聞に、『パナソニック、車部品を買収 欧州のライト大手,1000億円規模で 業種越え市場争奪』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『パナソニックは欧州の自動車用ライト大手、ZKWグループ(オーストリア)を買収し、同事業に参入する方針を固めた。両社は最終交渉に入っており、買収額は最大1000億円規模になる見通し。

IT(情報技術)、電機大手は自動運転や電気自動車(EV)の普及で生まれる商機の獲得へ、積極的な買収に動いている。業界や国境の垣根を越えた自動車部品の再編が広がってきた。

パナソニックとZKWは買収契約の詳細を詰めており、12月中にも基本合意する可能性がある。ZKWは省エネルギーで遠くまで明るく照らせる自動車の発光ダイオード(LED)ヘッドライトが主力製品だ

。欧米、中国やインドに生産・研究拠点がある。1938年の設立で、米ゼネラル・モーターズ(GM)など欧米大手に納入している。2016年の売上高見通しは約9億ユーロ(約1100億円)で従業員数は世界で約7500人。

世界市場では首位の小糸製作所と仏ヴァレオグループ合計で5割近いシェアがあり、ZKWは5%程度とみられる。自動運転時代にライトは安全性を左右する重要な部品になる。進行方向を予期して照らす方向を変えたり、明るさを調整したりする技術開発が進む。

パナソニックはセンサーなどで豊富なノウハウを持つ。視認性向上につながる新たなライトを開発し、2強を追い上げる。

パナソニックの自動車関連事業はカーナビゲーションと車載蓄電池が主力だった。米EV大手のテスラモーターズとは車載蓄電池で総額5000億円規模を投じる量産計画を進めている。

19年3月期に自動車関連で連結売上高2兆円(16年3月期比5割増)という目標を達成するため、幅広い分野で有力部品メーカーの買収を狙っている。昨年にはスペインの車部品大手フィコサ・インターナショナルに49%出資し、電子ミラーの共同開発を始めた。

自動車産業では異業種も交えた部品の再編が進んでいる。軸になるのがIT、電機大手だ。韓国サムスン電子は11月、車載端末に強い米ハーマンインターナショナルを80億ドルで買収すると決めた。

独シーメンスはヴァレオとEV向け駆動系部品の合弁会社を設立、米グーグルは自動運転にもつながるロボット関連企業を買収してきた。ソフトやセンサーといった技術を生かせるとみている。』


本日の記事は、パナソニックが進めている自動車関連事業の強化策の一つとして、欧州の自動車用ライト大手、ZKWグループ(オーストリア)を買収しようとしていることについて書いています。

パナソニックのM&Aが記事になることは、両社が本案件について基本的に合意していることを意味しています。

パナソニックは、経営危機に直面した際、集中的な合理化を進めて、競争力を失ったAV家電から撤退して、新規成長分野を自動車、家関連、環境・エネルギーなどの産業用途とすることとしました。

一般的に産業用途は、AVあるいはデジタル家電に比べて、商品・製品の入れ替わりサイクルが早くなく、国内電気電子メーカーの強みを発揮できる事業分野になります。

パナソニックが現時点で重点的に進めている自動車関連分野は、カーナビゲーションシステム、テスラモーターズと共同で行っている電池、空調機器《エアコン》、電子ミラーであり、それに今回のM&Aでライトが加わります。

パナソニックが自動車関連事業の強化を加速化させているのは、本日の記事にありますように、2019年度の当該事業の売上を連結ベースで2兆円にする計画をもっていることによります。

2兆円の売上は、パナソニックの連結売上の20~25%になることを意味します。パナソニックが新規事業分野として位置付けている自動車関連事業が、主力になります。

独フォルクスワーゲンやベンツ、BMW などの大手自動車メーカーは、ディーゼルエンジン車の排ガス不正問題で、一気に電気自動車(EV)の開発・実用化を加速させています。

また、最近、トヨタ自動車は2020年ころを目標に、EVの市場導入を実現するために、大型投資の実行を発表しました。

さらに、米グーグルがEVをベースとした自動運転車の開発・実用化を加速させています。日本政府は、東京オリンピックが開催される2020年に自動運転車を実用化させる目標を打ち出しています。

この自動運転車は、燃料電池車になる可能性が高いですが、最近の各社によるEVの開発・実用化の動きからEVも対象になるとみています。

トヨタは、燃料電池車の開発・実用化に加えて、EVの開発・実用化を行うことから巨額投資になる課題をもっていますが、世界市場の動きから自動運転機能付EVは、実行することになります。

自動運転機能付EVは、言わば動くインターネット出口端末機器になります。米グーグルが巨額投資をして開発・実用化を行うのは、この巨大市場となる分野で広告宣伝事業収入を獲得することにあります。

パナソニックは、自動運転機能付EVの提供企業ではなく、当該自動車を支える部品メーカーとして、勝ち組になる狙いがあります。

EVの最大の課題は、一回の充電で走行できる距離の増加にあります。今のEVが普及していないのは、一回の充電で走れる距離が実用的でないことによります。

ガソリン車は、満タンにすると大体500Km走れます。フォルクスワーゲンが今開発・実用化を進めているEVの走行距離は、300Kmとのことです。

EVの走行距離を長くするには、電池能力の向上と、車載用空調機器《エアコン》、ライトなどの消費電力を省力化する必要があります。

この点からみますと、パナソニックは主力部品となる電池技術の開発・実用化をテスラモーターズとの協業で加速させています。

車載用エアコンは、中国企業との協業で開発・製造を行っています。

自動運転車の視点からは、カーナビゲーションシステム、電子ミラー、今回買収するライトが重要部品の一つになります。

今後、パナソニックが他の重要部品、たとえば、モーター、インバーターなどの事業分野もM&Aで獲得するのかに注目しています。

既存の自動車部品メーカーも、パナソニックと同じように、自動運転機能付EVの開発・実用化を見越して、新規事業となる関連部品ビジネスを当然のことく強化してきます。

パナソニックが世界市場で、自動運転機能付EVを中心とした部品事業で勝ち組になれるかどうか、今後の動き方に注目していきます。

パナソニックの新規事業立上のやり方は、新規事業立上のために、M&Aや協業(アライアンス)を展開していきますので、ベンチャーや中小企業にも参考になることによります。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 


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日経記事;『日産、車向け電池撤退 中国勢と売却交渉 エコカー用、世界で再編』に関する考察 [アライアンスとM&A]

                                           2016年8月6日

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本です。

8月6日付の日経新聞に、『日産、車向け電池撤退 中国勢と売却交渉 エコカー用、世界で再編』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『日産自動車は電気自動車(EV)などの車載用電池事業から撤退する。NECとの共同出資子会社を売却する方針を固め、国内電池メーカーのほか、複数の中国メーカーと交渉に入った。自前で生産するより、電池メーカーから調達したほうが車両価格の引き下げにつながると判断した。EVなど電動化車両の本格普及をにらみ車載用電池(総合2面きょうのことば)の需要は高まっており、電池業界の再編が加速しそうだ。

売却するのはオートモーティブエナジーサプライ(AESC、神奈川県座間市)で、日産がNECと共同で2007年に設立した。日産が51%、NECグループが49%を出資し、日産のEV「リーフ」やハイブリッド車(HV)向けのリチウムイオン電池を生産している。車載用リチウムイオン電池のシェアはパナソニックに次ぐ世界2位で、2016年3月期の売上高は366億円。

日産は保有するAESCの株式に加え、米国と英国で独自に手掛ける電池の生産事業も売却する方針だ。国内電池メーカ以外にも、複数の中国メーカーが関心を示しているとみられる。日産は売却額や雇用面などの条件を詰め、年内にも売却先を決める。

日産の動きを受け、NECも保有するAESCの株式売却を検討する。

日産がEV開発に着手した当時は車載用電池のメーカーが限られ、同社が自前で電池を開発・生産する必要があった。2010年に発売した「リーフ」は16年6月末までに世界で累計約23万台を販売したが、今後の本格普及には電池のコスト低減が欠かせない。日産のみの需要では量産効果に限界があるため、専門性の高い外部のメーカーに生産を委ねるべきだと判断した。

独BMWやEV専業の米テスラモーターズなどは車載用電池を外部メーカーから調達している。日産は電池生産から撤退し、電池事業への開発費や従業員を車両の電動化や自動運転などの次世代技術の開発にあてる。

各国で進む環境規制の厳格化に対応するため、自動車メーカーはEVやプラグインハイブリッド車(PHV)の品ぞろえを増やしている。日産との資本関係が無くなればAESCは他の自動車メーカーとも取引しやすくなり、生産効率や価格競争力が高まるとみている。』


本日の記事は、日産自動車が自社EV用の車載電池を開発・実用化・提供しているオートモーティブエナジーサプライを、他社に売却することについて書いています。

日産は、今後オートモーティブエナジーサプライを含めた電池メーカーから購入することになります。

先日、ソニーが同じようにリチウムイオン電池を田村製作所に売却することを発表しました。いずれのケースも、電池事業から収益確保ができないことによります。

電池事業は、装置産業ですので、大きな市場シャアを確保して、大量生産による高効率化を実現しないと、価格競争に打ち勝ちながら収益確保できない状況になります。

この視点からみますと、ソニーと日産の経営判断は、両社の経営環境下では合理的なものになります。

何度か本ブログ・コラムで書いていますように、米国では、カリフォルニア州やニューヨーク州などでZEV規制が2018年から完全適用されますので、EVか燃料電池車などの二酸化炭素や窒素などをまったく排出しない自動車が主流になります。

燃料電池車の普及は、まだ時間を要しますので、当面の間、EVが主流になります。

また、中国では、二酸化炭素などの有害物質の排出量を抑えるため、EVやハイブリッド車(HV)が今後、主流になります。

EVやPHVでは、電池性能が競争力を左右します。EVが一回の充電でガソリンエンジン車並みの500kmくらい走行できるようになると、EVに対する需要は一気に拡大することになります。

このような次世代電池の開発・実用化には、多額の資金を投入する必要がありますので、現行の電池事業が収益を確保していることが重要であり、必要です。

パナソニックは、テスラモーターズやトヨタ自動車などに車載用電池を供給しており、現在、当該用途の市場では、34%のシェアを確保しています。

日産のオートモーティブエナジーサプライは、第2位となる12%のシェアをもっています。2~3年前には、パナソニックは50%位のシェアをもっていましたが、韓国と中国のメーカーが台頭した結果、シェアを下げています。

オートモーティブエナジーサプライが国内メーカー以外の会社に売却されると、パナソニックやGSユアサなどの国内メーカーに大きな影響を与える可能性があります。

車載用電池は、今後の国内自動車の競争力に影響を与える可能性がありますので、オートモーティブエナジーサプライが国内メーカーに売却されることを期待します。

トヨタやホンダが米国のZEV規制の完全適用に対する対応策をどのように行うか、注目しています。

トヨタやホンダがEVを市場に投入しますと、車載用電池の需要が一気に高まります。電池市場の拡大が見込めることは、確実です。

しかし、オートモーティブエナジーサプライの買収先がどこになるかで、パナソニック、GSユアサ、田村製作所などの国内電池メーカーに大きな影響を与えます。

電池は、自動車だけでなく、発電所、工場、オフィス、病院、家庭などの分野でも、今後数多く採用されていきますので、いわば社会インフラの一つになります。

国内メーカーが上記するさまざまな用途で使用される電池について、競争力の維持強化していくことを期待します。

この視点から、オートモーティブエナジーサプライの売却先と、今後の影響について注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁


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日経記事;『トヨタ・マツダ包括提携 燃料電池車・低燃費技術で 部品共同調達も』に関する考察 [アライアンスとM&A]

                                      2015年5月9日

皆様、

こんにちは。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

5月9日付の日経新聞に、『トヨタ・マツダ包括提携 燃料電池車・低燃費技術で 部品共同調達も』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『トヨタ自動車とマツダは環境技術で包括提携することで最終調整に入った。トヨタは燃料電池車(FCV)などの技術を供与し、マツダはガソリンやディーゼルエンジンで独自の高出力・低燃費技術を提供する方向だ。

環境技術に加え、商用車の共同開発や部品調達での協力も検討する。自動車業界では環境規制が厳しさを増し、新興国における競争も激しい。環境技術を軸に世界の自動車大手が勝ち残りに向けた合従連衡を加速する。

近く大筋合意する方向で協議を進めている。マツダは2010年、トヨタからハイブリッド車(HV)技術の提供を受けることを決め、12年にはメキシコ工場から小型車を供給することで合意した。こうした協力が一定の成果を上げていることから、トヨタとの関係を深める方針を固めた。

具体的にはトヨタがHVに加え、家庭の電源で充電できるプラグインハイブリッド車(PHV)やFCVの技術を提供する方向だ。環境規制が厳しい米カリフォルニア州は18年、自動車メーカーに電気自動車(EV)やFCVの販売数量を増やすことを求める計画だ。

中国など新興国も規制を強化する方向。EV関連技術で後れを取るマツダはトヨタとの連携強化で厳しくなる環境規制への対応にメドをつける。

一方、マツダはトヨタに、独自の環境技術で評価を得ている「スカイアクティブ」などを供与することを検討する。

トヨタは他社に先行したHVやFCVに加えてスカイアクティブも取り込んで、低燃費のガソリン・ディーゼル車の品ぞろえを増やす。トヨタグループからの商用車の調達や、部品の共同調達など、コスト削減などで効果がある分野の提携も検討する。

マツダは1979年に米自動車大手のフォード・モーターと提携し、一時はフォードがマツダへの出資比率を33.4%まで引き上げた。その後、フォードは自社の経営悪化を受けて出資比率を2.1%まで下げており、業務面での結びつきも薄れていた。

マツダはトヨタとの連携を通じて巨額の開発負担がのしかかるFCVなど次世代環境車の技術を吸収する一方、得意の中小型車やスポーツ車に経営資源を集中し、世界的な競争激化を乗り切りたい考えだ。

世界の自動車業界では98年に独ダイムラーが米クライスラー(当時)を事実上買収し、提携先の経営権を握る形での再編が相次いだ。日本でも日産自動車と仏ルノーが提携し、三菱自動車がダイムラークライスラー傘下に入った。ただ、こうした提携の多くは企業文化の違いなどが壁となり、成功事例は日産・ルノー連合など数少ない。

その後に増えてきたのは、環境など分野ごとの「部分連携」で、ここ数年でもトヨタが独BMW、ホンダが米ゼネラル・モーターズ(GM)とFCVなどの環境技術でそれぞれ提携した。

規模に劣るマツダは「当社が持ち得ない技術など足りない部分は幅広いアライアンスで補う」(小飼雅道社長)としており、世界的に環境技術で先行するトヨタと組むことで生き残りを目指す。


国内自動車メーカーの連携・協業については、たびたび本ブログ・コラムで取り上げています。これは、国内自動車メーカーの合従連衡が基本的には巧みに行われていますので、中小企業が他社との連携・協業を行うときに大変良い参考事例になることによります。

かって、欧米の主要自動車メーカーは、世界戦略と称して、米国と欧州の両大国をまたぐ巨大企業を作るため、M&A(企業買収)を活発に行いました。

それらの動きの一例として本日の記事にありますように、独ダイムラー・ベンツが1998年にクライスラーを買収して、ダイムラークライスラー・AGが誕生しました。

このダイムラーベンツによる買収は失敗しました。イラク戦争後の深刻な原油高の影響で当時クライスラーが得意とした中・大型車の販売が極端に落ち込みました。

また、ドイツ人がアメリカの会社を支配してマネージメントする際に、新会社内でさまざまな問題が発生したようです。

社内でコミュニケーションが上手く取れず、アメリカ市場での業績回復を実現できませんでした。
M&A後の、大きな課題である「組織融合」が上手く行かなかった印象をもっています。

結局、ダイムラーベンツは、2007年に新会社の株式の80.1%を55億ユーロ(約9000億円)でアメリカの投資会社サーベラス・キャピタル・マネジメントに売却しました。

その後、クライスラーは2009年に倒産し、伊フィアットがクライスラーを買収しました。

M&Aは、新規事業の立上、既存事業の強化などを短期間に行う上で、大変有効なやり方です。私も、中小製造事業者やITベンダーが事業拡大などを行うときに、必要に応じてM&Aの実行支援をときどき行っています。

しかし、私はいつでも支援先企業の要請に応じてM&Aサポートを行いません。M&Aは、実行する上で幾つかの課題があることと、最も重要であり難しいのが買収後の「組織融合」であることを経験を通じて知っていることによります。

私もM&Aの当事者として、買収過程のさまざまな交渉、契約締結、デューデリジェンス(買収前の詳細な査定・調査)、組織融合などを経験しています。

M&Aを上手く行い、果実を獲得するには、買収する企業側に、知力、胆力、組織力などの総合的な実力がないと絶対に上手くいきません。

そこで、M&A実施の支援要請があると、まず、依頼先企業の事業環境、経営者の資質、組織体制、経営幹部や中間管理職などをみます。

買収後の組織融合ができるかどうか判断して、支援要請を受けるかどうか決めます。

組織融合する実力をもっていないと判断すると、断ります。代わりに、他社との連携・協業を代替策として提案します。

私の経験によりますと、他社との連携・協業を上手く行えない企業は、M&Aを実施しても、組織融合に失敗する場合が多いことによります。

この連携・協業を上手く行う上で大いに参考になるのが、国内自動車メーカーの合従連衡です。
国内自動車メーカーだけでなく、欧米の主要企業は、合従連衡、つまり連携・協業を積極的に行っています。

上記しましたように、欧米をまたぐ大きなM&Aの多くが失敗したことによります。その点、連携・協業は、M&Aよりはるかに難易度が低いため、失敗しても損失リスクが低くなります。

M&Aは結婚、連携・協業は恋人同士の付き合いか同棲に例えています。

連携・協業を行うのは、相手先とお互いに「Win/Win」の関係が構築できるときに限ります。「あなたもハッピー、私もハッピー」であり、お互いにメリットがあるときに成立します。

逆に言いますと、どちらかもしくは双方がメリットを感じなければ、連携・協業は直ちに会場します。この使いやすさと柔軟さが、連携・協業の大きな特徴であり、価値です。

もっと言いますと、M&Aを行わなくても、多くの場合、同等もしくはそれ以上の果実(成果)を連携・協業を巧みに行うことで担保できます。

最近の私の支援実績は、連携・協業の方がM&Aより多くなっています。

本日の記事にあります例では、マツダは次世代環境対応車の柱の一つとなる、ハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)、燃料電池車(FCV)の開発・実用化ノウハウや関連装置を入手できます。

一方、トヨタは、マツダが得意とする低燃費のガソリン・ディーゼル車関連ノウハウと装置を入手できます。

世界の潮流は、間違いなくCO2排出量の大幅削減に向かっていきますので、非ガソリン・ディーゼル車は需要減少になります。

マツダは次世代環境対応車を自力で開発・実用化する力をもっていません。

また、短期的には欧州やアジア市場で、まだまだガソリン・ディーゼル車の需要は高いものがあります。HV、EVやFCVの価格が高いことや、導入インフラ整備が進んでいないことによります。

トヨタは自社開発・実用化せずに、マツダから優秀なガソリン・ディーゼル車ノウハウを受けることができますので、短期的な需要にマッチした自動車販売ができます。

このように、今回の連携・協業は、トヨタとマツダの双方に大きなメリットがあります。連携・協業に企業間の規模の大小は問題になりません。

要は、お互いに提供しあう技術、装置、商品、ノウハウなどにどれだけの付加価値があるかによります。

トヨタとマツダの関係が、中小企業が連携・協業を考えるときの良い参考事例の一つになると考えていますので、今後とも両社の動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 


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日経記事;『キヤノン、監視カメラ世界首位買収 3300億円で 欧州から成長市場攻略』に関する考察 [アライアンスとM&A]

              2015年2月11日

皆様、
こんにちは。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

2月11日付の日経新聞に、『キヤノン、監視カメラ世界首位買収 3300億円で 欧州から成長市場攻略』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『キヤノンは10日、街角や工場の監視などに使うネットワークカメラの世界最大手、スウェーデンのアクシスコミュニケーションズを約3300億円で買収すると発表した。

同カメラはスーパーの売れ筋分析や高齢者の見守りなどにも用途が広がり、市場規模は今後4年で現状の2倍の約3兆円になる。キヤノンは主力のカメラ事業などが苦戦するなか、豊富な手元資金を使って成長市場で一気に首位に立つ。

ネットワークカメラは遠隔地から街頭や工場内などを監視する。映像から客の流れを解析して売り方の改善につなげたり高齢者の見守りに使ったりもする。世界市場は現在約4600億円。周辺機器も加えると約1兆6千億円、18年には3兆円近くになるという。

アクシスは1984年設立でネットワークカメラを世界で初めて実用化した。179カ国・地域に進出している。14年12月期の売上高は55億クローナ(約770億円)、純利益は5億クローナだった。

3月初旬からTOB(株式公開買い付け)を始める。キヤノンのM&A(合併・買収)で最大となる。スウェーデン当局の承認を得た後に、1株当たり340クローナ(約4800円)で買い付けて完全子会社化を目指す。アクシスの取締役会と上位株主はTOBに賛同している。買収後も同社のブランドは残す。

アクシスは街頭の映像から不審者を自動検出するシステムなどに強い。キヤノンは線香1本程度のわずかな光でも人間や車の動きを撮影できる技術も持つ。アクシスと高度なシステムを開発し世界で需要を掘り起こす。

アクシスは自社のカメラ工場を持たずに外部に委託しており、キヤノンは自社のカメラをアクシスに供給して、販売増につなげていく。

キヤノンのネットワークカメラの売上高は年20億円程度とみられ、アクシス買収で800億円に伸びる。16年12月期には売上高1千億円、純利益で約100億円を稼ぐ計画だ。医療機器とともに新規事業の柱にする。

キヤノンは08年の金融危機以降、財務を重視してきた。主力の事務機とデジタルカメラは市場が成熟し成長が見込めなくなった。8400億円の手元資金をいかして成長投資にかじを切る。

同社は日米欧に本社機能を置いて主要事業を分担する「世界3極体制」の確立を急いでいる。意思決定を速めるためだ。

米国は医療機器の戦略を立てて開発・生産も担当し世界に供給する。日本はデジタルカメラや事務機を担う。欧州では10年に1千億円で買収したオランダの商業印刷機大手のオセやアクシスが事業の司令塔になる。

キヤノンの御手洗冨士夫会長兼社長最高経営責任者(CEO)は10日、「今回の買収は世界3極体制を大きく前進させる」と述べた。』


キャノンは、大手カメラメーカーであり、印刷機器を含む事務機器関連メーカーでもあります。キャノンが直面している課題は、以下の通りです。

・デジタルカメラ市場は確実に縮小していますので、この市場で一番のシェアをとっても事業の縮小になります。しかもこの縮小市場に富士フイルム、ソニー、ニコン、オリンパスなどの強力な競合他社がいて、激しい競争をしています。

・事務機器事業の中でもっとも大きな事業は、印刷機です。この印刷機市場も、IT化・デジタル化の進展で、印刷需要が急減しているため、ハードウエア事業も縮小していきます。

キャノンが直面する課題は、テレビ事業などの汎用化・低価格化が進む、AV家電メーカーと似ています。

キャノンも、自社の強みを最大化できて、かつ成長が見込めると共に汎用化・低価格化が進まない事業を立ち上げることが必要になっています。

キャノンと類似した事業構造をもつ富士フイルムの場合、主力事業のカメラや事務機器事業以外に、多様化を進めており、キャノンより先行している印象をもっています。

富士フイルムは、ヘルスケア、高機能材料事業を新規成長事業として加速化させて、積極的に必要な技術や商圏などをM&Aで得る動きをしています。

ヘルスケアは、医療や化粧品事業を言います。医療事業では、例えば、傘下の富山化学工業が開発し、2014年3月に国内承認されたインフルエンザ治療薬「アビガン(一般名・ファビピラビル)」がエボラ出血熱の治療薬として有効ではないかと期待されていることが話題になりました。

富士フイルムの医薬品事業は2008年に富山化学を買収して本格参入しました。その後、2014年10月28日に、米ワクチン受託製造会社ケイロン・バイオセラピューティクス(テキサス州)の買収を発表しました。

高機能材料事業では、液晶パネル用フィルムで富士フイルムは高いシェアをもっています。

このように、富士フイルムは競合企業のキャノンに先行して、多角化を進めています。

キャノンの財務体質は、非常に強固です。しかし、今までキャノンの新規事業立上は、それほど活発に行われてきませんでした。

その視点からみますと、本日の記事は、キャノンが監視カメラ事業を本格的に開拓して、世界市場で勝ち組になるための動きを本格化したことを意味しています。

最近、国内の中小企業は、強固な財務体質を背景に、短期間で新規成長事業を取り込むためのM&A(他社を買収する)を活発化させています。内部留保していた資金を開発や他社を買収するために活用することは極めて重要なことです。

企業は、現在の主力事業が市場縮小の環境にある場合、自社の強みを最大化しながら事業の多角化を進めることは、世界市場で勝ち組になるために必要不可欠なことです。同時に、このやり方をとることで、国内企業は、汎用化・低価格が進む事業環境から離れたところでビジネスを行えます。

監視カメラ市場は、本日の記事にありますように、確実に世界市場で拡大します。キャノンは、高性能カメラを開発・実用化するのに優れています。

今回買収されるアクシスコミュニケーションズは、スエーデンに拠点を置く企業でこの国柄を反映してITコンピューターネットワーク技術を利用した、セキュリティ市場向けにネットワークカメラを開発・実用化しました。

アクシスコミュニケーションズは、2014年度のネットワークカメラ市場で世界ナンバーワンとなる21%をもっています。キャノンの買収により、キャノンの当該事業での世界シェアは、一気に高まります。

キャノンが今回の買収による組織融合を成功させれば、国内外で監視カメラのトップメーカーになれます。

アクシスコミュニケーションズは、アップルやアマゾンなどの米大手ITベンダーと同じように、自社に工場をもたないファブレス企業です。今後、キャノンが特異な生産技術を駆使して、監視カメラを生産していくことも、お互いにメリットが見出せます。

今回のキャノンの買収は、両社の強みを最大化して、「Win/Win」の関係構築ができれば、大きな新規事業機会を生みます。

最近、日立製作所、東芝などの国内企業が、海外企業を積極的に買収して、世界市場で勝ち組になるための施策を積極的に行っています。

これらの大手企業の動きは、中小企業にとって、短期間に必要な技術や事業などを獲得するための有効な手段となるM&Aの有効性を確認できる良い機会になります。

もちろん、M&Aの成果をきちんと出すには、買収後の組織融合を効果的に行う必要があります。中小企業は、これらの大手企業がどのようにして組織融合を図って事業拡大していくのか、見極めて自社の経営に活用する姿勢が重要になります。

この点から、今後のキャノンの動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 


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日経記事;『大手へ売却 戦略的に 中小、「選択と集中」狙う 海外事業、引き合い強く』に関する考察 [アライアンスとM&A]

                                             2014年8月25日

皆様、
こんにちは。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

8月25日付の日経新聞に、『大手へ売却 戦略的に 中小、「選択と集中」狙う 海外事業、引き合い強く』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『中小企業による大手への事業売却に新たな動きが出ている。後継者難をきっかけにした例にとどまらず、最近では事業の集中と選択などのために戦略的に売却に踏み切るケースも目立つ。

グローバル展開を急ぐ大手にとって、M&A(合併・買収)の対象として海外事業などに強みを持つ中小の存在感が高まっている。

梅田工業は子会社譲渡によりプレスから板金にシフトする。

インドネシアの首都ジャカルタ近郊で、11月にも金属部品の中小メーカー、梅田工業(埼玉県行田市、梅田英鑑社長)の新工場が稼働する。産業機械や医療機器などの現地日系工場向けに板金加工部品を生産する計画だ。

実は梅田工業にとって、インドネシアでの工場操業は2度目だ。1995年に稼働した工場は昨年夏、工場運営子会社ごと、東証1部上場のリズム時計工業に譲渡した。売却で得た数十億円の資金を新工場建設にあてた。

売却した工場は現地に進出した日系自動車メーカーなどが主な顧客で、量産プレス部品を製造していた。納入先からも表彰を受ける優良工場に育ち、直近では日本の梅田工業本体の2倍強となる年間約20億円の売り上げを稼いでいた。だがプレス部品はコスト競争も厳しく、量産メリットを生かすには追加投資を続けなければならない。

「体力以上の投資を続けるのはリスクが大きすぎる」。長男に会社を継がせることを考えていた梅田工業の梅田燿敬会長は、工場売却を選んだ。

売却を機に、溶接や曲げなど熟練技術が生かせる板金加工事業へのシフトを強める。インドネシアの新工場では少量多品種型の板金部品事業を手掛け、新たな顧客開拓に挑む。「日本並みの技術ノウハウをインドネシアに根付かせる」考えだ。

「20人の従業員を安心させたかった」。国際海上貨物輸送のニュースターライン(名古屋市)は今春、東証2部上場の総合物流会社、カンダホールディングスの傘下に入った。ニュースターラインの鈴木敏郎会長は70歳。親族や社内幹部に会社を引き継ぐ希望者はいなかった。

業績は好調で「廃業は全く考えなかった」。買い手はあると思い鈴木会長はM&A仲介会社に会社の売却を相談し、条件として全従業員を引き継ぐことを提示した。昨年末にカンダの勝又一俊社長と面会、今年3月に全株式を譲渡する契約を結んだ。「上場企業のグループとして会社を残せた意義は大きい」と鈴木会長は語る。

ニュースターラインは中部圏の製品を中心に工作機械やタイル、陶器・織物などを中国・東南アジアや中南米などに船便で輸出するフォワーダー(混載物流事業者)だ。幅広い小口貨物に対応し、確保した船便のコンテナに効率的に混載するノウハウに定評があった。

国内の医薬品物流などを得意としてきたカンダは、成長分野として国際物流事業の強化を狙っており、ニュースターラインが目に留まった。「当社が手薄だった海上輸送に強い中小を探していた」とカンダの勝又社長は話す。後継問題がきっかけだったが、ニュースターも大手の傘下入りで成長の可能性が広がった。

単独より販路拡大ができるとみて、企業売却に踏み切る例もある。建築物の空調などの設備設計や省エネコンサルを手がける蒼設備設計(東京・品川)は、東証2部上場のマイスターエンジニアリングの傘下に入った。

東日本大震災以降、企業の節電意識が高まり、省エネコンサルなど蒼設備設計が持つノウハウはマイスターが手がけるビル・商業施設の管理業務と相乗効果があると評価された。営業連携などを今後進め、事業規模を拡大する考えだ。』


本日の記事は、競争力をもつ中小企業が『集中と選択』をM&Aによって行って、得意分野に経営資源を集中する、相手先との相互補完で事業領域を拡大する、より大きな会社のグループ企業として資金繰りや設備投資を容易にする、事業承継を円滑に行うなどのメリットを得られることについて書いています。

M&Aは、最近、中小企業でも積極的に活用されるようになっています。しかし、中堅・大手企業と比べると、中小企業がM&Aを使う活用数や率は高くありません。

中堅・大手企業では、新規事業立上や海外市場・販路開拓を行うに際して、競合他社との競争に打ち勝つために、短期間での効果が期待できる方法として、M&Aが多用されるようになっています。

また、中堅・大手は、一般的に自社内にM&Aを実行するための人材も確保できていることも当該手法を積極的に活用する要因の一つになります。

これに比べると、中小企業は、中堅・大手に比べると、M&Aを自社内で実行できる人材をもっていません。

本日の記事に出ています中小企業は、M&Aを活用できた少数派ととらえています。もちろん、今後も中小企業がM&Aを活用するケースが増加していくことは確実です。

しかし、中小企業がM&Aを使うケースが単純に増加するとはみていません。理由は、上記人材不足に加えて、経営者のM&Aに対する意識が低い場合が多いこともあります。

私は、今まで何社かの中小企業のM&Aを支援しました。私が支援した中小企業の経営者は、集中と選択だけでなく、新規事業立上や海外市場・販路開拓を短期間に行う手法の一つとして、M&Aを活用しました。

どの経営者も事業拡大や収益基盤の強化に熱心で、海外企業との競争に打ち勝つには、最新の技術やノウハウを獲得するために他社を買収する、自社内の事業売却により投資資金を確保して新規事業に対する投資資金を確保する、海外に強力な販売ネットワークをもつ企業に売却してグループ企業として残り販路開拓を行うなどの目的で行いました。

上記中小企業は、本日の記事に出ています会社と似ています。

一方、多くの中小企業は、M&Aを使う状況にありませんし、その意識も低いものがあります。しかしながら、中小企業を取り巻く事業環境は、急速に変化しています。

国内市場は、生産年齢人口の減少で縮小しています。さらに、アジアを中心とする海外企業が国内市場に参入しています。

多くの中小企業は、国内市場の縮小と競合の激化から海外市場・販路開拓を積極的に行う必要があります。

また、インターネットやITの急速普及は、BtoCやBtoBタイプのビジネス共通に、市場や顧客のニーズに対する変化を加速させています。併せて、競合他社もより迅速にイノベーションを実行するようになっています。

海外市場・販路開拓を行うには、市場や顧客の変化や海外勢との競争に迅速に対応する必要があります。

このような時に、M&Aは自社の経営体制の強化や整備に有効な手法の一つです。短期間に実行できることによります。

私が支援する、あるいは相談を受けた中小企業には、M&Aを使う前に、他社との事業連携・協業を行うことを勧めています。

他社との事業連携・協業を行うには、「Win/Win」の関係が成り立つ必要があります。新規事業立上や海外市場・販路開拓を行うに際し、海外を含む適切な企業とお互いのメリットがでる「Win/Win」の関係構築ができれば大きな経営資源となります。

事業連携・協業を行うメリットは、お互いに「Win/Win」の関係が維持できなくなれば解消できることです。

これに対してM&Aの場合、失敗すると大きな痛手をこうむるリスクがあります。

私がみてきました中小企業では、他社との事業連携・協業を行う経験を豊富にもっているところがM&Aもうまく活用しています。

簡単に言いますと、私の経験則では、他社との事業連携・協業をできない中小企業はM&Aも活用できないことが多いです。

まだ他社との事業連携・協業を行った経験がない中小企業には、世界市場での自動車メーカーの連携・協業のやり方を参考するようアドバイスしています。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁


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日経記事;『東レ「脱自前」で世界攻略 米韓2社を傘下に、連携始動 東南アに汎用品、時間買う』に関する考察 [アライアンスとM&A]

              2014年7月10日

おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

7月10日付の日経新聞に、『ビジネスTODAY東レ「脱自前」で世界攻略 米韓2社を傘下に、連携始動 東南アに汎用品、時間買う』 のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『炭素繊維など独自技術で市場を開拓してきた東レが「脱自前主義」を加速させる。計1千億円で買収した韓国の繊維・水処理膜大手、米炭素繊維メーカーの2社と連携策に動き始めた。

狙いは新興国。高性能品から汎用品までそろえた圧倒的な世界シェアを武器に勝負をかける。大型M&A(合併・買収)の封印を解いた日覚(にっかく)昭広社長流のスピード経営は実るか。

「2020年までの長期計画で規模拡大の主戦場は海外。特に韓国は重要拠点だ」。9日、東レの日覚社長は買収した韓国子会社「東レケミカルコリア」(旧ウンジンケミカル)の経営ビジョン発表会で強調した。

買収企業は家庭用浄水器に使う水処理膜に強く、海水淡水化など産業用に強い東レとは補完関係にある。単純合算すると、水処理膜(逆浸透膜)の世界シェアは約30%と「首位の米ダウ・ケミカルに肩を並べる」(東レ)。中間層の台頭で家庭用浄水器が伸びる東南アジアなどを開拓できる。

さらに東レケミカルは特殊なポリエステル短繊維の技術を持つ。同繊維は紙おむつの不織布に使われ、肌触りの良さが特徴だ。東レは昨年6月にインドネシアで紙おむつ向けポリプロピレン長繊維の不織布工場を稼働しており、新興国で伸びる紙おむつ向け材料の品ぞろえ強化も見込める。

一見唐突に見える韓国企業の買収だが、実は両社の関係は40年前にさかのぼる。東レケミカルの前身「第一合繊」はもともと、韓国サムスングループの繊維部門。東レは同社設立にも関わり、ポリエステル繊維製造の技術指導をしてきた。

1990年代にサムスングループの事業再編などで第一合繊が分割された後、東レは08年に一部の部門を子会社化していた。今回は長年続く人的関係を生かして、残る部門を買収した格好だ。

炭素繊維や水処理膜の研究開発を50年近く続けるなど、東レは長年自前主義を貫いてきた。前社長で、現在は経団連会長も務める榊原定征会長がこだわったのが「イノベーション(技術革新)」。

業界トップ企業と共同で新素材を開発する戦略は、米ボーイングや衣料品大手「ユニクロ」との関係構築につながった。

日覚社長は榊原氏が築いた技術力を核にしながら、新興国など成長市場の開拓を優先課題に据える。就任翌年の2011年にはあえて「20年前後に売上高を3兆円に倍増させる」という高い目標を掲げた。

新興国攻略には自前の高性能品だけでは難しく、「量的拡大できる汎用品の品ぞろえが不可欠」(日覚社長)。その不足するピースを補う手段がM&Aだった。

米炭素繊維大手ゾルテックの買収も同じ文脈にある。炭素繊維の世界出荷シェアを2割から3割に高めるだけではない。狙いは汎用品の取得だ。

名古屋市内にある東レの自動車部品の開発拠点「オートモーティブセンター」。国内外の自動車メーカーの開発担当者が通う同センターで今春から、ゾルテック製の炭素繊維を使った自動車部品の研究が始まった。

東レの炭素繊維は米ボーイングやシェールガスの圧力容器にも使われる高性能品に強みがある。自動車でも独ダイムラーと提携し、車体分野への応用を研究中。他社とも共同開発を進めるがコストが高く、現状では高級スポーツカーなどの採用にとどまっていた。

コストが安いゾルテック製を使えば、自動車分野への展開を早めることが可能。対象が500万円の高級車から、100万円台の普及車まで広がる可能性がある。

「日本では最先端品を作り、海外で量的拡大をするのがグローバル経営の基本的な考え方だ」。日覚社長は韓国での会見でこう説明した。すでにM&Aで1千億円を投じたが、16年度までの新中計では別途2千億円の投資枠を確保した。

技術開発や人材育成に長い時間をかけて市場シェアトップの座を手にしてきた東レ。今後のM&Aでも「自前の技術との相乗効果が期待できる案件にしか投資はしない」(日覚社長)。欧米大手との競合が激化するなか、M&A戦略で成長スピードを速める日覚流の手腕が試される。』


東レの炭素繊維技術については、本ブログ・コラムで何度か取り上げました。現在の炭素繊維技術の開発・実用化は、東レや帝人などの国内企業が長年多額の投資を着実に行ってきたことにより実現できたと言って過言ではありません。

この努力が実を結んで、航空機などの業務用途で多くの炭素繊維が使われるようになっています。炭素繊維は、鉄に比べて軽量であり、耐摩耗性、耐熱性、熱伸縮性、耐酸性、電気伝導性に優れているなど数多くの長所・利点をもっています。

炭素繊維の難点は、製造コストの高さ[や加工の難しさになります。これらの点がネックになってなかなか導入が進みませんでした。

産業用途でも最高度の条件が要求される航空機に、東レの炭素繊維が使用されていることは、高性能・高機能分野への実用化は、一つの大きな節目を超えたとみます。

もちろん、今後も東レや帝人などの国内企業は、更なる研究開発を続けて、より高付加価値な炭素繊維製品の開発・実用化を続けることは、確実です。

さらに、炭素繊維の事業領域を広げるためには、大量の鉄製品を使っている自動車需要を取り込む必要があります。

自動車需要を取り込むには、鉄製品と競合できる販売価格帯まで、炭素繊維製品価格を下げることが必要です。

本日の記事にありますように、現時点では、炭素繊維製品は高級スポーツカーに採用されているだけです。

量産車に採用されるには、更なる開発・実用化を進める必要があります。東レや帝人などの国内企業が、今まで行ってきた地道な開発・実用化努力を続ければ、将来、低価格の炭素繊維製品が出ることは確実です。

ポイントは、何時実用化されるかです。

今回、東レは、普及型炭素繊維製品(汎用品)の開発・実用化を、米炭素繊維大手ゾルテックの買収で、当社がもつ技術・ノウハウ・製品を獲得しました。

東レは、炭素繊維製品の開発・実用化を全て自前の研究陣で行ってきました。これは、競争力を最大化して徹底的な差別化・差異化を実現することと、研究開発ノウハウの社外への流出阻止などが主目的となっています。

ゾルテックの買収は、東レが短時間で汎用品の技術・ノウハウを獲得できることを意味します。買収しますので、旧ゾルテックの技術者が大量に辞めない限り、当該知財情報は、社内に残りますし、流出もありません。

東レとゾルテックの技術・ノウハウがうまく融合できれば、東レにとっては、炭素繊維製品の幅が広がりますので、量産車への導入をより短期間に可能にできることになります。

ゾルテックの技術・ノウハウを取り込むことは、今までの東レの自前主義と矛盾することではなく、東レ本体の技術力向上に大いに貢献するとみています。

東レがゾルテックや韓国ウンジンケミカルの買収は、上記目的のためであり、取り込んで消化・発展させていけば、東レの自前技術になります。

世界市場で活動するメーカーの動きは早く、すべての開発・実用化の作業を自前の技術陣だけで行うとすると、他社との開発・実用化競争に遅れをとる可能性があります。

米国の場合、多くの世界企業は、競争力強化のため、M&A手段を多用して、ベンチャーや他企業を買収しています。他社を買収することで、開発・実用化のリードタイムを短くすると共に、買収した企業の商圏も手に入れることができます。

東レが買収した企業とうまく融合して、より高効率な開発体制を構築できれば、さらに競争力が高まります。

今後の東レの事業展開に注目していきます。

ベンチャーや中小企業は、米国や国内大手と同じように、技術力強化や事業領域拡大のために、M&Aを多用することは、難しいです。

しかし、他社の強みを活用して自社の開発・実用化能力や販路開拓の強化などを、M&Aだけでなく、他社との事業連携・協業まで幅広い手段を考え、実行することにより実現できます。

開発・実用化を全て自前で行う方法と、他社の買収や他社との連携・協業の手法を柔軟に行う方法を比較して、競争力強化と開発・実用化のリードタイム短縮をはかる経営姿勢が重要になっています。

東レの動きは、その参考事例の一つになります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁


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日経記事;『アジアでM&A最高 日本企業、中堅も進出 13年度223件、株高や収益力回復で余力』に関する考察 [アライアンスとM&A]

                                          2014年3月31日

皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

3月31日付の日経新聞に、『アジアでM&A最高 日本企業、中堅も進出 13年度223件、株高や収益力回復で余力』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『日本企業によるアジア地域へのM&A(合併・買収)が一段と活発になっている。2013年度のM&A件数は前年度より25%増え、過去最高となる。

株高や収益力回復を背景に成長市場を取り込む動きが大企業だけでなく、中堅企業にも広がっている。資本市場からリスクマネーを調達してM&Aなど攻めの投資に使う動きも鮮明だ。

M&A助言のレコフ(東京・千代田)によると、13年度の日本企業によるアジア企業へのM&A件数は26日時点で223件(前年度は178件)に拡大。

欧米企業向けの減少(7%減の251件)をカバーして、海外全体でも521件と過去最高になる見通しだ。海外M&Aは金額も6兆8567億円と7%増える。

世界全体のM&A件数が約3万5千件(米調査会社トムソン・ロイター調べ)と8年ぶりの低水準に落ち込む中、収益力を取り戻した日本企業によるM&A意欲の強さが際立つ。

景気減速や尖閣問題などを背景に対中国のM&Aが伸び悩む一方、東南アジア向けの伸びが目立つ。三菱東京UFJ銀行がタイの大手銀行を買収し、ユニ・チャームもミャンマーの日用品大手買収に動いた。

中堅企業の間でも成長市場に足場を築くM&Aが広がった。日本ペイントはシンガポールの塗料会社からアジア地域の塗料事業を約1千億円で取得する。

バルブ専業大手のキッツもインドの同業を買収した。人口減の続く国内市場は中長期の成長が望みにくく、「成長するアジア市場を取り込み、収益力を高めるのが狙い」(SMBC日興証券の牧野潤一氏)。

最近の円安で海外企業を買収すると円換算の金額は膨らむが、株高も追い風に日本企業のM&A意欲は強い。

海外M&Aで資本市場からの資金調達を活用する事例も目立つ。

昨年上場のサントリー食品インターナショナルは公募増資の資金で海外の飲料ブランドを買収。電通も増資資金を英広告大手の買収に充てる。従来は借入金や手元資金などを使う事例が多かった。

13年度の公募増資などによる資金調達額は2兆5300億円と、リーマン危機前の06年度(3兆8600億円)以来の高水準となる見通し。

資本市場で調達するリスク資金をM&Aなど攻めの投資に回すことで中期的に企業価値が高まり、市場も活性化する好循環につながる可能性がある。』


本日の記事にありますように、国内企業がM&Aを活性化させていることを実感しています。私は、ベンチャーや中小の製造事業者やITベンダーを主に経営支援しています。

M&A支援も私のサービスメニューに含まれます。ここ2年程M&A支援要請がほとんどありませんでした。

しかし、昨年後半から製造事業者やITベンダーからM&A支援要請が入るようになってきました。M&A支援は、エネルギーと時間を要しますので、私の支援を真に必要とするものに限定して対応するようにしています。

今までのM&A支援要請案件は、ほとんど国内企業が対象でした。ここにきて、海外企業、特にASEAN地域でのM&A支援要請が入るようになっています。

特に、ITベンダーはM&Aに積極的になっているとの印象をもっています。実力あるITベンダーは、国内市場で勝ち組になっても、生産年齢人口減少に伴う市場縮小で収益拡大が見込めないため、積極的に海外市場開拓を行うようになっています。

BtoBタイプのITベンダーの場合、既存取引先がASEANに拠点を拡大するのに伴って、同様に進出して拠点作りを行う企業も出ています。

この時に現地企業を買収して、短期間にローカルスタッフを含めて拠点作りを行うやり方をとるITベンダーも出てきました。

ITベンダーのM&Aは、製造事業者に比べて投資金額が総じて低く、失敗リスクも取りやすい傾向があります。

また、昨年には、国内で自社事業を売却して、その資金を元手にシンガポールで起業するITベンダーを支援しました。

このような中小のITベンダーや製造事業者のASEAN地域でのM&A拡大は、中堅や大手企業のM&A活性化に影響されている気がします。

国内の中堅・大手企業によるASEANを含む東南アジアでの、M&A件数は、2013年12月17日付の日経新聞によると、 M&A仲介のレコフ(東京・千代田)の情報から、「日本企業のASEANへのM&Aは16日時点で8163億円。12年年間の3.8倍に増え、過去最高だった07年(5576億円)を超えた。」としています。

中堅や大手企業が東南アジアでM&Aを活発化しているのは、ASEANを中心として拡大している市場を取り込むためです。

ASEANは、2015年に経済統合することが計画されています。この経済統合が実現しますと、人口は6億4000万人(2015年予測)の巨大市場が、ASEAN域内の関税撤廃が基本的施策として採用されますので、一体化したものとして、モノ、ヒト、商品が今以上に行き来しやすくなります。

また、生産年齢人口は、インドネシア、フィリピン、ベトナムなどで拡大しつつあり、今後の産業集積で中間所得層の所得向上も見込めます。

国内企業は、中小から中堅や大手企業まで、ASEANを中心とした東南アジアの市場拡大を取り込むことが収益拡大の条件の一つになる可能性が高くなります。

M&Aは、ASEANで事業基盤を確保するのに最適な方法の一つになります。最近の国内企業は、M&Aを巧みに活用できるところが増えています。

ベンチャーや中小企業でも、M&A件数が増えているのは、上記しましたように中堅や大手企業の動きに刺激を受けている面もあるように感じています。

特に、ITベンダーの場合、製造事業者に比べてより柔軟に動けることや失敗しても経営に致命的な影響を与えるリスクが小さいので、米国シリコンバレーのITベンダーのように、事業拡大のために、M&Aを積極的に利用する企業が増えています。

ただし、多くの場合、ITベンダーはM&Aの経験やノウハウが不足していますので、専門家や専門企業の支援を受けた方が成功する可能性が高くなります。

私がM&A支援要請を受けて、支援を決める場合、本当に私の支援が必要かどうか確認するようにしています。

自分の経験から、M&Aを成功させるための大きなポイントは、買収後の新組織の確立と維持運営にあると考えています。

M&Aを実行しようとする企業が、買収後の組織融合が上手くできるかどうかが、私が支援することの決定要因になります。

M&Aを今まで行ったことのない企業は、簡単にM&Aの果実を取れないことを理解する必要があります。同業他社がM&Aを上手く活用できても、自社が同じようにできると錯覚しない慎重さが求められます。

ITベンダーといえども、海外企業のM&Aに失敗すると、相当な経営ダメージを受けます。M&Aを行う必要性、やり方、買収後の組織融合の可能性などを慎重に検討・確認して決めることが重要です。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁


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日経記事;『日本企業の海外M&A、円高で最多に』に関する考察 [アライアンスとM&A]

              2012年12月16日

皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

12月16日付の日経新聞に、『日本企業の海外M&A、円高で最多に 12年、500件に迫る』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『日本企業による海外企業のM&A(合併・買収)が一段と拡大している。2012年は前年比1割増の500件に迫る見通しで、バブル期の1990年(463件)を上回り、22年ぶりに過去最多を更新する。

強い円を背景に「買い手」として存在感を高めている。中国への集中リスクを分散するため東南アジア企業の買収も急増している。

M&A助言のレコフ(東京・千代田)によると12月14日時点の海外M&A件数は489件で既に11年実績を34件上回った。金額ベースでは昨年比8%増の6兆8895億円。

円高で円換算の金額は目減りするが、それでも過去3番目の高水準だ。米トムソン・ロイターによると国籍別の買い手として日本企業は米国に次いで2位となる。

背景には国内需要先細りへの危機感がある。電通は約4000億円を投じて英広告大手のイージスグループを買収。イオンは仏カルフールからマレーシア事業を買収しアジアシフトを加速する。

上場企業で約60兆円という豊富な手元資金に加えて、円高で円換算の買収額が少なくなることも企業の背中を押す。

ソフトバンクは「米国に打って出る好機」(孫正義社長)と判断、1兆5000億円を超す米携帯電話大手の買収を決断した。

戦略地域のアジアでは傾向が分かれた。中国向けは秋口に減速し、年間では昨年並み(44件)にとどまる。

一方、インドネシア企業の買収は19件と昨年の約2倍。タイ、マレーシア、ベトナムも各10件以上と高水準だ。

足元では円高修正が進むが、「中長期の視点から引き続き海外展開の意欲は強い」(メリルリンチ日本証券)という。』


本日の記事は、国内企業によるM&A件数が昨年比1割増になることについて書いています。昨年も対前年比でM&A案件数は伸びました。

大きな理由は、海外市場開拓です。国内市場は、人口減少により、消費金額自体が横ばい、もしくは縮小傾向にあるためです。

BtoCビジネスの場合、国内市場の状況をみるための指標の一つとして、私は、日本の小売市場の売上を注視しています。

国内の小売市場の売上は、1996年度の約148兆円をピークにして、漸減傾向が続き、ここ数年は横ばい傾向にあり、大体135兆円の規模になっています。

インターネット通販は伸びていますが、百貨店売上は縮小し続けており、今まで伸びてきたコンビニも成熟化する状況がみえています。

この国内市場の縮小傾向は、1996年以降続いており、リーマンショックなどの外的要因に関係ない、日本市場固有の理由によります。

その理由の一つは、人口の伸び悩みと減少です。特に、活発に消費する人たちの数が少なくなっていることが主要因になります。

国内での人口増加や、消費者市場を再活性化することは短期間に行なうことは難しく、政府が長期的な視点と施策を持って、国民の合意を得ながら行なう必要のある長期課題です。

各企業は、日々の事業活動を通じて、売上の維持拡大を図る必要があります。

縮小し続ける国内市場では、ネット通販を活用したり、潜在的な購買能力を持つ、60歳以上の人たちへのアプローチなどの活動を通じて、売上拡大を図っています。

これらの動きは、たびたび本ブログ・コラムで書いています。

一方、海外市場を積極的に開拓しようとする企業も多く存在します。海外市場・顧客開拓のために、海外に工場や販売拠点を持つことも必要になります。

この時に、短期間に工場や販売拠点を確保できる方法がM&Aです。

M&Aで買収する海外企業は、現地で生産や販売をしていますので、インフラやノウハウなど短期間では確保できない多くの財産を持っています。

国内企業が、M&Aを有効に使って、正しい相手先を見つけ、確保できればM&Aによる投資は、極めて有効な手段になります。

最近、中堅や大手企業だけでなく、中小企業の中にもM&Aを行なうところが出てきています。

M&Aを成功させるためには、幾つかの課題を解決し、実行する必要があります。私の経験も含めていいますと、最大の課題の一つが、買収後の組織の融合です。

この組織融合が上手くいかないと、買収に投資したお金がすべて無駄になる可能性があります。

確かに、ここ2~3年で、国内企業による海外企業買収は多くなっています。他社がM&Aを行なったから、自社でもすぐできると考えるのは早計です。

M&Aは、一つの気経営手段・手法です。M&Aを巧みに行なっている企業をよく観察して、どうのように事業拡大や経営力の向上に使っているか、方法と効果の検証を行なうことが重要です。

特に、中小企業の場合、M&Aを行なって買収した企業との組織融合に失敗した場合、命取りになるリスクもあります。

猪突猛進タイプの経営者の中に、目的や実行内容や手法の課題などをよく検討しないで、M&Aを行なってしまう人がいます。

以前、買収した中国企業との関係が上手くいかなくなり、関係解消のための支援を行なったことがあります。

何とか、少しのやけどですむ程度の打撃で関係解消しましたが、失敗の原因は、買収後の組織融合が全く上手くいっていなかったのが原因でした。

当該企業が買収した目的は、中国内の販路確保でしたが、まかせっきりで買収後の事業統合が全く機能してませんでした。

M&Aは、単純な販売促進策とは違う次元の複雑な経営手段ですので、実行するときには、明確な目的と綿密な計画を事前に作ることが重要です。

同じ目的を達成するために、まず他の経営手法・手段で考え、実施することが重要です。

私が中小企業からM&Aの相談や支援依頼があったときに、行なうことはM&A以外の方法での効果確認です。

M&Aが、最も有効な方法であることが確認できた後に、支援開始します。多くの失敗例をみてきたからこのスッテプをおいています。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

 


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日経記事;『日本企業の海外M&A、円高で最多に』に関する考察 [アライアンスとM&A]

                2012年12月16日

皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

12月16日付の日経新聞に、『日本企業の海外M&A、円高で最多に 12年、500件に迫る』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『日本企業による海外企業のM&A(合併・買収)が一段と拡大している。2012年は前年比1割増の500件に迫る見通しで、バブル期の1990年(463件)を上回り、22年ぶりに過去最多を更新する。

強い円を背景に「買い手」として存在感を高めている。中国への集中リスクを分散するため東南アジア企業の買収も急増している。

M&A助言のレコフ(東京・千代田)によると12月14日時点の海外M&A件数は489件で既に11年実績を34件上回った。金額ベースでは昨年比8%増の6兆8895億円。

円高で円換算の金額は目減りするが、それでも過去3番目の高水準だ。米トムソン・ロイターによると国籍別の買い手として日本企業は米国に次いで2位となる。

背景には国内需要先細りへの危機感がある。電通は約4000億円を投じて英広告大手のイージスグループを買収。イオンは仏カルフールからマレーシア事業を買収しアジアシフトを加速する。

上場企業で約60兆円という豊富な手元資金に加えて、円高で円換算の買収額が少なくなることも企業の背中を押す。

ソフトバンクは「米国に打って出る好機」(孫正義社長)と判断、1兆5000億円を超す米携帯電話大手の買収を決断した。

戦略地域のアジアでは傾向が分かれた。中国向けは秋口に減速し、年間では昨年並み(44件)にとどまる。

一方、インドネシア企業の買収は19件と昨年の約2倍。タイ、マレーシア、ベトナムも各10件以上と高水準だ。

足元では円高修正が進むが、「中長期の視点から引き続き海外展開の意欲は強い」(メリルリンチ日本証券)という。』


本日の記事は、国内企業によるM&A件数が昨年比1割増になることについて書いています。昨年も対前年比でM&A案件数は伸びました。

大きな理由は、海外市場開拓です。国内市場は、人口減少により、消費金額自体が横ばい、もしくは縮小傾向にあるためです。

BtoCビジネスの場合、国内市場の状況をみるための指標の一つとして、私は、日本の小売市場の売上を注視しています。

国内の小売市場の売上は、1996年度の約148兆円をピークにして、漸減傾向が続き、ここ数年は横ばい傾向にあり、大体135兆円の規模になっています。

インターネット通販は伸びていますが、百貨店売上は縮小し続けており、今まで伸びてきたコンビニも成熟化する状況がみえています。

この国内市場の縮小傾向は、1996年以降続いており、リーマンショックなどの外的要因に関係ない、日本市場固有の理由によります。

その理由の一つは、人口の伸び悩みと減少です。特に、活発に消費する人たちの数が少なくなっていることが主要因になります。

国内での人口増加や、消費者市場を再活性化することは短期間に行なうことは難しく、政府が長期的な視点と施策を持って、国民の合意を得ながら行なう必要のある長期課題です。

各企業は、日々の事業活動を通じて、売上の維持拡大を図る必要があります。

縮小し続ける国内市場では、ネット通販を活用したり、潜在的な購買能力を持つ、60歳以上の人たちへのアプローチなどの活動を通じて、売上拡大を図っています。

これらの動きは、たびたび本ブログ・コラムで書いています。

一方、海外市場を積極的に開拓しようとする企業も多く存在します。海外市場・顧客開拓のために、海外に工場や販売拠点を持つことも必要になります。

この時に、短期間に工場や販売拠点を確保できる方法がM&Aです。

M&Aで買収する海外企業は、現地で生産や販売をしていますので、インフラやノウハウなど短期間では確保できない多くの財産を持っています。

国内企業が、M&Aを有効に使って、正しい相手先を見つけ、確保できればM&Aによる投資は、極めて有効な手段になります。

最近、中堅や大手企業だけでなく、中小企業の中にもM&Aを行なうところが出てきています。

M&Aを成功させるためには、幾つかの課題を解決し、実行する必要があります。私の経験も含めていいますと、最大の課題の一つが、買収後の組織の融合です。

この組織融合が上手くいかないと、買収に投資したお金がすべて無駄になる可能性があります。

確かに、ここ2~3年で、国内企業による海外企業買収は多くなっています。他社がM&Aを行なったから、自社でもすぐできると考えるのは早計です。

M&Aは、一つの気経営手段・手法です。M&Aを巧みに行なっている企業をよく観察して、どうのように事業拡大や経営力の向上に使っているか、方法と効果の検証を行なうことが重要です。

特に、中小企業の場合、M&Aを行なって買収した企業との組織融合に失敗した場合、命取りになるリスクもあります。

猪突猛進タイプの経営者の中に、目的や実行内容や手法の課題などをよく検討しないで、M&Aを行なってしまう人がいます。

以前、買収した中国企業との関係が上手くいかなくなり、関係解消のための支援を行なったことがあります。

何とか、少しのやけどですむ程度の打撃で関係解消しましたが、失敗の原因は、買収後の組織融合が全く上手くいっていなかったのが原因でした。

当該企業が買収した目的は、中国内の販路確保でしたが、まかせっきりで買収後の事業統合が全く機能してませんでした。

M&Aは、単純な販売促進策とは違う次元の複雑な経営手段ですので、実行するときには、明確な目的と綿密な計画を事前に作ることが重要です。

同じ目的を達成するために、まず他の経営手法・手段で考え、実施することが重要です。

私が中小企業からM&Aの相談や支援依頼があったときに、行なうことはM&A以外の方法での効果確認です。

M&Aが、最も有効な方法であることが確認できた後に、支援開始します。多くの失敗例をみてきたからこのスッテプをおいています。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁


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