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日経記事;『ダイキンとパナソニック、エアコンで包括提携 環境技術を共同開発/新興国を開拓』に関する考察 [アライアンスのスキーム、成果等の共有化]

                                         2016年5月16日

皆様、
おはようございます。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

5月16日付の日経新聞に、『ダイキンとパナソニック、エアコンで包括提携 環境技術を共同開発/新興国を開拓』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『ダイキン工業とパナソニックがエアコン事業で包括提携する。次世代の環境技術を共同開発するほか、部品調達や製品の相互供給も協議している。今夏の最終合意を目指す。

業務用に強いダイキンはエアコン世界最大手で、パナソニックは家庭用の国内首位。販売面ではライバルだが、両社で最新技術を新興国などに広めて勝ち抜く考えだ。年間10兆円とされる世界のエアコン市場で業界再編に拍車がかかる可能性がある。

ダイキンの十河政則社長とパナソニックの津賀一宏社長がこのほど会談し、エアコンで提携交渉に入ることで合意した。

ダイキンは2016年3月期に初めて連結売上高が2兆円の大台を突破。今後の目標となる3兆円を達成するには新興国での事業拡大が欠かせない。パナソニックは19年3月期に同事業の売上高を前期より5割増の7000億円に拡大する計画だが、中国市場の減速などで収益環境が厳しくなっている。両社とも成長戦略を加速するには競争関係を乗り越えて手を組むことが重要と判断した。

両社が協議するのは(1)環境技術の開発(2)主要部品の調達(3)製品の相互供給(4)新興国市場の開拓――など多岐にわたる。

まず冷媒分野で協業する。冷媒は空気を効率的に暖めたり、冷やしたりするためにエアコン内部に使われている。代替フロンの規制が国際的に議論されており、より環境負荷が小さい新たな冷媒をそろって採用して新興国向けのエアコンに搭載する。

冷媒は種類によって安全性や取り扱い方が異なり、エアコンの設計が大きく変わる。国や地域によって規制が異なるが、両社が扱いの得意な冷媒が普及すれば販売にも有利になる。充填や点検に必要な販売店への技術研修も両社で協力。さらに次世代の冷媒技術も共同開発する方向だ。

世界各地でモーターや圧縮機(コンプレッサー)など主要部品を共同購入したり、相互供給したりすることも協議している。ダイキンは欧米やアジアの各地に生産拠点があり、パナソニックに部材を供給できる。インドなど地元企業からの部材調達が難しい新興国でも協力すれば、コスト競争力を高められる。

最終製品のOEM(相手先ブランドによる生産)も検討する。エアコンは気候や部屋の大きさなどに応じて多くの機種の開発が必要になる。OEMによりお互いの経営資源を有効活用できる。

両社は1999年にもエアコンで提携し、製品の共同開発などに取り組んだ。ただ、当初想定したような成果が出なかったほか、国内で競合が激しくなり、提携関係は事実上解消されていた。』


自動車業界は、以前からメーカー間の合従連衡(事業連携・アライアンス)が活発に行われています。

最近では、燃費表示の不正問題で苦境に立たされている三菱自動車と、日産自動車が事業連携・アライアンスを組むことが報道されました。

日産自動車が三菱自動車に出資することで、日産の出資比率は経営の重要事項に対する拒否権を行使できる34%を握り、事実上の経営権を取ります。

日産は、三菱自動車の生産・販売台数を加えることで、トヨタ、フォルクスワーゲン、GMなどの世界トップメーカーと肩を並べる事業規模をもつことが可能になります。

一方、三菱自動車は、燃費不正問題で今後大幅に増加するであろう経費負担を、日産からの出資で補充することが可能になります。

自動車業界では、このような合従連衡が柔軟、かつ、巧みにおこなわれています。

電気機器業界では、一般的にこのような合従連衡が活発に行われていません。基本的には、一気通貫型の垂直統合による自社の技術・ノウハウで差別化・差異化を可能にするやり方が基本でした。

国内家電メーカーは、アップルなどの米大手ITベンダーやサムスンなどのアジア勢が仕掛けた水平分業型のビジネスモデルによる迅速な商品開発や競争力の確保の動きについていけず、市場・顧客を奪われました。

本日の記事は、エアコン、特に業務用途に強い世界最大手のダイキンと国内家電用途のエアコンで大手のパナソニックが、事業連携・アライアンスを組む検討を開始することについて書いています。

本日の記事にありますように、以前にダイキンとパナソニックは、エアコン分野で事業連携・アライアンスを模索しましたが、上手く行きませんでした。

中小企業の場合、同業他社同士で事業連携・アライアンスを試行しても、なかなかうまくいきません。

事業分野や対象顧客が多くの場合重なるため、中小企業同士では、「Win/Win」の関係構築が難しいことによります。

中小企業間の事業連携・アライアンスをうまく行うには、開発・設計・製造・販売のビジネスフローの中で、お互いの役割分担を明確に分けるやり方があります。

一例として、ある中小企業は、商品企画、開発・設計に特化して、製造と販売をそれぞれ他社に外部委託して、3社の事業連携・アライアンスで、新規事業を立上たことがあります。

大手企業の場合、自動車業界では、たとえば、次世代環境技術の開発・実用化を1社単独で行うには巨額投資が必要になり、高いリスクを取ることになるので、リスク分散のために当該技術の開発・実用化を共同で行うやり方が普及しています。

日欧米では、地球オゾン層の破壊を防止するために代替フロンであるHFC410Aが使われています。しかし、この代替フロンは、地球温暖化への影響は大きく、二酸化炭素(CO2)の数百倍から数千倍とされるため、温暖化への影響が3分の1とされるHFC32の採用が始まっています。

新代替フロンを使うためには、エアコンの新規設計方法、使用部品の開発・実用化、充填やリサイクル方法などを実現する必要があります。

今回のダイキンとパナソニックの事業連携・アライアンスは、記事にありますように、(1)環境技術の開発(2)主要部品の調達(3)製品の相互供給(4)新興国市場の開拓を目的としているようです。

とくに、(1)~(3)項について、両社が事業連携・アライアンスを行うことで、実利をともなう「Win/Win」の関係が構築できるとみているようです。

この事業連携・アライアンスのやり方は、基本的に自動車業界と同じです。末端の販売では、競合しても、巨額投資をともなう開発・実用化の面では、強調することで、比較的低コストで開発・実用化の速度を上げることが可能になります。

両社は、以前の失敗を教訓にして、「Win/Win」の関係を構築・維持できるやり方を検討・実現するとみています。

他の中堅・大手・中小企業にとっても、ダイキンとパナソニックの事業連携・アライアンスのやり方と果実の分配方法などは、参考事例の一つになります。

日本企業同士の事業連携・アライアンスのやり方の中には、トップ同士の個人的信頼関係などを頼りにして、あいまいな形で実施することがありますが、このような合従連衡は、ほとんどの場合、失敗します。

「Win/Win」の関係を具体的に実現するやり方などが明確でなく、その仕組みもあいまいによることや、成果・果実の分配の仕方も決まっていないことなどによります。

私は、中小企業間の事業連携・アライアンスを支援するときは、このようなあいまいさを避けて、徹底的に目的、やり方、成果・果実の分配方法などを明確化して、契約を取り交わして行うようにしています。

企業とくに、メーカー間の事業連携・アライアンスのやり方についてご関心があれば、8月26日(金)に私が講師を務めます下記セミナーがお役に立つと考えます。

「アライアンス・技術提携による共同開発・事業化成功のポイントとその実践 ~演習付~」

当該セミナーは、日本テクノセンターが開催します。詳細は、下記Webサイトをご覧ください。
URL; http://www.j-techno.co.jp/seminar/ID56DLRCMWD

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁


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日経記事;『三菱自が小型車供給 クライスラー、アジアで販売 9年ぶりに協力関係』に関する考察 [アライアンスのスキーム、成果等の共有化]

               2014年6月27日

皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

6月27日付の日経新聞に、『三菱自が小型車供給 クライスラー、アジアで販売 9年ぶりに協力関係』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『三菱自動車は欧米フィアット・クライスラー・オートモービルズに小型乗用車を供給する。三菱自のタイ工場で生産した小型セダンを年内に提供、フィアット・クライスラーはアジア地域で販売する見通し。

三菱自は同社最大のタイ工場で生産を拡大、フィアット・クライスラーは出遅れていた同地域での巻き返しにつなげる。両社は9年ぶりに協力関係を築き、主戦場のアジアで競争力を高める。

週明けにも発表する。三菱自のタイ工場で2013年に生産を始めた「アトラージュ」を年内に数千台規模、OEM(相手先ブランドによる生産)供給する。

同車は小型車「ミラージュ」をベースとするセダンでエンジン排気量は1200cc。変速機の改良などで燃費性能をガソリン1リットル当たり22キロメートル(欧州基準)に高めた三菱自の世界戦略車だ。

三菱自のタイ工場の生産能力は年間50万台。同社の世界販売台数の約半分に相当する最大生産拠点だ。今回のフィアット・クライスラーへの供給で量産効果を引き上げコスト競争力を高める。

三菱自は相次ぐリコール(無償の回収・修理)などで経営不振に陥り、三菱重工業など三菱グループ向けに優先株を発行、資金支援をうけた。欧州の拠点閉鎖などリストラを断行、昨年度に優先株の処理を終えた。最大の懸案が解消したことで、アジアでの強化を軸に成長戦略にかじを切る。

フィアット・クライスラーは「クライスラー」ブランドで中国を含めたアジア地域で販売するもよう。同社の13年の世界販売台数は約440万台と7位だが、アジア地域は同16万台と、主力の北米の10分の1以下にとどまるなど出遅れていた。

「ジープ」ブランドは新興国でも堅調だが、セダンが中心の「クライスラー」ブランドは苦戦が続いている。三菱自から量販価格帯のエコカーを調達することで、同ブランドの品ぞろえを増やし、アジアでのシェア拡大を狙う。

三菱自は1985年に米クライスラー(当時)と米国に共同生産会社を設立。2000年には独ダイムラーと米クライスラーが経営統合したダイムラークライスラーが34%を出資し、乗用車事業で提携した。しかし、三菱自の品質管理問題を受け05年に提携を解消した。

三菱自の13年の世界販売台数は約100万台で世界16位。すでに日産自動車・仏ルノー連合や仏プジョーシトロエングループ(PSA)と提携関係にある。

新たに主力のアジア市場でフィアット・クライスラーとも組むなど、部分的な提携戦略を駆使し、自社の強みを引き出すことで、世界市場での存在感を高める。』


世界の自動車業界は、数多くの連携・協業状態が起きています。最大の理由は、低燃費化対応、無公害車開発・実用化などを、1社単独で行うには投資回収の観点から難しい状況に置かれていることによります。

例えば、世界最大の自動車メーカーであるトヨタは、BMWとの連携・協業により、欧州市場向けの小型MPV「Verso」に、排気量1.6l(リットル)のディーゼルエンジン「1.6 D-4D」を搭載するモデルを追加しました。

このディーゼルエンジンは、BMWから供給されています。欧州市場でのエコカーは、現時点ではハイブリッド車ではなく、ディーゼルエンジン車です。

トヨタは、自社で欧州市場向けディーゼルエンジンを開発・実用化する代わりに、BMWとの連携・協業で当該エンジンを調達しています。

トヨタとBMWは、長期的な連携・協業関係構築の一環として、
・燃料電池システムの共同開発
・スポーツカーの共同開発
・軽量化技術の共同研究開発
という3つのテーマに関する正式契約を締結したとしています。

トヨタとBMWは、高級車市場では激しく競合・競争しています。同時に、両社で「Win/Win」の関係が成立する領域では、連携・協業してお互いの開発コスト削減と、開発期間短縮を目的に密接に動きます。

日産自動車の場合、メルセデスベンツと連携・協業しています。連携・協業の内容は、以下の通りです。

・電気自動車バージョンを含む、次期スマートと次期トゥインゴの共同開発
・日産からメルセデス向けにコンパクトカー用のエンジン(ガソリン及びディーゼル)を供給
・メルセデスからルノー日産(インフィニティ)向けに4気筒ないし6気筒のエンジンを供給
・小型商用車での連携
・日産の米国内工場でメルセデス車を生産(2014年から)など。


自動車メーカーは、このように連携・協業を多用しており、この具体的な実行力の差が、会社の業績に反映されるようになっています。

トヨタは、かって唯我独尊的な経営手法を数多く採用していました。トヨタが変化し始めたのは、世界市場で勝ち組になるための、施策立案と実行を意識したあとからです。

上記しましたように、世界市場で勝ち組になるには、低燃費化、環境対応に加えて、顧客から支持される商品性を訴求する必要があります。

さらに、世界市場での販売体制を全て自前でもつことは、容易ではありません。すでに対象地域で販売網をもつ企業と連携・協業することが、迅速にかつ低コストで販売体制を構築できる方法になります。

本日の記事にあります三菱自動車の場合、クライスラーと組むメリットは、小型車の生産台数増加による固定費削減と収益拡大です。

クライスラーは、苦手な小型乗用車を自社販売網に流すことで、商品ラインナップを充実して、顧客満足度を高めて、シェアおよび収益拡大を実現できます。

両社の連携・協業の対象地域は、当面アジアのようですが、効果が確認できれば、他地域にも拡大するとみています。

三菱自動車の世界市場でのシェアは、記事にありますように、約100万台で世界16位と小さい状態です。

三菱自動車は、自前ですべての開発・実用化事業を実行できませんので、日産とエコカー分野で連携・協業しています。

自動車メーカーの世界市場での連携・協業の動きは、その経済効果をどうのように生み出していくのか、やり方や成果が明確にされる状況になっています。

これは、自動車業界が世界市場での激しい競争と並行して、連携・協業しないと勝ち残れない事業環境にあることによります。

ベンチャーや中小企業にとって、他社との連携・協業を計画あるいは行うときに、自動車業界の各企業の動きは、大変参考になります。

この視点から世界市場での自動車メーカーの動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁


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日経記事;『中小束ね大手と懸け橋 司令塔はコネクターハブ企業 160社の技術結集/航空分野に足場』に関する考察 [アライアンスのスキーム、成果等の共有化]

                                      2014年1月13日

皆様、

おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

1月13日付の日経新聞に、『中小束ね大手と懸け橋 司令塔はコネクターハブ企業 160社の技術結集/航空分野に足場』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『地域の中小企業が連携して強みの技術を結集し、大手企業からの受注に成功したり、航空機部品など新規の成長分野に参入したりするケースが出ている。

中小を束ねて大手企業との懸け橋となる中核企業は最近、業界で「コネクターハブ」と呼ばれている。政府は地方経済を支える中小企業の活性化につながるとみて支援に動く考えだ。

京都府精華町にあるゼネラルプロダクション(ゼネプロ)の本社。海水淡水化装置のポンプや野菜工場の冷却装置など様々な製品が並べられ、従業員が品質検査をしている。同社は経済産業省がコネクターハブのモデル企業として注目する存在だ。自らはファブレス企業ながら関西を中心に約160社と関係を築く。鋳造や熱処理など工程ごとに得意な企業に依頼し製品にする。

ゼネラルプロダクションの社員が完成した製品を全て検査する。

建機の中核部品

ゼネプロを2010年に設立した石崎義公社長は「我々と手を組む中小企業はゼネプロの製造部門だ。協力して良いものづくりをしようという意識が強い」と語る。

13年夏に開発したのは建設機械向け計測装置。中核部品の油圧機器内部の微量なごみを計測し、建機の補修時期を正確に把握する。価格は40万~50万円。国内の建機大手が「開発に手間がかかるが、ゼネプロなら作ってくれるのでは」と相談を持ちかけた。ゼネプロが設計し、連合の20社を超える企業が製造を分担した。国内外の建機大手への出荷を始めた。

ゼネプロでは技術力が評価されなければ、連合には入れない。石崎社長は「強い中小企業の輪を今後も広げていきたい」と意気込む。

全国の中小企業約30社を束ねるジャパンエアロネットワーク(JAN、大阪市)は13年12月、住友精密工業から小型ビジネスジェット機「ホンダジェット」の脚回り部品を受注した。5年間で受注額は5億円以上に達するとみられる。

ねじ卸の由良産商(大阪市)や金属部品メーカーの深田熱処理工業(石川県小松市)などのJANと協力する企業が部品加工を担う。
由良産商は航空機の脚回り部品生産に参画している。

1ミリメートルを下回る精度でメッキや塗装を施す技術などが評価され、住友精密が発注してきた海外企業に競り勝った。

JANの五十嵐健最高執行責任者(COO)は「各社ともに航空機のノウハウがなかったが、技術を持ち寄って提案することで長期契約ができた」と話す。

5社で水平連合

レーザー溶接の東成エレクトロビーム(東京都瑞穂町、上野邦香社長)など特殊加工に強い5社の連合組織「ファイブテックネット」。政府の審議会委員も歴任し中小業界の論客として知られる東成の上野保会長が仕掛けた。5社それぞれがコネクターハブの役割を担う水平型連合だ。誕生してから10年余り数多く大型受注に成功してきた。

最近ではメンバーの1社で、研磨加工のクリスタル光学(大津市、桐野茂社長)が手掛ける有機ELパネル向け特殊素材の加工だ。東成がレーザー溶接技術を提供し顧客の高い精度への要求に対応した。クリスタル光学の担当者は「今年は受注額が1億円ぐらい期待できる」と語る。

5社連合は金属切削加工のスズキプレシオン(栃木県鹿沼市)、超硬素材加工の中村超硬(堺市)、セラミックス精密加工のピーエムティー(福岡県須恵町)を含めて業界でも有名なものづくり企業が集まり、受注案件ごとに強みの技術を相互提供している。』

日経記事によると、コネクターハブは、以下のように定義されています。

「地域において様々な企業と取引があり、かつ遠隔地や異業種の大企業などと橋渡しができる企業を指す。米国の統計学で生まれた概念で、東京大学の坂田一郎教授が地域経済の分析手法に応用。地域内の取引の集中度(ハブ度)と、都市部など遠く離れた企業との関係の強さ(コネクター度)を分析し、双方の性格を持つ企業をコネクターハブとした。」

最近、中小の製造事業者の中に、得意分野に特化して専門性を強化することで、差別化・差異化を実現する企業が増えています。

今までにも、東京や大阪などに集積している中小企業は、中堅や大手企業から受注したときに、自社の技術力や生産能力のみでは、対応できない場合、周りの企業に声をかけて協力を得ながら対応してきました。

中小企業同士がお互いに新規受注分を紹介し合う企業文化がありましたし、今も存在しています。
これらの中小企業のつながりは、東京や大阪などの近隣地域の企業同士で行うことが多かったとの印象をもっています。

しかし、最近、インターネットを積極的に活用して、地域を超えてコミュニケーションを取り、異業種他社同士が特異な技術力や開発力を持ち寄って、水平分業化した形での協業関係が多く発生しています。

また、開発力に特化した企業が増える中で、生産に特化してOEM事業に活路を見い出している企業も増えています。

さらに、販売に特化して販路開拓や集客を専門に行う企業も出現しています。

これらの中小企業は、経営者同士の口コミで企業を紹介し合ったり、インターネットを活用して協業先を探すやり方で、新規の協力先や連携先を探したりしています。

中小企業同士を紹介し合うマッチングサイトも登場しています。

遠隔地同士の企業による連携・協業の場合、Skypeによる電話会議、チャット、Eメールなどのツールを多用して、密接なコミュニケーションを図っているのも特徴です。

技術者同士あるいは中小企業の経営者同士で、FacebookやLinkedinなどのSNSでの会話から、チームを組んで連携・協業するケースも増えています。

私もFacebookやLinkedinを活用しており、質問や支援要請を受けた企業に、私の知っている企業を紹介して、新規受注分に対して、複数の企業がチームを組んで連携・協業するケースもあります。


一方、本日の記事にありますのは、コネクターハブとなるリーダーシップを取る中核企業が存在し、この企業が中心になって、新規受注を仲間の企業で組織的に分業して、開発・実用化・生産を行うやり方です。

中小企業の強みは、経営者が即断即決して迅速な行動ができることにあります。今後、コネクターハブ企業が中心になって、組織的に運営していくケースと、インターネットを活用して広範囲、かつ柔軟に、連携・協業するケースの双方とも増えていくとみます。


私は、今まで各種の中小企業の連携・協業を支援してきました。その経験から言いますと、連携・協業のやり方の基本的な条件は、以下のようになります。

・異業種他社で構成する。(同業他社がいるとどうしても競合関係が生まれますので、上手くいきません。)
・各企業は、徹底的に差別化・差異化を可能にする技術力をもっている。
・各企業はお互いの機密情報やノウハウを開示するので、しっかりとした機密保持契約を結んで、当該機密情報の流出や、勝手な流用を厳禁化する。
・中核企業が全体のプロジェクト管理をしっかり行って、納期遅れを防ぐ。
・お互いに信頼できる企業のみでチームを構成する、など

国内企業同士ですと、契約を結ばないで、連携・協業するケースがときどきあります。しかし、上記のように機密情報を扱うことが多いので、「機密保持契約」やプロジェクトを組織的に行うことを約束する「覚書」などの契約をしっかりと結ぶことが重要になります。

今後、ベンチャーや中小企業が他社と連携・協業する場合、上記情報が参考になれば幸いです。

ベンチャーや中小企業は、専門化することで、自社の強みを最大化して徹底的な差別化・差異化を実現しないと勝ち残れません。

自社の技術やノウハウのみでは、対応できない受注案件に対しては、強みをもつ異業種他社と連携・協業して、確実に対応していくやり方が有効になります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁


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日経記事;『日本車、欧州の提携縮小 いすゞ、エンジン開発打ち切り』に関する考察 [アライアンスのスキーム、成果等の共有化]

               2012年8月6日

皆様、
はようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

8月6日付の日経新聞に、『日本車、欧州の提携縮小 いすゞ、エンジン開発打ち切り 三菱自、電気自動車の供給停止 』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『日本車メーカーが欧州のメーカーとの提携関係を縮小する。いすゞ自動車は独オペル向けのエンジン開発を打ち切る。

三菱自動車は仏プジョーシトロエングループ(PSA)への電気自動車(EV)の供給を一時停止し、マツダもPSAからのエンジン調達をやめる。

債務危機を背景にした欧州勢の販売不振で、日本メーカーの提携戦略に影響が出てきた。

日本車の欧州での販売シェアは低く、債務危機の直接の影響は限定的とみられる。環境技術など将来を見据えた先端分野では引き続き日欧で協力関係を広げる方向。

だが、欧州の新車販売は昨秋から前年割れが続いており、部品や完成車供給といった足元の状況に影響されやすい分野を中心に関係を見直す。こうした動きは自動車以外にも広がる可能性がある。

いすゞは現在、米ゼネラル・モーターズ(GM)とのポーランドの合弁会社で、GM傘下のオペル向けの乗用車用ディーゼルエンジンを生産している。

2011年には約20万基を製造したが、欧州市場の低迷を受け次期型エンジンの開発は打ち切る方針だ。

ポーランドの合弁会社については約4割の出資を引き揚げ撤退する方向でGMと調整している。欧州法人の人員も約1割削減する。

いすゞは06年にGMとの資本提携を解消したが、エンジンの合弁生産など一部の協業は続けていた。資本面を含む新たな提携に向けた交渉を進めており、商用車を中心に関係再構築を目指す。

三菱自動車はPSAへのEV「アイ・ミーブ」のOEM(相手先ブランドによる生産)供給を停止している。PSAの販売不振を受けた措置で、供給契約の期間はまだ残っているものの、供給を再開できるかは不透明な状況だ。

欧州向けの一部車種に搭載してきたPSAのディーゼルエンジンの調達はやめる。ロシアでの合弁生産などは継続する。

マツダはPSAからの小型ディーゼルエンジンの調達を打ち切る。欧州で販売する「マツダ3(日本名アクセラ)」など3車種にPSA製のエンジンを搭載してきたが、新モデルの発売にあわせ自社開発の小型エンジンに置き換える。

債務危機の影響で独BMWや仏ルノーは1~6月期の最終損益が減益となり、PSAは赤字を計上した。PSAが7月にパリ郊外の工場を閉鎖するなど、各社は経営戦略の見直しに動いている。

ただトヨタ自動車とBMWが燃料電池車やハイブリッド車など幅広い分野で技術提携するなど、先端分野の協業は今後も拡大する見通し。三菱自動車もPSAとのEVの共同開発などは継続する方針だ。』

今回の記事は、欧州自動車企業が、欧州の債務問題から起こった市場の低迷から販売不振に陥っているため、短期的な提携内容の微調整を行うと理解しています。

提携は、両者が「Win/Win」関係が成り立って、双方共にハッピーとなる仕組みとなります。
提携には、短期的なものと中・長期的なものに大別できます。

短期的な提携は、例えば、販売や製造の委託など、日常的な業務に関するものが主体になります。エンジンなどの主要部品の製造委託や供給なども含まれます。

基本的には、自社のインフラでカバー出来ない、或いは、不足している部分を相手先の協力を得て補うやり方です。当然、相手先にも売上増などのメリットがなければ協力関係は成立しません。

従って、短期的な提携は、経済環境や市場環境の影響を直接的に受けやすくなります。いすゞが独オペル社向けのエンジン開発を中止したり、三菱自が仏PSAへのEVの供給を中断することは、当然のごとく発生します。

提携は、通常、契約を結んで行います。短期的な提携に関する契約では、途中で提携が終了したり、或いは、変更になることを事前に想定し、双方が問題なくことにあたれるようにしておくことが重要です。

提携終了や変更時にもめるのは、お金に係ること、ノウハウ・特許の扱い、機密情報の扱いなどが多くを占めます。

上記事項をカバーした契約内容を事前に双方で合意しておくことで、提携解消や変更をスムーズに行えます。

事業環境の変化で、提携関係を終了、或いは、変更することは、決してけんか別れではありません。将来の関係再構築もあり得ますので、円満に処理することが極めて重要です。


中・長期的な提携は、通常、3~5年くらいの期間で考えられ、成立します。従いまして、短期的な経済環境や市場環境の変化に影響を受けません。

中・長期的な提携は、慎重に判断・熟慮して決めます。一旦提携が成立したら、短期的な事業環境変化にぶれずに、一貫した姿勢で維持することが基本です。

今回の記事では、独BMWは欧州市場の低迷で、今年1~6月期の最終損益が減益となりますが、燃料電池車やハイブリッド車などに関するトヨタとの提携は維持します。

BMWにとって、燃料電池車やハイブリッド車は、短期的な事業ではなく、将来の欧州市場や、米国・日本市場を考えた場合、主力車種としてもっている必要のある自動車であるためです。

勿論、BMWが事業継続出来なくなれば、提携は解消されます。しかし、現在のBMWにとってそのような可能性はほとんどありません。仏ルノーも同じです。

しかし、中・長期的な提携を行っている間に、想定外の事態も起こる可能性があり、その時には終了、或いは、内容を変更することになります。

この時に備えて、短期的な提携関係とは視点を変えた形で、中・長期的な提携の終了、若しくは、変更条項を契約の中に入れておきます。

この条項は、明確にしておくことが重要です。あいまいな部分があると、後でトラブルになります。

これらのことは、株式会社エヌピー通信社 が発行しています、 オーナー社長向け財務・税務専門新聞『納税通信』にて、6回(2012年5月28日号から2012年7月2日まで)の連載記事『他社とのアライアンスで売上拡大!新規事業立ち上げの実現施策とポイント』に書いてあります。

本ブログ・コラムの契約や連携のカテゴリー内の記事にも要点を書いてきました。

ご関心のある方は、お読みください。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁


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日経記事;『東芝テックとOKI、複合機の生産・開発で提携』に関する考察 [アライアンスのスキーム、成果等の共有化]

             2012年6月14日

皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

6月14日付の日経新聞に、『東芝テックとOKI、複合機の生産・開発で提携 負担抑え新興国開拓』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『東芝テックとOKIはデジタル複合機の生産・開発で提携する。印刷用基幹部品を相互供給するほか、新興国で需要が急増している小型機種を共同開発する。

両社は提携で開発負担を軽減しつつ品ぞろえを拡充する。キヤノンなど大手と比べ体力面で劣る中堅メーカーの間で、連携する動きが活発になりそうだ。

東芝テックはOKIの事務機子会社であるOKIデータから、画像や文字を用紙に転写する中核部品「発光ダイオード(LED)印刷ヘッド」を調達する。

LEDヘッドは通常のレーザー方式と比べ、小型軽量で消費電力が小さい利点がある。東芝テックは開発で出遅れていた。

東芝テックはLEDヘッドを、主力のA3判複合機に順次採用する。LEDヘッドを組み込んだ新型機を7月から国内外で販売する。従来機に比べ本体の大きさは3割小さく、重さと消費電力は半分になるという。

一方、OKIデータに対してはシステム制御用の電子部品基板とソフトウエアを供給する。これとLEDヘッド採用の印刷機構を組み合わせて、A4判対応の小型複合機を共同で開発する。生産場所は未定だが、2013年初頭をメドにそれぞれのブランドで販売する。

東芝テックは13年4月以降、OKIデータにA3判複合機をOEM(相手先ブランドによる生産)供給することでも合意した。

事務機各社は、印刷ヘッドや制御基板など中核部品を自前で開発・生産するケースが多い。LEDヘッドもOKIが1981年に世界で初めて実用化して以降、自社製品に囲い込んできた技術で、今回初めて外部に供給する。

OKIデータはLEDヘッド供給と引き換えに、これまで手がけていなかったA3判複合機を手に入れ、オフィス向け事業を一気に強化できる。

調査会社のデータ・サプライ(東京・台東)によると、デジタル複合機の11年の出荷台数は世界全体で415万台だったもようだ。14年の予測は11年比約4%増の431万台と微増にとどまる。

地域別で見ると、中国など新興国で10%以上台数が伸びるのに対し、日本、北米、欧州の先進国地域はいずれも11年比で10%以上減る。

先進国市場の成長が鈍化しているため、事務機各社は新興国シフトを鮮明にしている。新興国で台数を稼いでいるのは小型機種や価格が安いモノクロ機だ。

東芝テックとOKIデータは、小型機種を共同開発することで、新興国市場での成長戦略も加速する。

データ・サプライによると、11年のデジタル複合機の世界シェア(台数ベース)は東芝テックが7.1%で6位。プリンターが主力のOKIデータは複合機でほとんど存在感がない。

ほぼすべての製品・地域を網羅するキヤノンやゼロックス・グループ、リコーに引き離されている。』

LED印刷ヘッドは、数千個のLEDを1列に並べた構造の部品で、画像や文字を光で転写するために使う複合機のコア部品です。

回転する鏡でレーザー光を反射させて転写する一般的なレーザー方式と異なり、可動部分が不要で構造を簡単にできるため複合機の小型化に向いているされています。

OKIが1981年に世界で初めてプリンター向けに実用化したとのこと。OKI以外では、富士ゼロックスが独自に開発し、製品に実装しています。

東芝テックとOKIの提携:アライアンスは、下記の目的やスキームになります。

★目的
新興国市場で売れ筋になっている、競争力のある低価格の小型複合機を開発・商品化して、売り上げ拡大を図る。

★提携:アライアンスのスキーム

●両社の強み・差別化・差異化可能な技術の提供
・東芝テック;システム制御用の電子部品基板とソフトウエアを提供
・OKI;LED印刷ヘッドを提供

●商品化
・両社でA4判対応の小型複合機を共同で開発
・東芝テックは、A3判対応の小型複合機をOKIにOEM供給

●販売
・現時点では、両社は独自の販売ルートで売る

今回の提携:アライアンスの特徴は、中堅企業同士がお互いの技術的強みを持ち寄って、新興国向けの低価格・小型複合機を、投資コストと開発期間を抑えながら行うとする、同業他社同士の「Win/Win}関係を作ることです。

今回の提携:アライアンスのスキームが成功したら、今後、お互いが強い販路を持つ国や地域でも、補完し合ってお互いの製品を販売するやり方も考え、導入することをお勧めします。

両社の最終目標は、低価格・小型複合機で新興国市場で勝ち組に入ることと理解しています。お互いが「Win/Win」のメリットを享受している期間は、提携:アライアンスを最大限活用して売り上げ・収益の最大化を目指すべきです。

私が支援しています、中小企業同士、或いは、中小企業と中堅企業との提携:アライアンスの目的と全く同じです。

中小企業同士の提携:アライアンスの場合、成功するためにほとんどのケースは、異業種他社となります。同業他社間では、お互いの利害関係が発生しやすく、効果的・効率的なチームワークが出来ない場合が多いのが理由です。これは、私の経験則から来ています。

中堅企業同士の場合、今回の東芝テックとOKIのように同業他社同士でお互いの力の源泉となる技術を提供し合って、競争力のある新製品の共同開発のスキーム構築が可能になります。

大手企業同士も同じです。自動車業界では、日常的に同じ型の提携:アライアンススキームが頻繁に使われています。

私は、以前ブログ・コラムで述べましたように、 株式会社エヌピー通信社 が発行しています、 オーナー社長向け財務・税務専門新聞『納税通信』 にて、6回(2012年5月28日号から2012年7月2日までの毎週月曜日発行)の連載記事「他社とのアライアンスで売上拡大!新規事業立ち上げの実現施策とポイント」を執筆中です。

この連載記事は、中小企業同士の提携を想定して、売上拡大や新規事業立ち上げに有効な手段の一つであるアライアンス実行上のポイントや課題、及び対応などについて書いています。提携:アライアンスの目的は、東芝テックとOKIと同じ設定です。

この記事は、残念ながら、『納税通信』の読者のみしかお読みいただけませんが。。。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁


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日経記事;『エコカー電池でVWと協力拡大 パナソニック、EV向け』に関する考察 [アライアンスのスキーム、成果等の共有化]

                                                     2011年12月10日

皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

12月10日付の日経新聞に、『エコカー電池でVWと協力拡大 パナソニック、EV向け』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『パナソニックは独フォルクスワーゲン(VW)グループとエコカー(環境対応車)向け電池事業で協力関係を拡大する。新たにVW傘下でスペイン最大手の自動車メーカー、セアトと電気自動車(EV)用リチウムイオン電池の共同開発で基本合意した。

トヨタ自動車と独BMWも提携するなど、エコカーの性能を左右する電池で世界規模の連携を強化し開発スピードを上げる動きが盛んになってきた。

パナソニック子会社の三洋電機とセアト、スペインの車載用部品メーカーであるフィコサの3社がこのほど、EV用電池を共同開発することで合意した。詳細は今後詰めるが、三洋が電池と蓄電システムの開発を主導。

大容量で、安定的に電気を送り出せる製品に仕上げる。セアトとフィコサのノウハウを得ながら、最終的に三洋とフィコサが生産を担当し、1~2年後をメドにセアトが売り出すEV向けに供給する見通しだ。

三洋は2006年にVWとハイブリッド車(HV)向けニッケル水素電池の共同開発で合意。同電池をVW向けに供給してきた。

さらにVW傘下の独アウディともHV向けのリチウムイオン電池を共同開発し、供給を始めた。パナソニックとVWグループとの電池事業での協力はセアトが3社目となり、協力関係は一段と深まることになる。

セアトの10年の売上高は約5千億円。セアトは容量や出力、安全性、耐久性などに実績のある三洋のリチウムイオン電池開発ノウハウを武器に、今後投入予定のEVの開発スピードを上げる。

エコカーの基幹部品である電池は燃費や走行距離などの性能を大きく左右する。豊富なノウハウが必要なため、同業大手同士が連携したり、自動車メーカーと電池メーカーが共同開発する例が増えている。

トヨタとBMWは電池開発での膨大なコスト軽減とスピード強化を狙って提携。パナソニックも電池開発でVWとの協力関係を深める。

一方で、パナソニックは国内でトヨタ向けの事業強化も同時に進めている。トヨタが来年1月に市販を始めるプラグインハイブリッド車(PHV)の「プリウスPHV」では、三洋が搭載するリチウムイオン電池の全量を受注した。

パナソニックはエコカー用リチウムイオン電池を成長のけん引役と位置付け、加西事業所(兵庫県加西市)などで生産している。同電池の売上高は15年度に現在の15倍にあたる1千億円強に引き上げる計画。

来年1月に事業を統合する三洋と自社技術を融合し、具体化に向けた戦略を一段と加速させる。』


国内企業では、HVやEV用途の電池を開発・供給しているのは、主にパナソニック、東芝、ジーエスユアサ、NECの4社です。

総合家電メーカーのパナソニックや東芝は、集中と選択を行っており、その中で環境事業を新成長分野と位置づけ、力を入れています。

電池は、環境事業の中の主要なものの一つに入ります。車載用だけでなく、家庭やオフィス用途など電池の使用範囲は広く、この分野で大きなシェアを取れれば、世界市場で勝ち組に入れます。

そこで、上記4社は電池市場でしのぎを削っています。電池事業は国内企業が得意な分野であり、部材・素材や各種の高度な開発ノウハウの集積を必要とし、可能としています。

パナソニックが三洋を買収した理由の一つが電池事業の強化にあります。総合家電から環境に力点を置いた企業への変化を加速しています。

東芝も同じように、環境事業を柱の一つに育てるべく、集中と選択を加速しています。その両社が中核商品の一つとしているのが電池です。

特に、HVやEV用途の電池市場は大きく、ここで主導権を取れれば将来の大きな収益源になります。その観点から両社は自動車会社との積極的な連携を行っています。

パナソニックは、トヨタとHV用電池の供給で合意しています。また、東芝は、ホンダと三菱自に電池を供給しています。

今回、パナソニックは、フォルクスワーゲンと車載用電池で共同開発を行うことになりました。自動車市場では、フォルクスワーゲンの伸びが大きく、トヨタの強力なライバルになりました。

そのフォルクスワーゲンがパナソニックと電池の共同開発に合意したことは、今後のトヨタや他の国内自動車メーカーに影響を与えます。

フォルクスワーゲンがHVやEVの開発速度が速くなることと、彼らの車の性能が大幅に向上する可能性があるためです。今後、トヨタや日産との競争がさらに激化します。

HVやEVの性能は、基幹部品である電池に左右されます。この観点から、上記4社の電池供給者としての存在は重要になっています。

国内産業にとって喜ばしいのは、現時点で電池の主要供給企業は、全て国内メーカーであることです。日産はNECと、ホンダはユアサとそれぞれ電池の共同開発を行っています。

このように、自動車企業と電池メーカーが連携して、HVやEVで世界市場で勝ち残っていくことは、国内産業にとってとても重要なことです。

自動車産業のすそ野は広く、HVやEVで世界市場を勝ち取っていくことは日本の成長に大いに貢献します。各社は連携を巧みに行って、大きな収益という果実を確実なものにすることが必要ですし可能です。

連携の優劣がHVやEVで世界市場で勝ち残るための条件の一つになります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁


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アライアンス:連携の実施ポイントについて [アライアンスのスキーム、成果等の共有化]

                                            2010年9月3日

皆様、

こんにちは。グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。
本日は、『アライアンス:連携の実施上のポイント』について述べます。

ある中小企業主からアライアンスのやり方に関してご相談を受けて、回答しました。
この内容をやや一般化してお伝えしたいと思います。

連携は、本ブログで何回か述べていますように、経営規模の小さい中小企業同士が何社か集まって連合体を組み、新規事業の立ち上げを行う行為に有効な方法です。

連携の特徴は、「Win/Win」の関係が維持できなくなったり、メリットを見いだせなければ、何時でもそれを解消できる事です。
これは相手方も同じで、メリットを感じなくなれば、連携解消の提案が出されます。
柔軟性のある経営手法です。


連携を行う時のポイントは、以下の通りです。

1.リーダーシップを取れる企業主がいること。
⇒リーダーがいないと、単なる集団になってしまい、やるべき事や優先順位などが決まりません。つまり烏合の衆になってしまいます。

2.リーダーは、この連携を使って事業を立ち上げようとする、『強い意志をもった企業主』がなる必要があります。勿論、リーダーシップを持っていることが前提です。

リーダーやリーダーシップが存在しない連携チームには入らない方が良いです。時間とコストの無駄です。

3.2のリーダーがリーダーシップを発揮できる前提で、実施ポイントを続けます。

3-1.連携メンバー企業は、基本的に異業種他社とします。同業他社がいますと、ライバル関係になる事が多く、不要な摩擦が生じる可能性があります。

3-2.連携を動かすのは、リーダーが中心となって行います。時間が取れない場合は、事務局をおき、リーダーの意志に沿って動ける人で運用します。

3-3.メンバー企業間で、『Win/Win』関係が維持できているかどうか、常に観察しておきます。
『Win/Win』関係を維持できない企業が出てきた場合、メンバー企業の交代を行います。

4.連携の特徴を最大限活用するためには、何時でもその関係を解消してもよいように、準備しておくことが重要です。

対応を誤ると経営に大きな影響が出る可能性のある中小企業は、この準備を周到にしておくことが大事です。
連携相手が中堅・大手企業の場合、連携内容をあいまいにしておくと、知財情報やノウハウなどが無料で流出し、自社の開発や事業展開に大きな影響がでる可能性もあります。

連携を行うときに、以下の事項について相手側と明確に取り決めて文書化しておくことが重要です。つまり契約を結ぶ事です。

・目的
・解決すべき課題
・成果目標(売上金額や開発・商品化など)
・成果の共有の仕方(いわゆる分け前)
・費用の分担、失敗したとき或いは想定しない事態が発生した場合の対応(事業の停止やそれまでに発生した費用の分担、参加企業・組織の責任の取り方など)
・連携中に発生する知財情報(特許やノウハウなど)の扱い方、
・機密保持
・スケジュールと役割分担、など

交渉や契約に時間がかかりますが、面倒だと思わずにきちんと対応する事が肝要です。

5.所定の効果が出ましたら、メンバー企業と協議し、継続するか、解散するか決めます。
継続する場合、新しい共通目標の設定とお互いの『Win/Win』関係構築が出来る事を確認して行います。

以上です。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁


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日経記事;『エルピーダ、台湾2社と共同研究 半導体製造』に関する連携のポイント [アライアンスのスキーム、成果等の共有化]

                                                2010年6月21日

皆様、おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

6月21日付の日経新聞に『エルピーダ、台湾2社と共同研究 半導体製造 最先端製造技術で』の記事が掲載されました。

主な内容は以下の通りです。

『エルピーダメモリは台湾の聯華電子(UMC)、力成科技(パワーテック・テクノロジー)の半導体大手2社と半導体の最先端製造技術で提携する。複数の半導体を積み重ねる「シリコン貫通電極(TSV)」と呼ぶ加工技術を共同で研究開発する。

半導体は従来の微細化技術が限界に近づいており、チップを垂直に積み上げる技術が研究開発の焦点になる見通し。

3社はDRAMやCPUなど、種類の異なる高性能半導体での事業展開を目指し、将来の生産委託や共同生産も視野に入れる。週内にも3社の経営トップが出席し、共同記者会見を開く見通し。。。。』


ご存知のように、半導体は競争の激しい業界で技術革新に後れを取ると、あっという間に売上、シェアを落とし、事業継続が出来なくなる可能性があります。

このような業界では、常に先行投資して最新の技術や生産設備を持っておく必要があります。
これを1社のみで行うには、技術力や資金力の確保などの観点から難しく、上記3社は以前から連携を組んで事業を行ってきました。

エルピーダは、この3社連携に言わば、「企業生命」をかけていると考えています。

このように、連携が自社の経営に大きな影響を与える可能性がある場合、それを行うには大胆さと細心の注意が必要です。
以下、実施上の注意点を書き出しました。


1.連携の成果を最大化するために、目的・効果を常に客観的な数値やデータで確認しておく。
2.3社連携の維持には、3社間で「Win/Win/Win」の維持が必要であり、他社の状況を常にウオッチする。
3.維持の継続に影響がありそうな事態や状況が見えた場合、直ちに情報交換を行い、3社間で透明性を維持して意志疎通を図り、解決する。
4.連携は、トップダウンで行い、必要な意思決定は迅速に行う。台湾メーカーは意思決定が早く、日本流の稟議を重ねて行うやり方は通用しません。
5.トップダウンの意志決定ができるように、社内では連携に関する情報を共有化しておく。
6.トップだけでなく、中間管理職や実務担当クラスでも他社との間で情報共有を行い、3社間の共有化を促進しておく。
7.エルピーダが連携の引っ張り役である場合、当該企業の社員は上記1から6項の事を常に意識して業務を行う。
8.当然のことながら、3社連携を合理的に行うため、覚書や機密保持契約などの必要な契約は結んでおき、当該連携の維持や、終了する場合のスキームを明確化しておく。
9.コミュニケーションは、メール、電話、会議等を通じて行う。何れの場合も議事録やメモを残しておき全関係者が共有するだけでなく、後で必要な時に見直しできるようにしておく。
⇒これを徹底的に行う事により、「言った、言わない」的な不毛な議論を避けれるだけでなく、意見の相違があった場合、客観的な討議・確認が可能になる。など


よろしくお願いたします。
以上、

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁


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連携;アライアンスは、目的、役割や責任など取り決めてから進むべし! [アライアンスのスキーム、成果等の共有化]

                         2010年5月10日

皆様、

おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

本日の日経新聞に『横浜「開国博」後始末が難航 』の記事が掲載されていました。
Web版の場合、http://bit.ly/dASArt に掲載。

私も横浜市民なので、昨年開催された開国博に参加しました。
しかし、多くのイベントが有料であったが、お金を出しても参加したいイベントが少なかったため、楽しく過ごせたという記憶が薄かった、と言うのが率直な印象です。

前市長の中田さんが旗を振って、それなりの税金も使ったイベントなのに何とも残念でありました。
そこに、この後始末のごたごたの記事、横浜市民としての本音を言えば、「このごたごたの責任を当事者全てで責任を取って、赤字分を均等に分担せよ!」と言いたいのです。

本日ブログでこれを取り上げましたのは、日常行われる企業間同士の連携;アライアンス・コラボレーションや、大学と企業間の産学連携でも、似たようなことは起こりやすいからです。

どうも日本の社会で起こりがちなのは、事業連携や産学連携を行うときに、以下の事項について明確に取り決めて文書化しないで“あいまいなまま”でスタートしてしまう事です。

・目的
・解決すべき課題
・成果目標(売上金額や開発・商品化など)
・成果の共有の仕方(いわゆる分け前)
・費用の分担、失敗したとき或いは想定しない事態が発生した場合の対応(事業の停止やそれまでに発生した費用の分担、参加企業・組織の責任の取り方など)
・連携中に発生する知財情報(特許やノウハウなど)の扱い方、
・スケジュールと役割分担、など


上記の取り決めを明確に行い、かつ、連携;アライアンスというプロジェクトをきちんと行うには、へそになる機関や企業が必要なのです。
これは、私の経験からはっきり言えます。

上述しました横浜市のケースでは、横浜市などが出資する「横浜開港150周年協会」がこのへそ;司令塔の機能を果たすべきだったと考えますが、役人や企業の寄り合い所帯組織であったため、この機能が果たせなかったようです。
実業経験のない役人は、司令塔の役割は出来ません。これは事業経験のある民間人が行うべきです。


連携;アライアンスのプロジェクトを行うときには、司令塔となる機関や企業が上記の取り決めを契約の形
で取り交わし、プロジェクトをスケジュール通りに推進する進捗管理を行う必要があります。
また、プロジェクト途中で想定外の事態が発生した場合、迅速に全関係者で協議して対応を決める事が必要です。

寄り合い所帯で何も決められない事が見えたら、事務局を設置してそこにリーダーシップを発揮できる人たちをおいて、プロジェクト構築及び運営の権限を与えた方が良いと考えます。

そんな思いがした、記事でした。

よろしくお願いいたします。
以上、
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁


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