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ファストリに見る事業撤退と事業強化の対応の仕方:集中と選択 [事業撤退に関する課題と対応]

                                               2010年7月23日

皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

7月22日付の日経新聞に、『ファストリ、婦人服店部分撤退を発表 200店を転換・閉鎖 特別損失30億円を計上へ』のタイトルで記事が掲載されました。

主な内容は、以下の通りです。

『ファストリテイリングはキャビンの急成長は難しいとみて、撤退を決めた。

ファーストリテイリングは22日、婦人服専門店運営子会社、キャビンの事業を整理すると正式発表した。同じくファストリ子会社で高価格の婦人服や紳士服のブランド事業を展開するリンク・セオリー・ジャパンが9月1日に吸収合併。キャビン運営の「ザジ」などのブランドは来年初頭をメドに休止する。この事業整理に伴い、10年8月期連結決算で約30億円の特別損失を計上する。

ファストリはキャビンの買収に約300億円を投じており、買収後に撤退する事業としては最大規模になる。

キャビンは「ザジ」「アンラシーネ」などの店舗名で主にショッピングセンターに出店している。ファストリは婦人服強化を狙い、キャビンに06年に出資、07年に完全子会社化。買収時に約200億円だった年商の1000億円への拡大を目標に新型店開発などを進めてきた。』

だが業績は好転せず、店舗数や売上高は現在も買収時と同規模にとどまっているもよう。ファストリは事業を継続しても構想通りに成長させるのは難しいと判断。今後は人員や資金をユニクロのアジアなど海外出店加速に集中する。。。。』

ファストリは、過去においても、キャビン以外にも04~05年に婦人服アパレル「ナショナルスタンダード」、靴専門店「ワンゾーン」などを相次いで買収したが収益を好転させられず、事実上撤退しています。

ファストリは、国内のアパレル業界で殆ど唯一と言ってよいほど、積極的な世界展開を行っており、将来は数兆円の売上確保を目標としています。

売上拡大は、扱いブランド品と店舗数の増加で実現する考えです。
ブランド品の確保は、M&Aで対応してきました。

これは、推測ですが、M&Aを実行する時に、費用対効果を計算し、数年後の売上目標を立て、その実現に向けて人材を投入していると考えます。
同時に、売上目標を達成できない場合、売却や撤退のシナリオも持っていると考えます。

売上目標を達成できない場合、買収に要した投資を回収できませんので、見切りは早めに付けた方が損失は少なくてすみます。

他の企業では、この『損切り』がなかなか出来ません。
損失の計上になる事と、将来好転するかもしれないとの淡い期待があるためです。
多くの場合、具体策は持っていないケースが多いようです。

この点、ファストリのやり方は単純明快です。

買収、売却、撤退を決める物差しがあるのでしょう。
同時に、柳井さんの決断力が大きいと思います。

M&Aや集中と選択を日常業務的に行っていくと、ノウハウが蓄積され、合理的な物差しの確立と、迅速な決定がより容易に行われるようになります。リーダーシップの発揮は当然のごとく必要です。

この事により、欧米の世界企業と同じかより早いスピードで事業展開できるようになります。

同じ日の日経新聞に、『ファストリ、高価格ブランド強化 「セオリー」中国店舗を倍増』の記事が掲載されました。撤退と同時に拡大を行っています。

M&Aを活用して、集中と選択を繰り返しているファストリの今後の動きを注視したいと思います。
ベンチャー・中小企業にとっても、M&Aや集中と選択を行う際の参考になります。

よろしくお願いいたします。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁

 


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事業撤退についての考察 [事業撤退に関する課題と対応]

                       2010年5月3日

皆様、

こんにちは。グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

日経ビジネス2010年4月26日号は、特集記事として「勝つための撤退 」を組んでいます。まず目につくのは、マクドナルド400店閉鎖の記事でした。
現在、採算が取れている店も閉鎖対象としたとの事です。

私も事業撤退を経験しておりますので、その時の痛みと共に、慎重かつ大胆に、及びしょうしょう強引に推進したことを思い出しました。

事業撤退を行った理由と目的は、採算割れをした事業をストップし、その経営資源を新規事業に振り向けることでした。いわゆる、「集中と選択」です。

勝つための撤退とは、単に赤字事業を止めるだけでなく、経営資源を集中して新規事業の立ち上げや他の既存事業の強化に活用することだと考えます。

これを確実に行うためには、トップのぶれない明確な意志と戦略が必要であり、私の経験で申しますと、トップダウンで動かないと失敗する確率がとても高くなると思います。

また、撤退は明確なスケジュールと行動計画を作って一丸となって、所定の期間内に終了させる必要があります。撤退は、当然のごとく、顧客や取引先に大きな影響を与えますし、社内の当事者たちは今後のことに不安を持ったりしますので、組織のモチベーションも下がることが多いのが実情です。

これらのネガティブな事を最小限にして、今後の新規展開に結びつけるためには、撤退を予定通りに進捗させて、終了する必要があります。

これを実現するためには、上述したトップのぶれない意志と共に、このプロジェクトを直実に行うプロジェクトチームの発足です。特に、プロジェクトリーダーの役割は重要です。


以前に、事業撤退についてのブログ記事を書きました。
本ブログで、「事業撤退シナリオの実行」名でシリーズ化して書いています。ブログのカテゴリー名は、[事業撤退に関する課題と対応]になります。


上記ポイントの詳細は、上述しましたブログ記事をお読みください。


なお、事業撤退については、しょうしょう古い記事になりますが、月刊誌に特集記事が組まれ、私の執筆記事が掲載されました。

月刊誌とタイトル、及び、内容は以下の通りです。

◆発行会社:宣伝会議 
◆誌名:広報・IRの専門雑誌「PRIR(プリール)」2008年6月号(5月1日発売)

特集記事「特集1:事業撤退をマイナス情報にしない!引き際の広報」 で掲載されました記事;(タイトル名)“引き際の広報その流儀”の中で“case.2 大手機器メーカーで事業撤退を経験 カギは、情報管理の徹底”にインタービュー記事が掲載されています。

URL;http://www.sendenkaigi.com/hanbai/magazine/kouhoukaigi/index_0806.html

この特集記事についてご興味のある方は、上記Webサイトからバックナンバーを購入できますのでご覧いただければ幸いです。

 

グローバル・ビジネスマッチング・アドザイザー 山本 雅暁


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事業撤退シナリオの実行ーその10;顧客・販売代理店などへの周知・徹底-4 [事業撤退に関する課題と対応]

2007年9月24日

こんにちは。

本日は、代替製品の販売活動の開始 について述べます。
“事業撤退シナリオの実行”に関する記事は、今回が最後になります。

代替製品を販売する前にきちんとやっておく必要のあることは、今まで販売していた自社製品と、今後販売する他社製品の機能・性能面での違いをきちんと確認し、例えばリストアップしておくことです。

これは、自社の営業担当に周知徹底をきちんと行い、顧客から質問が出されたときに必要且つ充分な説明が出来るようにしておくためです。

多少の機能や性能などの違いはあっても、代替製品が新しい“自社製品”として前製品に遜色のないものであることを、営業担当にしっかりと理解してもらい、顧客にアピールしてもらうことが肝要です。

先ず、自社の営業担当にきちんと理解してもらっておかないと、お客からの質問に対して説明できませんし、信頼も勝ち取れません。

代替製品は、今まで売っていた自社製品と異なりますので、価格、機能、性能は当然異なります。

これらの違いをきちんと把握して、明確に顧客に説明できてこそ、今後の商売も継続できるわけです。

また、お客がその違いをきちんと理解し、納得してもらうためには、代替製品のカタログの中に、今までの自社製品との違いを説明し、且つ、代替製品の良さを明確に打ち出すことも必要です。

それから、代替製品の導入キャンペーン、例えば、新商品展覧会などのイベントを行って、今後代替製品を自社製品としてきちんと責任を持って売っていきますよという、打ち出しも行った方が良いと考えます。

今回の事例では、代替製品は最低限3年間は売り続けることにしてありますので、上述しましたように、アフターサービスも含めて、当社はこの新しい“自社製品”をきちんと売っていくことを顧客にアピールすることが何より必要です。

今回はここまでとします。

今回の記事について、ご関心或いはご質問がある方は、私まで下記アドレスにeメールにてご連絡下さい。

 bzsupmy@nna.so-net.ne.jp
(迷惑メール防止のために全角の@を使っていますが、メールを私宛に送られる場合は、半角の@を使用して下さい。ご不便をおかけしますが、ご理解願います。)

私は、すぐにはご回答出来ない場合もありますが、24時間以内にはご連絡します。

よろしく御願いします。

以上、


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事業撤退シナリオの実行ーその9;顧客・販売代理店などへの周知・徹底-3 [事業撤退に関する課題と対応]

           2007年8月27日

おはようございます。

本日は、自社製品の最終生産時期・生産台数・サービス内容の顧客・販売代理店などへの連絡と実施について説明します。

今までご説明して来ましたとおり、顧客、販売代理店への自社製品の撤退と代替商品の扱いについて充分に説明し、理解が得られたと仮定します。

自社製品の最終生産時期は、上記顧客や販売代理店への充分な理解と、彼らの事業に影響が出ない時間を見計らって決めます。

これは、自社ビジネスへのネガティブな影響を最小限にして、今後のビジネス展開への影響を避けるために必要なことです。

顧客、販売代理店への最終生産時期の連絡は、可能であれば出来るだけその実施前に行った方が基本的に喜ばれます。
これは、出来るだけ早期に連絡することにより、顧客、販売代理店は、自社製品から代替製品への切り替えについて充分な対応が出来、彼らの自社への信頼を維持・強化することにもつながります。

例えば、6ヶ月から1年前に顧客、販売代理店に対して最終生産を伝えて、ラストバイ(最終購買)の検討を依頼します。

顧客、販売代理店は、在庫状況や今後の需要動向を読んで、最終オーダーを入れて来てくれます。

特に販売代理店に対しては、彼らのビジネスに影響が出ないよう、十分な配慮を行います。
例えば、販売代理店からの最終オーダーが、自社の生産キャパシティを大幅に超えても、可能な限り生産対応を行い、代理店からのオーダーに応えるようにします。

この気配りを密に行えば行うほど、販売代理店からの信頼度は高くなります。

従って、最終生産台数については、基本的に制約を設けず、たとえ、一時的に生産キャパシティを超えて、バックオーダー状況になったとしても、オーダー分はきちんと生産すべきと考えます。

オーダーリードタイムが、2から3ヶ月だとすると、通常は、最低限その2倍か3倍の長さの期間をおいて、最終生産品のラストバイを受け付けたほうが良いと考えます。

さて、最終的にきちんと顧客、販売代理店に説明しなければならないのは、撤退製品のサービス内容です。

いわゆる、当該製品の補修やサービス用部品の供給は、撤退後何時まで継続して行うかを明確なメッセージで伝える必要があります。

例えば、当該製品の生産、販売を継続して行っている場合のサービス期間が、顧客への販売後5年間だったとします。

この5年は、最終生産品にも適用されることを明言し、且つ、その通りに実行します。
このサービスをきちんと行う姿勢を明確化し、実行することは、顧客の信頼維持に大きく貢献することは、間違いない事実です。

逆に、このことをきちんと行わない企業は、顧客、販売代理店の信頼を失い、最悪の場合、市場自体からの撤退を余儀なくされます。

さて、これで、自社製品の最終生産やサービスの顧客、販売代理店への事前説明と必要な対応は終わります。

次に、いよいよ、代替製品の販売活動を開始します。

このことは、次回の記事で説明します。

今回はここまでとします。

今回の記事について、ご関心或いはご質問がある方は、私まで下記アドレスにeメールにてご連絡下さい。

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事業撤退シナリオの実行ーその8;顧客・販売代理店などへの周知・徹底-2 [事業撤退に関する課題と対応]

                                                2007年8月12日

こんにちは。
暑い日が続いています。体調を崩さないよう、充分な睡眠の確保などを行ってお互いに頑張ってこの夏を乗り越えましょう。

前回(7月22日)の記事以来、夏休みをとった為もありましてちょっと間が空きました。

今回も首記記事について述べさせて頂きます。

前回の記事では、顧客・代理店に自社製品の撤退と代替品の扱いについての説明で注意すべきポイントを述べました。

今回、更に注意すべきポイントについて述べます。
前回の記事では、顧客の信頼獲得のポイントを主に述べました。

今回は、続いて販売代理店の信頼獲得の観点から説明します。

代替品をスムースに売っていくためには、販売代理店が今までの自社製品と同様に扱ってくれるようにする事が大事な事になります。

販売代理店の観点からは、代替品の扱いやすさやマージン体系(料率)が自社製品と同じであることが今までと同様に販売できるかどうかのポイントになります。

代替品の扱いやすさとは、オーダーの方法、オーダーから出荷までの期間(オーダーリードタイム)、顧客への出荷手順・方法、オーダーキャンセルの扱い方法などになります。

基本的に販売代理店は、マージン体系を含めて自社製品と代替製品の扱いは同じであることを望みますので、代替品のOEM契約の内容は当該要求事項を可能な限り盛り込むようにする必要があります。

当然、相手先との交渉結果では、同じ扱い条件を引き出すことが難しい場合もあります。

この場合には、自社製品と代替品の扱い条件の違いをきちんと販売代理店に説明して、彼らの充分な理解と同意を取っておくことが必要です。

顧客や販売代理店にとって、自社製品から代替品に変わることはメーカー都合によるものですから、充分な理解を得ないで代替品に切り替えると、顧客や販売ルートなどの事業基盤を失うリスクもあります。

充分に注意して準備・対応する必要があります。

次回は、自社製品の最終生産時期・生産台数・サービス内容の顧客・販売代理店などへの連絡と実施について説明します。

今回はここまでとします。

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事業撤退シナリオの実行ーその7;顧客・販売代理店などへの周知・徹底-1 [事業撤退に関する課題と対応]

                                              2007年7月22日

前回まで、OEM契約締結の課題と対応について説明してきました。
このOEM契約について長期間説明してきましたので、ここで本稿のおさらいをしておきたいと思います。


本稿は、自社が事業撤退する時の課題と対応について、説明しています。

2007年3月10日の記事についてレビューします。

この日の記事では、事業撤退する時の手順について、以下のように書きました。

(1)穴埋め;代替製品の決定
(2)代替製品のメーカーとの売買契約締結
(3)顧客・販売代理店などへの周知・徹底
(4)自社製品の最終生産時期・生産台数・サービス内容の顧客・販売代理店などへの連絡と実施
(5)代替製品の販売活動の開始

OEM契約は、上述します(2)の手順になります。

OEM契約締結後の次の手順は、(3)顧客・販売代理店などへの周知・徹底 になります。

顧客への説明ポイントは、自社は自社設計商品の供給を停止しても、顧客からの信頼感を如何に維持してもらうかにあります。

ポイントは、以下のようになると考えます。

◆自社は、自社設計商品の供給を停止する理由と今後の当該事業への対応方針の明確な説明
⇒今回のケースでは、自社の経営上の判断から、集中と選択を行うため、自社設計商品の供給を停止する、としてあります。

この観点から顧客への説明ポイントを述べます。

1)自社設計商品の集中と選択を行う必要がある背景(キャッシュフローの確保、次世代商品の開発・設計のリソースの確保など)

2)自社設計商品の供給を停止しても、当該事業についてはきちんと継続していく経営方針

3)自社設計商品の供給停止に伴う当該商品の扱い方針(上記(4)にて詳細説明を行う)

4)後継商品の説明
⇒後継商品は、他社から自社ブランド商品としてOEM供給してもらうこと、このOEM商品の性能、仕様、品質は自社ブランドを付けるのにふさわしく、後継商品として全く問題ないことをきちんと顧客に理解してもらうように説明することが必要です。

理想的なのは、自社設計商品と同じように、相手先に開発・設計を委託した商品をOEM供給してもらうことです。
しかし、今回のケースでは、集中と選択の結果として、自社設計商品と機能、性能で類似した商品を相手先からOEM供給してもらうと、仮定しています。

この場合、顧客には、当該OEM商品をきちんと理解してもらい、自社設計商品の基本的な性能、仕様などは、売値を含めて置き換え可能なものであることをきちんと理解してもらう必要があります。

この点について、顧客だけでなく販売代理店にもきちんと理解してももらう必要がありますので、次回に詳細に説明します。


今回はここまでとします。

今回の記事について、ご関心或いはご質問がある方は、私まで下記アドレスにeメールにてご連絡下さい。

 bzsupmy@nna.so-net.ne.jp
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事業撤退シナリオの実行-その6;代替製品のメーカーとのOEM契約のポイント-その11 [事業撤退に関する課題と対応]

                                                                                   2007年7月8日

今回も、前回に引き続きOEM契約のポイントについて述べます。
OEM契約の話は、今回で最後となります。

今回は、以下の事項について説明します。

(17)終了(契約解除)条項
(18)その他雑則

先ず、(17)終了(契約解除)条項 について述べます。

この条項は、売り手と買い手の事業環境状況が契約時点と異なった場合に、必要に応じてOEM契約を終了することについて定めています。

現在のように、M&Aや事業売却などが一般的な経営手法として使われるようになってきている状況では、注意して明確化しておく必要のある条項です。

具体的には、

1)売り手、買い手とも相手方に対し、書面による終了通知を発行することにより何ら賠償を支払うことなく直ちに本契約を終了させることができる。

適用されるケースは、以下の通りである。

1-1) 他方が支払不能に陥ったり破産申請をした場合、
企業再編成或いは同様の救済が行われた場合、
他方の資産に関して管財人が任命された場合、
他方の清算処置が開始された場合。

1-2)契約、裁判所命令、その他により相手方の事業主体の全部又は主要部分が第三者に譲渡された場合。

1-3)買い手が商品代金の支払を履行せず、或いは本契約の内容に従わずその履行を要求する旨の書面の発行後60日以内に何らの対応も行わない場合。

2)前項に定めた本契約の終了は、本契約又は法令等の条項に定められた解約者にとって有効である権利及び対応に追加されるべき終了の権利を損うものではない。


(18)その他雑則 では、以下の事項について定めます。

ここでは、主な事項について説明します。


1)契約終了後の義務

買い手は、契約終了前に発注したOEM商品の引き取り義務があるか、或いは、キャンセルできる権利を有するか、などについて規定します。

その他、保証、請求、工業所有権、商標、秘密厳守に関するOEM契約の規定は契約終了又は満期後も継続するものとします。

2)準拠法

OEM契約は日本国法に従い理解、解釈されるものとします。

ここでは、契約に適用される法体系を規定します。
海外企業とのOEM契約では、日本以外の国の法体系の適用が要求されることがあります。

3)不可抗力

ここでは、OEM契約規定された条項の履行(実行)が出来ない場合の免責条件について述べます。

具体的には、以下のようになります。

“本契約に於いて別途規定がなされている場合を除き、契約当事者は、本契約又は個別契約の何れかの全て又は一部の不履行が、火災、洪水、地震、ストライキ、労働紛争又はその他の産業上の混乱、支払猶予令、不可避な事件、戦争(宣告されたか否かは問わない)、禁輸措置、経済封鎖、法的制限、中央政府若しくは地方政府の行為、暴動、反乱又はその他の当事者の制御不能な事由を原因とする場合には責任を負わないものとする。”

4)仲裁

この条項は、売り手と買い手が通常の話し合いでは解決できない場合の、法的な解決手段について述べます。

具体的には、以下の表記になります。

“本契約、或いは本契約の下で実行される処理から発生する全ての論争は出来る限り迅速に、両者間で誠実に互いの協議のもと解決されるものとするが、円満に解決できない場合には、日本商事調停協会の商事調停法に従い、日本国XXXにて調停にて解決されるものとする。調停裁定は最終であり両者を拘束するものである。”


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事業撤退シナリオの実行-その6;代替製品のメーカーとのOEM契約のポイント-その10 [事業撤退に関する課題と対応]

                                                  2007年7月1日

今回も、前回に引き続き、OEM契約のことについて述べます。

今回は、(15)秘密保持 から述べます。

この項は、OEM契約自体の存在も含めて、契約締結及びその内容のうち秘密事項を第三者に公開してはいけない事を取り決めます。

具体的には、例えば、“両者とも本契約実行中に於いて契約終結及び内容を含め明らかとなった秘密事項を第三者に漏してはならない。
本契約における秘密事項とは、契約条件の全て及び商品仕様、図面、製造工程、販売期間、数量、価格、その他のマーケティング情報を含む商品に関して買い手と売り手双方が知り得た事項が対象となる。”のような表現となります。

同時に、秘密保持期間も定めておきます。

通常は、OEM契約期間プラス3年から5年を秘密保持期間としておきます。

“プラス3年から5年”の判断基準は、一般的にOEM対象商品の技術的陳腐化やOEM契約終了後として、このくらいの期間が経っていれば、秘密情報が開示されてもビジネスへの影響が少ないと考えられるためです。

当然、秘密保持期間は、OEM商品の内容や、買い手と売り手双方の考え方で決まります。


次に、(16)契約期間条項 について述べます。

契約期間も、秘密保持期間と同様に、OEM商品の内容や、買い手と売り手双方の考え方で決まります。

通常は、契約期間は3年間として、3年経過後、双方が問題なければ、自動的に1年間の自動継続を入れます。

3年間の期間が妥当かどうかは、買い手側が自社製の商品の設計/供給体制が何時ごろまでに整えられるか、売り手側が採算性や買い手側との競合状況をどう考えるかによります。

契約期間が2年では双方短いと考えるし、4年では長すぎるとの判断が働くケースが多いように思います。

自動継続をするかどうかの判断は、買い手、売り手の双方が6ヶ月か少なくとも3ヶ月前に相手方に対して更新しない旨の通知を出さない限り、自動更新されるようにします。

具体的な表現としては、“本契約は本文の最初に記された日付より有効となり、早期に解消されない限り3年間有効であり、期間終了日の6ヶ月(または、少なくとも3ヶ月前)に相手方に対して更新しない旨を通知しない限り自動的に更新され、1年間継続するものとする。”となります。


次回は、(17)終了(契約解除)条項 から説明します。


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撤退シナリオの実行-その6;代替製品のメーカーとのOEM契約のポイント-その9 [事業撤退に関する課題と対応]

                                                                                    2007年6月16日

今回も、前回に引き続き、OEM契約のことについて述べます。

今回は、(13)工業所有権 から述べます。

この項は、売り手側の知的財産(工業所有権)を守るために規定されています。

内容としましては、OEM契約に含まれる条項は、商品の特許、商標、著作権、意匠、パターン、構造等のライセンスを許諾する又は譲渡するものとして解釈されてはならない、事を規定します。

OEM契約は、売り手が買い手のブランド品を供給する契約であり、当該商品に関して売り手が持っている工業所有権は、売り手側のものとして保護され、買い手は勝手に使用できないことを述べています。

同時に、買い手側のリスクも回避できるようにしておく必要があります。

それは、第三者が商標を除く工業所有権の侵害を主張し、買い手にクレームしてきたときに、買い手は、その侵害または、侵害申立てに起因する代理人費用、法廷費用を含む賠償、損害、損失から、免責されることです。

つまり、第三者から、そのような侵害クレームが出されたときは、売り手が受けて、買い手に影響が出ないようにすることです。

この条項は、買い手も売り手も、注意深く検討し、設定すべき条項の1つです。


次の事項は、(14)商標 です。

この条項は、OEM商品につく商標を保護する条項で、買い手の権利を守ります。
具体的には、以下のようになります。

1)売り手は、買い手の指示に従って、商標を商品に記載するものとします。

2)商標やそれに関する営業権は、買い手の固有の財産であることも明記します。

このため、以下の付帯事項を明記しておきます。

・OEM契約の実施によって、売り手がそれら商標、営業権、商品の製造・販売に関する権利を取得するものではない。
・売り手は、OEM契約の期間終了やその他理由による契約終了に伴って、賠償無しで商標の使用を中止し、その後は商標或いはそれに類するものの使用は許可されない。

3)OEM契約期間中及びそれ以後、売り手は商標登録の出願又は取得を行わず、又、売り手は買い手の権利を争わず、買い手の商標使用も妨げないことも入れます。

4)売り手が自らの名前、或いはその他の人物の名前のもと商標を登録したとしても、買い手はその登録を抹消又は譲渡させる権利を有するものとします。

 

次は、(15)秘密保持 から説明します。


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撤退シナリオの実行-その6;代替製品のメーカーとのOEM契約のポイント-その8 [事業撤退に関する課題と対応]

                                                                                       2007年6月7日

今回も、前回に引き続き、OEM契約のことについて述べます。

今回は、(12)クレーム(請求) から述べます。

クレーム(請求)とは、商品が買い手についてから、注文どおりに届いているかを確認して、問題がある場合売り手に連絡して、良品交換などを請求できる権利です。

この条項も大事であり、OEM契約の中できちんと抑えておく必要のあるものです。

具体的には、以下のような表記になります。

“買い手は、商品が最終納入地に到着してから30日以内に、商品の数量、モデル番号及び外側梱包に関するクレームを書面(メール、Faxなど)にて売り手に連絡する。”

また、買い手は上述した事項以外の件についても30日以降に発見した場合、売り手にクレームできることを表記しておいたほうが良いです。
例えば、“上記期間以後であっても、上記事項以外の件に関しては、買い手は売り手に商品について、その他クレームを連絡してもよい。”とします。

もう1つ、返品などの費用負担も明確化しておく必要があります。
以下のような表記になります。

“買い手は欠陥とみなされる商品を売り手の費用で返送するものとする。
売り手は即座に欠陥商品を良品と交換し、買い手側にて発生した損害及び検査費用、作業労賃、交換費用、返送費用などを支払う。”


次の事項は、(13)工業所有権 です。この事項は、第三者から特許侵害などのクレームがあった場合の処置についても触れますので、次回の記事でしっかりと説明します。ご期待下さい。

 
今回の記事について、ご関心或いはご質問がある方は、私まで下記アドレスにeメールにてご連絡下さい。

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